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1.0型センサー搭載ハイスペックコンデジを徹底比較!『RX100 M3』『Powershot G7 Mark II』『LUMIX DMC-LX9』

外観比較

正面

どの機種もコンパクトさ優先のモデルなので、グリップ部分は最低限のデザイン。RX100M3は特にグリップ部分がフラットなので、持ちづらさを感じるときは追加アクセサリ購入を検討してよう。持ちやすさで言えば、G7 Mark IIが最もグリップを強調している。次いでLX9と言ったところ。

機能性についてはどのモデルもシンプルだが、唯一G7 Mark IIのみコントロールリングのクリック感を変更するスイッチが備わっている。特に音を拾いやすい動画時にクリック音を消すことが出来るので便利。

DCS-RX100M3
G7 X Mark II クリック/スムーズ切替スイッチ
DMC-LX9
DCS-RX100M3

rx100m3-f

Powershot G7 X Mark II

g7m2-f

LUMIX DMC-LX9

lx9-f

背面

基本的な操作方法はどのカメラのレイアウトも似たり寄ったり。ただし、カスタム性が大きく異なっており、特にLX9は背面モニターのタッチパネルにもFnボタンを5か所も設定できるので超便利。物理ボタンを組み合わせれば8か所のファンクションボタンを活用できる。

次いでRX100M3の3か所+Cボタンで、最もカスタム性が低いのがG7 X Mark II。カスタム性が低い事は悪い事ではなく、むしろあまり凝った設定をしないのであれば、操作しやすくて快適。

DCS-RX100M3 ホイールダイヤル
ファンクションメニュー
Cボタン
カスタムボタン3か所
G7 X Mark II ホイールダイヤル
DialFuncボタン
DMC-LX9 カスタムボタン3か所
タッチカスタムFnボタン5か所
DCS-RX100M3

trx100m3-b

Powershot G7 X Mark II

btg7m2-f

LUMIX DMC-LX9

lx9-b

上面

RX100M3はシンプルで凝った設定をするにはややシンプルすぎる。G7 X Mark IIは前述したように、凝ったカスタム機能はないが常用する操作系統に関してはデザインが秀逸。

LX9は珍しく絞りリングを搭載したモデルで、余った電子ダイヤルを活用しやすいというメリットは存在する。絞り優先AEで撮影することが多いのであればおススメ。

DCS-RX100M3 電子ダイヤル
G7 X Mark II 露出調整ダイヤル
電子ダイヤル
DMC-LX9 絞りリング
電子ダイヤル2か所
DCS-RX100M3

trx100m3-f

Powershot G7 X Mark II

tg7m2-f

LUMIX DMC-LX9

lx9-t

スペック比較

レンズ

DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
焦点距離 ?24-70mm 24-100mm 24-72mm
開放F値 F1.8-F2.8 F1.8-F2.8 F1.4-F2.8
撮影距離 5cm?∞ 5cm?∞ 3?-∞
構成枚数 9群10枚 9群11枚 9群11枚
手ぶれ補正 光学式 4.0段分
デュアルセンシングIS
光学式
NDフィルター 搭載 3段分 搭載 3段分 非搭載
広角の明るさでは一歩リードのLX9

ズームレンズでは珍しいF1.4とかなり明るいレンズを搭載しているDMC-LX9。接写すればF1.8の他のレンズよりもボケを大きく出来る上に、より手振れを抑えてシャッターを切れるので暗所・夜景で有利。

ただし、開放F値がF2.8に変化する傾向は思いのほか早く、ズームレンズとしてみると「F2.8通しの明るいレンズ」と割り切って使った方が良いだろう。という事で、広角のF1.4が一つのポイントだが、他の性能は競合レンズと遜色ない性能(NDフィルタを覗いて)。

内蔵NDフィルタを搭載するRX100M3とG7 X Mark II

NDフィルタとは多すぎる光量を抑えるための黒い透明なフィルターのこと。極端に言うと、太陽にカメラを向けて撮影する時や日中なのに暗く写したい時に効果を発揮する。

効果は3段分と効き目はソコソコあり、1/2000秒で限界値を超えるシャッタースピードを1/250秒に抑えることができたり、4秒しか稼げないスローシャッターを30秒の長秒露光を実現できたりするようになる。

内蔵NDフィルターを使った表現は主に三脚が必要になる事が多く、コンパクトな三脚を用意しておくとNDフィルターがとても面白くなる。

スローシャッターのジャンルでLX9は一歩遅れを取るが、電子シャッターが使用可能なため高速シャッターを使った露出アンダーは調整可能。

トータルバランスはG7 X Mark II

光学倍率がやや高く、レンズの明るさは競合レンズと遜色なし。さらに内蔵NDフィルター・光学式手ぶれ補正など機能性も十分ある。LX9の広角F1.4に魅力を感じなければレンズ性能ではG7 X Mark IIが優秀。後述するDIGIC 7との連携により、手ぶれ補正が強化されているのも一つのポイント。

画像処理

センサー

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
1.0型Exmor R CMOS
裏面照射型
1.0型高感度CMOS
裏面照射型
1.0型高感度MOS
有効画素数 約2010万画素 約2,010万画素 2010万画素
センサーによる描写性能は僅差

どのモデルも有効画素2000万画素程度の1.0型のMOSセンサーを搭載。

センサーによる解像力は僅差で甲乙つけがたい性能だ。また、高感度性能も大きく性能差が開いていると感じることはない。

処理エンジン・記録形式・方法

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
画像処理エンジン BIONZ X DIGIC 7 ヴィーナスエンジン
RAW形式 対応 14bit 対応
メディアスロット SD/HC/XC
UHS-I対応
MS PRO/Duo/Micro
SD/HC/XC
UHS-I対応
SD/HC/XC
UHS-I対応
新世代のDIGICを搭載したG7 X Mark II

キヤノンのデジタルカメラに搭載される画像処理エンジンには「DIGIC」という名前のプロセッサが採用される。

中でもG7 X Mark IIに搭載されたDIGIC 7は一眼レフカメラにも搭載されていない最新モデルの処理エンジン(補足:秋に発売予定のEOS M5にも採用されるようです)。

基本性能が向上しているだけでなく、回折現象(絞りすぎによる解像力の劣化)に対するデジタル補正や、従来のジャイロセンサーと画像処理エンジンを連携させた手ぶれ補正「デュアルセンシング IS」を実現するなど地味に強化されている。

ソニーのBionz Xやパナソニックのヴィーナスエンジンはナンバリングが無いので旧型からの改善があるのかないのかはハッキリとしない。4Kフォトモードや電子シャッター・空間認識AFに対応しているパナソニックのLX9は旧型のエンジンとは大きく違う事を伺うことが出来る。

露出制御

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
測光方式 1728分割測光
ISO感度 125-12800 125?12800 125-12800
拡張ISO感度 80/100 80/100/25600
露出補正 +/- 3 +/- 3 +/- 5
備考 絞りブラケット

この項目では各モデルとも大きく差をつける性能差はない。しかし、最新モデルとして登場するDMC-LX9は拡張感度が広く、露出調整の自由度も高い

さらに絞りブラケットという独自のブラケットモードがあるので、いちいち細かい設定していられない場合に重宝する。

連写・AF

オートフォーカス

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
方式 コントラストAF コントラストAF コントラストAF
空間認識AF
測距点 25点 31点 49点
測距輝度範囲 EV -4?18
備考 フレキシブルスポットS タッチシャッター ピンポイントAF
タッチAF
フォーカスセレクト
フォーカスBKT
フォーカス合成
オートフォーカスの使い勝手はLX9がピカイチ

他のモデルは現行の一眼カメラよりも使い勝手が落ちるフォーカス機能だが、LX9に限って言えばパナソニックが有するミラーレス一眼「LUMIX Gシリーズ」の機能性を踏襲している。

コントラストAFのフォーカス速度を高める空間認識AF技術は、1世代前のミラーレス一眼カメラに搭載され始めた機能。それがあっという間にコンパクトデジタルカメラにもその機能が下りてきた。

加えて、暗いシーンでのオートフォーカス性能や細かい部分にピントを合わせることができるピンポイントAFなどミラーレス一眼の操作性と比べてなんら遜色ない。おまけに最新のミラーレス一眼に搭載された「フォーカス合成」機能にも対応している。

AFの使い勝手:DMC-LX9 > G7 X Mark II > DSC-RX100M3

シャッター・ドライブ

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
シャッター速度 30-1/2000秒 250?1/2000秒 60-1/4000秒 メカ
1-1/16000秒 電子
高速連続撮影 速度 最高約10コマ/秒 約8.0枚/秒 約10コマ/秒
備考 サイレントモード
4Kフォトモード
ライバルに大きく差を広げたLX9のシャッター性能

コンパクトモデルのシャッター性能は1/2000秒までと言ったものが多い中で、LX9はメカニカル駆動のシャッターで1/4000秒、さらに電子シャッターを使えば1/16000秒までの高速シャッターを使うことが出来る。

これは1/2000秒までのカメラと比べて3段分の露出アンダーを稼ぐことが可能な性能だ。そう、ライバルに搭載されている3段分の内蔵のNDフィルター相当に当たる。

高速シャッターというだけなく、シャッター音を抑えた「サイレントモード」を使うことが出来るので音の発生が目立ってしまうような撮影シーンにも気軽に持っていける。

連写性能は3モデルドッコイだが、4Kフォトモードが光るLX9

基本的な連写性は各モデル8秒?10秒程度。

しかし、LX9はこの連写に加えて4K動画から切り抜いて静止画に使える「4Kフォトモード」を搭載。画素数は800万画素とひと昔前のコンデジ並みとなってしまうが、毎秒30枚の連写で任意の一枚をチョイスできる機能は素晴らしい。

シーンに合わせた4Kフォトモードが用意されているのも大きなポイント。他のカメラではまず撮ることが出来ない雷だって撮影することが可能。

泣き所はバッテリーの損耗度合。常時4K動画を撮影しているようなモードだったりするので、バッテリー残量がガリガリ減っていく。LX9を購入するのであれば予備バッテリーは持っておいた方が良いだろう。

操作性

ファインダー

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
方式 0.39型 電子式ビューファインダー
約144万ドット
ファインダーなし ファインダーなし
視野率 100%
アイポイント 約20mm
倍率 約0.59倍
脅威のポップアップ式電子ファインダーを搭載するRX100 M3

競合モデルの中では最もコンパクトなカメラにも関わらず、ポップアップする電子ファインダーを搭載。

他社における見えづらいファインダーではなく、エントリー一眼レフカメラ並みのファインダー倍率を誇るしっかりとしたファインダーだ。最近のミラーレス一眼に搭載されている電子ファインダーと比べてしまうとやや物足りないかもしれないが、必要十分な性能は確保されている。

電源ボタンを操作する代わりに、このファインダーをポップアップさせたり格納することで電源の入り切りが可能。クイックな操作を求められるシーンではこの仕様がなかなか便利。

?ライブビュー・モニタ

?DCS-RX100M3 ?G7 X Mark II DMC-LX9
モニター形式 TFTカラー液晶 3.0型TFTカラー液晶
モニターサイズ 3.0型
約123万ドット
3.0型
約104万ドット
3.0型
約104万ドット
モニター可動ギミック チルト式 チルト式 チルト式
タッチパネル 非対応 対応 対応
備考 タッチFn
チルト液晶とタッチパネルの相性が良好なG7 X Mark IIとLX9

キヤノンとパナソニックは特にタッチパネルを積極的に採用しているカメラメーカーだ。

どちらもタッチパネルに対応した操作デザインが洗練されており、タッチAFはもとよりメニュー画面における操作も可能。

個人的におススメはパナソニックのLX9。外観で前述したとおり、タッチFnボタンを5か所も設置できる上にタッチ機能を前提とした操作感はキヤノン以上と感じている。

反面、ソニーはタッチパネルにあまり積極的ではないらしく、ミラーレス一眼カメラにもあまり採用しない傾向がある。もちろんRX100シリーズも同様。タッチパネル搭載モデルと大きく使い勝手が異なる部分は「RX100 M3はタッチAFが使えない」だと思うので、これは直接カメラ屋で確認してほしいところ。

動画

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
映像記録方式 XAVC S
AVCHD
MPEG-4 AVC/H.264 AVCHD Progressive
AVCHD
MP4
音声記録方式 ?LPCM 2ch
ドルビーデジタル
MPEG-4 AAC-LC 2ch
MPEG-4 AAC-LC
記録サイズ・フレームレート FHD 60p 50Mbps
HD 60p 50MBps
HD 120p 50Mbps
FHD 60p 35Mbps
HD 30fps 8Mbps
4K 30p 100Mbps
FHD 60p 28Mbps
FHD 30p 120fps
備考 HDMI出力対応
全画素読み出し
4Kライブクロップ
フォーカスモード

その他機能

作画機能

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
HDR撮影 対応 対応 対応
多重露光 ソフト対応 非対応 対応
ボディ内RAW現像 非対応 対応 対応

インターフェース・搭載機能

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
映像/音声出力・デジタル端子 USB 2.0 USB 2.0 USB 2.0
HDMI マイクロ端子 タイプD タイプD
WiFi 対応 対応 対応
NFC 対応 対応
電子水準器 2軸 2軸 2軸
防塵防滴 非対応 非対応 非対応
フラッシュ 搭載 搭載 搭載
各モデルもフラッシュ搭載でバウンスに対応

バウンスとはフラッシュを直接被写体に向けて光らせるのではなく、壁などに反射させて「フラッシュらしくない」光を演出する方法。

内蔵のフラッシュはポップアップ式で向きが固定されているカメラも多いが、今回紹介したカメラはどれも指で上下の角度を調整できる。巨大な外付けフラッシュほどではないにしろ、物撮りやマクロ撮影時には結構有効だったりする。

RX100M3やLX9の可動角は大きく、アングル変えやすいので便利。

ボディ・電源

?DCS-RX100M3 G7 X Mark II DMC-LX9
バッテリー NP-BX1 NB-13L
USB充電 対応 対応 対応
撮影可能枚数の目安 約320枚 約265枚 約260枚
大きさ 101.6x58.1x41.0 mm 105.5 × 60.9 × 42.2mm 105.5mm x 60.0mm x 42.0mm
質量 (CIPAガイドライン) 約290g 約319g 約310g
質量 ボディのみ 約263g 約294g 約280g

ざっくり結論

ファインダーを搭載は3モデル中 RX100M3だけ

rx100m3-f

このコンパクトなカメラの中にポップアップ式の邪魔にならないファインダーが内蔵されている。このカメラの特徴はその1点につきる。ファインダーが無いカメラとあるカメラでは明るいシーンでのモニタ(ファインダ)の視認性が大きく異なる。また、顔と両手でカメラをホールドできるので安定させやすいという点でもGood。

2014年発売と今回紹介するモデルの中では最も古いカメラではあるものの、スペックは競合モデルに大きく見劣りしない。コンパクトなデジカメながら、ファインダーがどうしても欲しいというのであればオンリーワンの選択肢。

元祖1.0型センサーカメラであるRX100を起点としてシリーズ。お値段はグレードが上がるほどしっかりと高くなっている。バランスが良いのはM2かM3でファインダーの有無で1万円程度の差額を出せるかどうかがポイント。初代RX100はお手頃な価格だけども、センサーが陳腐化していきているのであまりおススメしない。

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基本性能を高水準にまとめた G7 X Mark II

g7m2-f

RX100M3のようにファインダーも無ければ、LX9のように4K、4Kフォトモードがあるわけでもない。「このカメラでなければ撮れない」という決定打に欠けるものの、基本性能が高く扱いやすい操作性を持っている。

あまり凝った設定にしなくても綺麗に写してくれる1.0型センサーカメラをお求めであればこれだ。

個人的には旧型から大きく変更されたマッチョな外観がかっこいいと感じる。

ファインダーが欲しいのであればG5 Xが安くなってきている。無難に小型でスタイリッシュなデザインならばG7 Mark IIがおススメ。G9 Xはお手頃価格なもものの、レンズや操作方法が別物と思った方がいい。

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使いこなせば高機能・高性能 DMC-LX9

lx9-f

特筆すべきは機能性と高さで、ミラーレス一眼カメラの流れを組む最新機能が惜しむことなくこのカメラにも実装。さらにボタンのカスタマイズ性は非常に高く、他の2モデルを寄せ付けない自由度を持っている。

器用なカメラと言うだけじゃなく、基本性能もしっかりしているハイスペックなカメラだ。

競合カメラでは使う事ができない電子シャッター、暗所におけるオートフォーカス性能、4K動画、多彩なブラケットモードなどなど…。使いこなせば他のカメラとは一線を画す表現が可能だ。

とは言え高機能性からくるカスタムボタンの選択肢が多く、諸機能を十分理解していないと使いこなせない可能性も十分にある。特にLX9にしか搭載されていない機能に対して魅力を感じなければ他のカメラをチョイス。逆に一眼カメラユーザーならば「こんな小型カメラでもこの機能使えるのか」という驚きと喜びを感じることだろう。

LXシリーズはセンサーサイズが違う別物。LX100はM4/3サイズと一回り大きく、LX7は1/1.7型と1型センサーよりも小さい。

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参考サイト

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