DPReviewがパナソニックのインタビュー記事を公開しています。マイクロフォーサーズやフルサイズの将来と目標、LUMIX S5IIに関連した話題について取り上げています。
マイクロフォーサーズの将来
- そのサイズと携帯性から、フルサイズシステムでは実現できないことを実現できる。
- 小型軽量で、フルサイズでは不可能な望遠レンズとの組み合わせによる手持ち撮影が可能なシステム。
- 気軽に持ち運べるコンパクトなボディを実現するために欠かせないシステム。
- スマートフォンのように常に持ち歩ける小型・軽量のカメラへのニーズは、若い世代を中心に高まっていくと思う。
- 動物写真家などのグループへの訴求力を支えるだけでなく、スマートフォンに慣れた若いユーザーへの入り口としての役割も期待できる。
- 10代、20代に専用カメラの良さを伝えることが目標の一つ。
- スマートフォンでは実現できない世界があることを伝える必要がある。しかし、それを実現するためには、スマートフォンが持っている携帯性が必要。
- GMシリーズが復活する可能性があるかどうかについては言及しなかった。
- 小型で高性能なカメラに興味を示しているのはDPReviewだけではない。日本のメディアも同様のことを聞いてくる。
フルサイズの未来
- 2022年にはミラーレスカメラが金額ベースで市場の75%以上を占め、特に市場全体の50%以上がフルサイズのミラーレスカメラになると考えている。
- 期待されるように、動画が大きな役割を果たすと見ている。動画機能を必要とするユーザーのタイプは増えている。
- 個人での動画制作のニーズは今後増えていく。
- 動画と親和性の高いミラーレスは、シネマプロダクションなどのプロの映像制作から、YouTubeなどの個人の映像制作まで幅広く活用されている。
- 静止画しか撮らないお客様も多く、そのニーズに応えるカメラはある程度必要。という点には同意しつつも、パナソニックがそのニーズに応える企業であるかのようなことは言わなかった。
- LUMIXは、静止画と動画を組み合わせたカメラを中心に、できるだけ多くの人に価値を提供していきたい。
- 静止画と動画のバランスが重要だと考えているとし、静止画が動画の後回しになるとは言い切らなかった。
Vloggerを超えて
- ソーシャルメディアクリエイターをターゲットにしている。
- YouTubeなどの普及により個人で活動するクリエーターが増え、映像制作の裾野が広がっている。これまでチームでやっていたことが、個人でやるようになった。
- クラウドネットワーク技術などを強化し、クラウドと連携して撮影しながら編集できるようにしたい。例えば撮影したままの映像やプロキシをアップロードして、すぐに編集作業を開始するなど、新しいワークフローで現場にいない同僚との連携。
- ポストプロダクションはオフラインで行われているが、オンラインベースに移行していくべきだ。このようなワークフローに私たちが関わっていくことが重要だ。
ワークフローにおけるAIの役割
- 色や露出、フレーミングだけでなく、すでに活用されているAFなど、AIによってクリエイターの意図をカメラが自動的に反映すれば、今後、撮影ミスが大幅に減り、撮影時間の短縮に寄与すると考えている。
- 編集にAIを活用することで、ワークフローの効率化も図れると考えている。
- ワークフロー全体で見ると、ワンマンオペレーションのクリエイターは編集に多くの時間を費やしているが、ワンプッシュでクリエイターの意図通りに自動編集できるようになれば、より魅力的なコンテンツを制作できるようになり、クリエイターのフィールドが広がる。
- カメラが自分の狙いを先読みしてくれるという発想は、専用カメラに馴染みのない人にもメリットがある。マイクロフォーサーズとAIなどの技術を組み合わせることで、カジュアルなユーザーにもカメラの良さを伝えていきたい。
L?の協業について
- Lマウントアライアンスは3社で情報を共有し、「アライアンスパートナー間で安定した製品互換性を提供する」もので、主にアライアンスの仕様・規格・互換性の目標に合致したレンズを製造するためのものである。
- L?テクノロジーは、より緊密なパートナーシップで、より広い範囲をカバーし、LUMIXブランドとLEICAブランドが開発プロセスを通じてリソースと技術を共有する。この2つの(プロジェクトは)全く異なるものであり、異なる軸で推進している。
- パートナーシップの最初の例として、S5 IIに搭載された新しい画像処理装置は両社のノウハウを結集することで、高画質性能と高速演算処理を実現。
- パナソニックとライカはそれぞれ異なる専門性を持つ。それを1つの箱の中に入れて、混ぜ合わせることで、効果が期待できる。例えば、ライカは表現部分(色や画像処理)に強みがあり、パナソニックはデバイスの開発や製造に強みがある。
- 今後も協業する分野を更新していく。
なぜ今、像面位相差AFなのか?
- 社内には達成しなければならない特定の画質基準がある。
- テレビ、カムコーダーを開発しており、これらは我々のコアな分野だ。過去、位相差の採用はその基準に達していなかった。
- 画像処理をグレードアップしたことで、S5 IIはその水準に達した。
- クアッドピクセルAFを使っているわけではない。
- 部分的にマスクされた位相差画素を使用していることを示唆しており、補間する画素があると述べている。
S5 IIとS5 IIXの区別化について
- S5 IIとS5 IIXは、外装を含め、ハードウェアの違いがある。
- ハードの違いについて詳しく聞こうとしたが聞けなかった。
S5 IIにおけるイヌの貢献
- S5 IIの開発スタートと同時に犬を飼い始めた。
- 犬を撮影することで、カメラやインターフェースについて有益な知見を得ることができた。
- 細かい話は企業秘密だ。
- S5 IIを使うなら、開発したエンジニアと柴犬・きなこを思い出してほしい。
とのこと。
全体的に見ると当たり障りのないインタビューと言った印象。個人的にGMシリーズ復活の有無などに興味があるのですが、パナソニックは需要や市場の関心に理解を示しつつも、GM復活について言及はしていない模様。多少高くても後継モデルが出るなら買いたいですねえ(現役 GM1・GF9ユーザーとして)
LUMIX初となる像面位相差AFの実装については歯切れの悪い回答となっているようです。像面位相差AFとコントラストAFの画質差について言及しつつ、具体的な問題点や改善点が示されていないのは気になるところ。「結局のところ技術的な問題だったのか?」と疑ってしまいます。LUMIX Gシリーズのユーザーとして、マイクロフォーサーズでも像面位相差AFの導入が進むのか注目していますが、(コントラストAFの)GH6をリリースしたばかりなので、明言するのはもう少し先となるのかもしれません。
最も明確に答えていたのはLUMIXの方向性について。
やはりパナソニックらしく動画を絡めた方向性らしく、静止画向けのカメラ(例えばLUMIX G9 PROなど)は今のところ望み薄のように見えます。少なくとも動画需要に応えるカメラを作り、副次的な効果として静止画にも対応できるカメラが登場するのかなと(LUMIX S5 IIなどはいい例かもしれません)。クラウドやオンラインを活かす案は面白そうですが、既にサービスを開始しているキヤノンや、5G対応スマートフォンを使ったストリーミングができるソニーと比べると少し遅れ気味と感じます。起死回生の一手を打てるかどうか注目ですねえ。
その一方でAIを活かした「先読み」「ボタン一発編集」などは面白そうですね。意図した結果に向かってワークフローを劇的に短縮できるのであれば非常に魅力的。これが技術的に実現できる話なのか、まだ検討の段階なのか今のところ不明。
LUMIX S5 II・S5 IIXの区別化について明言は避けているものの、S5 IIXのみ対応している外部SSDへの収録やProRes内部収録、IPストリーミングなどはハードの違いからくる差なのでしょうか?今のところLUMIX S5 IIの有償アップグレードできるのはRAW動画のみで、ハードの違いによりアップグレード対応できない可能性はありそう。もしもALL-IやSSD収録が必要であればS5 IIXを待ったほうが良さそうです。
パナソニック LUMIX S5 II・S5 IIX 最新情報まとめ
LUMIX DC-S5M2 ボディ | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す | |||
LUMIX DC-S5M2 レンズキット | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す | |||
LUMIX DC-S5M2 ダブルレンズキット | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す |
LUMIX DC-S5M2X ボディ | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す | |||
LUMIX DC-S5M2X レンズキット | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す | |||
LUMIX DC-S5M2X ダブルレンズキット | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す |
関連記事
- DPReviewがLUMIX S5IIをスタジオシーンテストに追加
- LUMIX S5IIのリアルタイムLUTはAF性能が低下するのか確認する
- パナソニック LUMIX S5IIのドライブ・バッファ性能を確認する
- パナソニック LUMIX S5IIのダイナミックレンジは連写時に変化するのか確認する
- パナソニックがS5IIのライブビュー速度切替とSレンズのトラッキングAF性能向上に関するファームウェアを予告
- パナソニック LUMIX S5II ファーストインプレッション
- Adobe Camera RAWがEOS R8やLUMIX S5 IIなどに対応
- パナソニック LUMIX S5II ハンズオン 外観と起動時間やシャッター音の確認
- Photons to PhotosがLUMIX S5IIのダイナミックレンジテストの結果を公開
- パナソニックがLUMIX S5 II キャッシュバックキャンペーンの受け取り期間を延長