- 2017.9.16:キヤノンとニコンを同時に使うと操作性の違いから混乱してしまった。そこで個人的に気になる点をピックアップ。今回はどちらも高級機の操作性で比較。
Canon-Nikonの違い
フォーカスモードの変更
- D850はAF・MFをレバーで切替可能。AF-SとAF-Cの変更はAFボタンを”押しながら”メインコマンドダイヤルを使用
- 5D Mark IVはAFボタンをワンプッシュ後にコマンドダイヤルを使用
どちらが使いやすいか?と聞かれたらキヤノン式が個人的に好み。
ニコン式はレンズの種類によって左で押し辛い場所に配置されている上、変更中は推し続ける必要がある。
フォーカスエリアの変更
- D850はボタンを”押しながら”コマンドダイヤルを操作して変更
- 5D Mark IVは連続でボタンを押すか、押した後にコマンドダイヤルを操作して変更
フォーカスモードの変更と同じく、ニコン式はやや使い勝手が悪い。特に長玉を手持ちで使っていると非常に押し辛いため、フロントのFn1ボタンに「AFエリアの一時切替」を仕込んでおきたくなる。
一方でキヤノン式はプッシュ・ダイヤルのどちらでも操作可能。とても使いやすい。
フォーカスポイントの移動
- ニコンはフルタイムでフォーカスエリアの移動が可能
- キヤノンは”測光タイマー”が作動中に限り、AFフレームダイレクト選択をオンで直接入力可能
ニコンはシンプルで使いやすいが、スティックがとても小さいので押し間違いが多発する。
キヤノンのマルチセレクターは大きくて使いやすいものの癖が強い。「測光タイマーオフ状態(撮影待機状態)」の時はジョイスティックを操作しても反応しない仕様(ニコンで言う半押しタイマーのこと)。
シャッター半押しで動作する”測光タイマー”がオンの間しかダイレクトで操作することが出来ない。
しかも初期設定では測光タイマーが4?8秒に設定されているため、カメラを操作していないとあっという間にロックされる。この因果関係を理解していないとキヤノンのスティックは非常に使いづらく感じるはず。
測光タイマーは最長で30分まで延長する事が可能、気になる人は測光タイマーの時間を調整してみよう。ちなみに「SET」ボタンに絞りプレビューを設定しておくと測光タイマーを素早く作動できる。ただしバッテリーの損耗が早くなるかもしれません。
追記:実機で試してみたところ、測光タイマーを変更してもマルチセレクターは数秒ロックされる。う?ん、困った仕様だ…。
測光モード
一見するとキヤノン式が右手で操作しやすいように見えるが、ボディ中央よりに配置されているので指が短いと押し辛い。
操作的に大きな違いは無いが、機能的で見るとニコンのハイライト重点測光・スポット連動測光が便利。(キヤノンでスポット連動が可能なのは1D系のみ)
AEロック
- D850は初期設定でサブセレクターの押し込みボタンで作動
- 5D Mark IVは右肩のボタンで作動
キヤノン式の場合、AF開始動作やAF停止機能をAEロックボタンに割り当て可能なので自由度が高い。
ドライブモードの変更
- D850はロック解除ボタンを押しながらダイヤル操作
- 5D Mark IVはだDRIVEボタンをワンプッシュ後にダイヤル操作
どちらが簡単か?と聞かれるとキヤノン式と答える。
ニコン式はダイヤルのロック解除ボタンがトグルになっていないため、解除ボタンを押し込み続ける必要がある。これがとても面倒くさい。
余談ですが、ニコンの静音撮影(電子先幕)とキヤノンのソフト撮影(電子先幕)のファインダー撮影は動作がやや異なる。キヤノンのLVソフト撮影モード2にあたる機能がニコンの静音撮影(電子先幕)に似ている。
そもそも従来のニコン機ではミラーアップ(M-up)しないと電子先幕が使えなかったので、D850の使い勝手でも大きく向上しているのです。
infoボタン
機能的に似ているが、ボタン配置的に使いやすいのはニコン。
ISOボタン
- D850はISOオートのオン・オフ切り替えとISO感度の調整が可能
- 5D Mark IVはISO感度の調整が可能
どのような感度設定でもワンタッチでISOオートに切り替え可能であるため、使いやすさはニコン式が有利。
ホワイトバランスボタン
- D850は”押しながら”ダイヤル操作で変更。AWBの種類もここから変更可能
- 5D Mark IVはワンプッシュ後にダイヤル操作
一見するとキヤノン式が右手で操作しやすいように見えるが、ボディ中央よりに配置されているので指が短いと押し辛い。
ニコン式は前後のダイヤルでAWB・蛍光灯・色温度の調整をすることが出来る。
露出モードの変更
- D850の露出モードはA/S/M/Pの4種類
- 5D Mark IVはオート/P/Tv/Av/M/B/カスタム1?3
ニコン式でもバルブ撮影は可能だが、Sモードからバルブモードに入るのでやや手間がかかる。多用するのであれば静止画撮影モードの設定項目を使って調整しておいた方が良いでしょう。
ニコン式は他社から乗り換えると非常に分かりづらいものの、カスタム設定次第では右手だけで切り替える事が可能。
ライブビュー撮影の切り替え
位置こそ違えど使い勝手はほぼ一緒。
キヤノン式の場合は録画開始ボタンを兼ねている。動画撮影をするのであれば、キヤノン式が僅かに使いやすい。
電源ボタンの位置
ニコン式は右手で操作しやすいが、誤ってスイッチを入れてしまったり切ってしまったりする可能性が高い。
キヤノン式はニコン式よりも使い辛いが、誤操作は少ない。
どちらも使っている身で言わせてもらうと、双方にメリットとデメリットがあり不満は感じない。
プレビューボタン
初期設定ではどちらも絞りプレビュー機能が配置されている。
どちらもカスタム可能だが、割り当てることが出来る機能はメーカーで異なる。
自由度が高いのはD850。AF-on機能も設定可能だったりする。
背面コマンドダイヤルの位置
操作しやすいのはニコン式。
前後のダイヤル機能をうっかり取り違え難いのはキヤノン式。
追従特性の調整
キヤノンの方が細かく設定できるが、細かく設定したことにより被写体への追従精度が向上したか実証が難しい。
キヤノンはシーン別のプリセット数値が用意されているので分かりやすい。
Nikonの良いところ
ブラケットボタン
個人的にブラケットは多用するため、独立したボタンが存在するのはありがたい。
使い勝手はPENTAX K-1のスマートファンクションで機能するBKTに近い。
他にもHDR撮影をカスタムボタンで設定可能だが、キヤノンと同じくRAW出力を設定している場合には使用不可。
OKボタン
大事な設定項目の変更時やメモリーカードのフォーマットの決定時はマルチセレクタの中央ボタンで決めることが出来ない。
おそらく誤操作による致命的なミスを防ぐ為だと思われるが、そのような場合にはカメラ左側の「OKボタン」を操作する。
ライブビュー時には「露出シュミレーションをライブビューに反映する」機能のオンとオフをワンタッチで操作可能。D850は初期設定でシュミレーションの反映がオフとなっているので混乱するかもしれない。
「おや?」と思ったらOKボタンを押してみよう。
Fn2ボタンのマイメニュー
MENUボタンで記憶している項目とは別にマイメニューへ直接リンクするショートカットボタンをFn2に設定可能。
マイメニューにボタン操作では対応できない機能をマイメニューに集約しておくと、Fn2ボタンが活きてくる。
ファインダーの保護性
ニコンの丸窓ファインダー機のアイピースはフッ素コーティングが施された保護カバー付き。
傷や汚れが落ちなくなってきた場合には新品と交換が可能。お値段は2000円未満とフッ素コーティングされている割にはお手頃価格。
フッ素コーティングのお陰で拭けば簡単に綺麗な状態となるので交換頻度は少ないはず。キヤノンと比べて良いポイント。
ユーザー設定モードが独特
ニコンのハイエンドモデルにおける静止画撮影モードは独特。
他社のように基本的な露出モード+カスタム設定モードというスタイルでは無い。
カスタム設定モードが4つあり、そこに露出モード(A/S/M/P)を割り当てる形式。A~Dの項目を全て絞り優先モードで使っても良し、全てマニュアル露出で使っても良い。
露出モードの他に記録形式や仕上がり設定、ホワイトバランス、ノイズリダクションなど画質に関わる部分を記憶することが出来る。ボタンカスタマイズやAFの細かい設定などは別枠で4通りの記憶が可能。
静止画撮影モードは登録した設定で固定されるモードでは無い点に注意したい。
「?」機能が充実
細かい機能の仕様が分からない場合には「?」ボタンを押すか、画面上の「?」をタップするとヘルプ解説が表示される。
分かりやすく解説しているのでとても便利。
Canonの良いところ
測距エリア選択ボタン
前述したようにAFフレームダイレクト選択には癖があるものの、エリア選択ボタンはとても使い勝手が良い。
特にEOS 5D Mark IVで新設されたマルチセレクタ横のボタンは秀逸。
?Qメニュー
背面液晶に映し出された画面をタッチするだけで変更したい設定を調整可能。
クイックメニューのユーザーインターフェースは一眼カメラメーカーの中ではトップクラス。
細かいシャープネス設定
シャープネス設定を強弱のほかに”しきい値”や”線の細さ”で設定可能。
PENTAXユーザーだったのでファインシャープネスやエクストラシャープネスが好みだったりする。それに近づけることができる細かいシャープネス仕様は歓迎できるポイント。
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