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20-200mm F3.5-6.3 DG|C レビューVol.4 諸収差編

シグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG|Contemporary」のレビュー第四弾 諸収差編を公開。歪曲収差と倍率色収差が部分的にかなり顕著ですが、それ以外はきちんとした補正状態でした。

簡易的なまとめ

カメラやソフトウェアでの補正が難しい部分は光学的にきちんと補正されています。補正前提と考えると、これと言った弱点はほとんどありません(広角以外)。

補正前提の光学設計とはいえ、広角側の倍率色収差と全体的な歪曲収差がかなり目立ちます。特に広角側は倍率色収差と歪曲収差を同時に補正することで、フレーム隅がややソフトな結果となる可能性あり。28mmまでズームすると収差は穏やかとなりますが、20mmの広角付近は画質に部分的な妥協が必要となります。

Areas that are difficult to correct with cameras or software are optically corrected properly. Considering correction as a given, there are hardly any notable weaknesses.

Even with this correction-focused optical design, chromatic aberration at the wide-angle end and overall distortion are quite noticeable. Particularly at the wide end, correcting both chromatic aberration and distortion simultaneously may result in slightly softer corners. While aberrations become milder when zoomed to 28mm, image quality requires some compromise in the 20mm wide-angle range.

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20-200mm F3.5-6.3 DGのレビュー一覧

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

20mm

絞り全域で目立ちます。簡単に補正できますが、ボケの色付きや広範囲に影響を及ぼす場合は補正しきれない場合あり。

50mm

20mmや広角側と比べると、ほとんど目立ちません。

200mm

ズーム中間域ほど良好な補正状態ではないものの、無視できる程度の収差に抑えられています。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

20mm

完璧ではないものの影響は軽微。

50mm

絞り開放から完璧な補正状態です。

200mm

絞り開放から完璧な補正状態です。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

20mm

非線形の複雑で目立つ歪曲収差が残存。口ひげ状・陣笠状の歪曲収差は手動での補正が難しい。レンズプロファイルは必須。カメラ出力のJPEGでほぼ修正されますが、フレーム隅に若干の樽型歪曲が残存します。

28mm

20mmと比べると遥かに穏やかな陣笠状の歪曲。無補正でも無視できる程度ですが、直線的な被写体がフレーム端部にあると不自然な歪みが目につきます。

35mm

28mm付近を境目として糸巻き型歪曲に変化。35mmではまだ目立ちません。

50mm

35mmと比べると強めの糸巻き型歪曲。状況によってはレンズプロファイルによる修正が必要。

135mm

50mmと同じか、さらに強めの糸巻き型歪曲。レンズプロファイルによる修正が必須と感じるかもしれません。

200mm

135mmと同じく、目立つ糸巻き型歪曲が発生します。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

広角から中望遠のズーム域で軽度の収差が見られます。

球面収差

全体的に球面収差は良好に補正されています。

28mm

50mm

135mm

200mm

まとめ

良かったところ

ポイント

  • 広角以外の倍率色収差補正が良好
  • 軸上色収差の補正がほぼ完璧
  • 球面収差の補正が良好
  • コマ収差が軽微

カメラやソフトウェアでの補正が難しい部分は光学的にきちんと補正されています。補正前提と考えると、これと言った弱点はほとんどありません。(広角以外)

悪かったところ

ポイント

  • 歪曲収差が全体的に目立つ
  • 広角の倍率色収差が目立つ

補正前提の光学設計とはいえ、広角側の倍率色収差と全体的な歪曲収差がかなり目立ちます。特に広角側は倍率色収差と歪曲収差を同時に補正することで、フレーム隅がややソフトな結果となる可能性あり。28mmまでズームすると収差は穏やかとなりますが、20mmの広角付近は画質に部分的な妥協が必要となります。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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