LUMIXは静止画/動画のハイブリッドユーザーが全体の需要を下支えしている

DPReviewがパナソニックへのインタビューを記事として公開しています。基本スタンスとして、開かれたプラットホームで幅広い顧客に訴求してゆく、ワークフローを簡素化したい顧客への注力など。

DPReview：Panasonic interview: "We place emphasis on expanding customer value by expanding our circle of partners"

日本で開催されたCP+ でのインタビュー

市場の現状

パンデミックの影響で大きく落ち込んだカメラの需要は、パンデミック前の水準まで順調に回復。

ミラーレスが牽引する形で安定した需要が続いている。

（DPReview談）
他の業界幹部からも同様の分析を聞いたことがある。

パンデミック後に大きく拡大したソーシャルメディアとライブストリーミングの拡大により、1台のカメラで動画と写真の両方を撮影し、作品として共有したいという需要が全体の需要を下支えしている。

S5IIやS5IIX、そしてG9IIといった製品で多くの成功を収めているが、その主な理由は、動画と静止画の垣根を取り払ったからだという。

特にLUT機能を静止画に拡張したReal Time LUTは、動画と静止画の両方で色を楽しめる点が高く評価され、販売を牽引している。

今後5年間、ハイブリッドユーザーがカメラ業界を牽引していく。

これからの映像市場は、動画と静止画の垣根を越えて、撮影から編集まで一人で行う個人制作者と、少人数で制作効率を高めていくプロクリエイターが牽引していくと考えている。

提携とパートナーシップ

他のカメラメーカー以上に、パナソニックは協業と技術プラットフォームの共有というコンセプトを受け入れている。これはパナソニックの戦略の中核をなすものだという。

パートナーの輪を広げることで顧客価値を拡大することを重視している。ライカとの包括的な協力関係もそのひとつ。

ライカとのコラボレーションは2つの価値あるものをもたらす。
ひとつは、パナソニックとライカが共同開発したL2テクノロジー。1社ではできない新しい技術を生み出すことができる。
もうひとつは、さまざまなタイプの顧客との接点を拡大できること。

また、拡大した顧客ベースへのアクセスもLマウント・アライアンスには不可欠。

より多くの顧客とつながり、彼らのニーズを理解することができる。パートナーの数が増えれば、接点を持つ顧客の数も増える。

我々の基本的なスタンスは、オープンなプラットフォームを持つシステムとして、より幅広い価値をお客様に提供できるメーカーになること。

ワークフローへの注力

カメラ業界が現在十分なサービスを提供していない顧客層について
特定のユーザー層へのサポートが不足しているというよりも、各ユーザーのワークフローへのサポートがまだ不足している。

最近の傾向として、ワークフローをできるだけシンプルにしたいというクリエイター、特に若いクリエイターが多い。

スマートフォンのようなワークフローを組み込んだカメラが必要。

写真を撮ってすぐに共有するというワークフローに関してはスマートフォンが優れているが、作品のクオリティに関してはカメラが優れている。

これらの異なるツールを統合するには課題がある。スマートフォンのメモリには限りがあるため、カメラのコンテンツをすべてスマートフォンに転送することはできない。

この問題に対処する方法はいくつかある。
例えば、カメラでワークフローをほぼ完成させてから、最終的なコンテンツをスマートフォンに転送すること。
あるいは、Frame.ioのようなクラウドベースのシステムに直接転送して、クラウド上で共同作業を行うこともできる。

パナソニックが重視しているのはクリエイターのワークフローだけではない。すでに写真や映像のプロとして活躍している方と、若く意欲的な趣味のユーザーとではワークフローが異なるため、それぞれの表現欲求やワークフローに寄り添った商品開発を行っていく。

（DPReview談）
我々のインタビューは、LUMIX S9を発表する数ヶ月前に行われたが、間もなく発表されるこの製品にチャンネルを合わせていたように思えてならない。

動画の展望

今日の課題として、消費者のビデオカメラに対する期待がますます高まっている。

映像コンテンツを見る機会が飛躍的に増え、ユーザーの見る目が肥えてきている。

リッチな画質だけでなく、ワークフローや使い勝手の簡素化も重要。
例えば、ライブコマースなどのリッチコンテンツを配信する場合、ミラーレスカメラを使うケースは多いが、まだ敷居が高く、用途が限られている。

ストリーミング用のミラーレスカメラを広く普及させるためには、スマートフォンとのシームレスな接続、高速Wi-Fi、そして編集やストリーミングまで、UXを革新していくことが重要。

従来の映像フォーマットにとらわれることなく、3:2や4:3の映像フォーマットなど、センサーの全領域を使った映像フォーマットを積極的に提供する。

CP+（2024年2月）のインタビューと言うこともあり、これと言って新鮮味のある情報はありません。その後に控えている「LUMIX S9」を意識したかのような回答となってます。強化されたLUT機能や新しいスマートフォンアプリ「LUMIX Lab」、そしてオープンゲート（3:2）の「MP4 Lite」など。目指すべきゴールに向かうマイルストーンとなっている模様。まだまだ完璧とは言えませんが、今後さらなる発展で大化けするかもしれませんね。（メニューやタッチインターフェースが旧態依然。機能的ではあるのですが）

LUMIX S9は私も購入して愛用中。従来機よりも洗練されたLUT機能を楽しく使っています。完璧からはまだまだ程遠いですが、今後さらにスマートフォンとの垣根を取り払ったようなカメラの登場に期待したいところ。カメラにLUMIX Lab（LUT生成機能）やよりスマートフォンライクなタッチ操作が実装されたら便利そう。

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新製品

主な仕様

イメージセンサー
・タイプ：裏面照射型
・有効画素数：2420万画素
・除塵ユニット：センサーシフト式
・手振れ補正：ボディ 5段 / Dual.IS 2 6.5段
・ISO：100-51200
・デュアルネイティブISO
シンクロスキャン（静止画）
プロセッサ：ヴィーナスエンジン
ハイレゾモード（手持ち対応）
アスペクト比：4:3 / 3:2 / 16:9 / 1:1 / 65:24 / 2:1
ライカモノクローム
LUT 最大39登録可能
不透明度 10～100％で調整可能
2つのLUTを適用可能
スマートフォンアプリで簡単に追加可能
SD UHS-II カードスロット：×1
AFシステム：
・像面位相差 / コントラスト検出
・測距点：779点
・測距輝度範囲：-6~18EV
・被写体認識：人物・動物・車・バイク
ドライブ性能：
・メカニカルシャッター：-
・電子シャッター：1/8000 - 60秒
・連続撮影速度：電子最大30コマ秒
・連続撮影枚数：H RAW 55枚以上 / SH RAW 36枚
・フラッシュ同調速度：-
ファインダー：-
モニター：フリーアングルモニタ 3.0型 184万ドット
動画：
・6K：29.97p 200Mbps 4:2:0 10-bit LongGOP
・全幅 4K：29.97p 150Mbps 4:2:2 10-bit LongGOP
・S35 4K：59.94p 200Mbps 4:2:2 10-bit LongGOP
・FHD：119.88p 150Mbps 4:2:2 10-bit LongGOP
・出力：
・電子IS：対応
・連続撮影時間：
・4Kオープンゲート
・リアルタイムLUT
・MP4(Lite): H.265/HEVC
・アクティブIS
動画連続撮影
・［6K］［5.9K］10分
・［C4K］［4K］［3.8K］［3.3K］15分
・ [FHD] 20分
インターフェース：
・USB：USB-C 10Gbps
・ヘッドホン：-
・マイク：3.5mm
・HDMI：D
・Wi-Fi：2.4GHz / 5GHz
・Bluetooth：Ver 5.0
・シンクロ：なし
・その他：-
・コールドシュー
バッテリー
・タイプ：2200mAhバッテリー
・撮影可能枚数：470枚静止画
・充電方法：USB 給電・充電
サイズ：126×73.9×46.7mm
重量：403g（ボディのみ）
重量：486g（バッテリー・カード含む）