とるなら~写真道楽道中記~

「撮るなら…ここだ!こうだ!これだ!」を探し求めてカメラ片手に写真・機材道楽の備忘録

【評価・作例】ニコンのバーゲンプライス『AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR』

   

更新履歴

  • 2016.8.1:全体的にページを改定

紹介:純正超望遠がこの価格

外装・機能性

外装

高品質な素材で構成されおり、三脚座を含めて2300gと超望遠の一般的な重量だがとてもコンパクト。そのため、長時間の手持ち撮影でも簡単に保持する事が出来る。手ぶれ補正の効き目が強いのも一役買っている。

携行性が良いので、ガンガン使える遠征用としても便利。ズーミングで鏡筒が伸びるものの、ガタつきは感じられない。ロック機構がある上に固めのフォーカスリングなので、自重で伸びることもない。

ズームリングの回転量が多く動く、広角端から望遠端にストロークさせる際にクイックな操作が出来ないのはややマイナス。

注意点は広角端が200mmと長いので、シーンによっては近すぎる場合も多い。特にDX フォーマット機で使う際は長さを考えてレンズをチョイスする必要がありそうだ。

機能性

手ぶれ補正 VR II

VR IIは従来の手ぶれ補正と比べて、カメラの電源を入れた直後からファインダー像が安定するので、ブレを抑えた撮影が可能。

SPORTモード

そして、4.5段分の効き目を持つ手ぶれ補正は「SPORTモード」を搭載。「止まる」「動く」を激しく繰り返す、スポーツ等の被写体を追従するときにファインダー像のブレを抑えて安定させることが出来る。露光前センタリングを行わないので、高速連続撮影時のファインダー像の安定にも寄与。

AF

上位の高級レンズと比べると差は感じられるものの、十分に実用範囲にある。ただし、激しく不規則な動きをするスポーツなどではやや不満があるかもしれない。AFの精度はとても良好。

電磁絞り Eタイプ

最新レンズで実装されている電磁絞りが採用された「Eタイプ」のレンズ。

従来のボディから機械的な駆動を行うのではなく、電気信号でレンズ内の電磁絞り機構を制御する。この為、高精度な絞り制御が可能となり高速連続撮影時における露出の安定性が向上している。

テレコンバージョンレンズに対応

F8対応のカメラなら、AF-S TELECONVERTER TC-14 IIIを装着する事で700mmに焦点距離を拡大できる上に、AFが可能。

描写

解像力

ズームレンジ全域で安定した描写性能を誇っている。望遠端は広角端に比べると描写が甘くなるものの、絞り開放からフレーム全域で良好な解像力を発揮。

光学倍率を控えめにしている恩恵か描写性能は良好で、周辺部が気になる中間域でも絞ることでシャープさが立ち上がる。

描写のピーク

F8~F16の間で解像力が高まり、どのレンジでもF11まで絞る事で中央・周辺部ともにピークを迎える。

色収差

色収差を効果的に抑えるEDレンズを3枚採用しているので、解像力と同じくズームレンジ全域でフレーム全体が均一な性能を発揮。望遠端の絞り開放からしっかり使っていける性能を持っている。

とても良く抑えられているので、問題にすることはあまり無いだろう。

歪曲

全体的に糸巻き型の歪曲がみられるものの、その度合いは小さいものなので多くの被写体で問題無く撮影できる。

逆光耐性

上位レンズと違いナノクリスタルコートは採用されていないものの、レンズフレアの無い鮮明な描写を楽しめる。逆光耐性は良好でフレアやゴーストに悩まされる事も少ない。

総評

調べて頂くとわかると思うが、純正のニッコールレンズで焦点距離が500mm以上のレンズはかなり高い。と言うのも明るいレンズだったり、光学倍率高かったりと高くなる理由がある。このレンズは200-500mmの焦点距離をF5.6通しのF値を維持しながら実売価格が20万円を切る価格で発売を開始した稀なレンズだ。キヤノン純正では500mmを備えている10万円台のレンズは存在しない事を考えると、選択肢があるニコンは羨ましい。

上位レンズと比べると、ナノクリスタルコートやスーパーEDとレンズは無く、化粧もチープで「廉価版」と言えばそう言えてしまう。しかし、写りはそこまで 酷 いものではなく寧ろ良いと言う意見も。レビューを見ていても「価格なり」と言うネガティブなオススメ方ではなく、十分に満足しているユーザーが多い。

競合レンズと比べて

シグマ150-600タムロン150-600に比べると、そりゃあまだお高いが「純正」という安心感と「ニッコールレンズがいいのじゃあ!」って信念を貫くにはそう高く無いお値段だと思う。AF制度や手ぶれ補正の信頼度はやはり高い。

やや古いレンズだがシグマの50-500mmは標準域から500mmまでと、幅広いズームレンジをカバーしている。絞ると50-500mmもしっかり解像するが、同条件の場合は200-500mmの方が描写のバランスは良い。また、テレ端がやや暗い。

参考サイト

購入早見表

楽天市場 Amazon カメラのキタムラ
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR 新品・中古情報
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レンズキャップ95mm LC-95 新品・中古情報
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バヨネットフード HB-71 新品・中古情報
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レンズケース CL-1434 新品・中古情報
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レビューサイトの評価まとめ

デジカメWatch 高橋 学 氏のレビュー

オススメポイント
  • モータースポーツ系にVRモード「SPORT」は良好
  • Z軸方向の動体追従は良好
  • 繰り出し式のズームなものの、剛性がありしっかりしている
  • 収納性が高く、飛行機など旅行に携行しやすい
気になるポイント
  • 三脚座の作りが甘く、固定しているつもりだったがズレが発生した。
  • ズーム回転角が大きく、クイックな画角の変更が難しい
  • 画質はボディに依存するところも大きいとして言及していない
  • Eタイプの為、ボディのファームウェアアップデートが必要な場合も多い

組み合わせたボディがハイエンドモデルの「D5」や「D810」なので、AF性能についてはボディ性能に依るところも大きそうだ。ある程度フォーカスレンジが決まっているのであれば、レンジリミッターを積極的に活用していきたいところ。

また、望遠端ではFX機とDX機で画角の変化が大きく、高橋氏の現場ではFX機の方が使いやすかったらしい。

海外レビューサイト抄訳

ePHOTOzine

  • やや重いが小型に作られているので、手持ち撮影でも長時間可能だ。
  • ズーム・フォーカスリング共に滑らかな動きをする。ズームリングに関してはロックスイッチが搭載されている。但し、広角端での固定のみとして機能する。
  • 最短撮影距離は2.2mとなっており、この手レンズとしては寄れる方だ。インナーフォーカスを採用しているので、鏡筒は伸びない。ズームでは鏡筒が伸びるものの、バランスは悪くない。
  • 逆光耐性は良好でコントラスト低下は少なく、フレアもよく抑えられている。
  • ズーム全域でのスウィートスポットはF8からF16。
  • 開放付近ではやや解像力が低下するも、とても良好な性能を維持している。
  • ボケは滑らかで美しい。玉ボケも9枚羽根による円形絞りで綺麗である。
  • 80-400mmの価格と比べると非常にリーズナブル。
  • コンパクトで手持ち撮影も可能な上に、光学性能も良好。

Imaging Resources

  • このレンズは決して小さいレンズでは無いが、焦点距離を考えると扱いやすいレンズだ。
  • 鏡筒が伸びるタイプのレンズだが、D800eとの組み合わせではバランスが取れていた(500mmに伸ばした時)
  • 他のレンズと違って、フォーカスリングがカメラ手前に配置されている。使い勝手は良好であり、これは良い判断だ。
  • 200mmから500mmまでをズームするのに180°の回転が必要とされるのでクイックな操作がし辛い。より短い回転角でズーム出来ると良かった。
  • フォーカスリングはよく回るが、やや操作が軽すぎる。
  • 三脚座は着脱可能でよくデザインされている。強度は200-500mmを支えるだけの強度を持っている。
  • レンズフードは大きく、その役割を十分に果たしている。搬送時はフードを逆さ付けする事が出来る。
  • ズームリングを200mmで固定する事が出来、搬送時にレンズが伸びない。
  • AFは全ての焦点距離において高速で作動する。さらに正確で信頼出来るパフォーマンスを発揮する。
  • 動きの速い被写体を撮影するには必ずしも理想的なF値では無いが、200-400mmF4は本レンズより大きく、重く、より高価である。変動F値の80-400mmでも本レンズより高価である。
  • 開放F値がF5.6であると言う事は、最新の一眼レフカメラではあまり考慮する問題では無い。高感度性能が良い為だ。
  • テレコンバージョンレンズを使用する場合、あまりAFは早くない。F8でAFを使うためにはx1.4で可能だが、それ以上のコンバージョンレンズの場合はマニュアルフォーカスの必要性がある。大部分の野生生物の撮影には使えない。
  • テレコンバージョンレンズを使わない時のAF性能はとても良好だ。70-200mmF2.8G VRIIと比較した場合、70-200mmの方がやや良好だ。200-500mmは大きく劣っている訳ではない。
  • フォーカス速度は500mmでやや落ちるが、フォーカスリミッターを使ってフォーカス範囲を狭めることが出来る。
  • 手ぶれ補正モード『スポーツ』を搭載した手ぶれ補正は非常に効果的だ。特に望遠端で手振れが発生してしまうと思われるシャッタースピードでもシャープなイメージで捕捉する事が出来た。この補正効果はF5.6というやや暗いレンズの問題を補うものとなる。
  • 開放F値で撮影する場合に、端の画質がやや低下するものの野生生物を撮影する時にこれはあまり問題にならない。
  • ナノクリスタルコートは不採用だが、私が使った限りではフレアは発生しなかった。
  • このレンズはとても楽しいレンズだが、ローライトなシーンでテレコンバージョンレンズを使うには暗いレンズである事が仇となる。しかし、収納性が高く、手堅い性能のこのレンズはとても良い選択肢だ。
  • 新しい望遠ズームレンズを探しているニコンカメラマンに、このレンズを強くオススメ出来る。

レンズデータ

レンズ構成図

pic_03200-500

MTFチャート

200mm

200mm

500mm

500mm

レンズ仕様

型式 ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Sレンズ
焦点距離 200mm-500mm
最大口径比 1:5.6
レンズ構成 12群19枚(EDレンズ3枚)
画角 12°20′-5°00′(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
8°00′-3°10′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
焦点距離目盛 200、300、400、500mm
撮影距離情報 カメラへの撮影距離情報を出力可能
ズーミング ズームリングによる回転式
ピント合わせ IF(ニコン内焦)方式、
超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能
手ブレ補正 ボイスコイルモーター(VCM)によるレンズシフト方式
手ブレ補正効果:4.5段※(CIPA規格準拠)
VRモード:NORMAL/SPORT
三脚使用時ブレ補正:有り
撮影距離目盛 ∞~2.2m
最短撮影距離 2.2m(ズーム全域)
最大撮影倍率 0.22倍
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
絞り方式 電磁絞りによる自動絞り
最大絞り f/5.6
最小絞り f/32
測光方式 開放測光
フォーカス制限切り換えスイッチ FULL(∞~2.2m)と∞~6mの二段切り換え
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) 95mm(P=1.0mm)
マウントアダプターFT1適否 AF駆動可
寸法 約108mm(最大径)×267.5mm
(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量 約2300g(三脚座を含む)
約2090g(三脚座なし)

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