PCamgがライカ「M EV1」のレビューを公開。実用性からライカを選ぶ人は少ないとしつつも、超広角やマクロ撮影が多いフォトグラファーに適したM型ライカとのこと。
PCmag:Leica M EV1 Review: The Lightest M Yet—and the Most Divisive
- 外観:1950年代のM3から続くMシリーズのデザインを忠実に継承。EVF化された以外は、伝統的な外観と操作感を維持しており、これがファンに高く支持されている。M5を除く歴代M型と同じボディスタイルを採用し、非常にスリムなフルサイズミラーレスカメラ。
- 質感:防塵・防滴構造を備えるが、Q3(IP52)やSL3(IP54)のようなIP等級表記はない。中程度の雨でも問題なく使用でき、屋外撮影にも十分対応可能で。極端な悪天候では上位モデルの方が信頼できる。
- バッテリー:M11-Pと同じBP-SLC7バッテリーを採用。EVFの消費電力により、CIPA基準で1回の充電あたり約244枚の撮影が可能。実使用では約320枚程度と見込まれる。USB-Cで本体充電可能。
- インターフェース:USB-C充電・データ転送対応で、UHS-II SDXCカードに加え64GBの内蔵メモリを備える。内蔵フラッシュはないが、TTL調光対応でProfotoライトにも連携できる。Wi-FiとBluetooth搭載で、Leica Fotosアプリと連携してワイヤレス転送が可能。有線接続もサポートし、高速転送にも対応。
- 携帯性:外寸は約8.1×14×3.8cmで、M11-Pと同等サイズ。重量は約485gと軽量で、シリーズ中最も軽いデジタルM。ソニーα7CRやシグマBFなどのコンパクトフルサイズ機と同等の携帯性。
- グリップ:フラットな前面で突起グリップはないが、レザーレット素材の外装により良好なホールド感が得られる。小型レンズ装着時も不便は少ないが、より安定した保持感を求める場合は追加グリップやハーフケースの装着が推奨される。
- 操作性:シャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルを備え、絞りはレンズ側で調整。ISOダイヤルは廃止され、タッチ操作で設定する方式。フロントレバーはカスタマイズ可能で、クロップモードやフォーカスピーキングの切り替えが可能。上面のFnボタンは拡大表示切替などに対応する。背面は3ボタン+十字キーのシンプル構成で操作は直感的。
- ファインダー:左上配置のEVFを採用し、倍率0.76倍・約580万ドットで非常に鮮明。光学式MシリーズのOVFに比べて起動時の遅延(約2.5秒)はあるが、正確なプレビューが可能。マクロ撮影やR/SLRレンズの利用にも向く。α7CR(0.7倍/240万ドット)より優れるが、α7R V(0.9倍/940万ドット)には及ばない。
- モニター:3インチ・230万ドットの固定式タッチモニターを採用。視認性は良好で、日中でも十分見やすい。ただしチルト機構は非搭載で、可動式画面を求める場合は他機種を検討する必要がある。
- メニュー:Z8などのプロ機よりも操作部が少なく、マニュアルフォーカス専用の写真機として設計されている。不要な機能を排除し、シンプルな操作体験を重視。
- フォーカス:従来のレンジファインダー方式を踏襲しつつ、EVFと拡大表示でより正確なピント合わせが可能。レンズのフォーカスリング操作で自動拡大が起動する設定もできる。フォーカスピーキングも利用可能だが、精度は拡大表示に劣る。動作はやや遅いが、ポートレートや大口径レンズ使用時の精密なピント確認が容易。クロップモードのフレームラインを利用することで、レンジファインダーのような「フレームの外側」を確認することが可能。
- 連写性能:記載なし。
- 解像性能:約6000万画素のセンサーを活かし、1.3倍・1.8倍のクロップモードでも十分な解像度を維持する。広角レンズを用いることでトリミング後も高精細な撮影が可能。クロップはDNGメタデータにも記録される。
- 高感度ISO:M11/M11-Pと同じセンサーと画像処理エンジンを搭載し、ISO12500でもノイズやにじみが少なく、非常にクリアな描写が得られる。
- ダイナミックレンジ:ISO64で最大の解像度と約15ストップの広いダイナミックレンジを実現する。
- ホワイトバランス:記載なし。
- JPEG:M11-Pと同様にContent Credentials技術を採用しており、撮影した画像にデジタル署名を付与するハードウェア暗号化機能を備えている。
- 動画:M EV1のセンサーは、周辺部にマイクロレンズを配置しており、Mマウントレンズ使用時に発生しやすい周辺減光や四隅の色かぶり(いわゆる「イタリア国旗症候群」)を効果的に抑制する設計となっている。このマイクロレンズ構造により、M EV1はクラシックレンズでも優れた描写を維持できる。他社ボディでもMレンズを使うことは可能だが、一部の広角レンズではソニーa7R IVなどで色かぶりや周辺描写の差が生じることがある。重要な業務用途では、MレンズはMデジタルカメラで使用するのが望ましい。
- 総評:M EV1は、伝統的なMデザインを保ちながらEVFを搭載し、現代的な撮影スタイルにも対応した異例のモデル。とはいえ、実用性で高価なライカを選ぶ人は少ない。レンジファインダーのロマンはM11-PやM11 Monochromeにある。
- 備考:ライカによなると、対象ユーザーは「超広角を使う風景写真家」「マクロ写真家」「ライカRや他の一眼レフ用レンズを使ってみたい人」向けと述べている。
2025年11月に登場したライカMマウントのレンズ交換式カメラ。
中身はM11-P世代のライカMカメラですが、電子ファインダーのみを搭載。レンジファインダーを特徴とするM型ライカとしては珍しいデザイン。ファインダー使用時の視差がない、広角レンズやマクロ、望遠レンズとの相性が良いなどメリットもありますが、M型ライカの撮影体験とは一線を画すカメラとなっています。
販売価格はM11-Pよりも少し安いですが、電子ファインダーのM型ライカにそれほどの価値があるのかどうか悩ましいところ。(M11-Pでも必要であれば外付け電子ファインダーを装着可能)
他に特徴があるとすればカメラの重量。通常のM型ライカと比べると軽量化されています。薄いレンズを装着すれば、ポケッタブルなM型ライカとして活躍できる可能性あり。
PCmagのレビューでは、電子ファインダー化でレンジファインダーとしての魅力が薄れるとしつつも、EVFの実用性や超広角・マクロ撮影との相性が良いカメラと評価。従来機と比べて明らかに軽くなっていると言及しており、これまでのM型が重く感じているのであれば面白い選択肢となりそうです。
ただ、従来機でも背面モニタや外付けファインダーで視認性やフォーカス精度の強化は可能なので、電子ファインダーの有用性が(レンジファインダーを捨ててまで)必要かどうか要検討。また、他のレビューサイトが指摘しているように、起動速度について言及。少し気になるポイントのようです。
- 発売日:2025年11月1日
- カメラのキタムラ:1,327,150円
- B&H:8,995ドル
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主な仕様
| イメージセンサー | タイプ:BSI CMOSセンサー 有効画素:6030万画素 ローパスフィルター無し |
| プロセッサー | Maestro III |
| ISO | 64-50000 |
| ストレージ | SD UHS-II 内蔵メモリ 64 GB |
| 被写体検出 | |
| シャッター | メカニカル:60分-1/4000秒 電子先幕:- 電子:60秒-1/16000秒 |
| フラッシュ同調速度 | 1/180秒 |
| 連続撮影速度 | 4.5 fps |
| ファインダー | 解像度:576万ドット 倍率:0.76倍 |
| モニター | サイズ:2.95型 解像度:234万ドット 可動方式:固定 |
| USB | USB 3.1 Gen1 Type-C |
| Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
| Bluetooth | v5.0 |
| バッテリー | タイプ:7.4 V/容量:1800 mAh 撮影可能枚数:約244枚 |
| サイズ | 139×80×38mm |
| 重量 | 本体のみ:402 g バッテリー含:484 g |
| 外装 | 金属製(マグネシウム、アルミニウム) |
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