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キヤノン EOS R5 Mark II レビューVol.4 ニューラルネットワークNR編

キヤノン「EOS R5 Mark II」のレビュー第四弾 ニューラルネットワークノイズリダクション編を公開。効果的ではありますが、撮影後の手間と処理時間を考慮すると一般ユーザーが使う機会は少ないのかなと思いました。

簡単なまとめ

アップスケーリングと同じく人を選ぶ機能。
そもそも高解像センサーモデルとして、高ISO感度ノイズは良くも悪くもありません。他社機とほぼ同じであり、基本的に問題なし。ISO 12800前後でノイズは発生していますが、ディテールを顕著に低下させるほどではありません。実用的な画質と言えるでしょう。

ノイズ低減が必要と感じるのはISO 25600あたりから(このあたりはISO感度編でレビューします)。この際はボディ内RAW現像で効果的なノイズ低減効果が得られます。とはいえ、1枚14秒程度の処理時間が必要となるため、大量に現像する場合はパソコンの現像ソフトがおススメ。ノイズ処理が必要な人はDXOのPureRAWやAdobe LightroomのAIノイズ低減を利用すると思います。

EOS R5 Mark IIを購入する価格帯のユーザーで、画質を重視しながらボディ内生成のJPEGを追求する人は多くないのかなと。あくまでも撮影現場で効果的なノイズ低減のJPEG/HEIFをすぐ必要としている場合のみ便利な機能となりそう。アップスケーリングを併用できるので、大幅にクロップしたJPEGが「今すぐ」必要な人には魅力的かもしれません。

Like upscaling, this is a function that selects people.
As a high-resolution sensor model, high ISO sensitivity noise is neither good nor bad. It is about the same as other companies' models, and basically there are no problems. Noise occurs at around ISO 12800, but it is not enough to significantly reduce the detail. It can be said to be a practical image quality.

Noise reduction is needed from around ISO 25600 (this area will be reviewed in the ISO sensitivity section). In this case, you can get effective noise reduction using in-body RAW development. However, since it takes about 14 seconds per shot to process, I recommend using computer development software if you are developing a large number of images. I think that people who need noise processing will use DXO's PureRAW or Adobe Lightroom's AI noise reduction.

I wonder if there are many users in the price range of those who purchase the EOS R5 Mark II and pursue in-body generated JPEGs while placing importance on image quality. It seems that this function will only be useful if you need JPEG/HEIF with effective noise reduction immediately at the shooting location. Since it can be used in combination with upscaling, it may be attractive for those who need JPEGs that have been significantly cropped “right now”.

ニューラルネットワークNRのおさらい

特長 EOS R5 Mark II

RAW現像時に、ノイズ をより低減した画像をカメラのみで生成できるニューラルネットワークノイズ低減。アップスケーリング機能を併用することで、低ノイズ化した画像の解像感をさらに向上させることができます。

※通常の[高感度撮影時のノイズ低減]よりも現像に時間がかかることがあります。

EOS R5 Mark IIは通常の映像エンジン「DIGIC X」に加え、「DIGIC Accelerator」を搭載。深層学習をベースとした画像解析技術を導入しています。この新しい装備で可能となった機能の一つが「ニューラルネットワークノイズ低減」のようです。

通常撮影時に適用することは出来ませんが、ボディ内RAW現像時に通常よりも効果的なノイズリダクションを利用できる模様。ひと手間かかりますが、パソコンでの主な画像編集作業がノイズ低減だとしたら、ボディ内で完結できる本機能が便利と感じるかもしれません。

使い方の確認

同じく新機能である「カメラ内アップスケーリング」と異なり、R5 Mark IIのメニュー項目にニューラルネットワークノイズ低減機能はありません。あくまでもボディ内RAW現像の機能の一部として組み込まれています。ボディ内RAW現像時のノイズ低減機能の中にニューラルネットワークNR専用の項目が追加されています。

RAW現像時はニューラルネットワークノイズ低減の適用と、ノイズ低減効果の強弱をそれぞれ設定可能。

動画で確認

処理時間は以下の動画を参照してください。ISO感度(ノイズの量)やシーンに関係なく、1枚のRAW現像処理は約14秒。

効果の確認

  • EOS R5 Mark II
  • EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
  • ISO 12800

ニューラルネットワークノイズ低減でディテールを維持しながら効果的なノイズ低減を実現しているように見えます。ディテールを改善するような機能ではありませんが、ディテールを損なわずにノイズ低減することで、結果的にディテールが改善しているように見えます。劇的な変化ではありませんが、ここからアップスケーリング処理する際は差が付くかもしれません。

  • EOS R5 Mark II
  • EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
  • ISO 10000

より高いISOでノイズが目立つ場合も良好なノイズ低減を実現しているように見えます。ISO10,000は迷うことなく実用的な画質と言えそうです。特にコントラストが低い領域におけるディテールが良好で、解像感のある結果が得られています。

  • EOS R5 Mark II
  • 70mm F2.8 DG Macro
  • ISO 51200

極端な高ISOのディテール損失は復元できませんが、それでも通常のノイズ低減と比べると遥かに良好な結果が得られています。

Adobe製現像ソフトの処理と比較

ボディ内ニューラルネットワークノイズ低減・LightroomのAIノイズ処理はどちらも健闘しているように見えます。極端な高ISOではLightroom有利ですが、一般的な高ISO(3200~12800)では違いが少ない。この効果をボディ内で実現する必要があるならば、画期的な機能と言えるでしょう。

まとめ

アップスケーリングと同じく人を選ぶ機能。
そもそも高解像センサーモデルとして、高ISO感度ノイズは良くも悪くもありません。他社機とほぼ同じであり、基本的に問題なし。ISO 12800前後でノイズは発生していますが、ディテールを顕著に低下させるほどではありません。実用的な画質と言えるでしょう。

ノイズ低減が必要と感じるのはISO 25600あたりから(このあたりはISO感度編でレビューします)。この際はボディ内RAW現像で効果的なノイズ低減効果が得られます。とはいえ、1枚14秒程度の処理時間が必要となるため、大量に現像する場合はパソコンの現像ソフトがおススメ。ノイズ処理が必要な人はDXOのPureRAWやAdobe LightroomのAIノイズ低減を利用すると思います。

EOS R5 Mark IIを購入する価格帯のユーザーで、画質を重視しながらボディ内生成のJPEGを追求する人は多くないのかなと。あくまでも撮影現場で効果的なノイズ低減のJPEG/HEIFをすぐ必要としている場合のみ便利な機能となりそう。アップスケーリングを併用できるので、大幅にクロップしたJPEGが「今すぐ」必要な人には魅力的かもしれません。

個人的に使うとしたら、ブログやSNSで使用する画像。
高ISO使用時に実用に耐えうるアップスケーリング+クロップを実現したいとき。それでも、パソコンの現像ソフトが使える環境であればパソコンを使用すると思います。現地から「こんなの撮れました!」とSNSにアップロードする際は利用するかもしれません。

ノイズ低減効果が見かけ上のダイナミックレンジに作用するのかは未確認。編集の自由度が少ないボディ内RAW現像(露出調整が±1EVまで)では確認しようがありません。あくまでも高ISO感度使用時のノイズを低減するものなのかなと思います。

参考情報

購入早見表

作例

Flickrにてオリジナルデータを公開

 

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