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パナソニック LUMIX S9 ハンズオンレビュー 外観や操作性の確認

パナソニック「LUMIX S9」のレビューに先立ち、カメラの外観やメニュー一覧、シャッター音やローリングシャッターの影響を確認するページを公開しました。

簡単なまとめ

LUMIX Sシリーズの良さとSNSとの親和性がある部分をのこしつつ、小型軽量化のためにそぎ落とした部分が多いカメラ。良い悪いは別にして、従来のLUMIX Sシリーズとは毛色の異なるカメラに仕上がっています。優れた競合製品の多い価格帯にあり、その中で真っ先に選ぶカメラではありません。このあたりを理解して購入するぶんには良いと思いますが、簡単におススメすることはできません。

しかし、LUMIXの箱型カメラを探していた人にとっては唯一無二の選択肢。欠点は愛情でカバー。

This camera retains the good qualities of the LUMIX S series and its affinity with social networking services, but has many parts that have been stripped away to make it smaller and lighter. Good or bad, it is a different camera from the conventional LUMIX S series. It is in a price range with many competing products, and it is not the first camera to be chosen among them. However, it is the one and only choice for those who have been looking for a LUMIX box camera. The shortcomings are covered by love.

LUMIX S9のレビュー一覧

カメラのおさらい

概要

第二世代のLUMIX Sシリーズで「LUMIX S5II」「LUMIX S5IIX」に続く3台目のカメラ。従来のLUMIX Sシリーズは一眼レフスタイルの硬派なデザインばかりでした。しかし、LUMIX S9は既存イメージを覆す箱型デザインのカメラボディとカラーバリエーションで登場。

一見するとライカレンジファインダーのようなスタイルに見えますが、継承すべきレガシーのないLUMIXらしい自由なデザインとなっています。

どちらかと言えば動画寄り。特にソーシャルメディアとの親和性を意識したデザインとなっており、「カメラ」×「スマートフォン」で完結するシステムを目指している模様。上記「LUMIX Lab」アプリとの連携を前提として、個性的なカラー・トーンの静止画や動画をSNSへ簡単に投稿することができるようになっています。

主な特徴

可愛い見た目ですが、LUMIX S5IIと同等のセンサー・プロセッサ・手振れ補正・バッテリーを搭載。コンパクトながら高機能・高性能を実現しています。いくつか注意点(後述)があるものの、基本的には「カメラ」×「スマートフォン」で完結するシステムを目指した製品。このあたりを認識で使えば許容範囲内、もしくは理解できる欠点が多い。

様々なカラー・トーンを駆使したJPEGと、スマートフォンに転送しやすいMP4 Liteを使った撮影が主になると思います。「パソコンでじっくりRAW現像」「パソコンでじっくり動画のポストプロダクション」も可能ではありますが、相性は悪いと考えておいたほうが良いでしょう。

  • イメージセンサー
    ・タイプ:裏面照射型
    ・有効画素数:2420万画素
    ・除塵ユニット:センサーシフト式
    ・手振れ補正:ボディ 5段 / Dual.IS 2 6.5段
    ・ISO:100-51200
    ・デュアルネイティブISO
  • 12bit RAW 静止画
  • シンクロスキャン(静止画)
  • プロセッサ:ヴィーナスエンジン
  • ハイレゾモード(手持ち対応)
  • アスペクト比:4:3 / 3:2 / 16:9 / 1:1 / 65:24 / 2:1
  • ライカモノクローム
  • LUT 最大39登録可能
    不透明度 10~100%で調整可能
    2つのLUTを適用可能
    スマートフォンアプリで簡単に追加可能
  • SD UHS-II カードスロット:×1
  • AFシステム:
    ・像面位相差 / コントラスト 検出
    ・測距点:779点
    ・測距輝度範囲:-6~18EV
    ・被写体認識:人物・動物・車・バイク
  • ドライブ性能:
    ・メカニカルシャッター:-
    ・電子シャッター:1/8000 - 60秒
    ・連続撮影速度:電子 最大30コマ秒
    ・連続撮影枚数:H RAW 55枚以上 / SH RAW 36枚
    ・フラッシュ同調速度:-
  • ファインダー:-
  • モニター:フリーアングルモニタ 3.0型 184万ドット
  • 動画:
    ・6K:29.97p 200Mbps 4:2:0 10-bit LongGOP
    ・全幅 4K:29.97p 150Mbps 4:2:2 10-bit LongGOP
    ・S35 4K:59.94p 200Mbps 4:2:2 10-bit LongGOP
    ・FHD:119.88p 150Mbps 4:2:2 10-bit LongGOP
    ・出力:
    ・電子IS:対応
    ・連続撮影時間:4K 15分
    ・4Kオープンゲート
    ・リアルタイムLUT
    ・MP4(Lite): H.265/HEVC
    ・アクティブIS
  • 動画連続撮影
    ・[6K][5.9K]10分
    ・[C4K][4K][3.8K][3.3K]15分
    ・ [FHD] 20分
  • インターフェース:
    ・USB:USB-C 10Gbps
    ・ヘッドホン:-
    ・マイク:3.5mm
    ・HDMI:D
    ・Wi-Fi:2.4GHz / 5GHz
    ・Bluetooth:Ver 5.0
    ・シンクロ:なし
    ・その他:-
    ・コールドシュー
  • バッテリー
    ・タイプ:2200mAhバッテリー
    ・撮影可能枚数:470枚 静止画
    ・充電方法:USB 給電・充電
  • サイズ:126×73.9×46.7mm
  • 重量:403g(ボディのみ)
  • 重量:486g(バッテリー・カード含む)

価格をチェック

  • 発売日:2024年6月20日
  • 予約開始日:2024年5月29日10時
  • 希望小売価格:オープン価格
  • カメラのキタムラ:
    ・ボディ:207,900円
    ・20-60キット:241,560円
    ・28-200キット:287,100円

物価上昇の昨今において、フルサイズセンサーモデルとしては売り出し価格が抑えられています。とはいえ、LUMIX S5IIの実勢価格とよく似ており、できることを考慮するとS5IIを選ぶのが無難。静止画で動体撮影、長時間の動画撮影、素早いカメラ操作、保持しやすいカメラグリップなどを重視する場合はS5IIがおススメ。また、この価格帯には競合他社も検討すべき多い。

それでもLUMIX S9の外観やコンパクトデザイン、コンセプトに惹かれる場合は唯一無二の選択肢。そしてボディサイズを考慮すると良くまとまっているカメラに見えます。

LUMIX S9

箱など

LUMIX Sシリーズらしく、黒を基調とした箱に赤色のラインが入っています。従来のLUMIX Sラインであることを示唆するものですが、個人的にはソニー「VLOGCAM」のような別ラインの位置づけでもよかったのではないかなと思っています。カメラの本体のほかに、付属品はバッテリーとストラップ、説明書などの書類が数点のみ。非常にシンプルで、バッテリーの外部充電器はありません。ボディのUSB-Cポート経由でバッテリーの充電が可能ですが、ケーブル類は同梱していません。スマートフォンをUSB-C経由で充電している人が多いと思うので問題はないでしょう。別口で充電したい場合はケーブルや電源を確保しておく必要があります。

また、付属の説明書は厚みも内容も薄いので、じっくり読みたい人は公開されているPDFをダウンロードしたり、ウェブ版を閲覧する必要があります。

外観

ボディの素材は全体的にプラスチック。外観で金属パーツと判断できるのはストラップ金具とレンズマウント、アクセサリーシューくらい。後述する底面の一部もおそらく金属製。外装の一部には合皮のような素材が張り付けられていますが、非常に滑りやすくグリップ力は低め。

ボタン・ダイヤル類もプラスチックパーツが多く、この価格帯のカメラとしてはプラスチッキーな印象。「脆い」「安っぽい」という感じ方には個人差があると思いますが、カメラを握った際にプラスチック感の強いカメラという印象を受ける人が多いと思います。

個人的に気になったのはサムレスト(右手親指をかける部分)や周辺ボタンの質感。ボタンはフラットな形状でこだわりのある作りとは感じず、感触はまさにプラスチック。後述しますが、背面のボタンでもAF-ONやLUTと上面・方向キー周辺ボタンとは押し込むストロークに差があり、一貫した操作性ではありません。

底面

外側の枠はプラスチック製ですが、三脚ネジ穴周辺には金属パーツを使用しているように見えます。内部構造の都合によるものか、三脚ネジ穴はレンズ側に偏っています。雲台やアクセサリの種類によっては直近のレンズマウント・レンズと干渉する可能性があります。後述するSmallRig製のグリップを装着することで、取り付け位置やレンズとの距離を調整することが可能。

グリップ

カメラ前面はフラットでグリップがありません。指でカメラ前面を押さえつけるように握る必要があります。片手での保持や操作が難しいため、左手で支えたり、ストラップを装着して使うことになると思います。グリップは右手親指で押さえつける部分のみ。この部分はしっかりと握ることができるものの、この状態で操作できるボタンは「LUT」「AF-ON」ボタンのみ。上部のFnボタンも操作しづらい。素早くカメラ操作が必要なシーンが多い場合、左手でカメラを支えたり、ストラップを使う必要性が高い。コンパクトボディと言うこともあり、比較的手が小さい管理人でも小指が完全に余ります。

コントロール

シャッターボタン・前ダイヤル

シャッターボタン

シャッター半押しまで浅めのストロークで、そこから全押し時にクリック感のあるタイプ。クリック音が発生する可能性が高いので、静粛性を重視する場合はワイヤレスリモコンやスマートフォンアプリ経由での操作が必要となるかもしれません。

前ダイヤル

プラスチック製と思われるシャッターボタン同軸のコマンドダイヤルを搭載。一回転18クリックの感覚で操作することができます。カスタマイズで露出補正に対応するほか、ダイヤル切り替え機能で様々な設定を操作することが可能。

モードダイヤル・Fnボタン

モードダイヤル

コンパクトなカメラですが、モードダイヤルは最近のLUMIX Sと同じ仕様となっています。他の機種と同じくダイヤルにロック機能はありません。とはいえ、回転操作が重く、誤操作の心配はないと思われます。

基本的な「P/A/S/M」とオートモードのほか、動画モード2種とカスタムモード3枠に対応。カスタムモード3はメモリ3枠を内包しているため、合計5枠のカスタム設定を保存・呼び出すことが可能。

更新

カスタムモード3のメモリ枠は「カスタムモード設定」の表示制限設定を変更することで最大10枠なで拡大できることを確認しました。

露出補正ボタン

カスタマイズ可能で初期設定は露出補正。浅めのストロークでクリック感のある操作性。カメラを握った状態において人差し指で操作するには少し後ろ側で押しづらい。頻繁に操作するには向かない配置。

動画記録ボタン

カスタマイズ可能で初期設定は録画開始。露出補正と同じ浅めのストロークですが、クリック感はありません。やはりカメラをグリップした状態だと押しづらい。

背面上部

LUTボタン

ストローク深めので他の部位と操作性が異なります。初期設定は「LUT」で、LUMIX S9を象徴する機能ですが今回は割愛。正直に言うと「リアルタイムLUT」を使うのは最初だけだと思うので、飽きたら「フォトスタイル」にカスタマイズして使うのがおススメ。

LUTは「My Photo Style1~10」のプリセットにも適用することができ、この際は元となるプリセットがV-logに固定されません、呼び出しは通常の「フォトスタイル」機能になるため。自然と利用頻度が高くなると思われます。

AFONボタン

LUTボタンとお同じ感触・形状。初期設定はAF-ONですが、カスタマイズが可能。LUTボタンと同じく、このカメラで最も操作しやすいボタンとなるので、利用頻度が多い機能を登録しておくのがおススメ。

背面下部

Qメニューボタン

ストローク浅めでクリック感のあるボタン。カスタマイズ可能ですが、初期設定のQメニューが重宝するため、そのまま使う人も多いはず。

再生ボタン

Qメニューボタンを同じ操作性。カスタマイズ不可。カメラを握った際、ちょうど親指を押さえつける場所にあるので誤操作しがち。LUMIX GM1のように誤操作を防ぐための形状も無く、過去のノウハウが活かされていない印象。

戻るボタン

メニュー画面操作時の「戻る」機能は固定、ライブビュー時の機能はカスタマイズ可能。隣のDISPボタンやコントロールダイヤルは「フォーカスエリア選択」機能と連動する操作が多いので、戻るボタンに配置していると素早い操作が可能。

DISPボタン

Qメニューボタンを同じ操作性。カスタマイズ不可。

カーソルボタン

メニュー画面では方向操作が可能で、ライブビューでは4か所に割り当てられた機能の呼び出しに使用。どのボタンもカスタマイズ可能。

ファインダー

ありません。
電子接点のないアクセサリーシューを搭載しているだけなので、外付け電子ファインダーも期待しないほうが良いでしょう。

モニター

3.0型184万ドットの液晶モニタを搭載。可動方式はバリアングルタイプで、左側方に展開後は上下の可動範囲が広い。ローアングルの縦位置や自撮り撮影はバリアングル式の強み。その一方で、モニタを傾けるには側方への展開が必須。素早く上下に傾けることができません。

視野角は良好ですが、明るい環境下ではモニターが見づらくなります。このような場合はモニター輝度の数値を上げることで改善可能。キヤノンやPENTAXのように、素早くモニター輝度を操作できる機能があると良かった。

インターフェース

USB-C・HDMI

USB-C

10Gbps対応のUSB-Cポートを搭載。通信転送のほか、バッテリーの充電や外部電源による給電動作に対応。UVC / UAC対応の記述はなく、webカメラとして使いたい場合は「LUMIX Webcam Software」が必要となります。

下記のHDMIポートと同じく、グリップ付近にあるポートのため、カメラを握った状態で利用することができません。三脚やジンバルに対応した状態で使う必要があります。

HDMI

Dタイプの小さなHDMI端子に対応。ケーブル側の金具部分が折れやすい形状となっているため、荒っぽい使い方は避けたほうが良いでしょう。(個人的にHDMI Dを負ったことはありませんが、破損しやすい形状とは感じます)

マイク

カメラ左側面にはマイク入力のみ。左側へ展開するバリアングルモニタと干渉しない位置にあります。ヘッドホン出力はありません。

アクセサリーシュー

電子接点を持つ「ホットシュー」に対して、LUMIX S9は接点のない「アクセサリーシュー」を搭載(他の呼び方として「コールドシュー」などがあります)。フラッシュを発光させることが出来ないため、基本的にはビデオライトやマイクを搭載するためのシューマウント。

キヤノンEOS R50のように専用のマルチインターフェースに対応しているわけでもないので、非常に割り切ったデザインと言えるでしょう。ポップアップするビデオライトを搭載しても良かったのでは?と思わなくもないですが、コンパクトな筐体に収納するスペースは無かったのかなと。

バッテリー・SDカード

底面からアクセスできるバッテリー兼SDカードスロット。防塵防滴用のシーリングは皆無であり、耐候性は期待しないほうが良いでしょう。特に底面からの浸水を避けるため、濡れた地面やテーブルなどに注意。後述する追加グリップにより底面を嵩上げすることで若干の予防策となります。

追加グリップ

LUMIX S9のグリップを補強するためのアクセサリはパナソニック独自で用意していません。社外製の別売りグリップを探す必要があります。幸いにもSmallRigが早期から対応アクセサリを展開しており、手頃な価格で販売しています。グリップの強化、底面の保護、アルカスイス対応雲台との互換性、ストラップ穴などメリットが多い。肩掛けストラップ以外で運用するのであれば、追加グリップを用意しておくのがおススメ。

SmallRigはグリップ以外にもハーフケースやケージなども用意しており、自身のニーズに合わせたアクセサリを選ぶと良いでしょう。SmallRigにこだわる必要はありませんが、2024年6月時点で選択肢はほとんどありません。

レンズ装着例

主にコンパクトな単焦点レンズと相性が良い。
良いというか、それ以外の選択肢の相性が悪いというか…。今のところLUMIX Sシリーズで相性の良いレンズはほとんどありません。開発中の18-45mmやシグマ Iシリーズを検討する必要がありそうです。アダプター経由でMFレンズを使うのも面白そう。

比較

LUMIX S5IIと見比べてみると、S5IIからグリップとファインダーを取り除いたようなデザインとなっています。正直に言うと、LUMIX Gシリーズほど圧倒的なコンパクトサイズではありません。しかし、S5IIと同じセンサー・プロセッサ・手振れ補正・バッテリーを搭載していることを考慮すると良くまとまっていると言うこともできるでしょう。

コントロールレイアウトは共通している部分もありますが、基本的には別物。カスタマイズが豊富なので、S9のレイアウトでも困らないかもしれません。

起動時間の確認

  • 純正バッテリー
  • Kingston SD UHS-II 32GB V90
  • LUMIX S 50mm F1.8 装着
  • そのほか購入初期状態

初動(初回起動や数時間経過後の起動)がかなり遅めとなっているのはS5IIやG9IIと同じ。その後は許容範囲内の起動速度で安定しています。

シャッター音の確認

LUMIX S9は電子シャッターのみですが、シャッター音を3種類から選択可能。動画内では以下の順番で使用しています。

  • シングルショット サウンド1 → 2 → 3
  • 連続撮影 サウンド1 → 2 → 3

「1」が最も高音で、「3」が最も低音となり、「2」が中間。認識しやすいのは「1」ですが、静かなシーンでは少し目立つため、状況に応じて「2」や「3」に切り替えて使うのもあり。

ローリングシャッターの影響

シングルショット

LUMIX S9はメカニカルシャッターを搭載しておらず、電子シャッターのみ対応。S9が使用するイメージセンサーの電子シャッターは一般的なメカニカルシャッターよりも幕速が非常に遅く、動体を撮影すると顕著に歪む可能性があります。

ただし、同じセンサーを使用しているLUMIX S5IIと見比べてみると、影響が軽減していることが分かります。これはLUMIX S5IIのシングルショットが14bit RAWであるのに対し、LUMIX S9は12bit RAWに色深度を抑えて高速ローリングシャッターを優先しているためと思われます。(12bit RAW限定は説明書にも記載あり )

画質のためにフルサイズセンサーを選ぶ人にとって12bit RAWしか使えないのは悩ましいところですが、メカニカルシャッター非搭載のLUMIX S9としては理解できる方向性。14bit RAWのオプションもあると良かったとは思うものの、敢えて入れなかったのか、不可能なのか気になるところ。

連写時

超高速連写時

シングルショット時と同じ。14bit RAWは使えないものの、シングルショットでも連写でも一貫した画質が得られると考えることもできます。当然ながらローリングシャッター歪みが目立つため、フレーム一杯に動く被写体を入れると目立つ歪みが発生する可能性あり。(フレームに小さく入れる場合は目立たない可能性もあります)

動画 MP4 Lite(4K 30p 10bit)

おそらくLUMIX S9で最も使うであろうMP4 Lite 3.8K 30p 10bitもシングルショットと同程度。

メニュー一覧

従来通りのLUMIX メニュー。大きな変化はないものの、LUMIX S9で使用できないフラッシュの項目がゴッソリと無くなっています。メカニカルシャッターに関連する項目もありません。その一方でハイブリッドズーム・クロップズーム・LUT関連の新機能など、いくつか目新しい項目が追加されています。

撮影メニュー

動画メニュー

カスタムメニュー

設定メニュー

カスタマイズ対応ボタン一覧

まとめ

LUMIX Sシリーズの良さとSNSとの親和性がある部分をのこしつつ、小型軽量化のためにそぎ落とした部分が多いカメラ。良い悪いは別にして、従来のLUMIX Sシリーズとは毛色の異なるカメラです。やはりソニーの「VLOGCAM」のように、従来とは別のラインで展開しても良かったのでは?と感じるくらいにはコンセプトが大きく異なります。

最も強く感じるのは「カジュアルで楽しく使えるJPEG・MP4の実現」。特化した機能を詰め込んだというよりは、他を削り落としてスリムにしたという印象。携帯性の良いカメラで撮影し、後処理を最小限まで抑え、気軽にSNSへアップロード。

本格的な静止画・動画撮影をはじめ、RAW現像やポストプロダクションも可能ですが、それぞれ引っ掛かるポイントがいくつか存在。メカニカルシャッターレス・12bit RAW・グリップやファインダーがない・動画の連続撮影時間が短い・ホットシューの欠如などなど。今は問題なくても、出来ることが増える中で問題と感じる可能性があります。このあたりを理解して購入するぶんには良いと思いますが、簡単におススメすることはできません。

「箱型」「フルサイズセンサー」「手振れ補正」「LUMIXカラー」などの理由からMFレンズの母艦にする人も多いことでしょう。ボタンは少ないながらも豊富なカスタマイズに対応、そしてレンズ情報の編集も柔軟性が高い。基本的にはLUMIXらしい色・操作性を楽しめるカメラ。

競合製品の多い価格帯であり、真っ先に選ぶカメラではありません。しかし、LUMIXの箱型カメラを探していた人にとっては唯一無二の選択肢。欠点は知識と愛情でカバー。

参考情報

購入早見表

作例

Flickrにてオリジナルデータを公開

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