このページではXiaomiのスマートフォン「Redmi Note 10 PRO」に搭載されているカメラについてレビューしています。
Redmi Note 10 PROレビュー
レンズの性能・センサーの解像性能
カメラの違い
Xiaomi Redmi Note 10 PROは「超広角」「広角」「望遠マクロ」の3つのカメラを搭載しています。ただし、「望遠マクロ」はマクロ領域にしかピントが合わないので、基本的にカメラ機能は「広角(Wide lens)」「超広角(Ultra Wide Lens)」の二つ使用して撮影します。主なスペックは以下の通り。
- 超広角
・センサーサイズ:1/4.0型
・画素数:800万画素
・イメージサイズ:3280×2464(4:3時)
・焦点距離(35mm判換算):16mm
・絞り:F2.2 - 広角
・センサーサイズ:1/1.52型
・画素数 108モード:1億800万画素
・画素数 通常モード:1200万画素
・イメージサイズ 108モード:12000×9000(4:3時)
・イメージサイズ 通常モード:4000×3000(4:3時)
・焦点距離(35mm判換算):25mm
・絞り:F1.9 - 望遠マクロ
・センサーサイズ:不明
・画素数:500万画素
・イメージサイズ:2592×1944(4:3時)
・F2.4
画角の違いと解像度・イメージサイズ
「広角(Wide lens)」「超広角(Ultra Wide Lens)」を使って撮影した作例が以下の通り。アスペクト比は「Full」で、水平のみセンサーを目いっぱい使用したフル画角。
注意ポイント
アスペクト比は「3:4」「9:16」「Full」の3種類ですが、基本的に「3:4」をクロップしたものとなります。「Full」に騙されないように注意が必要。
また、基本的に今回の記事で焦点距離を記載する場合は「35mm判換算」の数値です。
超広角カメラは16mmから2倍電子ズームで32mmまで対応。広角カメラは25mmから10倍ズームで250mmまで対応しています。ただし、広角カメラの1億800万画素モード時は25mmから2倍ズームの50mmまでに制限がかかります。
各カメラのズームは電子的なもの(=クロップ)ですが、解像度は最大イメージサイズで固定されています。つまり、広角レンズは通常時に25mmから250mmまで1200万画素、108モード時は25mmから50mmまで1億800万画素のイメージサイズで出力されます。
同じカメラを使用する場合、ズーム倍率に関わらずイメージサイズは同じ。とは言え、電子ズームを使うと当然ながら画質は低下します。このため、倍率が高くなるほどイメージサイズに対してディテールの情報量が少なくなり、ファイルサイズが小さくなります。
参考:イメージサイズ早見表
広角(108/通常) | 超広角 | 望遠マクロ | |
画素数 | 1億800万画素/1200万画素 | 800万画素 | 500万画素 |
サイズ | 12000×9000/4000×3000 | 3280×2464 | 2592×1944 |
ズーム | 2/10倍 | 2倍 | 2倍 |
焦点距離 | 25-50/25-250mm | 16-32mm | 不明 |
1億画素
三脚に固定して通常モード(1200万画素)と無限遠(1億800万画素)を撮り比べ、中央を大きくクロップしたのが上の2枚の画像。大型センサーの1億画素と比べられる画質では無いものの、少なくとも1200万画素の低解像と比べると遥かに良好な解像性能を期待できます。当然、1億画素時の2倍ズームも実用的な画質となるはず。正直なところ、画像処理による「塗り絵」感は否めませんが、細部の再現性にこだわらなければ解像感のある画質だと思います。
撮影時期が異なるものの、同じような画角のレンズを装着したフルサイズミラーレス「α7R IV」と比較したのが上の画像。ディテールの再現性は太刀打ちできませんが、Redmi Note 10 PROは「コンピューショナルフォト」の高解像イメージとしては許容できる画質に見えます。イメージセンサーのサイズ差を考えると評価すべきかなと。
実写でも悪くない解像感のある画質を楽しむことが出来ます。SNSなどウェブ上で掲載するには十分以上と言えるでしょう。レンズの光学性能も悪くなく、四隅まで描写の乱れがない結果を期待できます。後述しますが、デジタル補正が強めにかかっています。
1200万画素
1200万画素は1億画素ほど大きくクロップできませんが、クロップせずにそのまま使うのであれば4Kモニタでも十分な解像感を得られるように見えます。(拡大すると粗が見えるものの、全体像はコントラストがしっかりとしたパンチのある画質です)
マクロ
500万画素のマクロレンズはズーム時の画質低下が大きく、基本的にはズームせずに使うのがおススメ。4Kモニタで見るには苦しい解像度ですが、SNSなど小さなモニタで鑑賞するぶんには問題なく利用可能。
逆光耐性
太陽をフレームに入れるとゴーストやフレアの影響を受けますが、フレーム外に外すと影響を最小限に抑えることが出来ます。たとえフレアが発生したとしても、見苦しいフレアではないので、そのまま使っちゃうのもアリ。
高感度ISO性能
センサーが良好なパフォーマンスを発揮するのは、基本的にベースISO感度の「ISO 50」にて。これを維持するにはカメラの「PRO」モードでISOを固定する必要があります。とは言え、ISO 50では薄暗い環境に対応できず、例えば低照度の水族館などでは絶望的な画質となります。それでも、元の高解像が役に立ち、センサーサイズを考慮すると健闘している画質に煮えます。
AF
どのようなAFシステムを実装しているのか正確な仕様は不明。レスポンスは思っていたよりも速いですが、近距離の被写体をミラーレスや一眼レフのように追いかけるのは難しい。と言っても、被写界深度が深いので、一般的な撮影距離でAF速度に問題があると感じることはありません。
操作性・撮影モード
一般的なオート撮影モードをはじめ、プロモード、インターバル撮影や長時間露光、タイムラプス、パノラマなど、スタンダードな撮影機能を完備。クイックメニューはカスタマイズ可能で、使う機能・使わない機能を入れ替えて自分の撮影スタイルに合わせたメニューの構築ができます。
プロモードではシャッタースピードやISO感度を手動で設定でき、さらにピント位置の手動調整も可能と、思ったより機能的。アスペクト比は「3:4」をベースとして「9:16」「Full」に対応しています。RAW出力も可能ですが、レンズ本来の歪曲収差が大きく、スマートフォンの強みである「コンピューショナルフォト」を捨ててまで得たいRAWデータとは思いません。色やダイナミックレンジの調整をしたいと思わない限り、1億800万画素のJPEG出力がおススメ。ちなみにRAW出力の広角レンズは以下のように歪曲収差が発生します。
実写体験
1億画素に過剰な期待は禁物ですが、3万円のスマートフォンについてくるカメラとしては高性能なのは確か。ディテールは塗り絵のように見えるものの、全体像は満足のいく画質。
カメラ性能を最大限活かすためにはプロモードで「ISO 50」に固執する必要があります。レンズが「F1.9」と明るいので夕景・夜景や屋内でシャッタースピードを上げない限り、ISO 50を維持するのは簡単。手持ち撮影で高解像な風景写真などを撮ることが可能です。
画角の広い広角レンズとしてば、隅画質が低下しやすいもの。しかし、このカメラは全体的に良好な画質を実現しています。さらに太陽光など、逆光時の影響は極僅か。画角が広いのでフレアが発生する状況では回避し辛いものの、そう感じるシーンはそう多くありません。
ダイナミックレンジも良好で、輝度差のあるシチュエーションでもシャドウとハイライトが程よく残っています。RAW現像要らずで手軽に広いラティチュードの結果を得ることができるのは便利。JPEGのため後処理の自由度は低い点に注意する必要があります。RAW出力も可能ですが、前述した通りデメリットもあるので、個人的にはJPEGがおススメ。敢えて言えばHEIF出力などがあると良かった。
独特なカラーモードも多い。自然な色再現から、部分的に色相を傾けた味の強いカラーモードまで充実しています。デジタルカメラよりもバリエーションの幅が広く、面白い仕上がりが揃っています。
破綻しやすい赤色もまずまず良好。完璧な再現性とは言えませんが、飽和してしまうデジタルカメラも多い中で良好な描写に見えます。
マクロレンズを使わずとも、広角レンズでそれなりに接写できるのも便利。さらに1億800万画素を活かした2倍ズームを使うと、マクロレンズのような使い方も可能。接写時の光学性能は悪くなく、大型センサーらしく後ボケが大きくなるのがGood。
もちろんマクロレンズを使うと、ミラーレスや一眼レフも驚きの撮影倍率を利用可能。被写界深度も適度に深く、使いやすい。ただし、AFの動作がワンテンポ遅れるので、風が吹いていると撮影の難易度が一気に跳ね上がります(これはミラーレスなどでも同じですが)
今回のまとめ
スマートフォンとして使っても良し、3万円の単焦点カメラとして使っても良し。どちらとして買っても満足のいく製品だと思います。カメラとして買う場合は「ISO 50に固執する」「1億800万画素でもディテールの再現性は妥協が必要」「RAWは期待するな」などなど注意点があるものの、1/2.3型センサーのコンパクトデジタルカメラよりは良好な画質を期待できます。電子式ズームですが、換算50mm程度のズームであれば(約2倍ズーム)快適に利用することができると思います。
超広角カメラは広角カメラと比べて低解像・低画質ですが、WebやSNSで使うには十分な画質を備えています。F値は「F2.2」ですが、同じ露出設定で広角カメラよりも明るく撮影することができ、低照度や屋内で使いやすい。解像度は低いものの、ノイズが少ない結果を得ることが出来ます。
普段はスマートフォンとして携帯し、場合によってはスナップや旅の記録に利用できる便利で高性能なカメラを搭載しています。機能も充実しており、ミラーレスや一眼カメラの補完的な意味合いで使うのも面白い。もちろん画質や適用できる撮影シーンは同じといかないものの、限界を理解して使えば面白いカメラとなるはず。
購入早見表
Redmi REDMI NOTE 10 PRO オニキスグレー | |||
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Redmi REDMI NOTE 10 PRO グレイシャーブルー | |||
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Redmi REDMI NOTE 10 PRO グラディエントブロ | |||
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作例
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