PhototrendがSalon de la Photo 2024における富士フイルムへのインタビュー記事を公開。フルサイズ以外の市場で40%のシェア、X-M5はエントリーにあらず、フィルム回帰の限界やカメラ生産の予定なし、X100VIについてなど。
Phototrend:Interview Fujifilm au Salon de la Photo 2024 : « le X100VI est un produit iconique »
2024年の状況は?
- 中判もXシリーズ全般も非常に好調。
- 唯一、少し苦しんでいるのは製品の在庫状況である。
特にAPS-Cセグメントに関する数字はあるか?
- 我々はリーダーであり、フルサイズ以外で約40%の市場シェア。
X-M5で1,000ユーロ以下のエントリー市場に戻ってきた
- 言葉には気をつけなければならない。
- 1,000ユーロのカメラはエントリーレベルのカメラではない。
- この価格帯、特に若者の間で真の需要があることに気づいた。
- スマートフォンの価格やユーザー層的は、この種のカメラへの足がかりとなる。
X-M5は「コンテンツクリエイターのためにデザインされた」
- 当初、このカメラはユーチューバー向けに設計されていた。
- しかし、この製品を見れば見るほど、フォトグラファーにアピールするものだとわかる。
- このカメラは、写真界を成長させるテコにもなるだろう。
新しい世代はカメラやビデオに何を期待している?
- 新しい世代はとても複雑だ。
- 若者はもう写真を撮らないし、両親や祖父母と同じカメラを買うこともない。
- ヴィンテージデザインに惹かれる人もいれば、人工知能に疑問を持つ人もいる。
AIについて
- トレンドと需要は矛盾している。音楽と同じで、多くの人がレコードに回帰しているが、同時にストリーミング音楽のサブスクリプションを持っている。AIも同じだ。
- (画像の)所有権という点で危険性がある。プロフェッショナルと多くの話し合いをしており、その点は考慮しなければならないだろう。
- 画像に自動レタッチを望むユーザーもいれば、絶対に望まないユーザーもいる。
- AIは写真ビジネス全般、特にプリントサイドにメリットしかもたらさないだろう。写真アルバムの制作をより簡単にし、最小限のクリック数でより速く仕上げることが可能になる。
XF 16-55mm F2.8 R LM WR IIはの小型軽量化について
- レンズのレイアウトとサイズを完全に見直した。
- この進歩は研究開発の進歩によるもの。
- 新世代のリニアモーターはわずかに小さくなっている。
- ED、スーパーED、非球面レンズの最新開発の恩恵を受けている。
なぜ光学式手ぶれ補正がないのか?
- 最高級のカメラにはすべて手ぶれ補正機能がついている。
- この焦点距離では光学式の恩恵が少ない。
- 長焦点では、ボディとレンズのデュアル補正が常に有益。
X-M5は新しいパッケージでUSBケーブルも充電器も同梱していない
- 2030年までにCO2排出量を削減するという目標を掲げている。そのプロセスの一部。
- 色、パッケージ、段ボールの消費量、そして可能であればケーブルの数を減らすことを計画している。
- ご自宅には既に有り余るケーブルがあると思う。
富士フイルムは「フィルム回帰」のトレンドに貢献していると思うか?
- このトレンドに貢献していると思う。
- しかし『フィルム回帰』という考えには疑問を呈している。
- フィルムメーカーとして市場データにアクセスし、これが本当に大規模な現象なのかどうかを知っている。
- 特に理解し学ぼうとする若者の間で、映画に対する熱狂があるのは事実だ。
- しかし限界も見えている。確かにフィルムへの回帰はあるが、その重要性を考慮する必要がある。
PENTAX 17が発売された今、 「新世代 」フィルムカメラを提供するのも面白い
- 私はその秘密を知らない。
- 今のところ、新しいフィルムカメラの登場はないと思う。
X100VIは生産能力を増やすことができたのか?
- X100VIの成功には驚いた。
- 非常に野心的な予測を立てていたが、発表の翌日には想像を絶する需要があった。
なぜこのカメラが人気なのか?
- X100シリーズの一部であり新製品ではない。
- 中国のSNSで需要が加速した。
- 日本製でコンパクト、エレガントで高品質なデザイン、ヴィンテージのトレンドにマッチしたデバイスだ。これらすべての要素が成功に貢献した。
- 入手できないことを申し訳なく思っている。しかし、10カ月から11カ月で注文したカメラをすべて納品することができると思う。
- すぐに増産に踏み切った。しかし、サプライチェーンが複雑で納品は一朝一夕にはいかない。
ヨーロッパ/フランスではX100VIは売上がミラーレスと競合しているか?
- X100VIは富士フイルムの技術への踏み台だ。
- X100VIはコンパクトカメラであり、ミラーレスではない。
- 他の製品の影を落とすことはない。我々の製品のフラッグシップ。
- さらに、各製品にはそれぞれの消費者層がある。あらゆる好みと予算に合うものがあると言いたい。
オリンピックについて
- X-H2Sに関するフィードバックはなかった。
- GFX100S IIは、現場で試してみたいというフォトジャーナリストからの要望が非常に多かった。
フィルムメーカーとして、現在のフィルムカメラ需要について限界を把握しているようです。中国でフィルム増産の話題もありましたが、あくまでも一時的なブームであり、大きな投資や製品開発はしないのかもしれませんね。PENTAX 17が一時的に売れているようですが、この流れがどこまで続くのか気になるところ。
AIはプリントでの写真選別に活かせるとのこと。最近のスマートフォンは撮影した画像や動画を選別し、自動的に選りすぐりアルバムを生成可能となっています。同じように、プリントする写真を選別できると便利ですねえ。(追記:既にFUJIFILM Printsでの自動選択にAIを使用している模様)
X100VIに関しては、まだまだ生産が追い付かないものの、10-11か月で需要を満たせるめどは立っているようです。もうしばらく待つこととなりそうですが、X100Vほどの惨状とはならないかもしれませんね。
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