PCmagが富士フイルム「FUJIFILM X-E5」のレビューを公開。コンパクトで洗練されたデザインとクロップ対応の柔軟性により、レンジファインダー風の体験と評価。ライカMに近い体験を手軽に味わえる唯一のカメラとのこと。
PCmag:Fujifilm X-E5 Review: Travels Well, Matches Perfectly With Prime Lenses
- 外観:X-E5はX100VIに似たデザインで、レンジファインダースタイルの美しい外観。ライカ M11-Pを彷彿とさせるが光学ビューファインダーは非搭載であり、必要であればX-Proシリーズの中古を探す必要がある。シルバーボディはアルミ製のトッププレートと黒の合成皮革で高級感がある。黒いアルマイト仕上げも選択可能。
- 構造:外観は魅力的だが、防塵防滴に非対応である点は残念。同価格帯の他モデルやX100VIなどは防塵防滴仕様であるため、比較すると見劣りする。
- バッテリー:NP-W126Sバッテリーを使用。実使用では約400枚撮れるペースであり、半日の撮影ではバッテリー切れの心配は少ない。ただし動画撮影やワイヤレス使用が多いと消耗が早まる。長時間の外出には予備バッテリーの携帯を推奨。比較して、ソニーα6700やX-T5は1回の充電で570枚以上撮影可能であり、バッテリーライフ重視の場合は有力な選択肢。
- インターフェース:USB-Cポートを搭載し、充電とデータ転送。UVC/UACプロトコルにも対応。その他、3.5mmマイク/リモコンジャック、マイクロHDMI出力、UHS-II SDXCカードスロットを搭載。
- 携帯性:寸法は約7.4×12.4×3.8センチ、重量は約445gであり、X-E4と比べてやや大きく重いが、センサー安定化機構を内蔵していることを考慮すれば妥当。小型レンズとの相性が良く、軽快に持ち歩ける。
- グリップ:グリップは突起程度であり、大型ズームや望遠レンズ装着時の安定感には欠ける。より確実なホールド感を求める場合は、追加のアドオングリップが必要。
- 操作性:露出制御用の専用ダイヤルを備え、マニュアル操作とオートの切り替えが容易。PASMモードに慣れたユーザーにはやや取っつきにくい。デジタルクロップには3種類のフレーミング表示があり、レンジファインダー的な撮影にも対応可能。フィルムシミュレーションダイヤルやカスタムスロットもあり、細かい画像処理設定が可能。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- ファインダー:0.62倍、240万ドットのEVFを搭載。小型カメラとしては妥当だが、X100VI(0.66倍、370万ドット)よりやや劣る。レトロな表示モードも実装されている。ただしこの表示は一部のビューモードでしか使用できない。
- モニター:チルト式モニターを採用し、ローアングルやハイアングルの撮影が容易。自撮りにも対応するが、天面に装着したマイクなどが干渉する恐れがある。画面サイズは3インチで、解像度は104万ドットと競合製品より劣る。マニュアルフォーカスや再生時の確認にはやや不向き。
- メニュー:Qメニューから最大16機能に直接アクセス可能。静止画用と動画用で個別にカスタマイズ可能。フルメニューは多機能であるが、目的の項目にたどり着くのが難しいため、Qメニューに必要な項目を整理しておくとよい。マイメニュー構築機能もあるが、UI全体の改善が望まれる。
- フォーカス:像面位相差AF対応。顔・瞳検出に加え、飛行機、動物、車など複数の被写体検出を利用できる。被写体追尾性能は高く、ポートレートやペット撮影でも有効。ただし被写体の切り替え操作はやや煩雑であり、UIの改善が求められる。
- 連写性能:メカシャッターで最大8コマ/秒、電子シャッターで最大13コマ/秒に対応。電子シャッター使用時はローリングシャッターの影響があるが、一般的な撮影には問題ない。1.29倍クロップモードでは最大20コマ/秒での撮影も可能。
- 解像性能:40MPのX-Trans BSI CMOSセンサーを搭載し、前モデルX-E4(26MP)より大幅に解像度が向上。センサー安定化機構を備え、手持ち撮影でも高精細なディテールを得られる。複数のクロップモード(1.29倍、1.4倍、2.0倍)に対応するのも特長。
- 高感度ISO:ISO 125〜12800を自動制御、ISO 64〜51200まで手動設定が可能。ISO 1600までは良好、3200以上では粒状感が現れ、ISO 25600以上ではノイズによってディテールが失われる。高ISO性能を重視する場合はフルサイズ機の方が適している。
- ダイナミックレンジ:記載なし。
- ホワイトバランス:記載なし。
- JPEG:8ビットJPG、10ビットHEIF、14ビットRawに対応。JPGは汎用性が高いが編集には不向き。HEIFは広色域で高効率な圧縮が可能だが、互換性に制限がある。
- 動画:動画機能は搭載されているが、操作性や仕様から動画用途には向かない。録画ボタンはなく、動画モードはドライブメニュー内にある。上方へ傾く可動式スクリーンがあるためVlog用途には不向き。センサー読み出し速度が遅く、1.23倍のクロップが必要となる。最高画質の4K30 HQでは6.2Kオーバーサンプリングを使用するが、60fpsでは画質が劣る。10ビット4:2:2のHEVCやF-Logにも対応するが、動画志向のユーザーにはX-S20やX-H2系の方が適している。
- 作例集:リサイズのみ。
- 総評:X-E5はコンパクトで洗練されたデザインとクロップ対応の柔軟性により、レンジファインダー風の体験を提供する。他機種に比べて高価で、防塵防滴やディスプレイ性能で劣る面はあるが、ライカMに近い体験を手軽に味わえる唯一のカメラである。小型単焦点レンズを好む写真家には強く薦められる。競合のLUMIX G9 IIは万能機である一方、X-E5は明確なターゲットに特化しており、その需要にしっかり応えている。
2025年7月に発表されたFUJIFILM X-Eシリーズの最新モデル。
X-T50と同じく、X-H2由来のイメージセンサーとプロセッサを搭載し、X-Eシリーズでは初となるボディ内手振れ補正にも対応。さらに前モデルには無かった「フィルムシミュレーションダイヤル」「コントロールレバー」「MCSスイッチ」などが追加されています。
また、「フィルムシミュレーションレシピ」「クラシックビューファインダーモード」「サラウンドビュー」など、第五世代のカメラとしても目新しい機能を実装。X-E4より販売価格が大幅に高くなってしまったものの、それ相応のカメラ。(ただし、ファインダーやモニターのスペックは従来通り)
PCmagのレビューでは、従来のX-Eシリーズよりも付加価値が高く、X100に近いカメラとなった模様。光学ファインダーこそ搭載していないものの、ライカMに近い撮影体験が可能とのこと。ただし、モニター解像度、防塵防滴非対応などが価格に見合わないと指摘。また、ローリングシャッターの影響が強いため、動画撮影や高速連写などの用途では他の選択肢も検討したほうが良さそうです。
X-E4の2倍近い価格、X-T50やX-T5に近い価格帯であることを考慮すると、(今回は言及していませんが)防塵防滴やファインダーの仕様は少し気になるかもしれませんね。
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対応アクセサリ
充電式バッテリー NP-W126S | |||
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主な仕様
イメージセンサー | タイプ:X-Trans CMOS 5 HR 有効画素:4020万画素 |
処理エンジン | X-Processor 5 |
センサー除塵 | 超音波振動 |
手振れ補正 | イメージセンサーシフト機構 中央7.0段、周辺6.0段 |
ISO | ISO125~12800 拡張 64-51200 |
ストレージ | SD UHS-II |
AF | 検出方式:インテリジェントハイブリッドAF 測距点:13×9/ 25×17 測距輝度範囲: -7.0EV |
フィルムシミュレーション | 20モード |
被写体検出 | 動物/鳥/クルマ/バイク&自転車/飛行機/電車 |
シャッター | メカニカル:15分〜1/4000秒 電子先幕:15分〜1/4000秒 電子:15分〜1/180000秒 |
フラッシュ同調速度 | 1/180秒以下 |
連続撮影速度 | 電子シャッター 約20fps(1.29xクロップ) 電子シャッター約13fps メカニカルシャッター 約 8fps |
連続撮影枚数 | 約20fps 非圧縮RAW:17 ロスレス圧縮RAW 32 圧縮RAW:66 |
ファインダー | サイズ:0.39型 解像度:約236万ドット 倍率:0.62倍 |
モニター | サイズ:3.0インチ 解像度:約104万ドット 可動方式:チルト式 |
動画フレームレート | 6.2K 30p 4K 60p ALL-Intra/Long-GOP |
動画出力 | MOV: HEVC/ H.265、MPEG-4、AVC/ H.264 MP4: MPEG-4、AVC/ H.264 |
USB | USB3.2 Gen2x |
マイク/ヘッドホン | マイク:ø3.5mm ヘッドホン: |
HDMI | タイプD |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Ver. 4.2 |
その他ポート類 | ホットシュー |
バッテリー | タイプ:NP-126S 撮影可能枚数:約310枚 |
サイズ | 124.9×72.9×39.1mm |
重量 | 本体のみ:396g バッテリー含:445g |
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