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【レンズ比較】シグマとタムロンの150-600mmのどちらを買うべきか6ポイントで比較する

まえがき

勢いでEOS 80Dを手に入れてしまった。F8対応の測距点が現行カメラでかなり多い事もあって、超望遠レンズを使ってみたくなった。

純正Lレンズの超望遠はサブマウントで準備するにはやや高価だったので、選択肢に挙がったのはシグマとタムロンの150-600mm。

どちらも純正に比べるとかなりお買い得なレンズに仕上がっているのだが、一長一短があるので悩むこと3日。結果的にはシグマの150-600を購入するまでの過程で色々と比較検討したので、記事としてまとめて見ようと思います。

参考特設ページ

外観・サイズ・重量比較

外観

150-600Tamron-2

150-600SIGMA

サイズ・重量

タムロン SP 150-600mm シグマ 150-600mm |C
フィルターサイズ 95mm 95mm
最大径 105.6mm 105mm
全長 257.8mm 260.1mm
重量 1951g 1930g
三脚座 TS-71 型番不明

ほぼ一緒だが、三脚座に差がアリ

フィルター径を始めとして、最大径や全長・重量はほぼ変わらない大きさだ。携帯性の有無は比較にならないと言っても良い。

唯一違いがあるとすれば、三脚座の大きさ。タムロンはやや大きく、ここを掴んでの運用もし易いがシグマ150-600の三脚座ではやや握り難い。さらにタムロン150-600にはロングタイプの三脚座が別売りで存在する。

レンズ構成・性能比較

レンズ構成

tamron150600mmlens

lens_structure

タムロン SP 150-600 シグマ 150-600|C
レンズ構成 13群20枚 14群20枚
異常低分散レンズ LDレンズ3枚 SLDレンズ3枚
蛍石(若しくは類似する性能)レンズ FLDレンズ1枚
コーティング eBANDコーティング スーパーマルチレイヤーコート
コーティング その2 撥水/防汚コーティング

レンズ構成・コーティング

蛍石レンズの有無

シグマ150-600mmでは特に分散性が低く、異常分散性が高い「蛍石」と同等の性能を持つFLDレンズを1枚組み込んでいる。蛍石はキヤノンやニコンの純正レンズにはかなり高級なレンズにしか採用されていない贅沢なレンズだ。

ただし、キヤノンなどの純正レンズと違って採用されている位置がかなり後群の小さいレンズ。果たして巨大なSLDガラスと比べてとこまで効果があるのかは謎。

コーティングにやや違いがアリ

タムロンでは最新のコーティング技術である「eBANDコーティング」を施してある。2016 CP+でペンタックスにOEMされたであろう「15-30mm」が「HDコーティング」と称されていた点を実際に聞いてみたところ、ペンタックスの最新コーティングと同等の性能を有しているものと思われる回答を得た(HDコーティングという「規格」をクリアしている、というニュアンスで回答を得た)

一方でシグマは従来レンズ「EXシリーズ」等で使用している「スーパーマルチレイヤーコート」を採用。ただし、シグマの社長がコーティングは日々改善している、とのコメントも見受けられるので従来型よりも進歩しているものと思われる。

決定的に違う点はメンテナンス性を向上させる前玉に採用する「防汚コート」の有無。

タムロンでも最新レンズに関しては「防汚コート」の採用が進んでいるが、この150-600mmはそれ以前のレンズだったりする。シグマ150-600mmは防汚コーティングを採用しているので、比較的メンテナンス性に優れていると言える。

レンズ性能

タムロン SP 150-600 シグマ 150-600|C
最短撮影距離 2.7m 2.8
最大撮影倍率 1:5 1:4.9
絞り羽根枚数 9枚 円形絞り 9枚 円形絞り
AF/MF切替 搭載 (オン/オフ) 搭載(オン/MO/オフ)
手ぶれ補正 オン/オフ
流し撮り対応は要確認
モード1(一般撮影モード)
モード2(流し撮り対応モード)
フォーカスリミッター FULL、15-∞ FULL、10-∞、2.8-10

手ぶれ補正とフォーカス操作

マニュアルオーバーライド

シグマ150-600にはオンオフに加えて「マニュアルオーバーライド」という機構が存在する。これはニコンの「A/M、M/A」モードに似ており、オートフォーカス中でもフォーカスリングを操作する事でマニュアル操作に切り替える事が出来る仕組み。

不意にリングを触ってしまい、誤操作によるフォーカス停止を防ぐためにニコンでは「A/M」モードでキャンセル感度を低めたモードが存在する。シグマではUSBDockに接続する事でマニュアルオーバーライドの感度を変更出来る。

反面、タムロン150-600はキヤノンのフルタイムマニュアルと同義の機構が使用出来る。

手ぶれ補正:流し撮りの対応について

タムロンの150-600 A011は発売当初、流し撮りに対応していなかった。流し撮りをする場合には手ぶれ補正をオフにして撮影する必要がある。

しかし、現在のロットは流し撮りに対応しており、VC(手ぶれ補正)をオンにしておけば流し撮りでの撮影が可能となっている。中古でA011を手に入れる場合には注意しよう。

シグマ150-600では専用の流し撮りモードが存在する。また、USBDockにて手ぶれ補正の効き具合を調整出来るのも優れている点だ。

付加機能など

付加機能

タムロン SP 150-600 シグマ 150-600|C
防塵防滴 マウントを含むレンズ各所に採用 マウント部に採用
レンズケース 別売り 付属品
テレコンバージョンレンズ 専用パーツは無 x1.4 x2.0
その他アダプター MC-11
調整装置 SIGMA USBDock

防塵防滴に差

タムロン150-600はマウントを含めたレンズ各所に水滴が侵入し難い構造を採用しているが、シグマ150-600|Cは基本的にマウント部にのみ防滴構造を施してある。

もちろん、タムロン150-600の方がコンディションの変化には強い。リセールバリューを下げたく無い場合にはレンズへのダメージが少ない方が良く、タムロン150-600がそれに当たると感じる。

とは言うものの、中古のタムロン150-600を見るとかなり粉塵が混入しているレンズも多いので効果の程は不明。結局のところズーミングでかなり鏡筒が伸びるので、否応無く吸い込んでしまうのかもしれない。

オプション機能に大差

USBDock

特に大きい点としてパソコンに接続してAFを初め、手ぶれ補正の効き目やマニュアルオーバーライドの調整が出来るシグマのUSBDockの存在が大きい。

タムロンでは現在「TAP-in Console」というUSBDockに似た機能の製品が出ているが、このレンズはそれに対応していない。カスタム性が高く、自分好みの微調整を追い込めるシグマの方が使い勝手は上だろう。

専用テレコンバージョンレンズを装着可能

シグマレンズ用のテレコンバージョンレンズを自前で用意しており、x1.4とx2.0から選ぶことが出来る。かなりレンズが暗くなるのでAFの効き目がやや危うい部分があるものの、F8対応測距点が増加しているEOS 80Dなどの機種とは相性が良さそうだ。

タムロン150-600は専用テレコンバージョンレンズが存在しない上、互換性のあるテレコンバージョンレンズに関しても使用を薦めていない。

MC-11

キヤノンEFマウントとシグマSAマウントに限るが、シグマレンズを「MC-11」経由でソニーEマウントに親和性が高い状態で装着出来る。

特にAF性能の高いα6000系やα7RII等との組み合わせでお手頃な超望遠をミラーレス一眼で使用出来るのはかなり素晴らしい。サブマウントをソニー系で揃えているのであればオススメ。これを機にソニー一眼を初めて見るという手もある。

レンズケースが付属

シグマはレンズケースが元から付いてくる(どのシグマレンズでもしっかりしたケースが付いてくる)。

マウント交換サービス対応

シグマは現在「マウント交換サービス」というものを展開しており、将来的にマウントをキヤノンからニコンにした際、シグマレンズをEFからFマウントに変更してくれるというナイスなサービス。

個人的にはPENTAX Kマウントも運用しているので、将来的にKマウントの150-600が展開され始めたら是非交換してみたい。

海外レビューサイトの評価

ePHOTOzine

タムロン SP 150-600 A011シグマ150-600|Cも「高く推奨出来るレンズ」として取り上げられている。

MTFチャートを見ると望遠端の性能はドッコイで、広角端の開放ではややシグマが優る。ただし、F8まで絞るとタムロンの方が良好だったりほぼドッコイだったりするので、目に見えて大きく違うと言うことは無さそうだ。

Imaging Resources

シグマ150-600|Cについてレビューをしている。その中ではソニー用のレンズが発売されていないので、現行の600mm選択肢としてタムロンA011は貴重な存在と語っている。

同様にタムロンSP 150-600A011のレビューでは手ぶれ補正の効き目はシグマがやや上だが、独特の癖があるとしている。(シグマ150-600は小さな被写体を捕捉し続けるにはやや難しいと指摘している。)

価格

タムロン SP 150-600mm A011

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シグマ 150-600mm DG|Contemporary

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タムロンとシグマでは実売価格でおよそ1万?2万円ほどの価格差が存在する。シグマはさらにUSBDockでの追い込みやテレコンバージョンレンズ・アダプタでの拡張性を考えると、追金をかける可能性が存在する。

拡張性や機能性を考えるとシグマ150-600mm|Cが多少高くとも魅力を感じる。しかし、「とりあえず600mmの画角を味わって見たい」というのであればタムロンもまた選択肢足りうる。

なぜシグマ150-600|Cを選んだか?

私はシグマ 150-600|Cを選択して購入した。

理由は大きく分けて以下のポイント

  • 複数のマウントを運用している為、マウント交換サービスやアダプターの存在
  • USBDockでの細かい調整を追い込む事が出来る
  • テレコンバージョンレンズが使用可能
  • ハードなロケーションで使わない

という4点。特にマウントを自由自在(条件付きだが)に乗り継げるのはかなり便利。将来的にソニーα7やα6000系も使って見たいと思っているので、MC-11の存在がかなり大きかった。

また、サードパーティ製レンズにありがちな「微調整が必要なAF」もUSBDockに接続して追い込む事が可能。手ぶれ補正の効き目を強めたり、マニュアルオーバーライドの感度を変更出来るのも素晴らしく、それらをカスタム設定として切替機構が付いているのもGood。

三脚座がやや小ぶりで不満な所があるものの、タムロンとの差額を考えて余りある価値を見出したので購入に至った。

まずはレンズ本体とUSBDockを購入してじっくり使って見ようと思う。その後に「こりゃあEOS 80DのF8測距で1260mm(換算)を使ってみたいぜ!」となった場合にテレコンx1.4を購入しようと計画中。

ゆめゆめはα7RIIにでも…、と夢は無限のカメラ沼へ続くのであった。

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