K&F Conceptから小型アルミ三脚「KF-TM2324」のサンプルを提供して頂いたのでさっそく見ていきましょう。
小型アルミ三脚「KF-TM2324」 レビュー
外観
材質 | アルミ合金 |
全高 | 1565mm |
最低高 | 415mm |
収納時の長さ | 460mm |
脚の最大径 | 23mm |
脚の段数 | 4段 |
雲台 | 金属製自由雲台 |
脚ロック方式 | レバーロック |
本体重量 | 1135g |
このタイプの小型三脚としては一般的なデザイン。
パイプ径が23mmであり安定性にやや不安が残るものの、小型三脚としてはまだ太い方。(例えばSLIKのスプリントシリーズは20mmのパイプ径だったりする。)
デザインは可もなく不可も無く。カジュアル過ぎず、シブすぎず、と言ったところ。
全体的に金属パーツが多く、プラスチックを多用している三脚よりもしっかりとしている。
全高・縮長
- 中型三脚 VANGUARD ALTA PRO2+
- 小型三脚 K&F Concept KF-TM2324
- トラベル三脚 SIRUI T-1004X
ご覧のようにトラベル三脚よりもやや大きく、中型三脚よりもやや小さい。TM2324は小型バックパックで担ぐにはちょっと大きいかな?と言うサイズ感。
「とりあえず三脚が欲しい」と言うニーズに応えるエントリー三脚としては程よい大きさ。
センターポール
レバーロック式の脚とは違い、こちらはロックナット式。
動作で特に問題は無い。
使い始めはグリスの馴染みが悪くザラっとした動作だったが、回していると滑らかに動作するようになった。
最大の問題は短いセンターポールが付属していないため、最低高がどうしても高くなってしまう。
ローアングルや仰角の撮影を考えているならば別の選択肢を考慮した方が良いでしょう。
ただし、少しギミックを変更・追加するとローアングルもなんとか可能。
センターポール底面には錘を吊り下げるばね式のフックが備え付けられている。
これを外せばセンターポールを上下を逆転させて下方向に雲台を設置することができる。
さらに別途カメラプレートを用意すれば、写真のようにローアングル撮影に対応可能だ。
しかし、ここまでするなら普通にミニ三脚をオススメしたい。
三脚 レバーロック
この価格帯のトラベル三脚はロックナット式が多いが、TM2324はレバーロック式を採用している。材質はプラスチック製だ。
ロックナット式よりもリリースとロックのテンポが早いので個人的にロックナット式よりもレバーロックが好き。
比較的動作が硬めのレバーなので緩みにくい反面、少々力を要する。
三脚 天板
天板には雲台を固定するイモネジが見当たらない。
つまり回転方向の負荷、特に反時計回りの力を加えた時に雲台が緩んでしまう可能性がある。
このクラスの三脚に取り付ける雲台やカメラならば特に問題無いとは思うものの、オーバースペック気味な雲台やカメラを載せる時には注意が必要だ。
ちなみにイモネジありの天板には以下の写真のように雲台底面を突き上げて固定できるようになっている。
天板のネジは取り外して1/4と3/8ネジを交換可能。
雲台側のネジ穴のサイズが異なる種類の場合にこの仕様はとてもありがたい。
ナットは固定されていないため紛失に注意。
雲台
雲台は巾着袋をかぶせてある状態で梱包されていた。
価格帯を考えると良好なオプションであり、そのまま実用品として運用可能。
雲台はほぼ全てのパーツが金属製なので強度に不安は感じられない。
フリクションコントロール機能は搭載されておらず、パン用のネジとボール雲台のネジのみを操作するタイプだ。
自由雲台のボール径は約2.5センチ。
付属品としての自由雲台ならば十分すぎる大きさ。
心なしかグリスの塗布が少ない気もするが動作に問題は感じられない。
クイックシューはアルカスイス互換を採用している。
落下防止の安全機構はプレート側の底面に凸を備えている。雲台側にロックピンは無いので注意したい。
アルカスイス互換の三脚座を付けた望遠レンズならばカメラプレート無しでダイレクトに装着可能。
耐荷重はD850+SP70-200 F2.8の組み合わせ(2.5?ほど)なら全く問題無い。
ただし、この場合は重心が三脚座付近にあるためバランスが取れているのかもしれない。ロングのカメラプレートを装着したり、ズームする超望遠レンズを使う場合には少し非力と感じるかも。
雲台のロック・リリース用のネジはスパンが短く迅速な動作が可能。その反面、滑らか且つ減衰性を保つのは難しい。比較的重めの機材を載せる時はよりキツクネジを締める必要がある。
この組み合わせで注意すべきは三脚座側にも雲台側にも安全機構が無いこと。
ロックが甘いとそのままズレて落下しかねない。
実際に使ってみる
屋内で語ってもつまらないので外に出て使ってみましょう。
この三脚にはしっかりとしたカメラバッグが付属しているので携帯はらくちん。
サイズには余裕があるので大きめの雲台を装着したままでも収納可能かもしれない。
もちろん小型のトラベル三脚を携帯するにも使えそうだ。
やはり最低高が少し気になる。
このクラスの三脚に「全高」を求めるるのか「最低高」を求めるのかと言えば、個人的には後者である。
センターポールを反転させるとローアングルも可能。
ただし、この場合は仰角が不可能。ついでに言うとカメラの操作はとても不便だ。
帰宅後にじっくり考えたところ、このように足を展開して設置すればローアングルで撮れなくもない。
(三脚を車に置きっぱなしにしてしまったので、似た三脚のSIRUIを使っている)
二つの脚を折畳方向へ展開し、自由雲台を横に倒しておけばなんとかいける。
ただし、脚を固定できないので不安定であることは確か。あまり重い機材を載せることができない。
安定性は特に問題無し。
OM-D E-M1 Mark II+追加グリップでも、Nikon D850でもOK。
エレベータを伸ばして最も高い状態にすると安定性が低下する。
センタポール下部にフックがあるので三脚バッグに重しを入れて吊り下げると結構いける。
まとめ
長所 | 短所 |
|
|
この価格でこの仕様なら必要十分。
特にこだわりが無く「とりあえず三脚を持っておきたい」と言うのであれば十分に選択肢となり得る。雲台とバッグがセットでお手頃な価格なのでエントリー三脚としてとっつき易い、
K&F Conceptであること
この手の三脚は他のメーカー名で流通している事も多いが、中でもK&F Conceptは比較的名の知れたブランド。
国内最大の写真祭典「CP+」では代理店の焦点工房から出展しているブランドだ。Amazonでちょいちょい見かける正体不明のブランドよりも信頼できる。
怪しいブランドよりも購入時に三脚の仕様を細かく確認できる点もGood。
注意点はセンターポール
短所として挙げた点は「この価格帯の小型三脚としてはこんなもんかな」と言う程度。
ただし、センターポールの長さを変えることが出来ない点は注意。地面スレスレの最低高を多用するのであればちょっとオススメし辛い。
参考サイト
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