「XF23mmF2.8 R WR」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。
簡易的なまとめ
中口径でボケが得にくいレンズですが、ボケ質そのものは綺麗でよくまとまっています。悪目立ちしにくいので、撮影距離に関わらず使い勝手が良好。
大前提として、「23mm F2.8」で大きなボケは期待できません。被写体を背景から浮き上がらせるためには至近距離まで接近する必要があります。
中口径のレンズですが、小型軽量化の代償として口径食の影響が強い。影響を緩和するには絞る必要があるものの、ボケはさらに小さくなってしまいます。幸い、悪目立ちしやすい描写ではなく、許容範囲内。
This lens struggles to produce bokeh at medium apertures, but the bokeh quality itself is clean and well-defined. It doesn't stand out negatively, making it highly versatile regardless of shooting distance.
As a fundamental point, don't expect large bokeh with a “23mm F2.8” lens. To make the subject stand out from the background, you need to get very close.
Although it's a medium-aperture lens, the trade-off for its compact, lightweight design is significant vignetting. Stopping down helps mitigate this effect, but it also makes the bokeh smaller. Fortunately, the rendering isn't overly noticeable and remains within acceptable limits.
XF23mmF2.8 R WRのレビュー一覧
- XF23mmF2.8 R WR レンズレビューVol.5 ボケ編
- XF23mmF2.8 R WR レンズレビューVol.4 諸収差編
- XF23mmF2.8 R WR レンズレビューVol.3 遠景解像編
- XF23mmF2.8 R WR レンズレビューVol.2 解像チャート編
- XF23mmF2.8 R WR レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
Index
球面収差
前後のボケ質に明らかな差はありません。軸上色収差の補正状態からもわかるように、フォーカスシフトの影響もありません。
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。
後ボケ
球面収差が残存する柔らかい描写ではありませんが、悪目立ちしない綺麗なボケ。ボケの縁取りが目立たず、2線ボケの兆候はありません。軸上色収差の影響はごく僅か。
前ボケ
後ボケと同等のボケ質です。球面収差がきちんと補正されたニュートラルなボケ質。硬めの描写ですが、綺麗なボケ。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。
- 影響が強い
- 影響が弱い
口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。
- 前ボケ
- 後ボケ
球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。
実写で確認
縁取りが少なく、滑らかな描写。
F2.8の開放F値ながらフレーム隅に向かって口径食の影響が強め。気になる場合は絞ることで改善します。
F5.6くらいまで絞ると口径食の影響はほぼ改善します。
ボケ実写
至近距離
至近距離では「23mm F2.8」でもボケ量が多く、被写体を背景から分離できるくらいにボケが得られます。
近距離
撮影距離が少し長くなっても悪目立ちしない良好な描写。口径食は少し強めですが、ボケ質は良好。
中距離
さらに撮影距離が長くなっても質感に大きな変化はありません。
ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。
全身をフレームに入れるような撮影距離だと、被写体を背景から分離するのは難しい。少なくとも上半身かバストアップくらいまで近寄りたいところ。
まとめ
良かったところ
ポイント
- ニュートラルで偏りのないボケ質
- 色収差の影響が目立たない
- 滑らかな玉ボケ
中口径でボケが得にくいレンズですが、ボケ質そのものは綺麗でよくまとまっています。悪目立ちしにくいので、撮影距離に関わらず使い勝手が良好。
悪かったところ
ポイント
- 口径食の影響が強い
- 23mm F2.8 で得られるボケが限定的
大前提として、「23mm F2.8」で大きなボケは期待できません。被写体を背景から浮き上がらせるためには至近距離まで接近する必要があります。
中口径のレンズですが、小型軽量化の代償として口径食の影響が強い。影響を緩和するには絞る必要があるものの、ボケはさらに小さくなってしまいます。幸い、悪目立ちしやすい描写ではなく、許容範囲内。
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作例
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