25-600mmF2.8が帰って来た！
Panasonic公式よりDMC-FZ300
超望遠のF2.8通しレンズを搭載したブリッジカメラとして有名な『DMC-FZ200』がブラッシュアップされて新商品として発売される。旧モデルが経年による陳腐化が進む中で、新モデルは一体どのような点で改善を図っているのか見ていこう。
スペック比較
| DMC-FZ300 | DMC-FZ200 | |
| 有効画素 | 1210万画素 | 1210万画素 |
| センサー | 1/2.3型 高感度MOS | 1/2.3型 高感度MOS |
| レンズ | 11群14枚（非球面レンズ9面5枚） | 11群14枚（非球面レンズ9面5枚） |
| 焦点距離 | 換算25-600mm | 換算25-600mm |
| 最短撮影距離 | W端 30cm T端 2.0m | W端 30cm T端 2.0m |
| F値 | 全域F2.8 7枚羽 虹彩絞り | 全域F2.8? 虹彩絞り |
| 手振れ補正 | 有 | 有 |
| AF | 49点 | 23点 |
| ISO感度 | 100-6400 | 100-6400 |
| シャッター速度 | 60-1/4000（メカシャッター） 1-1/16000（電子シャッター） |
60-1/4000秒 |
| モニタ | 3.0型 104万ドット タッチパネル バリアングル |
3.0型 46万ドット バリアングル |
| EVF | 0.39型 144万ドット 換算 0.7倍 |
0.2型 131.2万ドット |
| 連写 | 12コマ/秒 （メカシャッター） 60コマ/秒 （電子シャッター） |
12コマ/秒 （メカシャッター） 60コマ/秒 （電子シャッター） |
| ４KPHOTO | 4K連写・4K連写(S/S) 4Kプリ連写 |
- |
| 動画 | 3840*2160 30コマ/秒（4K） 1280*720 120コマ/秒（HS動画） |
1920*1080 （FHD） |
| WiFi | ○ | - |
| 電源 | 1200mAh （DMW-BLC12） 380枚（モニタ） 360枚（ファインダー） |
（DMW-BLC12） 540枚 |
| サイズ | 131.6*91.5*117.1 | 125.1*86.6*110.2 |
| 重量 | 691g | 588g |
旧モデルからの特徴である25-600mmF2.8通しという点は置いておき、大きな変更点を上げていきたい。
タッチパネルの搭載
Panasonic公式よりFZ300「タッチパッドAF」
旧モデルと同じくフリーアングルモニタを搭載しつつ、144万ドットと高精細になり、タッチパネルを採用。これによりミラーレス一眼のGX8等に搭載され始めたタッチパネルの機能がFZ300にも継承されている。
例えば上の写真の様に、ファインダーを覗いた状態でモニタをなぞることで、AFポイントを移動させる事が出来る。特にファインダーから目を話しにくいシチュエーションなどで効果を発揮するだろう。
Panasonic公式より「タッチAF」
モニタを見ながら撮影をする時に一番面倒くさいのが、思った所にピントが合わないこと。それを解消してくれる機能が「タッチAF」だ。オートモードで撮影していると、ついついAFが迷ったりしてしまう。また、エリア設定してAFを作動させる場合、フレーミングが変わってしまった時にはエリア設定をいちいち変えなくてはならない。
フリーアングルの活用
その作業がこの機種ではワンタッチでAFが狙った所に来てくれる。特にフリーアングルモニタを活用した仰角や俯角での撮影時ではかなり重宝する機能。
４KPHOTOモード
Panasonic公式より４Kフォト
Panasonicの最近のモデルに積極的に搭載されているモード。要は４K動画の1コマを切り取って写真に出来ると言うこと。もちろん４K動画なので画素数は800万。ただし、L判やブログにアップする程度なら800万画素で十分使うことが出来る。
私のオススメは「４Kプリ連写」だ。
シャッターボタンを押すことで前後1秒間（60コマ）の中からドンピシャの一枚を選ぶ事が出来る。例えば上の写真の様な落雷撮影も、事前にカメラを構えておき落ちた瞬間にボタンを押せば撮れちゃってたりする。新時代の撮影方式と言える機能。
処理エンジン『ヴィーナスエンジン』の向上
画像処理エンジンの向上によって、ノイズリダクションや回折補正などの機能が強化・追加されている。レンズやセンサーの性能は旧モデル同様だが、処理エンジンの向上がどれほど向上しているかが見どころだ。特に最近のPanasonic製ミラーレス一眼は意欲的なモデルが多く登場しているだけに、このブリッジカメラにも期待したい。
Panasonic公式より
また、G7やGX8などの最新ミラーレス一眼に搭載されている『空間認識AF』もこのカメラに搭載している。これはAFを作動させる前に予め処理エンジン内で被写体の距離感を掴んでおき、いざピントを合わせる時に迷わずに合掌させに動くというものだ。以前にG7やGX8での記事でも記述したが、このAF方式って常時処理エンジンが頑張っている訳で、バッテリーの持ち具合どうなんだろうねって気になるところ。
Panasonic公式より『星空AF』
さらに、Panasonic機お得意の『ローライトAF』など暗所に特化した機能も充実している。明るいレンズと暗所に強いAFを活かして天体撮影も楽しめる。
防塵防滴使仕様
Panasonic公式よりDMC-FZ300
超望遠が必要なシーンを考えると、ウェザーコンディションは二の次で被写体を撮りたいと思うことも多いはず。例えば、野鳥やスポーツなどは急な小雨などは気にせずにシャッターチャンスを追いたいところ。そんな時に防塵防滴仕様ではないカメラでは心許ない。
FZ300はその点をカバーした超望遠機だ。ブリッジカメラで防塵防滴を謳っている機種はそう無いような…。同様の600mmレンズを搭載したCanonのPowerShot G3Xとかだろう。
大きくなった電子ビューファインダー
Panasonic公式より
旧モデルと比べファインダーの強化も大きなポイントだ。35mm換算でファインダー倍率が0.7倍に向上した。同メーカー製のミラーレス一眼のフラッグシップモデル「DMC-GH4」のファインダー倍率が35mm換算で0.67倍というのを踏まえると、常用出来るファインダー倍率と考えて良いだろう。
旧モデルのFZ200のファインダー倍率についての数字は見つけることが出来なかったが、FZ200ユーザーからするとFZ300のファインダー像は違いがハッキリ分かる進化ポイント。
WiFiの搭載
Panasonic公式より
WiFiによりスマホやタブレットとの連携が可能になった。これにより、FacebookやInstagramなどのSNSへのリアルタイムな写真投稿が可能に。例えば野鳥やスポーツ観戦での撮影であれば、長期旅行中だったりする事も多いと思う。そんな時にカメラ内のデータをパソコンに出し入れする手間や機材を持ち込む煩雑さを考えると、WiFiで直接スマホに転送してSNSをにアップロード出来る簡便さは有難い。
電源の持ちは悪くなった
バッテリーの容量は大きくなったが、モニタやファインダーの性能アップや画像処理エンジンを使った4KPHOTOや空間認識AFもあり連続撮影枚数は極端に減った。
これは性能アップした最新機種にはありがちなケースなので、諦めて予備バッテリーを持っておくようにしたい。特に4K 動画や4KPHOTOを多用する機会が多いカメラだと思うので、必須と思っておいた方が良いかもしれない。
DMC-FZ300は買いか？
1/2.3型カメラの高級機
Panasonic公式より
レンズやセンサーはそのままにDMC-FZ200をミラーレス一眼並の使い勝手にブラッシュアップしたモデルだ。
25-600mmのF2.8通しと言うオンリーワンのレンズを引っさげて、『バリアングル+タッチパネル＋防塵防滴』と高級コンデジでも稀な贅沢な組み合わせに、「0.7倍の大型ファインダー」まで搭載している。
センサーサイズは小さいのでトリミング前提の撮影方法は取り難いが、600mmと言う超望遠を使えば遠くの被写体もかなり引き寄せることが出来るだろう。
初値は1/2.3型センサーとしては高額で、同様の超超望遠カメラであるNikonのCoolPix P900と並んで高級コンデジの部類に入る。比較しても超超望遠が使える、と言う以外はFZ300に軍配が上がる。そんなに望遠が必要なければFZ300の方が全体的な使い勝手で満足出来るだろう。
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F2.8通しの競合機
STYLUS1・STYLUS1s
「手のひらサンニッパ」をキャッチコピーとするOLYMPUSの高級コンデジだ。コンパクトなボディに300mmF2.8のレンズが綺麗に格納されている。大きさと焦点距離と機能性がほどよいバランスで整っており、私もSTYLUS1のユーザーだったりする。テレコンバーターも用意されており、装着すると換算540mmF2.8までをカバーする。
チルト・タッチパネルを採用しており、こちらも仰角・俯角にある程度対応出来る。
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超望遠機
Nikon CoolPix P900
Nikon公式より COOLPIX P900
換算24-2000mmをカバーする、ぶっ飛んだレンズを搭載したブリッジカメラ。レンズシフト式の5段分手振れ補正機能を搭載しており、2000mmで撮影する際に役に立ってくれる。
どうもコストがレンズに集中してしまっている為か、ファインダーなどのスペックは悪い。ファインダーを覗いて撮るにはちょっと小さすぎやしないかい？と感じてしまう。但し、この焦点距離でしか撮れない世界は少なからず存在するので、この焦点距離を必要としているのならばオンリーワン。
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Canon PowerShot G3X
Canon公式より PowerShot G3X
1型センサーにして600mmの望遠レンズをカバーするオンリーワンなカメラ。続いてFZ1000の400mmやRX10シリーズの200mmが続く。FZ300と比べてチルト式液晶にタッチパネル、防塵防滴とかなり似通ったスペックを持つカメラだ。
さすがに1型センサーの600mmではF2.8通しのレンズは搭載出来なかったみたいだ。センサーサイズに余裕はあるので、FZ300と比べると比較的トリミング耐性もあるだろう。
注意点は電子ビューファインダーが別売り（キットセットはある）・外付けな点だ。しかも外付けEVFは防滴じゃなかったはずなので、ファインダーを装着したまま雨の中に突っ込めないのが口惜しい。
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