RICOH GR IV搭載レンズ「GR LENS 18.3mm F2.8」のレビュー第三弾 諸収差編を公開。全体的に優れた光学性能で、これと言った弱点はありません。
簡易的なまとめ
沈胴構造の小型軽量な広角レンズですが、諸収差は全体的に良好な補正状態。100%完璧ではないものの、一般的な撮影で無視できる程度の収差に抑えられています。建築物、イルミネーション、夜景、木漏れ日などなど、厳しめのシチュエーションでも絞り開放から快適に使えるはず。優れた解像性能を裏打ちする結果となりました。
敢えて言えばGW-4装着時の倍率色収差と歪曲収差が少し強くなることくらい。それでも無視できる範囲内に収まっていると思います。
This compact, lightweight wide-angle lens features a retractable barrel design, yet it offers overall excellent correction of various aberrations. While not 100% perfect, aberrations are kept to a level that can be ignored in general photography. It should perform comfortably even in demanding situations like architecture, illuminations, nightscapes, and dappled sunlight, right from wide open. This confirms its outstanding resolving power.
If I had to point out something, it would be that chromatic aberration and distortion increase slightly when the GW-4 extension tube is attached. Even so, I believe these remain within an acceptable range.
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RICOH GR IV LENS 18.3mm F2.8のレビュー一覧
Index
像面湾曲
像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。
中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。
最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。
ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。
実写で確認
- 左:中央でピント合わせ
- 右:端部でピント合わせ
ピント位置に関わらず、ほぼ同じ結果が得られました。像面湾曲の影響は無視できる程度の抑えられています。中央で撮影した結果を確認したところ、極端にピントが外れている領域はありませんでした。近距離でも同じ傾向。
倍率色収差
倍率色収差とは?
主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。
- 良好な補正
- 倍率色収差あり
実写で確認
絞り値全域で大きな問題はありません。
GW-4装着
ワイドコンバージョンレンズを装着すると、通常と比べて僅かに色収差が増加します。無視できる程度であり、画質への影響少なく補正可能。
軸上色収差
軸上色収差とは?
軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。
実写で確認
完璧な補正状態ではないものの、影響は穏やか。軸上色収差が目立つシーンは限られています。
GW-4装着
ワイドコンバージョンレンズ装着時は色収差が少し強くなりますが、それでも目立つシーンが限られる程度。特に心配する必要はありません。
歪曲収差
歪曲収差とは?
歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。
- 糸巻き型歪曲
- 適切な補正
- 樽型歪曲
比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。
実写で確認
穏やかな樽型歪曲。
GW-4装着
ワイドコンバージョンレンズ装着時は通常と比べると少し強めの樽型歪曲が発生します。しかし、ミラーレスカメラの広角レンズと比べると遥かに良好な結果。
コマ収差
コマ収差・非点収差とは?
コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。
- 良好な補正状態
- 悪い補正状態
絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。
実写で確認
絞り開放付近で僅かに残存していますが、少し絞ると改善します。
GW-4装着
通常時と同じく、僅かに残存する程度。
球面収差
前後のボケ質に大きな変化はありません。球面収差は良好に補正されています。
まとめ
沈胴構造の小型軽量な広角レンズですが、諸収差は全体的に良好な補正状態。100%完璧ではないものの、一般的な撮影で無視できる程度の収差に抑えられています。建築物、イルミネーション、夜景、木漏れ日などなど、厳しめのシチュエーションでも絞り開放から快適に使えるはず。優れた解像性能を裏打ちする結果となりました。
敢えて言えばGW-4装着時の倍率色収差と歪曲収差が少し強くなることくらい。それでも無視できる範囲内に収まっていると思います。
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