DPReviewがソニー「RX1R III」の紹介記事を公開。最新のAFシステムや高解像センサーを実装したRX1R IIIを「嬉しい驚き」としつつも、類を見ない携帯性は実用面・金銭面での代償が伴っていると言及。
DPReview:Sony RX1R III: everything you need to know
基本スペック
- 最新のソニー製品らしい、期待通りのアップデート。
- 偶然にも、より高価なライカQ3・Q3 43にも搭載されている、優れた60.2MPセンサーを搭載。
- レンズは他のRX1と同じZEISS 35mm F2。
- ステッピングモーター駆動のフォーカスシステムも同じ。
- Mark IIと同様に電子ビューファインダーを内蔵しているが、ポップアップ式ではなく、ボディの隅に固定。カメラを小型化する必要性から、ソニーはEVFパネルを236万ドットに抑えている。高価な製品としては耳障りな仕様。
- これまでのRX1と同様、手ぶれ補正システムは搭載されていない。
- ボディのデザインは一新されたが、カメラの基本的な部分はほぼ変わっていない。
アップデートされたAF
- RX1R IIの発売から10年の間に、ソニーのAFシステムは大幅に改善。
- 他のハイエンドモデル同様、AI処理の専用プロセッサー搭載。
- (従来と同じ)フォーカスレンズのAF速度がボトルネックとなるかもしれない。
- ポテンシャルがどの程度発揮されるのかがわかったら記事を更新予定。
- RX1R IIのシステムが10年も前のものだったとは、隔世の感。
価格とポジショニング
- 非常に光学だが、このシリーズは常にハロー製品*である。
(訳注:技術力や高級志向を強く印象づけるためのフラッグシップ的存在)- 初代RX1の時代から常に(当時としては)高めの値札が付いていた。しかし、決して高すぎる値付けではない。
価格 アメリカとそれ以外
- 米国での価格は、パンチが効いている。
高解像度センサー
- 42MPセンサーから60.2MPセンサーへの移行は大きな変化。
- 画質という点で、過去最高のセンサーの一つ。
- 光学式可変ローパスフィルターは非搭載。しかし、高解像センサーを搭載しているのでローパスフィルターレスによる影響を受けにくい。
大型バッテリー
- 7.3WhのNP-FW50バッテリー。
- コンパクトな4.5Wh NP-BX1バッテリーの前モデルよりも改善を期待できる。
- USB-Cソケットも搭載され、USB-PD充電や給電を行うことができる。
対ライカQ3
- 直接のライバルは、ライカのQ3。
- RX1R IIIの35mmと異なり、広角レンズ(28mm)か標準レンズ(43mm)かを選択できる。
- ソニーにはない手ぶれ補正も搭載している。
- ファインダーはより大きなフォーマットの598万ドットOLEDビューファインダー(倍率は0.79倍)
- RX1R IIIのモニタが固定式であるのに対し、Q3はチルト式である。
- ソニーよりもかなり大きなカメラで重量はかなり重い。
- ソニーより高価なカメラ。
- より現実的な選択肢は、α7CRと適切な単焦点レンズだろう。
EVFとスクリーン
- 価格以外の最大の論点は、ファインダーと背面モニタの仕様。
- 大型バッテリーの搭載とカメラの小型化を両立した結果、ポップアップ式EVFやチルトモニタは省略された。
リーフシャッターとホットシュー
- 多くのレンズ固定式カメラと同様、レンズ内「リーフ」シャッターを採用している。
- シャッタースピード全域でフラッシュ同調が可能。
- しかし、カメラの絞り開放に近づくにつれて最高シャッタースピードが低下するという欠点がある。
- F5.6で最高1/4000秒のシャッタースピードは、F4で1/3200秒、F2で1/2000秒まで低下する。
- どの絞り値でも最高1/8000で撮影できるEシャッターモードもあるが、読み出し速度が100ms(1/10秒)なので、静止した被写体に適している。
- カメラにはホットシューがあり、デジタル音声をカメラに伝達できるマルチインターフェースピンを備えている。
- 動画は4K/30に制限されている。
- アップロード可能なLUT、S-Cinetone、10-bit Logキャプチャーなど、ソニーの最新動画ツールをすべて搭載している。それに比べ、RX1R IIは8ビット1080が最高だ。
概要
RX1R IIIは思いがけないアップデートで、多くの点で嬉しい驚き。固定式ビューファインダーは前モデルのポップアップ式ユニットよりもアクセスしやすく、6000万画素センサーを搭載し、前モデル最大の欠点の1つであるバッテリーライフが改善している。
しかし、背面モニタの固定は時代に逆行するように感じられるし、ボディの完全な再設計を考えると、AFジョイスティックを設置するスペースが見つからなかったのは残念だ。
RX1シリーズは、小型化だけでなく、名声のためにプレミアムがつくハロー製品だ。しかし、現在の価格設定(特に米国では)他のラインナップにある、まだかなり小型のα7CRの存在が浮き彫りになっている。
レンズ固定式カメラが好きで、コンパクトであることが大きなメリットであるなら、これほど小さなパッケージでこれほどの高画質を約束できるカメラは他に無し。しかし、その携帯性には実質的にも金銭的にも代償が発生する。
前モデルから10年の歳月を経て登場したRX1シリーズの最新モデル。多くの人が予想していなかった新機種は6100万画素の高解像センサーとAIプロセッシングユニットを搭載して、最新のAFや画像処理機能を実装。携帯性を維持しつつ、バッテリーの大容量化を実現しています。
ポップアップ式EVF、チルト式モニタ、光学式可変ローパスフィルターなど、個性的で象徴的だった機能を継承していないのはソニーらしくない気もしますが…。従来のサイズを維持しながら高性能化するためには機能をそぎ落とすしかなかったのかもしれませんね。
DPReviewの所感では、コンパクトサイズに意味を見出しつつも、価格や機能面での妥協がそれに見合うものであるかどうか悩ましいようです。携帯性を重視したフルサイズカメラシステムとしては魅力的ですが、それがRX1R IIIほどのコンパクトサイズである必要性があるのかどうか。
最近はコンパクトなEマウントレンズが多いため、α7CRでも十分と言えば十分。RX1R IIIのコンパクトさにロマンを感じるものの、手振れ補正やバリアングルモニタ、レンズ交換式など実用的な面と価格を考慮すると悩ましいところ。
- 発売日:2025年8月8日発売予定
- 予約開始日:2025年7月23日 (水) 10時
- 希望小売価格:オープン価格
- 市場推定価格:66万円前後
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主な仕様
レンズ | ZEISSゾナーT*レンズ 7群8枚 |
F値(開放) | F2 |
虹彩絞り | 9枚 |
焦点距離 | f = 35 mm |
撮影距離(レンズ先端から) | 約24 cm - ∞:通常 約14 cm - 29 cm:マクロ |
フィルター径 | 49 mm |
イメージセンサー | タイプ:Exmor R CMOS 有効画素:約6100万画素 |
光学ローパスフィルター | - |
内蔵NDフィルター | - |
プロセッサ | BIONZ XR AIプロセッシングユニット |
出力 | JPEG/HEIF/RAW XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264 |
センサー除塵 | 不明 |
手振れ補正 | 電子式 |
ISO | ISO 100 - 32000 拡張: 下限ISO 50、上限ISO 102400 |
ストレージ | SD(UHS-I/II対応) |
AF | 検出方式:ファストハイブリッドAF 測距点:693点 測距輝度範囲:EV-4 - EV20 |
被写体検出 | オート、人物、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機 |
シャッター | メカニカル:1/4000-30 秒 電子:1/8000-30 秒 |
フリッカーレス撮影 | - |
フラッシュ同調速度 | 1/4000 秒 |
連続撮影速度 | 最高約5.0コマ/秒 |
連続撮影枚数 | RAW: 52枚 RAW(ロスレス圧縮): 20枚 RAW(非圧縮): 15枚 |
ファインダー | サイズ:0.39型 XGA OLED 解像度:2 359 296 ドット 倍率:約0.70倍 |
モニター | サイズ:3.0型 解像度:2 359 296 ドット 可動方式:固定式 |
動画フレームレート | 4K 30p 4:2:2 10bit FHD 60p 4:2:2 10bit FHD 120p 4:2:0 8bit |
USB | USB 3.2 SuperSpeed USB 5 Gbps |
マイク/ヘッドホン | マイク:3.5 mm ヘッドホン:- |
HDMI | Type-D |
Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac WW697160 |
Bluetooth | Ver. 4.2 |
その他ポート類 | マルチインターフェースシュー |
バッテリー | タイプ:NP-FW50 ファインダー使用時: 約270枚 液晶モニター使用時: 約300枚 |
給電/充電 | USB Type-C端子で可 USB-PD対応 |
サイズ | 約113.3 x 67.9 x 87.5 mm |
重量 | 本体のみ:約454 g バッテリー含:約498 g |
防塵防滴 | |
材質 | マグネシウムボディ |
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