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OM SYSTEM OM-3 高価だが見た目と性能を融合に成功したカメラ

Phototrendが「OM SYSTEM OM-3」のレビューを公開。過剰な性能で価格が高めと指摘しつつ、レトロな外観とパフォーマンスを兼ね備えたミラーレスカメラと評価。高価になる原因として、OM SYSTEMはOM-1をベースにするしかなかったと推測しています。

Phototrend:Test OM System OM-3 : entre look rétro et performances, l’hybride idéal pour la street photo ?

  • 外観:OM-5(2022)のサイズ、OM-1 Mark II(2024)の性能、70年代のOM-1(フィルム)の外観を兼ね備える。レトロなデザインとコンパクトさは、ストリート写真向き。黒と銀のツートンカラーが特徴。
  • 質感:トップカバーとベースはアルミ製。一部ボタンは「カチッ」と不快な音を発するが、ケースはIP53認証を取得し、防塵防滴性能を確保。
    訳注:アルミではなくマグネシウム合金ボディです)
  • バッテリー:2280mAhのBLX-1を使用。メーカー公称値590枚。実際の撮影では700枚以上の撮影が可能。長時間撮影にも対応。非常に快適。
  • インターフェース:OM-5と同様。UHS-II対応SDカードスロットを1基搭載。ポートへのアクセスはケース右側。
  • 携帯性:幅14cm、高さ9cm、奥行き5cm。重量496g(バッテリー・メモリカード含む)。コンパクトで持ち運びしやすいが、ジャケットのポケットには収まりにくい。
  • グリップ:前面のグリップなし。背面に親指置きあり。前面の合成皮革カバーが滑りを抑えるが、大型レンズ使用時には不利。
  • 操作性:OM-5と類似。AEL/AFLボタンをCP(Computational Photography)ボタンに変更。ジョイスティック非搭載。PASMホイールと2つのダイヤルを装備。RECボタンの位置が悪く、誤操作の可能性あり。前面に「クリエイティブダイヤル」を搭載。モノクロ、カラー、ニュートラル、アート、CRTの5種を選択可能。クリエイティブダイヤルの位置が使いにくい。写真/ビデオ/S&Qホイールの選択肢が少なく、実用性に欠ける。
  • 手ぶれ補正:OM-1 Mark IIより1段低いが高性能。手持ち撮影で最大4秒の低速シャッターが可能。
  • ファインダー:236万ドットのOLED。快適性は並。
  • モニター:解像度162万ドット。OM-1 Mark IIと同等。
  • メニュー:OM-1の構成を踏襲。視認性が高く、説明も充実。ただしタッチ操作には改善の余地あり。
  • フォーカス:OM-1 / OM-1 Mark IIと同等。人物・動物の目を正確に追跡。ストリート撮影で良好な結果。ただし、暗所やコントラストが高い被写体ではAFが迷いやすく、ピントが外れることがある。
  • 連写性能:OM-1 / OM-1 Mark IIと同等。メカシャッターで1/8000秒、電子シャッターで1/32000秒まで対応。ローリングシャッターの影響は少ない。バッファはRAW 85枚、RAW+JPEG 68枚で制限あり。
  • 解像性能:OM-1 / OM-1 Mark IIと同じセンサー・プロセッサーを搭載。5184×3888ピクセル。JPEG 10MB、RAW 20MB。50MP・80MPの高解像度モードあり(静止被写体向け)
  • 高感度ISO:ISO 800までは良好。ISO 1600でノイズ発生、ISO 3200でディテール低下。ISO 6400で平坦化、ISO 12800以降は著しく劣化。拡張ISOは実用性なし。
  • ダイナミックレンジ:露出オーバー・アンダーともに最大2段分の補正が可能。ただし、それ以上はノイズと色変化が顕著。競合他機種と比べると見劣りする。
  • ホワイトバランス:OM-1 / OM-1 Mark IIと同等。昼夜問わず安定。露出計測も正確。
  • JPEG:色再現は満足度が高い。RAWの調整も少なく済む。カラープロファイル機能あり。モノクロモードは優秀だが、新しいレシピ作成ができない点は富士フイルムに劣る。
    訳注:「レシピ」と言及しているのでニコンの誤記?)
  • 動画:内部記録は最大4K DCI 60p(HDMI 4:2:2 8bit)。H.264で最大202Mbps、H.265で最大80Mbps(4:2:0 10bit)。約1.5倍のクロップあり。
  • 作例集:リサイズのみ。
  • 総評:レトロデザインとコンパクトさを活かしたストリート向けモデル。OM-1 / OM-1 Mark II譲りの高性能AF・手ぶれ補正を搭載。非常に魅力的なカメラ。
    ただし、旅行やストリート向けのカメラに全ての機能が必要だったのか疑問。そして価格が高い。OM SYSTEMには選択肢が無かったように見える。また、ジョイスティック非搭載、グリップなし、クリエイティブダイヤルの位置、バッファ制限などの欠点も目立つ。動画機能は4K 60p対応だがクロップあり。写真性能を重視するユーザー向けの選択肢となる。

同社のフラッグシップモデル「OM-1 Mark II」の多くを継承しつつ、小型軽量でクラシカルなデザインのカメラ。比較的コンパクトながら、OM-1 IIと同等の連写速度や撮影機能を利用可能。

比較してバッファがやや少なめ、ファインダーはOM-5並みですが、PEN-Fのようなクリエイティブダイヤルを搭載することで区別化しています。動体撮影の性能を残しつつ、よりクリエイティブな撮影ができるカメラ。

販売価格はOM-1 Mark II よりもやや安く、スペックに妥協は少なめ。デュアルカードスロットや高解像ファインダー、ジョイスティックをはじめとしたコントロールが必要であればOM-1 Mark IIが選択肢となるものの、そうでなければOM-3が面白い選択肢となりそうです。(レトロスタイルのカメラにここまでの性能が必要かどうか要検討ですが)

Phototrendのレビューによると、小型軽量なレトロスタイルながら最新のテクノロジーを詰め込んだカメラになっているとのこと。優れたバッテリー性能と静止画機能は魅力的ですね。フルサイズやAPS-Cと比べると画質で見劣りするかもしれませんが。ハイレゾショットや手振れ補正である程度のカバーが出来そう。

ただし、ファインダーの仕様は価格を考慮すると残念と言及。確かにこの価格帯だと369万ドットくらいは欲しかったところですが、スペック的にはOM-5と同程度となっています。

OM SYSTEM OM-3 最新情報まとめ

  • 発売日:2025年3月1日
  • 予約開始日:2025年2月6日
  • 希望小売価格:
  • カメラのキタムラ:
    ・ボディ:237,600円
    ・12-45キット:267,300円

主な仕様

イメージセンサー タイプ:4/3型 積層型BSI Live MOS
有効画素:2040万画素
センサー除塵 SSWF
手振れ補正 最大 6.5段分
シンクロIS対応 7.5段分
処理エンジン TruePic X
ISO 200-102400
拡張 80
ストレージ SD UHS-II
AF 検出方式:ハイブリッド
測距点:1053点 全クロス
測距輝度範囲:-5.5~19EV
被写体検出 人物 / 車、オートバイ / 飛行機、ヘリコプター / 電車、汽車 / 鳥 / 動物 (犬、猫)
シャッター メカニカル:1/8000~60秒
電子先幕:1/320~60秒
電子:1/32000~60秒
フラッシュ同調速度 1/250秒以下
連続撮影速度 メカニカル:~6fps
静音連写:~20fps
電子 SH1:~120fps
電子 SH2:~50fps
プロキャプチャー
連続撮影枚数 静音連写:RAW 151枚
SH1:RAW 88枚
SH2:RAW 102枚
ファインダー サイズ:OLED
解像度:236万ドット
倍率:0.63倍
モニター サイズ:3.0型
解像度:162万ドット
可動方式:バリアングル
動画フレームレート 4K 60p LGOP
FHD 60p ALL-I
動画出力
USB USB Type-C USB3.0
UVC / UAC規格対応
マイク/ヘッドホン マイク:3.5mm
ヘッドホン:3.5mm
HDMI タイプD
Wi-Fi IEEE 802.11b/g/n
Bluetooth Ver.4.2
その他ポート類
バッテリー タイプ:BLX-1
撮影可能枚数:約590枚
USB-PD充電
サイズ 約139.3×88.9×45.8mm
重量 本体のみ:413g
バッテリー含:496g
防塵防滴 IP53準拠

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