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こだわり部分のボケ味を調整できるオリンパスの特許出願

2020年6月4日付けでオリンパスの気になる特許出願が公開されています。ボケのグラデーションが付きやすい部分を調整しやすくする機能のようですね。あまり他社ではお目にかからない斜め上の技術に見えます。

  • 【公開番号】特開2020-88513(P2020-88513A)
  • 【公開日】2020年6月4日
  • 【発明の名称】撮像装置、レンズ装置、撮像方法およびプログラム
  • 【出願日】2018年11月20日
  • 【出願人】
    【識別番号】000000376
    【氏名又は名称】オリンパス株式会社
  • 【課題】対象部内のこだわり部分のボケ味を調整することができる撮像装置、レンズ装置、撮像方法およびプログラムを提供する。
  • 【0024】
    光学系21は、球面収差がアンダーコレクションであり、球面収差曲線をレンズの外側に行くに従って徐々にレンズ側に傾け、球面収差を意図的に残したことで、美しくにじむボケ味を実現している。
  • 【0025】
    このボケ味の美しさは、画像のボケ味に着目する領域において、ボケ量に相当するある空間周波数fo近辺のコントラスト特性によって依存することがわかっている。つまり、ピントが合って、ボケていない部分は、元の画像の空間周波数特性を忠実に再現される方が良いが、そこからピントが合っていないところ領域にたいして自然にぼけていくようにするため、画像のコントラスト特性が空間周波数が高くなるにつれ滑らかに減少するも、ある程度の周波数まで含まれている方が好ましい。
  • 【0026】
    この着目すべき空間周波数foの基準としては、ボケとして認識される画像の観察倍率だけでなく、撮像素子の画素数や画素サイズにも依存する。即ち、ボケた画像の中には、対象物の光学系による像の空間的な構造と、結像させる光学系の特性とによって、本来ない構造が形成されたり、その構造が画像の数ピクセルの相当の画像処理に影響を及ぼす範囲でのコントラスト変化があると、本来綺麗にボケて滑らかに再現されるべき画像部分が、ピントの合ったところのような処理と重なり不自然な描写となる。
  • 【0027】
    このボケ領域の画像におけるコントラストの周波数特性がボケに相当する周波成分f近辺で滑らかに減少しない状態になると、「2線ボケ」といった、本来被写体にない構造が現れ、いわゆる「汚いボケ」と呼ばれる状態となり望ましくない。一方、いわゆるアポタイゼーションフィルターや、画像処理等でボケに相当する空間周波数fo近辺のコントラストや明るさの応答特性をカットした場合、いわゆる「汚いボケ」にはならないが、不自然に画像が消失しているように見えることがある。
  • 【0028】
    従って、空間周波数f近辺での画像のコントラスト(輝度振幅、あるいはパワースペクトル成分)が周波数が高くなる方向にたいして滑らかに減少しつつもある程度の周波数領域まではコントラストが残存するように、後述する図9および図10で示すような、中央部付近は良好に球面収差が補正され、絞り開放付近で球面収差が急速にアンダーコレクションとなるレンズ設計になっていることが好ましい。
  • 【0029】
    以上を考慮すると、美しく滲むボケを実現するには、ボケ領域の画像のコントラスト特性が空間周波数fがfoり高周波領域において急激に減少させるより、その逆数1/fに従って滑らかに減少する特性である事が好ましい。これは、空間周波数fが高くなる、すなわち画像の構造1/fだけ細かくなるとともにコントラストも同時に低下する特性である。このような考え方から、空間周波数fの逆数「1/f」に合わせて、コントラストや明るさの変化(輝度振幅、あるいはパワースペクトル)が増減し、その再現性が比例するような特性になるようなボケ特性が好ましい。従って、このようなボケ変化をする特性を「1/fぼけ」という呼び方で表現してもよい。このような条件にある場合、「1/fぼけ状態」にある、と書き換えてもよく、上記美しくにじむボケ味が実現できる部分を「1/fぼけ領域」と書くこともできる。

キヤノンの被写界深度優先・ボケ優先モードの安定した絞り制御に加えて、ボケ味まで考慮した自動制御を可能とする技術のようですね。「美ボケとはなんぞや」を定義したのち、ピント面から大デフォーカスへ推移するポイントを見つけて拡大、追加情報を表示してアシストしたりする模様。被写界深度がフルサイズやAPS-Cより深く、ボケの推移が見えづらいマイクロフォーサーズだからこそ活かせる機能と言えるかもしれませんね。使用しているレンズは構成を見る限り「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」でしょうか。後ボケに並々ならぬ力が入っているレンズです。

この機能が実際にカメラに導入されるかどうかは不明ですが、ボケ味に対して光学的にソフトウェア的に力を入れているメーカーであることが分かります。今後どのようなレンズ・新機能を実装してゆくつもりなのか気になる所です。

参考:オリンパスンのボケ味を重視したレンズ

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