PhotographyBlogがパナソニック「LUMIX GH6」のレビューを公開。高度な動画撮影が可能となり、静止画も高解像センサーや手持ちハイレゾモードが役に立つと評価。「ミラーレス界の十徳ナイフ」と述べています。
PhotographyBlog:Panasonic Lumix GH6 Review
ビルド・外観:
- マグネシウム合金製のボディだ。
- 外装の大部分はマットブラックのプラスチックだ。
- 防塵防滴仕様で-10°までの凍結耐性もある。
- シャッター耐久回数は20万回で、GH5 IIなどと同様だ。
- 起動時間は1秒未満と非常に高速だ。
- 三脚用ネジ穴は光軸上に配置されている。
バッテリー:
- 従来機はバッテリーグリップを利用可能だったが、奇妙なことにGH6は非対応だ。
インターフェース:
- Wi-FiやBluetoothに対応している。
- CFexpress Type BカードとSD UHS-IIに対応するスロットを搭載している。
携帯性:
- サイズは138.4x100.3 x 99.6mm だ。GH5 IIよりも大きくなっている。
- 重量は739gで、GH5 IIよりも遥かに重い。
- サイズ・重量増は主に冷却ファンの搭載が原因である。
グリップ:
- GH5よりもさらに大きい、ゴムでカバーされた深いグリップだ。
- 4本の指でしっかりと握ることが出来る大きさだ。
操作性:
- 2つ目の録画開始ボタンを前面に搭載している。
- 8種類のフィルターモードはモードダイヤルから無くなり、C4モードに置き換えられた。フィルターモードはメニューからのみ呼び出すことが出来る。
手ぶれ補正:
- 高精度のジャイロセンサーと新アルゴリズムにより、最大7.5段分の補正が可能だ。GH5 IIよりも1段分良好である。
ファインダー:
- GH5 IIと同じビューファインダーだ。
- GH5 IIと比べて2倍となる、最大120fpsで駆動する。
モニター:
- GH5 IIと同じ3型184万ドットのモニターを使用しているが、フリーアングルモニタ構造を採用しているのでチルト・バリアングルとして使うことができる。
メニューシステム:
- 従来通り優れたタッチインターフェースだ。
フォーカスシステム:
- 引き続きコントラスト検出方式のAFシステムを採用している。
- 測距点は従来の225点から315点に増加した。
- 高速処理によりウォブリングが抑えられている。
- ピンポイントモード以外で人物・動物認識が利用可能だ。
- 実際に使ってみると、被写体を捉えることができない場合はほとんど無かった。
- 特に中央のAFポイントを使うと、大部分の被写体で応答性が高く、信頼性の高いAFシステムである。
- とは言え、スポーツや野生動物など不規則に動く素早い被写体を捉える場合、期待していたよりも少し苦労する。これは最新の位相差AFシステムに見劣るポイントだ。
連写性能:
- 14コマ秒の連続撮影が可能だが、追従AF時は8コマ秒まで低下する。
- 電子シャッター時に75コマ秒のAF/AE固定の連写が可能だ。
- GH5 IIはRAWで108コマの連続撮影が可能だったが、GH6は65コマまでだ。
- 残念ながら6K PHOTOモードが無くなっている。
解像性能:
- 新型2500万画素のイメージセンサーを搭載している。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO感度は100-25600だ、
- 拡張ISO感度で50を利用できる。
- ISO 100-1600でノイズのない画質だ。
- ISO 3200でノイズが目に付き始める。
- ISO 6400-12800で目に見えるノイズが発生し始める。
- ディテールは失われるがISO 25600も利用可能だ。
ダイナミックレンジ:
- マイクロフォーサーズとしては初めてV-Log/V-Gamutを搭載している。
- ダイナミックレンジブーストで13stop以上の結果が得られる。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 多くの動画機能を搭載し、市場で最も高機能なレンズ交換式カメラに仕上がっている。
- GH5 IIと比べても動画仕様と性能で大きな進化が見られる。
- ProRes 422 HQ・ProRes 422で5.7K 30pの内部収録が可能となった。
- C4K 60p 4:2:2 10bitの内部収録やHDMI出力にも対応している。
- 4K 120p 4:2:2 10bitやFHD 4:2:2 10bitに加え、5.7K 4:2:0 10bitも利用可能だ。
- 全画素読出しのオーバーサンプリングだ。
- 冷却ファンにより無制限の動画撮影が可能となっている。
- GH5 IIにはあったライブストリーミング機能が無くなっている。
総評
LUMIX GH6は、ワンマンビデオグラファーを目指す人がハイブリッドカメラに求めるものを、ほぼすべて実現している。考えうるすべての設定の組み合わせを提供し、ヒートシンクとファンの統合により無制限の録画を可能にした。まさにミラーレス界のスイスアーミーナイフである。
実現できないことは8K動画くらいだ。しかし、5.7K 60p、4K 120pやその他の豊富なオプションは、それを補って余りあるものだと思う。
GH6が映像制作に明確にフォーカスしているからといって、フォトグラファーへの対応が劣るわけではない。2500万画素の新型センサーで2000万画素の壁を破り、1億画素の手持ち高解像度撮影を実現するなど、パナソニックがスチル撮影者のことを忘れていないのは明らかだ。
しかし、良いニュースばかりではない。6K/4Kフォトモード、フォーカス合成と、ライブストリーミングなど、GH5 IIのいくつかの機能がこの新機種から完全に消えている。なぜこれらの機能が削除されたのか、後日ファームウェアのアップデートでGH6に追加されるのかはよく分からない。
また、GH6はマイクロフォーサーズカメラの中で最も大きく、重いカメラだ。これは内蔵ファンによる不可避の結果であり、もしあなたのMFTカメラが小さく控えめであることを望むなら、他を探す必要がある。アップデートされたコントラスト検出AFシステムは、以前よりも高速で信頼性が高くなっているが、GH6の主なライバルであるOM SYSTE OM-1を含む最高の位相差検出AFシステムとはまだ比較にならない。
全体として、待望のパナソニックGH6は、待った甲斐があるカメラだ。特に動画撮影において、2000ポンドの価格帯では真の競争相手がいない。
とのこと。
PhotographyBlogでは言及していませんが、4K 120pまで画質や画角に変化なく動画撮影が可能となっている魅力的な新型機種ですね。従来通りコントラストAFがネックとなるようですが、そこに問題を感じなければ便利なミラーレスに仕上がっている模様。
空冷ファンまで搭載して非常に動画寄りのカメラながら、手持ちハイレゾモードによる1億画素の画像出力など静止画としても魅力的な機能を搭載しています。価格は20万円後半と高めですが、贅沢な予約キャンペーン中ならばOM SYSTTEM OM-1と同程度の価格帯と感じるはず。
とは言え、6K PHOTOモードが無くなったり、G9のようなプリ連写モードが無いところを見ると、GH6の静止画モデルが登場する余地を残しているように見えます。静止画寄りのユーザーであれば、G9 PROの後継モデルを待ってみるのも一つの選択肢かもしれませんね。
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