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LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shiftは優れたシャープネスを備えた最広角シフトレンズ

Admiring LightがVenus Optics「LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shift」のレビューを公開。最も広い画角のシフトレンズながら、キヤノン純正シフトレンズよりもシャープで優れた性能レンズと評価。ただし接写時の最大シフトでファンキーな色収差が発生する模様。

Admiring Light:Review: Laowa 15mm f/4.5 Zero-D Shift

レンズの紹介:

  • LAOWAは比較的新しいレンズメーカーだが、他にはない特徴を備えたレンズを数多くリリースしている。
  • このレンズはフルサイズカメラで利用できる最も画角の広いシフトレンズだ。
  • GFXシステムのようなミディアムフォーマットにも対応しており、様々なフルサイズシステムでも利用可能だ。
  • シフトレンズとは、広いイメージサークル(フルサイズは43mm必要だが、このレンズは65mmをカバーしている)から使用する領域をシフトできるレンズを指す。
  • シフトレンズを活用することで高層建築物の先細りを防ぐことが可能だ。複数のシフト画像を合成したパノラマ撮影も可能である。

ビルドクオリティ:

  • 基本的にシフトレンズは純正レンズでもマニュアルフォーカスだ。ただし、電子接点を搭載し、自動絞りに対応している。このレンズも同様にマニュアルフォーカスだが、電子接点が存在せず、絞り操作も手動だ。
  • 本体は金属筐体とガラスのレンズで構成されている。
  • レンズは出目金状となっている。実際に使う画角は15mm相当だが、全体の画角は9mmである。この画角をカバーするには出目金レンズが必須だ。
  • レンズには固定可能なレンズキャップが付属する。これにより、運搬中にキャップが外れる可能性はほとんどない。
  • 耐候性はないが、全体的に優れたビルドクオリティだ。

携帯性:

  • 597gと密度の高いレンズだ。

操作性:

  • すべてのコントロールは滑らかに動作し、優れた抵抗量である。
  • 絞りリングはF4.5からF22まで操作でき、1段ごとにクリックストップがある。
  • 絞りリングの後ろにはシフトリングがある。扱いづらいノブではなく、金属製リングで滑らかに操作可能だ。
  • シフトリングの後ろにはシフトロックノブがある。
  • 回転レバーを使用することで、レンズは15度刻みで360度回転させることが出来る。

オートフォーカス:

  • 記載なし。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 4500万画素のEOS R5でテストしたところ、ディテールは良好だ。しかし、絶対的には最高の広角単焦点を下回る。
  • シフトしない状態では絞り開放から良好なシャープネスとなり、端はソフトとなる。F8?F11まで絞るとフレーム端や四隅までとても良好だ。
  • 最大シフト時は絞ってもフレーム端でいくらかソフトさが残る。しかし、2100ドルのキヤノンTS-E 17mmの結果を見比べてでもLAOWAのほうが優れている。
  • 超広角レンズでデジタルシフト処理を施すよりも遥かに良好な結果を期待できる。
  • 接写時も良好な中央シャープネスを発揮する。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ・色:

  • ボケを重視するレンズではないが、最短撮影距離付近ではボケがかなり大きくなる。
  • 見た目は悪くなく、基本的に滑らかな結果を得ることが可能だ。
  • 全体的に暖色傾向だが優れたコントラストである。

色収差:

  • 多くの広角レンズと同様に、倍率色収差が目立つ。シフトしていない場合は最小限だが、シフト時は顕著となる。
  • 最短撮影距離付近では倍率色収差が劇的に増加する。ファンキーな色ずれが発生するので後処理も難しい。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 歪曲収差は最小限に抑えられている。Zero-Dの名前は伊達じゃない。
  • 最大シフト時にわずかな樽型歪曲が見られる。

周辺減光:

  • 絞り開放で顕著な光量落ちが発生する。シフト時に目立つが、この場合は片方のみ光量落ちが発生するので補正するのが難しい。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 特定の状況で間違いなくゴーストは発生する。
  • 太陽がフレーム外にある時にコントラストが低下した。

総評

個性的なレンズだ。最も広い画角を持つシフトレンズであり、これまで不可能だった超広角シフト撮影が可能となる。シャープネスや色・コントラストは良好で、歪曲収差は小さい。キヤノンTS-Eの半値でこれを実現している。

万人向けのレンズではなく、慣れるには時間と微調整が必要だ。撮影の大部分は三脚に搭載して実施することとなるだろう。建築写真家にはおすすめのレンズだ。フレアや色収差の問題があるものの、他のシフトレンズではできないことを実現している。そしてこのタイプのレンズとしては比較手ごろでおすすめしやすい。

  • 長所
    ・優れた質感の頑丈な外装
    ・広い画角のシフトレンズ
    ・良好なシャープネス
    ・歪曲が最小限
    ・良好な色とコントラスト
    ・適切な価格設定
  • 短所
    ・色収差
    ・逆光耐性
    ・接写時は中央のみシャープ

とのこと。
色収差や逆光に注意する必要があるものの、優れたシャープネスを備えたシフトレンズに仕上がっているみたいですね。純正レンズのようにティルト機能には対応していないものの、シフト機能だけあれば良いという人も多いはず。さらにこのレンズはシフト方向を15度刻みで調整できるも可能です。面白い使い方が出来そうですね。国内では「?160,200(税込)」程度で流通しています。中国メーカーのMFレンズとしては高めの値付けですが、優れたシフトレンズとしては手ごろな価格設定と感じるかもしれません。

Venus Optics「LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shift」交換レンズデータベース

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