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手持ちの三脚が便利になる!マルチアングル雲台『ベルボン V4ユニット』レビュー

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数日前にベルボン三脚の記事中で宣言したように、マルチアングル雲台「ベルボン V4ユニット」をゲッツしたので色々といじってみた。メカオタク的にはソソられる機能性だが、実用面では便利さと同時に注意点がかなり多い。それらを順を追って説明していきたいと思う。

導入編

V4ユニット外観

v4unit_0480一見釣り竿の様に見える、ベルボンのマルチアングル雲台『V4ユニット』。

雲台の変わりに三脚へ取り付けることで、様々な方向への稼働が可能になるという便利アイテムだ。お値段は1万円を切る程度の価格で、価格に対してパフォーマンスは良好。

自由な角度に操作出来るだけで無く、エレベーターを伸縮させる事が出来る。

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側部に搭載されているハンドルを回転させる事で、エレベーターが伸縮して長さを調節出来る。

基本的な構造は、この手のギミックが採用されているベルボン三脚と同じで操作方法も一緒。同様に、伸縮する棒の根本にあるリングを回転させる事でフリクション(緩みやすくしたり、緩みにくくしたり)を調整出来る。

ハンドルをちょっと離した拍子にエレベーターが動いてしまう場合にはフリクションをキツ目に調整すると良いだろう。キツすぎるとハンドルが回しにくくなるので、その辺は要調整。

DSCF2355エレベーターを固定する時はハンドルの反対側に付いているこのツマミを締める事でロックされる。

推奨の積載重量はおよそ3kgで、私の使用環境で2kg近いカメラを載せてもエレベーターがズレる事は無かった。

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伸ばした状態

エレベーターのストロークは最大で205mm。SLIKの競合製品『スライディングアーム II』の370mmと比べるとやや見劣りする。

反面、ストロークに無理が無いので剛性は高く安定感は頼もしい。2kg超えのカメラを載せた際も、ハンドル操作が難しくなるような負荷はかからなかった。実にスムーズな操作感だ。

三脚に取り付けるネジ穴はUNC1/4・3/8どちらにも対応している。アダプタが同封されているので、無くさないように気をつけよう。

V4ユニットを三脚に取り付ける

DSCF2337三脚のネジにV4ユニットをねじ込んで取り付けた。カメラを載せていない状態ならば全く問題ない安定感。

まず、カメラを取り付ける前にV4ユニットを操作して、感覚を知っておく方が良いだろう。

この状態でV4ユニットを自由に稼働させるためには下の写真の様にロックを解除する必要がある。

v4unit_sub2V4ユニットの取っ手を回すことで、上下方向と水平方向の稼働が一挙にロック解除される素敵な仕様となっている。

ギミックは上手く考えられており、しっかりとロックしておけばユニットがズレる事も無い。

このロックが甘い状態で、ユニットと三脚を装着した場合にV4ユニット側が空転してしまい十分ロックが出来ていない状態になる。

V4ユニットの操作部分がしっかりロックされている事を確認したら、その状態で三脚との固定具合を確認しよう。

DSCF2336三脚を固定したままでも、V4ユニットのロックを解除する事で上下90°、水平360°回転させる事が出来る。

下向きに固定してエレベーターを伸ばすことでローアングルでカメラを固定出来たり、上方向に伸ばすことでよりハイアングルに固定出来る。

アングルアダプター4を取り付ける

DSCF2332アングルアダプター4とはV4ユニットの先に雲台の変わりに取り付けるL時型の台座。

V4ユニットのパイプに対して並行に雲台を取り付けると、雲台の可動範囲に制約が出てくる。その場合にこれを取り付ける事でさらに自由度が増す。

基本的にはアングルアダプター無しでも雲台を取り付ける事が出来るので、必要と感じたら購入すれば良いだろう。

アングルアダプター4は雲台と同じようにネジが切ってあるので、ねじ込んで固定させる。

DSCF2330アングルアダプター4に付いているノブを緩めることで、アングルアダプターに備えられている回転機構のロックが解除される。

DSCF2331ロック解除した状態では360°回転するので様々なアングルに対応出来るようになる。

注意点はV4ユニットにネジで締める形で固定してあるので、これが緩いとカメラの自重でふとした拍子にカックンと回転する。

心臓に悪く、下手をするとバランスを崩して三脚ごと倒れる可能性があるので注意。

特に三脚・V4ユニット・アングルアダプター・雲台と接合部が多い上に扱うギミックがかなり多くなる。便利な反面、操作ミス・ロックミスの可能がグッと増える点を考慮しておく必要がある。

実用編

カメラを載せてみる

DSCF2320V4ユニットを装着する事で、荷重の重心が三脚の中心からややズレてしまう。

この為、三脚の脚の伸縮具合でバランスが非常に不安定になる場合がある。まずは、カメラを取り付けてバランスを取ることが出来るかどうか確認を。

DSCF2324安定感のある使用方法として、エレベーターを伸ばす時は三脚のいずれかの脚の方向に伸ばすと安定感が向上する。

三脚の脚が増えた荷重を踏ん張ってくれるので、最大限に伸ばして垂直方向に上下させてもバランスを取ることが出来る。

DSCF2326俯瞰のアングルでも三脚の脚を調整すればバランスを取ることが出来る。

この場合は、エレベーター側の三脚の脚を1段広く展開してやる事で安定した。通常の展開方法ではバランスが悪く倒れてしまう。三脚の素材や大きさ、重量にも依るので、正確な所は実際にご自身の環境で試して欲しい。

ローアングルで使う

DSCF2327さらに脚を展開して全体的なレベルを下げた状態で、V4ユニットを操作。

下方向に操作して、エレベーターを伸ばしてやると地面により密着してカメラを固定する事が可能。しかし、このカメラの向きならばV4ユニットが無くともミニ三脚があれば出来る事だ。

DSCF2328極論を言ってしまうと、こんな角度で使うのであればV4ユニットが輝いてくる。

見えにくいかもしれないが、レンズ先端は宙に浮いている。

DSCF2329地面スレスレでの固定も可能。写真ではアングルアダプター4が装着されているので、やや地面から上がってしまっている。アダプターを外すか、アダプターを回転させる事でこれよりも地面に密着させることは可能だ。

ハイアングルで使う

DSCF2344テーブルに三脚を載せることが出来ない状態でも、エレベーターを伸ばすことでハイアングルで固定が可能。

全高が物足りないミニ三脚に取り付けることで高さを補うという使い方も出来る。

DSCF2281実際のシーンでは、三脚を間近で展開出来ない花壇などで効果的に運用出来る。

ローアングルの使用に比べてやや三脚のバランスを取り難い傾向。

三脚のセンターポールに重石を取り付けるか、カメラによる荷重と反対方向の三脚の脚を自身の足や手で押えることで問題無く使うことが出来る。

ベルボン公式より

ベルボン公式より

右手でV4ユニットを操作しながらカメラを操作する事も可能。右手だけで自由雲台のようにカメラを振ることができるので、SLIKよりも優れる抜群の操作性だ。

自由雲台の固定を緩めておき、左手でカメラを支える。右手はV4ユニットを操作して大まかなフレーミングを決めてしまう。あとは自由雲台をロックすればシャッターを切ることが出来る。

足りないEVストロークを伸ばす方法

DSCF2346我が家にあった『Pole pod II』の一脚部分をV4ユニットの先に装着した。

これでSLIKのEVストローク370mmよりも長い約1700mmのEVストロークを手に入れた。普通の三脚と組み合わせれば、相当なハイアングルでの撮影が可能となる。遠隔操作は必須だが…。

一脚はV4ユニットほど横方向にかかる剛性が無いので、伸ばした状態で重い機材を載せるのは得策ではない。あまり推奨出来ない使い方なので、高価な機材ではオススメしない。

手持ちにパナソニックのLUMIX DMC-GM1Sがあったのでそれを載せてみると、問題なく使うことが出来た。ミラーレス一眼カメラでも最軽量クラスのボディなので、この様な使い方でもかなり安定感がある。

さらにこのボディに魚眼レンズなどを組み合わせる事が出来るマイクロフォーサーズの良さを改めて実感。残念ながらマイクロフォーサーズで広角のシステムを組んでいないのが痛い。今度THETA Sで使ってみよう。

DSCF2349全て伸ばしきった状態。俯瞰撮影や柵越しの撮影では役に立ちそうだ。

少なくともGM1Sにボディキャップレンズ(200gほど)の荷重であればOKだった。とは言え、この状態で一眼レフカメラなどを載せる気にはならない。

しなる上に、かなり揺れるのでフレーミングは難しい。揺れが収まるまでに時間がかかるので、精密な撮影には不向き。

真上に伸ばすならバランスが良い。V4ユニットで操作可能なので、案外使いやすそう。

まとめ

V4ユニットがオススメなポイント

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手持ちの三脚に装着可能

愛用している三脚に装着出来るのは便利。ミニ三脚でも大型三脚でも取り付け可能だ(対応ネジは要確認)

最近ではマンフロットやヴァンガードなど、センターポールが可動式でV4ユニットの様に使うことが出来る三脚も多くなってきた。

私自身もマンフロットの190シリーズを使っている。しかし、水平方向にしか動かす事が出来なかったり、三脚自体が大きく持ち運びが不便。独立した機構であるV4ユニットは、可動域が広く様々なシーンに対応出来る。

操作性が良好

ハンドル一つで自由な操作が可能なので、カメラを支えながらフレーミングが可能。ロックの解除と固定もワンタッチなので、シャッターチャンスが差し迫っているクイックな操作にも対応出来る。この点でSLIKの競合パーツよりも使いやすい。

エレベーターの伸縮もハンドル操作による微調整が可能なポイントもGood。

剛性・安定感

EVストロークを欲張っていないので、剛性が高く安定感が良い。特にブラケット撮影や合成写真でブレを抑えつつ連写したい場合に有り難い。

V4ユニットの注意点

装着時のバランス

この手のギミック全般に言えることだが、エレベーターを伸ばせば伸ばすほどバランスは悪くなる。

「ひょっとしたら倒れるのじゃないか?」という点を忘れずにしっかりと重心のチェックを心がけよう。

アングルアダプター4が別売り

SLIKの「スライディングアーム II」はアングルアダプターがセットで付いてくるが、V4ユニットを単品で購入すると付属しない。

無くても困らない場合も多いが、必要な場合は別途3千円程度費用がかかる。

アングルアダプターの耐荷重

前述したように、カメラの自重でネジが反時計回りに緩む可能性を秘めている。ガッポリとアダプタが抜け落ちる可能性は少ないが、回転した反動で三脚のバランスが崩れる危険性が高い。

購入早見表

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(参考)SLIK スライディングアーム II 新品・中古情報
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