DPREVIEWがキヤノンの執行役員の方にインタビューしている内容を記事として発信しているので、一部抄訳しました。
キヤノンの今後の方向性や拡大するミラーレス市場に関する回答などが掲載されています。
インタビューピックアップ
- 次の製品に向けて「ネットワークとの連携」「動画性能」の改善に焦点を当てている。我々の製品において動画機能に改善の余地は多く残されている。さらに、顧客戦略の観点から新規ユーザーの獲得を継続したいと考えており、エントリーユーザーを引き込みます。
- エントリーレベルの一眼カメラへの4K動画の導入は市場の4Kテレビ市場の動向を見ながら検討している。ただし、4Kディスプレイへの市場参入は予定していない。
- シネマレンズは大きな市場であり、プロフェッショナルから手頃な価格まで需要がある。手頃な価格の市場における幅を広げていきたいと考えているので、努力しているところだ。
- 一眼レフ・ミラーレス一眼ともに市場のシェア1位となる予定だ。ミラーレス一眼は東南アジア市場での需要が非常に高くなっているが、米国では普及率が最も低い。日本市場では僅かに過半数を上回っているに過ぎない。
- EOSMのプロモデルは潜在的な可能性はあるものの、まだ現実的にタイムスケジュールには入れたくありません。
- EF-Mの「Lレンズ」シリーズの需要はまだかなり限られているので、我々はそれについて述べることはできません。しかし、人々が明らかにプロフェッショナルレベルの品質と性能を求め始めた時に、私たちは顧客に求めるレンズラインを拡張する。
- EOS KissとEOS Mが競合し、需用が変遷(KissからEOS Mへ)するのであれば、EOS Mを推し進めることになります。
- ミラーレス一眼は小型軽量カメラがコンセプトであり、ボディ内手ぶれ補正による重量増は望むところではない。レンズ式光学手ぶれ補正が我々の取る選択肢だ。しかし、競合他社はボディ内手ぶれ補正を採用していることは認識しています。私たちはボディ内手ぶれ補正の軽量化と小型化を実現するために技術開発の観点から取り組んでいるところです。
- 多くの顧客からの要望であった「WiFiの使いにくさ」は接続性を始めとする全体的な使いやすさです。その要望に応えるために私たちは接続を簡単にする「Bluetooth」を導入しました。
- 360°カメラに関しては注視しているが、現時点で大きな成功を収めたカメラが存在しない。そこには何かが欠けており、私たちが360°カメラを出す暁にはキヤノンらしい付加価値・アイディア・コンセプトが必要です。
- 2020年の東京オリンピックで「ミラーレス」が席巻しているとは考えにくい。ロイター通信やAP通信などの人々は「ミスを犯したくない」シチュエーションでは使い慣れた機材の方が良いでしょう。つまり一眼レフカメラです。
気になるポイント
EOS Mのプロ用機材が出るかもしれない、という噂が昨年飛び出しましたがどうやらまだ可能性の段階みたいですね。
現在のコンセプトでは小型・軽量という面を重視しているようです。確かに登場するレンズからもそれを伺えますね。F3.5のマクロレンズやテレ端F6.3の高倍率ズームなど、明るさを犠牲にしつつも小型化を実現する方向性のようです。同様に堅牢で信頼性の高いLレンズシリーズの登場も望み薄そうです。
一方で、ソニーのミラーレス一眼「α7」シリーズは小型・軽量のフルサイズというコンセプトから、プロの写真家の動向を見定めてプロフェッショナルな方向性に路線を切り替えましたね。(昨日インタビュー記事を抄訳した内容の一部)キヤノンも今後の動向次第ではミラーレスに舵を切る可能性も捨てきれません。
まあ、「2020年は一眼レフ」と仰っているので、数年で急にEOS Mが充実することはなさそうですね。今ある機材でどう楽しむかを考えた方が良さそうです。
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