(2016.4.8追記:ついに国内でもDSC-RX10M3が発表された!これを持ってさらに突っ込んだ比較記事を追記していこう)
海外でソニー最新1型センサーカメラが発表されたみたいだ。それは昨年に発売された『DSC-RX10M2』の後継機にあたる『DSC-10M3』。
基本スペックはRX10を踏襲しつつ、換算200mmまでだった望遠ズームが換算600mmまでと3倍に向上している。
さらに特筆すべきはそのF値がかなり明るいレンズ(ボカしやすく・ブレにくい)になっている。これは従来までの競合カメラと比較した際に大きな説得力になるポテンシャルを持っている。
さらにソニーのレンズ一体型デジタルカメラとしては珍しく防塵防滴仕様となった事でハードなロケーションにもお供し易く汎用性が向上している。
Index
スペック比較
DSC-RX10M3 | Nikon DL24-500 | PowerSHot G3X | DSC-RX10M2 | |
有効画素 | 約2010万画素 | 約2081万画素 | 約2020万画素 | 約2020万画素 |
センサー | 1.0型 Exmor RS CMOS 積層型裏面照射型 |
1.0型 BSI CMOS 裏面照射型 |
1.0型高感度CMOS 裏面照射型 |
1.0型 Exmor RS CMOS 積層型裏面照射型 |
画像処理 | BIONZ X | EXPEED 6A | DIGIC 6 | BIONZ X |
AF | 25点 | 101点 ハイブリッドAF 171点 コントラストAF |
31点 | ファストインテリジェントAF |
焦点距離 35mm換算 |
24-600mm (光学25倍) |
24-500 | 24-600mm (光学25倍) |
24-200mm (光学8.3倍) |
絞り | F2.4-4.0 | F2.8-5.6 | F2.8-5.6 | F2.8-F2.8 |
手ぶれ補正 | 光学 4.5段分 | ?光学 | 光学 3.5段分 | ?光学 |
最短撮影距離 | 3cm (広角) 72cm (望遠) |
1cm (広角) 70cm(望遠) |
5cm(広角) 85cm(望遠) |
?3cm(広角) 25cm(望遠) |
ファインダー | 0.39型 236万ドット 0.70倍 EVF |
0.39型 236万ドット | ?- EVF-DC1対応 |
0.39型 約236万ドット 0.70倍 EVF |
背面液晶 | 3.0型 約123万ドット チルト液晶 |
3.0型 104万ドット バリアングル液晶 |
3.2型 約162万ドット チルト液晶 タッチパネル |
?3.0型 約123万ドット チルト液晶 |
ISO | 125-25600 (拡張 64 /25600) |
160-6400、12800 | 125-12800 | ?100-12800 (拡張 64/80) |
シャッタースピード | 30-1/2000秒(メカ) 1/32000秒(電子) |
30-2000秒(メカ) 1/16000秒(電子) |
30-1/2000秒 | 30-1/2000秒(メカ) 1/32000秒(電子) |
連写 | 約14枚/秒 | 約20枚/秒 | 約5.9枚/秒 | 約14枚/秒 |
動画 | 4K 30p 全画素読み出し |
4K 30p | FHD 59.9p 35M | 4K 25p 全画素読み出し |
WiFi | ○ | ○ | ○ | ?○ |
防塵防滴 | ○ | ー | ○ | ○ |
サブ液晶 | ○ | ー | ー | ○ |
バッテリー | NP-FW50 約420枚 |
EN-EL20a 約290枚 |
NB-10L 約300枚 |
?NP-FW50 約400枚 背面液晶 約360枚 EVF |
サイズ 幅*高*奥行 |
133*94*127 | 122.5*89.9*138.8 | 123.3*76.5*105.3 | 129*88.1*102.2 |
重量 | 1051g | 780g | 733g | 813g |
超高倍率で明るいズームレンズ
24-600mmをカバーするレンズで望遠端をF4で撮影出来るレンズはそうそう多くない。特に競合モデルではF5.6と少し暗くなってしまう。少しでもシャッタースピードを稼ぎたいスポーツや野鳥撮影時などでその差は顕著に出てくるだろう。
旧モデルRX10・RX10M2が24mm?200mmのショートズーム(それでも高倍率だが)をF2.8開放固定だったのに対して開放F値が変動するので気をつけよう。200mmF2.8を多用するのであればRX10M2の方が使いやすい。
かなり贅沢に特殊レンズを採用しており、諸収差を徹底的に補正している。おかげ様で広角端でも望遠端でも高解像・高コントラストなMTFを維持。高倍率ズームながら心置きなく楽しむことが出来るだろう。
さらに広角端では3cmまで寄れる他、望遠端でも72cmまで寄ることが出来る。これは広角でも望遠でも最大撮影倍率(どれだけ被写体を大きく写せるか)をかなり大きくする事ができるということだ。パースを効かせたマクロ撮影から、圧縮効果を使ったマクロ撮影まで幅広く表現出来る点は非常に素晴らしい。
ファインダー・モニタは競合クラスとドッコイ
ファインダーは旧モデルと同等、有機ELを使った約236万ドットの0.39型だ。
ファインダー倍率は35mm判換算で0.7倍の大きなファインダー像を誇るので、問題なく視認出来るだろう。
ソニーのデジタルカメラでタッチパネルを採用しているモデルは少なく、この機種もタッチパネルは採用していない。競合クラスで採用しているのはPowerShot G3 Xのみ。ローアングルやハイアングルを多用したり、三脚に据え付けて使用する機会が多いならばタッチパネルの恩恵を多く受けると思う。
また、Nikon DL 24-500はバリアングル液晶モニターを採用しているので、縦持ちでもローアングルやハイアングルに対応出来る。タッチパネルは搭載していないものの、多彩なアングルでの撮影や三脚に据え付けた際には非常に便利なのは間違いない。
この点においてはRX10シリーズは競合モデルに比べて機能性が劣るポイントだ。特にタッチパネルやバリアングルに魅力を感じなければ問題は無い。
裏面照射・積層型CMOSによる大きな恩恵
集光率を高めた裏面照射型を採用する事でローライトなシーンに強くなる一方で、旧モデルより採用された積層型CMOSをこのモデルでも使っている。これにより信号処理のスピードが大幅に改善されるので、高速電子シャッター時に発生する被写体の歪みなどを抑制出来る(アンチディストーションシャッター)が使用可能。
さらにレンズ一体型のデザインで光学設計を最適化されている。1型センサーながら高感度耐性のトータルバランスは良好と言っても良いだろう。さらに高感度使用時のノイズを抑制する為のマルチショットノイズリダクションも搭載されている。4枚の写真を合成する事で、ノイズ抑制効果が最大で2段分も得られるのは素晴らしいことだ。
競合と比べるオートフォーカス性能・連写
このポイントではNikon DL 24-500が大幅に抜きん出ている。171点のコントラストAFエリアのおよそ60%である101点を位相差AFがカバーしている。被写体の想定外の動きや素早い動作にも対応出来る機動力を備えている。
さらに秒間20コマを誇るNikon1並の高速連写を実現しているので、動体の決定的瞬間を捉えるには打って付けの高機能機だ。
それに比べるとRX10M3のフォーカスエリアの自由度は低く、25点からフレキシブルスポットなどを活用して被写体を捕捉する事になる。大きく写す場合には問題無いが、小さな被写体を捕捉するには心許ない部分がある。遮蔽物の少ない空の航空機などは問題無いだろうが、木々の隙間にいる野鳥を撮る際には苦労すると思われる。
とは言え、600mmF4利用環境下ではRX10M3に分がある。特に明るさを拘る場合にはオートフォーカス性能とどちらを取るか要検討だ。
堅牢性
各社で「どの程度の防塵防滴性能があるのか」はとてもマチマチで、ソニーでは防塵防滴仕様を前面にして謳っている製品は少ない。このモデルも同様に、防塵防滴のシーリングは施してあるものの「配慮した設計」としているに留まっている。積極的に雨風・粉塵にさらすには心許ないところだ。とは言え、急なコンディションの変化にビクビクしてカメラの持ち出しを控える程の物ではないだろう。「雨が降り始めたかな?」と思ったら雨宿り出来る場所に移動するか、一時的にカメラを防滴ケースに収納しよう。。
PowerShot G3 Xは「小雨程度ならば短時間の間使用可能である事を確認」と記載されている。長時間の放置やアクセサリーシューは装着するなどの注意点は留意しておく必要がある。
動画性能
全画素読み出し、オーバーサンプリング1.7倍での4K動画を撮影出来る。
オーバーサンプリングする事で、モアレやジャギーを少なくする事が出来より高画質な動画を提供出来ることになる。さらに低解像度では960fpsでのスーパースローモーション動画を撮影する事が可能。
さらに、S-Log2ガンマを使用可能なので広いダイナミックレンジによる滑らかな階調表現のある動画を撮ることが可能。さらに、動画から800万画素の写真として切り出す事も可能だ。
4K動画対応の競合クラスにはNikon DL 24-500が存在する。とは言え600mmF4というレンズの差やS-Log2ガンマなどを使うことの出来るRX10M3の方に軍配が上がる。
サイズ・価格
特に価格はそれまでの競合クラスの1.5倍程度の価格で、脅威の15万円超。そして、1kgを超える重量級のコンパクトデジタルカメラになっている。
大型センサーと大型レンズを使ったボケのある動画を撮るならば、とてもコンパクトに纏まっているカメラになるかもしれない。スチール(静止画)メインの方であれば600F4という性能にどこまで魅力を感じるかによるだろう。一眼レフカメラでロクヨンと言ったら100万円クラスの超高級・超重量級レンズになってくる。
それならセンサーサイズは控えめながら、画質は十分耐えうる物でレンズも明るく動画も強いこのカメラは強い説得力のあるカメラになることだろう。
*その他スペックの検証は後日追記
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