まえがき
嫁と群馬県まで2泊3日の旅行に行ってきた。
移動手段として車をチョイスしたので、カメラは積み放題に近い状態。そこで最近購入したカメラをメインにVANGUARDのヘラルダ-33とLoweproのfripSide400に出来るだけ詰め込んで車に積んでおいた。
今回は「PENTAX K-1」「EOS 80D」「OM-D E-M1」「LUMIX DMC-GM1S」「RICOH THETA S」を携行。帰宅して撮影した画像を見返しながら、家族旅行に適したカメラとは?を考えたい
機材ごとの結果報告
PENTAX K-1+D FA15-30mm/FA50mm
4月末に発売されたペンタックス初のフルサイズデジタルカメラ「PENTAX K-1」には超広角ズーム「HD PENTAX-D FA15-30mm F2.8 ED SDM WR』と『smc PENTAX-FA 50mm F1.4』。
特にダイナミックレンジや高感度性能が要求される場面に備えて、という意味合いが強い。
携行したカメラの中では一番大ぶりなシステムだが、フルサイズ機の中でも比較的小さいカメラであり、単焦点レンズを装着した時はEOS 80Dのサイズとそう変わらない。
草津温泉・湯畑にてマジックアワー。感度を抑えてスローシャッターで撮影した。
さすがに5秒のスローシャッターを手持ちでは撮影出来なかったので柵に体を預けてパチリ。お陰さまで、ホテルのカーテンレールのシワまでしっかりと写り込んでいる。
解像度や描写はさすがフルサイズといった余裕のある画像となった。高感度耐性が高いというポイントもあるが、純粋に高画素によってディテールがよく残っているという感が強い。また、光源をフレーム内に入れて、しっかり絞ってもゴーストは皆無。
ただし、同伴者がいる中で5秒というスローシャッターでもやや長く感じる(嫁さんを待たせている為)
今度はフレキシブルチルトを活かして、ライブビューでカメラを持ち上げてハイアングルからパチリ。
1/30秒に設定したが、もう一段スピードを落として感度を下げても行けそうな感じだった。(手振れ的に)低感度に比べてディテールは潰れてしまっているものの、パソコンの画面一杯まで引き伸ばしても問題無いレベル。
5段分の手ぶれ補正効果と高感度耐性からシャッタースピードに余裕があるので、露出における各種数値の自由度が高い。TAvモードで手ブレしない最低限のシャッタースピードに設定しておき、あとは必要な被写界深度の選択をすればISOオートで撮影出来るのは便利。
志賀高原にて。あまり天気がよろしくなかった。
特に空はホワイトスカイ状態で最初は真っ白だったが、それを後処理でどうにか雲と青い空を分離。ダイナミックレンジの広さを有り難く感じる1コマ。
リアルレゾリューションも試してみたが、手前のタンポポがそよ風で揺らめくため難しかった。
不二洞スカイブリッジにて。木々のディテールをしっかりと描写しているが、記録写真にここまでの解像度が必要だったかどうか微妙。記録メディアをマイクロフォーサーズや80Dをよりも大きく圧迫してしまう点が気がかりだった。
APS-Cクロップして1600万画素程度を使うと言う手もあったが、戻し忘れてシャッターチャンスを逃す恐れもあったので現状維持。
ロックハート城にて。
プリンセス衣装に着替えて写真を撮ることが出来る施設。嫁さんによるたっての希望で訪れた。初めは乗り気じゃなかったものの、来てみると結構いいもんだ。
今回はポートレートメインと気構えて、FA50mmを装着。絞れば周辺部まで安定した描写を見せるので遠景でもバッチリ、なかなか侮れないFA50mm。
屋内のローライトなシーンでも開放F値が明るいので低感度を使えるのはやはり便利。
KマウントではF1.4の明るさがかなり貴重なので、お手頃価格で手に入るこのレンズはかなり重宝する存在だと思う。
あまり正面の写真は使ってくれるなと念を押されているので、スナップ的に撮った横からの一枚。正面で良いコマもあるのだけどなぁ…。
やっぱりポートレートするならフルサイズは良いなぁと感じる。あまり撮影する機会が無いのが困りもの。
ここまで書いていて、「肌色補正」を使うのを失念していた。なれない事するもんじゃないな。その内時間を見て肌色補正を適用した写真を検証してみたい。
EOS 80D+18-135USM/55-250STM
旧モデルより大幅に測距点が増加して、ファインダー視野率もついに100%を達成した万能ミドルクラスの一眼レフカメラ。
なんと付属品でフードが無かったので、振り回す際に気をつけなければならなかった。とは言え、洗練された操作性とフォーカシング性能、爆速AFのレンズ性能でふっと目にした被写体を撮るには快適。
実際にパソコンで確認するとやや甘い事もあったりする。
草津温泉街にて。
広角メインに使っており、基本的には広角から標準域。その際はちょっと絞ってF5.6程度で使用している。しかし、とっさの望遠端でパチリした場合にはF5.6では絞り開放となってしまう。
基本スペックは高い方だが、さすがに望遠端の開放では幾分か描写が甘くなる。デジタルレンズオプティマイザで追い込むものの、猫の毛並みが若干潰れてしまっている。
西の河原にて。
F8まで絞れば全域で安定した描写。ISO1000でノイズは全く問題にならないレベル。ただし、「ディテール重視」に設定していると等倍で確認する場合にノイズがやや目立つ。
とは言え、被写体によっては線の細いシャープネスがマッチする。
と言うことで、これと言ったこだわりが無い場合には全て「ディテール重視」で撮影してみた。ノイズが目立つ場合にのみ「しきい値」を下げるようにしている。
「高感度に強くなっていはいるが、ノイズ耐性はAPS-Cの域を出ないかな?」と言ったところ。
しかし、元のRAWはカラーノイズが多いものの、ボディ内・DPPで処理する事で綺麗さっぱり解消する。もちろんディテールは潰れてしまっているが、FHD液晶で引き伸ばして見る程度には耐用出来る。
手ぶれ補正の効き目は高いものの、家族旅行の場合に気をつけなければならないのは被写体ブレの方。とは言え「そこで止まって!」というのも野暮だったりするので悩みもの。
群馬サファリパークにて。フラミンゴはとても奇妙な態勢で眠るのが凄い。
この場所では18-135mmUSMは短いかなと思って55-250mmSTMに付け替えている。
マイカーで入園する事で、時間の制約無く撮影出来るのは有り難い。(平日・雨模様で特に空いていた)
コンディション・マイカーの窓ガラス対策を撮影中に痛感したので、その点は後日改めて記事としたい。
250mm(換算400mm)をカバーしているレンズとしては小柄で使いやすい。フルサイズで400mmをカバーすると大ぶりなレンズとなってしまう為、取り回しがやや不便になる。
ただし、高級なフルサイズ望遠レンズと違って防滴仕様では無いので、今回のような雨模様で使うにはやや心許ないスペックになっているのは痛い点だった。
高感度でディテールが潰れがちなものの、そもそも被写体にグッと寄ればあまり高感度でも気にならない。
最短撮影距離は動物を撮る場合に特に長過ぎると感じる場面は無かった。
動物園で換算400mm程度稼げると、小さい動物以外は結構いけてしまう。
反面、18-135USMのカバー領域で使えるシーンは少ないので、動物園やサファリパークなら望遠レンズつけっぱなしでもいいくらい。
OM-D E-M1+M.ZD 40-150mmPRO/M.ZD 12-40mm PRO
深度合成を評価の高いMZD40-150mmで試してみたいだけで購入。
その結果、望遠レンズのメインがKマウントからマイクロフォーサーズへと移す一因となった。
換算300mmをF2.8の明るさでカバーしているので、ボケ量はともかくシャッタースピードを稼ぎやすい。さらに焦点距離とF値の割に被写界深度もそれなりに深める事が出来るマイクロフォーサーズという点がとてもGood。
x1.4テレコンをかませるべきか迷ったものの、サンニッパで以外とイケる事が判明したのでそのまま決行。
1600万画素ながら、キレの良い画質。開放からなかなかに素晴らしいので、途中からEOS 80Dと55-250mmの組み合わせよりこちらを使う場合が多かった。
「ライオンもトラも、大きな猫なんやね。」と時間をかけてゆっくりと眺めていた嫁さんの結論。
12-40mmはお馴染みの接写性能を活かして、広角で近寄るのもアリだった。
チルト液晶を備えているので、多少無茶なアングルから撮影する事も容易い。
40mmまで伸ばせば換算80mmをカバーしているので、近寄りやすい動物であれば40-150PROよりも使い勝手は良い。
LUMIX DMC-GM1S+PZ14-42mm
手動ズームから電動ズームにする事で、嫁さんに破壊されるリスクを軽減したシステム。基本的にはこれを付けっぱなしで記録写真用として携帯。
そのコンパクトさから、どのシーンにもお供出来るので一番コマ数が伸びる。
さらに1600万画素のJPEGオンリーと割り切った使い方なので、後処理やディテールなど細かい点を気にせず撮りまくる気軽さは良い。
さらにISO3200程の高感度でもカラーノイズが目立たない処理は素晴らしい。
広角で絞って使えばパンフォーカスも容易いので、記録写真には最適。
コントラストAFオンリーなものの、フォーカシングで特にスピードは気にならない。
かなり突き抜けたデザインの手水。面白いなと思った景色を気軽にパチリ。
スナップだけかと思いきや、案外ローライトなシーンでも活躍。
拡大しないのであれば、APS-CのEOS 80Dとあまり遜色無い。特にカラーノイズはかなり抑えられているのでISO3200くらいまでは常用範囲。
フォーカシングもローライトEV-4対応とあってあまり迷わない点もオススメしたいポイント。
鍾乳洞内という光源の少ない場所でも問題なし。手ぶれ補正も効き目が良く、失敗する事の方が少ない。
ただし、湿度が高い鍾乳洞内において、防塵防滴がまったく施されていないボディ・レンズは心許ない。とくに所々、水滴が落ちてくるので沈胴ズームの隙間に入り込まないか心配だった。
適正露出からややハイキーに後処理。
嫁さんにこのカメラを預けた際も手ブレするコマは少なかった。すごいぜパナソニック。
RICOH THETA S
こういう旅行の時の為に購入したTHETA Sにだったが、何かと忙しく旅行に行く機会が無かった為埃を被っていた。
ようやく陽の目を見たTHETA Sは、旅行のお供にとっても相性が良い事を再確認。一時は売っぱらおうと思っていたのだが、思いとどまる事が出来た。
一脚で代用していたものの、せっかくの携帯性を残っていたので収納しやすい自撮り棒に変更。すると撮影する機会が増えて、結果的にTHETA Sはイイぞ!という結論に至った。是非自撮り棒とセルフタイマーの活用を。
不二洞 スカイブリッジ
群馬 スカイブリッジ #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
自撮り棒を使って、高く掲げてパチリ。ファームウェアのバージョンアップによりセルフタイマー機能が使えるようになった為、いちいちスマホと連携しなくても親指デカイ問題を解決出来るように。
ロックハート城 ベルの塔
Post from RICOH THETA. #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
塔の名称が不正確で申し訳ないが、頂上にカップルで鳴らすベルが設置してある塔。
塔内は螺旋階段となっており、中央が空洞になっていたので撮影チャンスとパチリ。
ロックハート城 本城内
ロックハート城にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
ロックハート城内では衣装の貸出をしており、さながら貴族的なファッションでの撮影が可能だった。
ポートレートの撮影にはもってこいで、特にお城など洋風な背景を取り入れたいのであれば、中々オススメ。特に、貸出衣装を来た人しか入れない撮影スタジオで自由に撮影出来るのは良いポイント。但し、平日でもそこそこ利用客がいるので混み合っている場合はあっという間に貸出時間が経過する。
共通して感じた点
キャップの紛失
これは個人的なミスが大きいところ。ついつい目の前のシャッターチャンスに目を奪われてしまい、レンズキャップを外してポケットに入れたつもりがどこかに落っことしたらしい。M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO用の72mmとFA50mm F1.4用の49mmの2つを紛失。
リセール時にキャップ無いのはマイナス要因と思い、Amazonにて別売り品を購入した。
レンズキャップは外したら胸ポケットやチャック付きのポケットに入れるよう気をつけたい。
撮影時間の制約
スケジュールの都合上、あまり設定にこだわっている時間も無いのでピントが合っているかどうかも確認せずに次に移行する場合も。
という訳で、ボケているよりは少し絞って被写界深度を深めておいたほうが良かった。若しくは、そもそも被写界深度の深いマイクロフォーサーズがよさ気。
また、レンズ交換している余裕はあまり無かった。次の日に訪れるロケーションをイメージして「この画角のズームにしておくか」と前日の宿で予めレンズを交換しておいた。
結果
記録写真ならDMC-GM1S
個人的にはGM1Sがイチオシ。安いし、小さいし、よく写るし、といい事尽くめ。
特に細部を気にしなければISO3200でも撮って出しJPEGで問題無く使えるレベル。この程度の感度を使う場合はAPS-Cでもディテールは潰れがちなので、それならカメラはコンパクトな方が使いやすい。特にレンズもコンパクトに出来るマイクロフォーサーズなら尚良。
望遠レンズが必要な場合もAPS-Cやフルサイズより大分小さくまとめる事が出来る。
反面、E-M1+PROレンズはサイズ的にマイクロフォーサーズの良さがスポイルされてしまっているので、こういう場合にはやや不向き。また、EOS 80DやK-1が控えているので尚更E-M1を使う機会にはあまり恵まれなかった。
「ここぞ」と言う場面にはPENTAX K-1
特に高画素・豊かなダイナミックレンジが欲しい場合にはフルサイズは欠かせない高感度耐性+高画素はAPS-Cやマイクロフォーサーズとは一線を画する描写性能。特にリアルレゾリューションを使えば、超高画素機も顔負けの解像度を得ることが出来るのは魅力的。
とは言え、それを必要とする場面は少なく道中で撮影する場合にはマイクロフォーサーズで事足りる部分が多い。システムが大きくなってしまうフルサイズをカバンに詰めておく余裕があれば携帯したいが、宝の持ち腐れになる場合も多い。
大きなボケが必要とされるシーンが少ないのも要因の一つで「旅行に来たのであれば、背景も一緒に撮りたいよね」となる場合はガッツリ絞らなければならない。
標準ズームを装着して記録写真を兼ねても良いのだが、如何せん画素数が多いので記録ファイルが無駄に肥大化してしまう。ファイルサイズを変更する手もあるのだけども、そのひと手間が結構煩雑だったり。
オールインワンならEOS 80D
APS-Cはフルサイズとマイクロフォーサーズの良さを併せ持っている。さらに、軽快で爆速なAFの18-135USMとの組み合わせは使っていて面白い。
バリアングル液晶を使った自撮りや、混雑時にカメラを掲げてハイアングルで撮影するという芸風も可能な点はGood。その際もデュアルピクセルAFによる快適なフォーカシングを堪能出来る。
泣き所はミドルクラスながらメディアスロットが1つしか無いところ。RAWとJPEGの2400万画素データを書き込むと、あっという間に容量が一杯になる。
隠し玉 THETA S
旅行先で立体的・パノラマとして記録写真を撮影するのであれば、この上無く便利なカメラ。360°全てを記録出来るので、取りこぼしが無いというポイントは大きい。
ポケットに携帯出来るサイズなので、気兼ねなく持ち運べる。画質が許容範囲であれば、全てのカメラを置いてTHETA Sでもいいくらいだが、残念がら高感度やダイナミックレンジには改善の余地が多い。
また、現状で360°画像を閲覧出来るソフトや加工アプリが限定されており、周辺環境面でまだまだ不足している感が否めない。特に、撮影アプリと加工アプリが別々になっていたり、Windowsで純正加工アプリが配信されていなかったりと不便な点が多い。
使い勝手とSNSやアプリの環境次第では今後化ける可能性があるが、今現在は「隠し玉」に留まっている。
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