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オリンパスのプロキャプチャーモードを使ってみよう!

シャッターチャンスに強いプロキャプチャーモード

プロキャプチャモードとは?

パナソニックの「4Kフォトモード」やニコンの「ベストモーメントキャプチャ」と同じようにシャッターを全押しする前から撮影を開始し、不意に訪れるシャッターチャンスへのタイムラグを緩和してくれる機能。

言ってしまえば落雷も簡単に撮れるようになる(待ち構えておく根気は必要)機能であり、これは従来の撮影スタイル(シャッターチャンスにシャッターボタンを押す)ではまず撮影が出来ない被写体ですね。

さらに4Kフォトと違い、RAW形式で出力出来る上に、ベストモーメントキャプチャよりも高画質(Nikon 1の1型センサーよりも大きいマイクロフォーサーズ規格であるため)に撮影可能。

非常に便利なモードですが、色々と制限がある。一通りの項目を以下に列挙、基本的にE-M1 Mark IIのプロキャプチャーモードに関する記述です。

  • 現在このモードが使えるのはOM-D E-M1 Mark IIとTough TG-5のみ。(2017年6月現在)
  • プロキャプチャーモード H…基本的に静音連写Hモードなので最速60コマ秒で連写可能。連写中はレックビュー(撮影した画像を次々と表示する)。S-AFでピントは1枚目固定なので撮影距離に変化が少ない被写体に有効。2000万画素でRAW形式出力が出来る、類を見ない連写性能。
  • プロキャプチャーモード L…基本的に静音連写Lモードなので最速18コマ秒で連写可能。連写中はライブビュー表示。C-AFやTR可能。撮影距離が変化する被写体に有効。
  • モード中はシャッター速度に低速制限が発生…コマ速を下回るシャッタースピードには設定できなくなります。例えばコマ速18fpsの場合にはSS1/20未満には設定不可、コマ速60fpsの場合にはSS1/60未満は不可。
  • フラッシュ禁止
  • 開放F値?F8の絞り値制限…プロキャプチャー Lの場合。Hだと制限なし
  • オリンパス製マイクロフォーサーズ限定機能…つまりLEICA DG 100-400mmなどでは使用不可。なぜだオリンパス!?
  • プリ連写は最大14コマまで…バッファの問題でしょうか、ちょっと少ない気がする。後述しますが、コマ速18fpsの場合には全押しまで1秒のラグも許されず、コマ速60fpsに至っては0.14秒しか余裕が無い。
  • WiFi接続中は不可
  • 半押しの持続時間は1分、超過する場合には再度半押し
  • 大きな動きによる歪みや人工光源の影響をうける…電子シャッターによる一般的な影響。とは言え、歪みはかなり抑えられてる。ちらつきは場合によって厳しい。
  • 連写中のブラックアウトやシャッター音はなし
  • 撮影中に電池が警告点滅するとカードに記録を始める
  • ISO 8000以上の場合にはコマ速30秒までに制限

使い方

  1. ドライブモードを呼び出す(カメラによって異なる)
  2. プロキャプチャモード(L or H)を選択
  3. シャッター半押しで撮影開始
  4. 全押しでカードへの記録開始

使い方は単純明快。

特に連写枚数や速度にこだわりが無ければ初期設定でOK。画像データの出力形式は任意で設定可能、RAWでもJPEGでもRAW+JPEGでも可。アートフィルターやカラークリエイター、諧調も使えちゃったりする。

問題はプロキャプチャーの設定を変える場合。

プロキャプチャーモードの設定方法

47ページと115ページにちらっと書いてありますが、新機能の割に説明が不親切すぎて「なんのこっちゃ?」となるかもしれません。

まずはメニューを開いてカスタム項目「C1」を選択します。

連写L・連写Hの項目内にそれぞれ「ProCap」の項目があるのでそれを選択。

LとHでそれぞれ微調整できるのはオリンパスの良心。もちろん、この設定はカスタムモード(モードダイヤルのユーザー設定モード)に記録される。カスタムモードへ登録前に調整してしまうのが良し。

「ProCap」を選択するとヘルプ表示のない極めて不親切な設定画面が表示される。

  • 連写速度…読んで字のごとく連写速度。調整方法は通常連写と一緒だが、連写速度は「L」で10?18fps、「H」で15?60fpsに制限される。
  • プリ連写枚数…半押しから全押しまでの連写枚数。最大で14枚まで。下記の枚数リミッターによる制限を受ける。
  • 枚数リミッター…プリ連写枚数とその後の連写枚数の総数を制限する項目。

プロキャプチャーモードは「プリ連写」+「通常連写」の複合モードである

プロキャプチャーモードは半押し?全押しまでの間を撮影するだけでは無く、全押し後にそのまま連写が続くモードだったりする。よって枚数リミッターの制限を掛けていない場合、下のバーの右側に「∞」の文字が表示されている。この状態で撮影すると、半押し中の「プリ連写」を撮影後に間髪置かずに通常連写に入ることが可能。

その一方でプリ連写枚数を10枚、リミッターを10枚に設定すると上の写真のような状況となる。

要するに「プリ連写10枚:全押し後連写0枚」と言うこと。

被写体の動きを予測し、シャッターチャンス前にボタンを全押ししてしまった場合にはチャンスを撮り逃がしてしまう。

全押し前後の枚数を揃えたいのであれば、「プリ連写枚数」は「リミッター枚数」の半分に設定すると丁度5:5となる。

例えば上記のように「プリ連写14枚(最大)」「リミッター28枚」と設定する。

リミッターは99枚まで設定可能。

プリ連写枚数はなんと0枚から設定可能。0枚にするともちろん通常連写となんら変わりないのでオススメしません。

この設定枚数はプロキャプチャーモードがLだろうがHだろうが変化しない。

「シャッターチャンス」?「全押し」までの時間を伸ばすには

(1秒÷連写速度)×プリ連写枚数=プリ連写時間。「プリ連写枚数」の数値を減らすと当然「プリ連写」の効果が低下する。「連写速度」を上げた時も連写時間は短くなります。プリ連写時間が短くなる=シャッター全押しする前の猶予時間が短くなる。

一方でその逆、「プリ連写枚数」を増やしたり、「連写速度」を落とすと連写時間は長くなる。

例えば「連写速度10fps」・「プリ連写枚数10枚」場合は「プリ連写は1秒前まで保存可能」だが、プリ連写を14枚に設定すると「プリ連写が1.4秒前まで保存可能」という感じ。

設定次第でプリ連写時間と撮影枚数が変化するので、そこは被写体の動く速さや自分の反応時間を考慮して設定すると良いでしょう。

目的別の設定例

目的 モード 連写速度 プリ枚数 プリ時間 プリ連写密度
プリ時間を最も長くする L 10fps 14 約1.4秒 1.4秒前?0秒までを
14枚
プリ時間と密度のバランス型 L 15fps 14 約0.93秒 0.93秒前?0秒までを
14枚
プリ時間を最も短くする
非推奨
H 60fps 1 約0.017秒 0.017秒前?0秒までを
1枚
コマ数を抑える L 10fps 5 約0.5秒 0.5秒前?0秒までを
5枚
”瞬間”の密度を最も高くする
(初期設定「H」)
H 60fps 14 約0.23秒 0.23秒前?0秒までを
14枚
初期設定「L」 L 18fps 14 約0.77秒 0.77秒前?0秒までを
14枚

と言う訳でパナソニックの4Kフォトモードのように「撮りっぱなし」では無い点に十分注意したい。

特にプロキャプチャー「H」の初期設定ではシャッターチャンスからタイムラグまで0.25秒もない。ただし、当たれば密度が最高で選びたい放題ですけども…。

参考画像

スライドショーには JavaScript が必要です。

実写

実際に使ってみると…超便利

プロキャプチャーモード自体はとても素晴らしい機能と再認識。

一眼レフでは1時間粘って数枚撮れるかどうかだったシャッターチャンスが10分程度で数えきれないくらい撮影できる。こりゃあすごいぜ!一眼レフで撮れないことは無いでしょうが、限られた時間の中で打率を高めたいのであれば是非とも使いたいモード。

撮影の打率が上がり、時間・体力的に余裕が生まれるので構図やカメラの設定に気を回せるようになるのは良い事でしょう。

さらに、昆虫や鳥類が「飛び立つ瞬間」ならばプロキャプチャ Hを使って選び放題のコマ数を稼ぐことが可能。

トンボの飛翔程度ならばローリング電子シャッターの影響は確認できない。

電子シャッターで歪むなんざ過去の話だぜ!」と言い切りたいところですが、蜂のように羽ばたくスピードが速いと歪みやすい。

常に被写体が動いている場合にはLを使用。

羽ばたくスピードが速い蜂でも横から撮影すると成功率が高いような気がする。と言うか羽根だけブレるようなシャッタースピードで撮影すると問題無し。羽根まで止めようとすると難易度が跳ね上がる。

そもそも論として昆虫にピントを合わせ続けるのは至難の業。

被写界深度の広い広角側で撮影して、あとからトリミング(と言うかクロップの域)してしまうのも一つの方法。2000万画素とRAW現像による後処理で思ったよりもクロップに耐える。

嫁さんに手伝ってもらってわたげを吹き飛ばしてもらった。

正直に言えば、タイミング合わせられるのだから普通に連写で撮れたかもしれない。

昆虫と同じく、プロキャプ「H」だとピントを合わせ続けるのが大変。

ミルクラウンっぽい撮影も楽ちん。

「ピントが合っている部分にクラウンが出来るように雫を落とす」方が大変だった。

連写Hの60コマ速で撮影した画像を比較明合成すると面白い写真も撮影できる。今回は暗い環境でJPEG Sで撮影したので画質は粗いですが、光環境を整えてやれば画質の向上が可能でしょう。

物撮りの場合にはレリーズケーブルがオススメ。

その他作例

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一眼レフでも撮れない訳ではない

前述しましたが、一眼レフなど従来の撮影スタイルでも撮ることは可能。

ただし、プロキャプチャーモードと比べて根気と集中力が桁違いに必要な上、時間あたりの打率がかなり少ないのは確か。

事後に当たり外れを選別する作業はどちらも一緒。

スライドショーには JavaScript が必要です。

プロキャプチャーモードを使うことが出来るカメラ

今のところ使えるカメラは2機種。TruePic VIIIと高速読み出しセンサーのカメラが必要なのか、今後出てくるカメラで満遍なくこの機能が使えるようになるかは不明。

E-M1 Mark II

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