とるなら~写真道楽道中記~

「撮るなら…ここだ!こうだ!これだ!」を探し求めてカメラ片手に写真・機材道楽の備忘録

【レンズレビュー】今更『SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX DG』を使ってみる

      2016/07/20

P9810512ぶらっと立ち寄ったカメラのキタムラで1万円を切る価格でおいてあったKマウント用の大口径望遠ズームレンズ。

今月末にはK-1が届くし、試しに買ってみるかと勢いで手に入れてしまった。レンズフードに加工が施されている点と前玉の内側に微細なコーティングの変化(恐らく超微細なカビか?)が確認出来る程度で写りは問題無く、オートフォーカスも作動。

K-1待ちの方で、大口径望遠ズームレンズの選択肢はDFAかFAかタムロンかこのレンズ。特にこのレンズの後継機にあたる「OS」搭載モデルが気になる方は多いのではないだろうか。すでにディスコンという憂き目にあり、新品での入手は難しくなってきている。

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OS搭載モデルはHSM搭載でAFはレンズ内駆動式。一方、こちらの古い方はボディ側駆動式の為、ギュンギュン音は煩い。

AF・MFの切替方式はタムロンと同じくフォーカスリングクラッチ構造を採用している。ただし、Kマウントでの恩恵は薄いどころかボディ側とレンズ側の切替操作を行わなくてはならない面倒な仕様になっている。また、レンズ側をMFの状態にしてボディ側をAFにすると、フォーカスリングが回転する(駆動系の負荷が高い状態)など思わぬ動作に焦る時も。

フォーカスリングの回転角はおよそ40°程度。タムロンのそれよりも回転角は小さい印象で、そのためかフォーカシングの速度はボディ内モーターながら高速に感じる。下手なHSMやSDMよりはよっぽど早い。但し、回転角が小さいので微妙なピント合わせやマニュアルフォーカスは不便。

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左からこのレンズ、タムロンA001、EFIS II。

鏡筒の長さはそこまで違いは無いものの、フードが短くその分収納性は高い。他のレンズと同様にインナーフォーカシング、インナーズームなので、鏡筒が伸び縮みする事は無い。

個体差があるかもしれないが、ズームリングが重くちょっと触った程度ではずれる心配はなさそうだ。

実写

K3IMGP0428

F2.8

K3IMGP0429

F5.6

 

K-3の適正露出に対して、このレンズを装着すると若干のローキーとなる。気になるほどでは無いが、輝度差がある被写体を撮ると黒つぶれ手前になる事があった。

タムロンのA001と比べると、絞り開放からF5.6までの間で傾向が異なる感じ。A001と比べると、ヌケが良くピント面はよりシャープな描写傾向にある。個人的に言うと、この描写はタムロンよりも好み。「柔らかさ」と表現するならタムロンの方が上。

シャープと言っても最新レンズと比べると細部の滲みは目立ち、遠景・トリミング前提の撮影ならば最新レンズをチョイスした方が無難だろう。とは言えAPS-Cの2400万画素でこの解像度なら、フルサイズの3600万画素(画素ピッチはK-3よりも広い)で十分使えるのじゃないかなと感じる。

オートフォーカスの正確性は良好でタムロンA001の様な大暴投とやらかす事はあまり無かった。

K3IMGP0393注意点は絞りを開け気味の時に2線ボケが目立つ。特にピント面直後のボケが固い傾向にある。

野鳥撮影等で木々に止まっている鳥を撮影する場合に、背景がやかましいボケになる事がありそうな感じ。とは言え、被写界深度は浅いのでピント面からある程度離れていればそこまで気になるボケ方をしない。ピント面直後のボケの固さだけは要注意。

F5.6

F5.6

F8

F8

解像力はF5.6付近からF8、11まで維持する。最短撮影距離に対して最大撮影倍率はそこまで高く無いので、近接撮影すると画角が極端に広くなる。その点で言えばA001の方が良好な性能だ。

ワイ端の開放付近や全域において周辺部の描写は甘い傾向にある。絞れば中央のシャープな解像度に追いついてくるが、そこまで絞るとF値変動のコンパクトなレンズとの差が無くなってしまうという一面も。絞りを開け気味ならば出来るだけ中央に被写体を寄せておきたいところ。

まとめ

結論から言うと、積極的にこのレンズ(OS無しモデル)に手を出す理由は無いと思う。安かろう悪かろうでは無いので、状態が良く自分が納得出来る範囲の価格帯なら手を出しても後悔しない。と言った感じだ。

また前述した様に、F値変動の暗いレンズよりも望遠側でシャッタースピードを早くしたい、尚且つそこまで高い金額も出したくないと言った場合の中古レンズとしては十分役割を果たしてくれる。

既にタムロンA001やキヤノンのEF IS IIを使っているので「明るい望遠レンズの大きなボケ方」による感動は薄かった。しかし、この手のレンズが初めての方であればそのボケ方の大きさにはビックリするだろう。そういう意味ではお手頃な大口径望遠ズーム。

光学手ブレ補正搭載の「OS」版はペンタックスでは貴重な存在だが、ファインダー像の安定とAFのし易さでは他に無い魅力的な存在。そういう意味ではオンリーワンなチョイスとなる。ただし、OS無し版と比べてお値段が一気に跳ね上がるが…。

もし、これで明るい望遠レンズにハマったのであれば、「純正の大口径ズームレンズ」が微笑みながら君を待っているはずだ。

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