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LUMIX S1RII 登場は遅めだったがインパクトのあるカメラ

PetaPixelが「LUMIX DC-S1RM2」のファーストインプレッションを公開。AFはあまり改善が見られないとしつつも検出精度は良好の模様。優れた画質と高速性を両立するハイブリッドモデルとしてインパクトのあるカメラと評価。

PetaPixel:Panasonic S1R II First Look: The Ultimate Hybrid?

操作性

  • S5 IIと基本的に同じボディデザイン。
  • オリジナルのS1Rよりも20パーセント小型化され軽量化。
  • 限られたスペースに求められるすべてのカスタマイズとコントロール。
  • AFジョイスティック、AF-ONボタンの位置、ダイヤルの配置が気に入っている。
  • 前面と背面の両方に追加されたタリーランプも気に入っている。
  • 写真、動画、S&Qの3方向セレクタースイッチがあり、各オプションはそれぞれのボタンカスタマイズとカメラ設定を記憶する。
  • それ以外は、S5 IIと非常に似たレイアウト。
  • ロックスイッチが復活した。
  • バッテリーはS5 IIと同じBLK-22、前世代よりも小型。電力効率の高いコンポーネントで、全体的な寿命は旧型と同等。
  • CFexpress Type BとUHS-II SDスロットの両方を搭載。
  • メカニカルシャッターを使用している限り好きなだけ撮影できるバッファ。
  • 最速の電子シャッターの場合、バッファがいっぱいになるまでに約70枚。
  • レンズを外した際にセンサーを保護するシャッターアセンブリ。素晴らしい機能であり、特に使用し忘れたときにありがたみが分かる。
  • 576万ドットの素晴らしいEVFは、クリアで構図を決めやすい。
  • 背面液晶のタッチパネルも184万ドットの高解像度。

センサー

  • あまり見られなかったセンサー。4400万画素のセンサーは積層型ではなく、DJI Ronin 4Dに搭載されているチップとよく似ている。
  • 非積層型センサーはエンドユーザーにとっていくつかの大きなメリットがある。
    ・カメラの総コストを低く抑えることができる。
    積層型センサーモデルよりもダイナミックレンジの面で優れている可能性あり。
  • 読み出し速度は約1/50秒と、高解像度を考慮するとかなり良い結果。
  • 欠点としては、動きのある被写体の場合、ローリングシャッター現象が若干見られる。このため、電子シャッターモードの有用性が制限される。
  • 低照度性能も素晴らしい。デュアルゲインセンサーのベースISOは80で、暗い状況では400まで上がる。
  • 電子シャッター設定では、RAWファイルの品質が12bitに低下。
  • 14bit RAWを維持できる9コマ/秒でもほとんどの状況では十分。

手振れ補正

  • 非常に安定性の高いボディ内手ブレ補ユニットを搭載。
  • 非常に遅いシャッタースピードでも手持ち撮影が効果的に行える。
  • 三脚なしでも1億7700万画素のハイレゾモード撮影が可能。
  • 手持ちのハイレゾモードに対応。

AF

  • S5IIと同じくハイブリッドAFシステムを使用。
  • AIベースの新技術がオートフォーカスの精度を向上させ、より信頼性の高いものにしていると言われている。
  • 生産前の段階であるため、完全にテストできるまでは、評価を保留にしておきたい。
  • これまでの経験とかなり似ているように感じられると言っておこう。
  • 比較的静止している場合は、トラッキングが適切に機能する。被写体またはカメラ自体が高速で動くと、フォーカスがずれる傾向がある。
  • 被写体検出モードは、人の顔や目を追跡する際に非常にうまく機能する。
  • トナカイを撮影する際は、フレーム内に多くの動物が写り込んでおり、雪と暗い天候がさらに状況を複雑にするという難しいテストだった。
  • 動物の被写体を検出する精度にはかなり感心した。
  • 時折ピントがずれることはあったが、トナカイの目を捉えることができたことが多かった。
  • 火が灯された建物の中で、最小限の光で撮影したため、オートフォーカスには課題があったが、カメラがアップデートされたら、さらに詳しく検証したいと思う。

動画機能

  • S5IIセンサーよりもわずかに高速読み出しを行うセンサー。
  • S5IIより高い解像度。
  • 8Kはパナソニックにとって初の試み。非常に多くのディテールを含んでいる。
  • 8KおよびオープンゲートモードはすべてH.265 10bit 4:2:0。他の解像度に見られる4:2:2モードほど柔軟性はない。
  • オープンゲートで6.4Kの撮影できるようになった。依然として全幅で録画されており、8Kからオーバーサンプリングされていることを確認した。
  • 8Kのオープンゲートが発売時に利用できない理由はわからないが、パナソニックは今後のファームウェアのアップグレードで対応する予定。
  • スローモーションは1.1倍のクロップで、60pを最大5.8Kまで撮影できる。これは、APS-Cクロップが必要で、60pの映像は最大4KまでだったS5IIから大幅な改善である。
  • 4K/120pモードもあり、これは全幅を記録するが、このモードはサブサンプリングされており、他の4Kフレームレートよりも大幅にソフトでノイズが多くなる。
  • 1080pは最大120pまで利用できる。基本的に、これはEOS R5で見たものと同じであり、S5IIよりもはるかに優れたスローモーションカメラ。
  • 妥協をできるだけ少なくしたスローモーションを求めるのであれば、やはりGH7がベストである。
  • ローリングシャッターはS5IIよりも改善されている。しかし、ほとんどの記録モードではまだ見られる。
    ・8Kおよびすべてのオーバーサンプリングモード:1/50秒程度と推測
    ・Z 8、R5 Mark II、α1 IIなどの高価な積層センサーカメラが真の優位性
  • 「拡張ダイナミックレンジ」というオプションがあり、V-Log撮影時にハイライト情報を1Stop追加できる。しかし、ローリングシャッターの悪化という代償を伴う。(1/30秒程度。結果として拡張ダイナミックレンジは30p以下のフレームレートでのみ使用)
  • 高性能なて部bレ補正ユニットは、手持ち撮影時の安定性も優れている。多少のぶれはあるが、非常に自然な仕上がり。
  • ノーマルモードでデジタル手ブレ補正をオンにすると、クロップファクターがあるものの有用。
  • 新たにクロップレスモードが追加され、実際に記録されていないセンサーの表面領域を活用することで、映像をさらに安定させることができる。
    (これは対応するパナソニック製レンズのみで機能)
  • GH7の専用オーディオボタンは搭載されていないが、カスタムボタンをプログラムすれば、優れた直感的なオーディオクイックメニューを表示できる。
  • 新型XLR2を装着すると、4チャンネル録音と32bitフロートオーディオの録音機能が利用可能になる。
  • ArriLog 709 LUTに似たものになることが強く暗示されている新しいカラープロファイルもある。これは間違いなく素晴らしいもので、Logが不要な状況では、私が愛用しているLike-709プロファイルに取って代わるかもしれない。

LUMIX Flow

  • このカメラとともに新しいアプリ「Lumix Flow」も発表。
  • これは、構想からスクリプト、ファイル管理に至るまで、一般的なビデオワークフローをサポートするよう設計されている。これは非常にクールだが、このレビューの対象外。
  • このソフトウェアには、USB-C経由でカメラにスマートフォンを接続すると隠し機能が現れる。スマートフォンをビデオモニターとして使用できる。若干のレイテンシーはあるものの、以前のアプリで提供されていたWi-Fi接続よりもはるかに優れている。
  • 唯一の制限は、アシストツールが大幅に削減され、波形モニターやデスクイーズのオプションがないこと。
  • フォルスカラーツールを使用して適切な露出設定を支援できるオプションがある。
  • 内蔵ファンが過熱問題を軽減してくれる。

まとめ

  • フルサイズカメラとしては最もバランスのとれたカメラ
  • 積層型センサーを搭載していないため、スポーツやアクションにはやや弱いものの、実用的なメカニカルシャッタースピードにより、高速撮影の状況にも対応できる。
  • RAWの品質は競合他社製品よりも優れており、動画機能も強力な武器となる。そして、これらすべてが積層センサー搭載の競合他社製品よりも低価格で提供される。
  • ローリングシャッターの問題を回避できるユーザーもいるし、超高速の電子シャッター連射速度を必要としないユーザーもいる。S1RIIは登場が遅かったかもしれないが、登場した今、確実にインパクトを与えるだろう。

2025年2月末に発表されたLUMIX S シリーズのミラーレスカメラ。新開発の4400万画素 BSIセンサー、L2テクノロジーを採用した高速処理に対応するプロセッサを搭載。40コマ秒の連写撮影や、8K 30pの動画撮影に対応しています。高価な積層型CMOSセンサー以外の選択肢としては、非常に高速な高解像カメラと言えるでしょう。

同時に前モデルから大幅な小型軽量化を実現し、少なくとも北米での売り出し価格は安め。さらに、高解像のEVFやチルト+バリアングルモニタを搭載しつつ、S5IIに近いボディサイズとなっています。

PetaPixeは積層型CMOSセンサーほど高速ではないとしつつも、高速で高解像センサーを搭載していると感じたようです。設定によってはダイナミックレンジとローリングシャッターがトレードオフの関係にあるようですが、必要とする場面で必要とされる性能は発揮できるかもしれませんね。

実際に優れたダイナミックレンジを備えているのであれば、「解像性能・高速性・画質」のちょうど良いバランスの取れたカメラ。PetaPixeが言及しているようにAFが気になるところですが、発売までに改善されると良いですねえ。

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