4KPHOTOが撮影可能なLUMIX Gシリーズの最新版
パナソニックより、LUMIX DMC-Gシリーズの最新機種が発売される。特筆すべきはFZ1000やGH4でファームアップデート後に導入された4Kフォトが初めから使用可能な事。旧モデルのコントラストAFから空間認識AFが搭載された事などが挙げられる。実際にDMC-G7は買いなのか?
LUMIX Gシリーズは5系統に分かれる
実はLUMIX Gシリーズは世界初のミラーレス機を出したシリーズだったりする。
現在ではGをベースとして、動画や防塵防滴などのハイエンド向けとしたGHシリーズ、ファインダー無しのGFシリーズと、GFシリーズを高機能化したGXシリーズ、さらに小型軽量化路線のGMシリーズの5系統に分かれる。それぞれマイクロフォーサーズ規格を採用しているので、レンズの交換を自由に行う事が出来る。
- Gシリーズ:LUMIX Gシリーズのベース。一眼レフライクなデザイン。
- GHシリーズ:Gシリーズのハイエンド化。防塵防滴や動画機能の強化拡充等。
- GFシリーズ:ファインダー非搭載コンパクトモデル。
- GXシリーズ:GFシリーズのハイエンド化。
- GMシリーズ:GFシリーズを更にコンパクト・軽量化
「LUMIX DMC-G7」はマイクロフォーサーズ1号機の「G1」から続く系譜の最新機種だ。主にハイエンド機である「DMC-GH4」の機能やハードがG7に下りてきたとイメージすると分かり易い。
G7とGH4、G6と比較してみよう
DMC-GH4 | DMC-G7 | DMC-G6 | |
センサー | 4/3型Live MOSセンサー | 4/3型Live MOSセンサー | 4/3型Live MOSセンサー |
有効画素 | 1605万画素 | 1600万画素 | 1600万画素 |
ISO | 100-25600 | 100-25600 | ?160-25600 |
防塵対応 | SSWF | SSWF | SSWF |
AF | コントラストAF 49点 | コントラストAF 49点 | コントラストAF方式 23点 |
AF検出 | EV -4?18 | EV -4?18 | EV -3?18 |
露出制御 | 1728分割測光方式 | 1728分割測光 | ?144分割測光 |
測光範囲 | EV 0?18 | EV 0?18 | |
動画 | 3840x2160, 29.97p記録, 100Mbps(IPB) |
3840x2160 (4K/30p:約100Mbps) |
?1920×1080, 60p記録 (センサー出力60コマ/秒) |
シャッター | 60-1/8000秒 | 60-1/4000秒 電子シャッター ?1/16000秒 |
? 60?1/4,000 |
連続撮影 | メカシャッター 約12コマ/秒 電子シャッター時 約40コマ/秒 |
メカシャッター 約8コマ/秒 電子シャッター 約40コマ/秒 |
?約7コマ/秒(AFS時) (SH)約40コマ/秒 |
最大撮影 | RAWあり:約40枚 | RAW/RAW+JPEG連写 13枚以上 |
|
4KPHOTO | 4Kプリ連写: 30コマ/秒 | 4Kプリ連写: 30コマ/秒 | ?ー |
EVF | 約236万ドット 35mm判換算:約0.67倍 |
約236万ドット 35mm判換算:約0.7倍 |
?約144万ドット 35mmカメラ換算:約0.7倍 |
モニタ | 約104万ドット 静電容量方式 タッチパネル |
約104万ドット 静電容量方式 タッチパネル |
?約104万ドット 静電容量方式 タッチパネル |
最大撮影枚数 | 約530枚 | 約350枚 | ?約340枚 |
防塵防滴 | ○ | ー | ー |
重量 | 約560g | 約410g | ?約390g |
G7の特徴を見ていこう
センサー
4/3Live MOSセンサーを搭載したモデルだ。特にG7は元から搭載してあり、GH4でもファームアップデートで手に入れることが出来る「4Kフォトモード」が特徴的。
後述するが、シャッターボタンを押すと1秒前からの4K動画を記録してそのコマの中から写真を選ぶことが出来る。特に常時動いている動体に対してシャッターチャンスに強い。
画像処理
御馴染みのヴィーナスエンジンを搭載。特に星空AFやローライトAF(後述)から分かる様に暗所に力が入っている。
また、「超解像技術」が搭載された。これはオリンパスの「ハイレゾショット」やペンタックスの「リアルレゾリューションシステム」の様にセンサーが光学情報をより多く集める方式ではない。あくまでも解像感を出す為の「画像処理」がメイン。
レンズの潜在能力を引き出す為の「ハイレゾショット」や「リアルレゾリューションシステム」だとすれば、センサーの潜在能力を画像処理で補完しているのがLUMIX G7の「超解像技術」。前者は物理的な制約が多いが(三脚必須、動体は無理)後者はソフト的な改善なのでピントさえしっかり定まっていれば画像処理で綺麗にしてくれる。
AF・連写
空間認識AF
コントラストAFは3機種とも変わらない。が、G7とGH4は「空間認識AF」機能がある。
常時、空間情報をセンサーとエンジンで収集しているので(4Kフォトの機能でお分かりの様に常時画像処理エンジンに情報が流れている)、いざAF時を作動させた時に被写体との距離感を把握しているのでピントがあまり迷わないらしい。つまり、接写側にピントを合わせたい時にに望遠側に飛んでいかないと言うことだ。公式ではAF速度、約0.07秒と言うフレコミ(※ CIPA準拠。AFS、H-FS14140使用時。)
フォーカスポイントの増大と暗所に強くなった
フォーカスポイントもG6と比べると23点から49点と多くなった。そして、元々G6でEV-3と暗所に強いAFがさらにEV-4と強くなった。その結果「ローライトAF」や「星空AF」などの「これもAFできるのか…」って所まで対応。今後リリースされるオリンパスのF1.8のフィッシュアイとあわせて使えば良い星空用カメラが完成する。
高速連写
また、メモリーバッファやUHS-IIIに対応、センサーの読み出し高速化などで約8コマ/秒の高速連写が可能に。しかし、G6も7コマGH4は12コマと旧モデルも結構スペックがよかったりする。電子シャッターによる超高速連写モードはG6にも搭載されている。
236万ドットの0.7倍有機ELファインダー
G7の目玉の一つか?236万ドットとG6よりも精細な電子ビューファインダーになった。さらにGH4を抜く0.7倍と言う比較的多きいファインダーに仕上がっており、従来機に比べると見やすいはずだ。
アイセンサーAF
ファインダーを覗くとAFが作動するモード。うーん、使うかなあ…。4Kフォトと併用して使えば、急なシャッターチャンスにも強いかもしれない。空間認識AFを作動する為には被写体付近を常にセンサーに撮像させておく必要はあるが…。
3.0型新型タッチパネル液晶
ドット数は同じだが、G6と比べて同等の消費電力で輝度を50%以上向上さたらしい。ただし、それが撮影枚数の向上となってないあたり、空間認識AFや4Kフォト使用時に処理エンジンが結構負担になっているのじゃないかと予想。
マイクロフォーサーズ機はオリンパス、パナソニック共々タッチパネルはしっかり採用している。一眼レフ勢もタッチパネル機が増えて欲しいものだけども…。
UHS-II対応
4Kフォトと高速連写を可能にする高速SDカード対応。カードが高いけどね!高速連写と4Kをガンガン撮ることができると言うことは、SDカードの消費も激しいと言うこと。読み書き回数は増えるし、データもすぐに一杯になると思う。
HDDの増設や予備のSDカードも忘れずに持っておきたい。
4K PHOTO
なんとシャッターを押す直前の秒間30コマまで補完して記録できる。画素サイズは800万画素とセンサーサイズ1600万画素の半分程度。しかし、A3程度のノビプリントまでは800万画素で十分使用できるので、4Kフォトの利便性は高い。まさにシャッターチャンスに強いカメラだ。
ボタンを押す前からしっかり被写体を捉えておくことで、空間認識AFと4Kフォトが活きて来る。いっぺん使ってみたいねえ。
先ほども述べたが、4Kフォトモードは常に読み書きを繰り返しているので恐らくバッテリーの持ちは非常に悪いと思う。常に秒間30コマを記録しているのだから当然といえば当然。CPUの発熱なども気になるところだが、公式では秒間30コマの維持を謳っており自信はあるみたいだ。
4Kフォトの公式作例。なるほど、雷ね!確かにこれは常時記録していないとタイミング合わせてシャッターなんぞ無理だ!
モードは3種類あって、「4K連写(普通の連写感覚で撮影出来る)」「4K連写S/S(動画の様に撮影出来る)」「4Kプリ連写(シャッターボタンを押した前後1秒60コマが記録される)」と用途に合わせて使い易い。雷だったらプリ連写だし、野球だったら4K連写、動物だったら4K連写S/Sと言ったところだろうか?
RAW現像がカメラ本体で出来る
え?DMC-G6ではできんのけ?と思ったが、どうやら出来ないらしい。それは不便だっただろうに…。純正のRAW現像ソフトも無い為LRなどお持ちで無い方は、現像方法を探さなければならない。
それがG7でボディ内現像が出来るようになった。
電子ダイヤル2つ搭載
電子ダイヤルが増設されてシリーズでは初の2ダイヤルに。撮影を楽しもうと思うと大事なダブルダイヤル。
動画系の充実
ハンディカムなどの商品も取り扱っているパナソニックらしく、ホットシューに取り付ける事が出来るアクセサリも豊富だ。撮影中のMFによるピーキングや白とびなどの確認も可能。
まとめ:DMC-G7は買いか?
- 4Kフォトが使える
- 空間認識AFによる高速AFが可能
- AFが暗所に強くなった
- EVFが高精細・大型
- 電子ダイヤルが2つ
4Kフォトだけ使いたいのであればブリッジカメラの「FZ1000」でも使用可能。1型センサーのレンズ一体型で焦点距離も換算24-400mmをカバーする。但し、センサーサイズが小さいので、G7ほど暗所には強くない。また、電動ズームなのでズーミングがもっさりしていてシャッターチャンスに強くない。
DMX-G6からのステップアップなら、4Kフォトと空間認識AFに惹かれるものがあればアリ。
暗所もEV-4まで可能な点は見逃せない。位相差AF機でも良くてもEV-3とか。それでも迷うことが多いのでMFで調整することもしばしばある。星空AFとかローライトAFとかよくぞ導入できたもんだと感心する。
野鳥やスポーツ観戦など連写とバッファが必要で、ウェットコンディションな場面もソコソコあるならGH4の方が安心できるだろう。連写と防塵防滴が必要なければDMC-G7の方が安くてお買い得だ。
購入早見表
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価格情報
マップカメラにてDMC-G7の新品ボディ
価格:81,160円 |
マップカメラにてDMC-GH4新品ボディ
価格:119,800円 |
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