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EOS 6D Mark IIの高感度・ダイナミックレンジを検証する その2【実写レビュー】

   

前書きと所感

キヤノン EOS 6D Mark II

フルサイズとして期待する高感度性能を実現しつつ、他社の2400万画素機から画素数的に若干のアドバンテージを持っている。

低感度におけるシャドー側の持ち上げ耐性は海外の評価通り。+5EVほどデジタル増感すると、EOS Kiss X9と比べてもノイズがやや多い。ディテールは同等だが、カラーノイズが多いため色再現で僅かに足を引っ張るかもしれない。どのみちダイナミックレンジが広くても”ノイズフリー”と言う訳では無いのでノイズ処理するとあまり変わらない印象。

RAWとM-RAWを比べてみると高感度ノイズには差が無く、さらに低解像からくるデメリットが発生する。ただし、露出を5EVほど後処理で持ち上げた時の色再現がとても良好。

キヤノン EOS Kiss X9

高感度はキヤノンのAPS-Cセンサーと言った印象ではあるものの、シャドーの持ち上げ耐性はEOS 6D Mark IIよりも良好。このダイナミックレンジの広さから察するに、EOS 80Dなどと同様のオンチップADCを採用した新世代のイメージセンサーかもしれない。

2400万画素のデュアルピクセル CMOSセンサー+最新の画像処理エンジンであるDIGIC 7の組み合わせでは最安機。「EOS画質」としてはコストパフォーマンスが光る機種。

ただ軽いだけのカメラでは無い。EOS Kissとして、EOS APS-Cとしては最高クラスの画質。

ソニー α7 II ILCE-7M2

全体的な印象は6D Mark IIと似ているものの、ISO12800あたりからノイズ量が僅かに大きくなる。ノイズが影響して色調にも差が出ているため6D Mark IIの方が高感度でやや有利。

一方で低感度におけるシャドー側のダイナミックレンジは広い。+5EVの増感でも悪くない印象で、6D Mark IIと比べて1.5~2.0EV余裕がある。

カメラの本体価格を考慮するとかなり良好な性能。

オリンパス OM-D E-M1 Mark II

今回の比較では最もセンサーサイズが小さく、高感度やダイナミックレンジは苦戦すると予想していた。

しかし蓋を開けてみればラージセンサー相手に善戦している。特にキヤノンセンサー相手ならばフルサイズ並みのダイナミックレンジを持ち(5D Mark IVを除く)、APS-Cと同等かそれ以上の高感度ノイズ耐性を示している。小さいセンサーながら立派な画質だ。

ただし、最高感度のISO25600のみ色再現の崩れ方が他よりも大きい。ISO 12800は非常用としての選択肢となるが、ISO25600は極力避けたい設定値。

リコーイメージング PENTAX K-1

「画質」を重視するのであれば、今回使った機材の中では抜群。解像力・高感度・ダイナミックレンジ共にトップクラス。リコーイメージング・PENTAXと言うブランドに抵抗が無ければコストパフォーマンスは抜群。

他の機種では使うことが躊躇われるISO25600も実用的な画質。

高感度比較

RAWとM-RAW

RAWとM-RAWでノイズ量に目立った差は無し。むしろM-RAWは解像力が低下するのでクロップ時に粗が目立つ。

M-RAWは特にファイルサイズをコンパクトにしたい時以外はあまりメリットが無いかもしれない。

ISO6400

ISO12800

ISO25600

6D Mark II・α7 II・PENTAX K-1比較

  • ISO 6400では3機種とも似たり寄ったりの性能。画素数が多いため、K-1はリサイズによるノイズ緩和が利くので有利。
  • ISO 12800では6D Mark IIがα7 IIよりも若干有利。ただし、その差は重箱の隅を楊枝でほじくる程度のもの。K-1は明らかに実用的な画質を維持している。
  • ISO 25600は6D Mark IIとα7 IIの差が大きくなる。依然としてK-1は1段程度良好な印象。

ISO6400

ISO12800

ISO25600

6D Mark II・Kiss X9・E-M1 Mark II比較

  • ISO 6400は全体像で見るとほぼ同等。クロップすると6D Mark IIがやや有利。Kiss X9が最もノイズが目立ち、センサーサイズが小さいE-M1 Mark IIの方が良好。誤解を恐れずに言えばE-M1 Mark IIのノイズ量はKiss X9と言うよりは6D Mark II寄りの優秀な性能。
  • ISO 12800では6D Mark IIと他2機種との差が開く。超高感度域はフルサイズである6D Mark IIが明らかに有利。曇天や屋内スポーツでは実用的な性能で、続くE-M1 Mark IIのISO12800は非常用、Kiss X9のISO12800は極力避けたいレベル。
  • ISO 25600はさすがの6D Mark IIもノイズが増えるため非常用、Kiss X9とE-M1 Mark IIのISO25600は避けて通るべき感度。

ISO 6400

ISO 12800

ISO 25600

ダイナミックレンジ比較

最低感度・露出調整-3EV・デジタル増感+3EV

正直に言うと、持ち上げ時のノイズが最も少ないのはマイクロフォーサーズのE-M1 Mark II。センサーサイズは小さいですが素晴らしい画質。

とは言えクロップ無しの全体像を見ると大差はない。

最低感度・露出調整ー3EV・デジタル増感+5EV

6D Mark IIはカラーノイズが増えているため過度のシャドー持ち上げでは不利。比較してEOS Kiss X9はノイズ量が少ない。

しかし、ここでもE-M1 Mark IIが最優秀。ノイズが少ないためディテール・色再現ともに良好。

RAW・M-RAW比較

高感度ノイズでは改善が見られなかったM-RAWですが、ダイナミックレンジでは明らかにRAWと差が出ています。

特に+5EVのデジタル増感をした場合のカラーノイズが劇的に改善されている。さらに全体的なノイズ量が少ないため、解像度が低いにもかかわらずRAWとディテールの再現性に差がありません。RAWを現像後にリサイズするよりもM-RAWで編集現像した方が効果的。

シャドーを大きく持ち上げる必要性が高い局面においてM-RAWは有効と言えるでしょう。

輝度ノイズはそこまで変化しないため、最終的な使いやすさはα7 IIやK-1には劣る。ただし、EOS Kiss X9と比べる場合には明らかなアドバンテージが発生する。

露出調整ー3EV・デジタル増感+3EV

露出調整-3EV・デジタル増感+5EV

 参考(α7 II ILCE-7M2のデジタル増感+5EV)

輝度ノイズがそれなりに発生するものの、カラーノイズが少なく許容範囲内。

参考(PENTAX K-1のデジタル増感+5EV)

一見するとα7 IIの増感後とあまり変わらないように見えますが、輝度ノイズのように見えるのはE-M1 Mark II表面のシボ加工。

さらに上記のα7 IIクロップよりも2倍程度大きくクロップしている。高画素ながら良好な性能。

EOS 6D Mark IIのまとめ

高感度

競合機種と比べて特に劣っている訳でも無く、優れている訳でも無い。

フルサイズのイメージセンサーを搭載するカメラらしい高感度性能。これに加えて、JPEG出力ならば最新のDIGIC 7の画像処理エンジンの恩恵を受けると言うところがメリットでしょうか。

競合カメラに対する強みでは無いが、弱みでも無い。

ダイナミックレンジ

国内外で批判が挙がっている「6D Mark IIのダイナミックレンジ」の問題は確かに存在する。

しかしそれは「低感度で撮影し、RAW現像で+3EV以上のデジタル増感を施した場合」と言う条件付き。

正直なところ+3EV程度のシャドー持ち上げでは実写で差は体感できない。さらにM-RAWで撮影することで+5EVまでの色再現が改善。これ以上のダイナミックレンジが必要か?という印象。”画質”に影響する度合いで言えば高感度や有効画素数の方が圧倒的に大きい。

このジャンルではトップクラスのPENTAX K-1を使っていますが「ダイナミックレンジが広くて凄い!」と感じたシーンはそう多くない。実写を重ねてきましたが、6D Mark IIのダイナミックレンジでじゅうぶん実用的。

加えてダイナミックレンジが良好な機種が輝度ノイズ皆無と言う訳ではない、ノイズはしっかり現れる。そのダイナミックレンジ差によるノイズ量が気になる用途なら、そもそも6D Mark IIは眼中にないはず。

それでもダイナミックレンジにコスパを求めるのであれば、EOSシステムは諦めてNikon D7200がオススメ。なんとキヤノン随一のEOS 5D Mark IVよりもダイナミックレンジが広い。APS-C(DX)センサーのカメラながら、ダイナミックレンジ差はなんと約1EV。さらにお値段は5D Mark IVの1/3以下。レンズはDXフォーマットを使う事ができるので超お手頃。

「M-RAW」使いどころ

M-RAWが役に立つシーンは「低感度」+「輝度差が大きくシャドーを+5EVは持ち上げる」+「高解像である必要が無い」場面。このうちどれか一つでも条件に当てはまらないのであればRAWで撮った方が無難。

想定できるシチュエーションは…

  • フラッシュが使えない・届かないシーンで背景と被写体の輝度差が大きい(建築物やイベント、観光地など)
  • 晴天時の屋外スポーツ
  • 晴天時の野生動物
  • 2600万画素も必要が無い晴天時の風景撮影
  • 周辺減光が強烈なレンズをデジタル補正する場合

と言った感じでしょうか。

個人的には+5EVも増感するようなシーンはそこまで多くない、いや滅多に無い。+3EVもあれば十分。

面白い発見でしたが、M-RAWはそこまで積極的に使わないかも。

追記:お詫びと比較画像の追加

なんとカラーノイズ低減処理が僅かだがオンになっていた!

ちょっとでもオンにすると細かいカラーノイズは吹き飛ぶのでうっかりミスをやらかしていた。全てのRAW出力時に適用していたので、上で掲載した画像に適用度合の差はありません。

とは言え「やっぱりトコトン生が良いよね」というちょっとエッチな方の為にノイズリダクションを全てオフにした画像を掲載。

高感度比較

M-RAWにするとカラーノイズの低減効果はデジタル増感をしなくても効果があるみたいですね。輝度ノイズはそこまで差は無い。

超高感度 M-RAW比較

M-RAWで撮影すると高感度のカラーノイズが若干改善する。

ただし、M-RAW改善するカラーノイズはソフトウウェアを使ったRAW現像時に補正可能。シャドー持ち上げ時ほど恩恵は大きくありません。

色再現に大きな違いはありませんが、若干だが黒の締まりが良い。「非常用にM-RAWでISO感度40000(拡張感度Hi)もありかな」と感じる。

ダイナミックレンジ比較:全体像とクロップ画像

こうやって比較すると、6D Mark IIのM-RAWはKiss X9ほどノイズが少ないと言う訳では無い。しかし何故か全体の色再現が良好であり、特に黒が引き締まっている。極端に露出を持ち上げる時はM-RAWが有効であることに変わりは無さそうです。

拡大画像

参考画像

上記の中央拡大と同程度の解像度でクロップしたもの。ISO感度100の写真でフラットなシャドウをデジタル増感で+5EV持ち上げている。

α7 IIとK-1はカラーノイズ適用前よりも差がついた印象。

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