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ソニー α7 V レビュー クリエイティブルック編

α7 Vのレビューの第五弾 クリエイティブルック編を公開。ルックの紹介やカラー・トーンの比較、調整値の検証など。

簡易的なまとめ

前モデルと比べて、ルックの名称が分かりやすくなり、選択肢に「FL2」「FL3」が加わり柔軟性が高くなっています。複数の調整値を使い分けることでオリジナリティを出すことも可能。RAW現像せずとも「JPEGやHEIFで十分満足のいく結果が得られる」と感じる人も多いはず。

調整値が複数あるので思い通りのルックにたどり着くまで時間がかかるかもしれません。ひとまずフェードや明瞭度をゴリゴリ動かしてみて、あとはハイライトやシャドウで調整するのが良いのかなと。

Compared to the previous model, the look names are now easier to understand, and the addition of “FL2” and ‘FL3’ options provides greater flexibility. You can also express your originality by using different adjustment values. Many users will likely find that “JPEG or HEIF files deliver perfectly satisfying results” without needing RAW processing.
With multiple adjustment values available, it may take some time to arrive at your desired look. For now, I reckon it's best to start by aggressively tweaking the Fade and Clarity sliders, then fine-tune with the Highlights and Shadows.

α7 Vのレビュー一覧

クリエイティブルック

プリセットの種類

ソニークリエイティブルックとは-

  • ST:Standard
    被写体・シーンに幅広く対応する標準の仕上がり。
  • PT:Portrait
    肌をより柔らかに再現。人物の撮影に最適。
  • NT:Neutral
    彩度・シャープネスが低くなり、落ち着いた雰囲気に表現。パソコンでの画像加工を目的とした撮影にも最適。
  • VV:Vivid
    彩度とコントラストが高めになり、花、新緑、青空、海など色彩豊かなシーンをより印象的に表現。
  • VV2:Vivid2
    明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に。
  • FL:Film
    落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に。
  • FL2:Film2
    コントラストがやや高く、落ち着いた発色により、ノスタルジックな雰囲気に仕上がる。
  • FL3:Film3
    コントラストをやや抑えつつ、クリアな発色を表現し、軽快な雰囲気に仕上がる。
  • IN:Instant
    コントラストと彩度を抑えたマットな質感に。
  • SH:SoftHighkey
    透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気の仕上がりに。
  • BW:Black&White
    白黒のモノトーンで表現。
  • SE:Sepia
    セピア色のモノトーンで表現。

クリエイティブルックは各プリセットが略称となっており、仕上がりと名前には慣れが必要。

「ST=standard」「PT=portrait」「VV=vivid」「NT=neutral」などはクリエイティブスタイルのプリセット名と同じ。長年のソニーユーザーであればすぐ慣れるはず。

ただし「ST」「VV」「PT」「NT」以外は従来のクリエイティブスタイルと比べて大きく異なります。過去の「ディープ」「クリア」「紅葉」に相当するプリセットはありません。

その代わり、SNSとの親和性が良い低彩度・低コントラストなプリセットが複数あり、パラメータの「フェード」を使うことでさらに個性的な描写にすることも可能。

サンプル

例えば青色の描写だけでもプリセットによって大きな違いがあります。

従来の使い勝手で「ST」「PT」「NT」を利用できるほか、鮮やかな「VV」やノスタルジックな印象の「FL1-3」「IN」、まるでアニメのような「SH」までバリエーションは様々。

特に「FL」「IN」はこれまでのクリエイティブスタイルでは再現し辛い色となっているので楽しめると思います。

補足

カスタムルック

ルックの名称横に数字「1-6」が入っています。それぞれ任意のルックに変更可能で、通常のルックと分けて使用することが可能。

モノクロはBWしかないので、私はソフトやハードなどに調整したBWを登録。
カスタムルックごとに名称は入力できないので、数字で判断するしかないのが悩ましいところ。

略称に補足がついた

これまで何の略称なのか不明でしたが、ST=Standardと補足されました。どのような仕上がりなのかイメージしやすくなっています。

ゴミ箱ボタンで説明文

クリエイティブルック選択時にゴミ箱ボタンを押すことで、各ルックの説明を見ることが出来ます。

設定値の確認

ソニー公式ヘルプガイドを参照

  • コントラスト:
    +側に設定するほど明暗差が強調され、インパクトのある仕上がりになる。(-9 - +9)
  • ハイライト:
    明るい部分の明るさの度合いを調整する。+側の設定にするほど明るくなる。(-9 - +9)
  • シャドウ:
    暗い部分の暗さの度合いを調整する。+側の設定にするほど明るくなる。(-9 - +9)
  • フェード:
    フェードの度合いを調整する。大きい値に設定するほど効果が強くなる。(0 - 9)
  • 彩度:
    +側に設定するほど色が鮮やかになる。-側に設定すれば控えめで落ち着いた色に再現される。(-9 - +9)
  • シャープネス:
    解像感を調整する。大きい値に設定すれば輪郭がよりくっきりし、小さい値に設定すれば柔らかな表現になる。(0 - 9)
  • シャープネスレンジ:
    シャープネスの効果がかかる領域を調整する。大きい値に設定するほど細かな輪郭線にシャープネスがかかる。(1 - 5)
  • 明瞭度:
    明瞭度の度合いを調整する。大きい値に設定するほど効果が強くなる。(0 - 9)

プリセットの設定値は全部で8種類(BW・SEは彩度の調整不可)
プリセットの選択モードから右方向へボタンを押すことでパラメータの調整が可能。

大部分のパラメータは説明文通りに調整可能ですが、影響が強いわりに効果が分かりにくい「フェード」「明瞭度」は注意が必要。パラメータを操作するとコントラストなどに強く影響します。

種類が増えたパラメータを元に戻すのは大変だが、ゴミ箱ボタンを押すことで一括してリセットできる便利な機能を備えている。

各プリセットの初期設定値

「コントラスト」「明部」「暗部」「彩度」は全てのプリセットで初期値が「0」、「シャープネスレンジ」は「3」のため割愛。

特に他のルックと数値が大きく異なる場合に赤字で掲載。

フェード シャープネス 明瞭度
ST 0 4 1
PT 0 3 0
NT 0 1 1
VV 0 4 1
VV2 0 4 8
FL 0 4 1
FL2 1 4 1
FL3 1 4 1
IN 3 4 1
SH 6 4 1
BW 0 4 1
SE 0 4 1

描写へ影響を与えやすい「フェード」「明瞭度」が適用されているプリセットは癖が強いと考えておけばOK。

逆に癖強パラメータを調整することで扱いやすい描写にすることも可能。例えば「SH」のフェード設定値を「0」まで下げるとNTに近くなります。

「PT」で明瞭度やシャープネスを下げている点もポートレートなど人物の撮影で参考になるのかなと。

新ルック「FL2」「FL2」の設定値は全く同じ。それにも関わらず、出力される色やコントラストには大きな違いがあります。

ルックの色

従来のクリエイティブスタイルと比べてバリエーション豊か。並べて見比べてみると、輝度や彩度に違いがある他、一部は色相をずらしているように見えます。

新ルック「FL2」「FL3」はそれぞれ色合いが大きく異なる模様。

ルックのトーン

  • 標準的なコントラストがST、PT、NT(多少の差はある)。
  • VV2は暗部から明部への繋がりが良く、シーンのコントラストが高い風景撮影に便利。
    明瞭度を下げるとVVのようになるかというと、そうでもない。謎。
  • コントラストが強いのはVVとFL、BW。白飛び・黒つぶれしやすい。
  • INとSHはフェードの影響でコントラスト低め。

コントラスト

パラメータは±9で幅広く調整できるものの、コントラストの大幅な変動はありません。微調整用なので、ルックを変えたほうが効果的。極端に数値を操作しても破綻しません。

±9の調整幅で物足りない場合、後述する明部や暗部と組み合わせることで効果を強めることが可能。

ヒストグラムで確認すると、コントラストを操作することで中間を軸にして暗部と明部が寄ったり離れたり。調整量は全体的に均一で、バランスを損なうことはありません。

ハイライト

読んで字のごとく、明るい部分の明るさを調整する機能。調整値は±9と幅広いものの、グレーチャートでは目に見える効果を得にくい。

ヒストグラムを確認してみると、中間から明部側の領域に作用。+9と-9を見比べると差がハッキリとしているものの、「0」を起点としてみると大きな影響量はありません。

コントラストやフェードを軸に調整し、明部で微調整するのが良さそう。

シャドウ

読んで字のごとく、暗い部分の明るさを調整する機能。明部と同じく、作用する領域が限定的で、状況によってはパラメータの調整値が効きにくい場合あり。コントラストと組み合わせて調整するのが効果的。

ヒストグラムを確認すると、ちょうどハイライトと正反対で作用しているのがわかります。やはり「0」を起点としてみると大きな影響量ではありません。

フェード

クリエイティブルックで追加された謎の設定値。説明書を読んでも「フェードの度合いを調整する」としか書かれておらず、どのように影響するのか言語化されていません。

0~9の調整値で撮影した結果が以下の通り。

全体的に見ると、暗部のみならず中間を含めて丸っとごっそり明部へ寄せるパラメータのよう。

興味深いことに、「0」から「+1」に調整することで明部も中間に向かって寄っています。ただし、それ以降に明部は大きな変化がありません。

コントラストやハイライト・シャドウと比べると影響が強いパラメータで、極端に調整すると癖が強くなります。また数値はフェード効果を強くする方向しか存在せず、逆に作用する調整はできません。

ヒストグラムを確認してみると、主に暗部・中間を強く持ち上げて低コントラストを実現しているようです。やはり「0」から「+1」の段階で明部もコントラストが低下、その後も僅かにコントラストが低下している。

「+1」でも効果をハッキリと実感することができ、それ以降の調整値は過剰と感じる場合が多いかもしれません。

個性を出したいのであれば真っ先に調整したい項目ですが、癖が非常に強いので過度な補正は避けたほうが良いでしょう。

彩度

基本的にクリエイティブルックの全プリセットは彩度の初期設定が「0」で固定されています。このため、彩度を調整することでプリセットに個性が出やすくなっています。

癖の強いフェードと組み合わせることで、オリジナリティの強いプリセットを作り出すことが可能。

シャープネス

「0」から「+9」までの10段階で調整可能。多くのプリセットは初期値が「4」となっているので、前後に4~5の調整が可能。

初期値で全く問題ありません。シャープネスを強めるとスマートフォンのような不自然な描写が強くなるので、個人的に強方向で調整するのは非推奨。

ソニーは優れた光学性能のレンズが多いので、あえてシャープネスを弱めにするのも一つの手。

シャープネスレンジ

「1」から「5」までの設定値を利用でき、全てのプリセットは初期値が「3」で固定されています。

シャープネスの効果がかかる領域を調整する。大きい値に設定するほど細かな輪郭線にシャープネスがかかる。(1 - 5)

とあるように、今回のチャートテストとは相性が悪いので、後日改めて別のチャートを用意してテスト予定。レンズの光学性能よって影響が大きく作用される可能性が高そう。

明瞭度

フェードと同じく効果が言語化されていない謎の機能。他社と同じ効果であるとすれば、細部のコントラストに作用するパラメータのはず。

ニコン:Digitutor D500
ピクチャーコントロールの調整:明瞭度

明瞭度もシャープの一種ですが、数10ピクセル単位で隣り合う、明るさの差を拡大したり、縮小したりします。その結果、明瞭度をプラスにすると被写体の大まかなディテールを克明にします。

ポートレートでは人物に威厳をもたせたり、風景ではドラマチックな描写になります。逆にマイナスにすると、ソフトフォーカスレンズで撮影したような柔らかい描写になるので、ポートレートでは柔らかく優しい感じに、風景では明るく軽いトーンのスナップ的な表現になります。撮影意図によってぜひ使い分けてほしい設定です。

例えば、モニター上の画面を撮影してテキストを確認してみると効果が分かりやすいです。

パラメータの数値を大きくすることで細部のコントラストが高まり、文字がハッキリと見えるようになります。このパラメータを活用することで、輪郭線を強調することが可能。元から輪郭線が強い場合は過剰補正となる可能性があります。

大きく拡大しないと変化が判別できないので、撮影時に設定値の影響が分かりにくいのが難点。細部に効くパラメータなので、調整後はテストショットで等倍まで確認しておいたほうが良いでしょう。

まとめ

前モデルと比べて、ルックの名称が分かりやすくなり、選択肢に「FL2」「FL3」が加わり柔軟性が高くなっています。複数の調整値を使い分けることでオリジナリティを出すことも可能。RAW現像せずとも「JPEGやHEIFでよくなった」と感じる人も多いはず。

調整値が複数あるので思い通りのルックにたどり着くまで時間がかかるかもしれません。ひとまずフェードや明瞭度をゴリゴリ動かしてみて、あとはハイライトやシャドウで調整するのが良いのかなと。

参考情報

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