PCmagがソニー「α7R V」のレビューを公開。前モデルよりも高価となりましたが、高性能なAFやCFexpressを使った高速バッファクリアなどを考慮するとアップグレードする価値があると評価。
ビルド・外観:
- 記載なし。
バッテリー:
- NP-Z100バッテリーを使用する。
- 1回の充電で1日の撮影に十分なバッテリーライフを備えている。
- 不足する場合はUSB-C経由でバッテリーから充電可能だ。
インターフェース:
- HDMI A、シンクロ、3.5mmマイク、3.5mmヘッドホンポートを搭載。
- フラッシュは内蔵していない。
- 5GHz Wi-FiとBluetooth 5.0に対応している。
- SD UHS-IIとCFexpress Type Aに対応したスロットを2基搭載している。
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- 様々なレンズ装着時に快適に握ることができるグリップだ。
- 冬用グローブを着用しても満足できる。
操作性:
- α7 IVで採用した変更点をいくつか継承している。
・Fnダイヤル
・静止画 / 動画 切り替えスイッチ
・C2と録画ボタンの配置変更- C3・メニューボタン以外は右手でアクセスする。
手ぶれ補正:
- 最高で8段分の補正に対応。
- 実際に1/2秒で手持ち撮影を実施するのに十分な性能だ。
ファインダー:
- 0.9倍の光学系を採用し、解像度は940万ドットと高い。
- ファインダーが大きすぎると感じた場合は縮小することも可能だ。
- AF使用時は高画質モードのクオリティが下がる。
モニター:
- チルトとバリアングルを組み合わせた可動方式を採用している。
- 静止画 / 動画どちらにも対応可能だ。
- 210万ドットの解像度でピントを確認するのに十分なほどシャープだ。
メニューシステム:
- α7S III以降の新メニューを採用している。
- 垂直タブと色分けでナビゲートしやすくなっている。
- タッチ操作に対応した。
- 確かに改善しているが、密度が高く、長いメニューだ。
- 視野角が広く、明るい屋外でも確認できる。
フォーカスシステム:
- 被写体認識システムによりα9 IIやα1よりも高性能だ。人間や動物、鳥、昆虫、鉄道や車、航空機の検出に対応している。
- 検出モードは個別にあり、設定を変更する必要がある。ただし、鳥/動物のみ複合して検出することが可能だ。
- リアルタイムトラッキングと被写体検出が組み合わさってとても良好に機能する。
- α7R IV比で大きく進化している。
- キヤノンのEOS R5よりも良好だ。
連写性能:
- メカニカルで10コマ秒の連続撮影が可能だが、圧縮RAWに限定される。
- 非圧縮RAWやロスレス圧縮RAWを使用する場合は7コマ秒となる。
- CFexpressカード使用時は10fpsで260枚の撮影が可能だ。バッファクリアも高速である。
- SD UHS-IIの場合、90枚でバッファがいっぱいとなり、クリアまで30秒かかる。
- 電子シャッターでより高速の連続撮影には対応していない。
- 読み出し速度も速くないので、高速移動する被写体を止めるのに適していない。
解像性能:
- 従来通りの6000万画素センサーを搭載している。画質に驚きはないが、高画素センサーの中で最高のものだ。
- RAWのサイズを変更することで、2600万画素、1500万画素として出力可能だ。
- ピクセルシフトマルチショットで2.4億画素の結果を得ることができる。三脚は必須だが、動体補正の実装で対応することが出来る範囲が広がっている。
- マルチショットモードはパソコンでの結合が必須で、ストレージには十分な空き容量が要る。便利な機能だが、組み合わせる写真を選ぶのが苦痛だ(訳注:結合用の写真は通常の写真に混じって保存されます)。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO 100-32000、拡張50-102400を利用可能だ。
- 低ISOではノイズがほとんどない。
- ISO 6400でノイズが出始めるが、ISO 25600まで見栄えの良い結果が得られる。
- ISO 51200-102400はノイズが粗い。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 多くのモードで10bit 4:2:2 を備えたS-log3を利用可能だ。
- 4K 60pやFullHD 120pのスローモーション撮影に対応している。
- 8K 30pは高解像だが読み取り速度が遅い。動く被写体が含まれると歪んでしまう可能性がある。
- 4K 60pは8Kと同じ1.24倍のクロップだ。
- 4K 30pの場合は全幅を利用可能でセンサー読み出し速度も速い。ただし、サブサンプリングの画質はフルサイズセンサーに期待するほどの画質ではない。
- 4K 30p Super35モードでよりシャープな結果を得ることができる。ただし、読み出し速度は遅い。
- XAVCは優秀なフォーマットだが、ProResほど編集しやすいものではない。
総評
最高の6000万画素センサーを搭載し、高速プロセッサによる強化されたAFやCFexpressによる高速バッファクリアを実現している。ただし、α7R IVよりも高価なカメラだ。アップグレードを躊躇するには十分な価格設定である。AFや動画機能の向上が必要ない場合はα7R IVを選択するのも良いだろう。我々としては、差額を考慮してもα7R Vがおススメだ。
- 長所:
・手振れ補正搭載
・6000万画素センサー
・7fps RAW連続撮影
・AIを活用した追従機能
・大型で高解像のEVF
・デュアルチルト式のモニター
・カスタマイズ
・メニューシステム
・SD UHS-II / CFe Aのデュアルスロット- 短所:
・センサー読み出し速度
・高解像撮影は結合にパソコン必須
・10fpsは圧縮RAWのみ
とのこと。
イメージセンサーは従来通り6100万画素ですが、処理エンジンが新しくなり、AIプロセッシングユニットによりAFやAWBが強化されているのは魅力的なカメラですね。さらにα7 IVのコントロールデザインを継承しており、Fnダイヤルや静止画/動画スイッチを搭載しているのも嬉しいポイント。また、ロスレス圧縮RAWやRAWのサイズを変更可能になったことでストレージやパソコンにやさしくなったこと、バルブタイムに対応したことで長秒露光が簡単になったなど、細かい改善点も数多く存在しています。α7R IVと比べると高価な機種となってしまいましたが、高解像モデルで使い勝手に不満を感じていたのであれば乗り換える価値がある1台と言えそうです。
基本的にセンサーは従来通り(α7R IV)なので、センサー画質に大きな変化はなさそう。ただしプロセッサがBIONZ XRへアップグレードしているので、カメラのレスポンスやメニュー操作性などで劇的な改善を感じるかもしれません。さらにAIプロセッシングユニット搭載によって被写体検出に対応し、従来と比べて被写体にフォーカスしやすくなったのが便利と感じることでしょう。その一方、連続撮影速度に大きな変化はなく(むしろ10fpsの条件が厳しくなっている)、ローリングシャッター効果も依然として目立つ点には注意が必要です。
私もα7R IVからα7R Vに乗り換え済み。個人的にAIプロセッシングユニットと可視光+IRセンサーを組み合わせたAWBに期待していたのですが、今のところ劇的な改善は見られません。ニュートラルに戻す力は強いものの、状況に合わせた雰囲気重視のAWBは苦手なのかなと。風景撮影や野生動物の撮影ではAWBが真価を発揮するのかもしれません。
被写体検出は確かに便利ですが、連続撮影を交えた高速移動する被写体を撮影するのは苦手と感じました。大型EVFは追従AF時に解像度が低下し、10fpsの連続撮影はレックビューとなるので被写体を追いかけるのに不向きです。20~30fpsの高速連写が普通となった2023年で、7fpsの撮影に満足できるのか悩ましいところ。
価格を考慮するとα7R IVも検討する価値があると思います。しかし、α7R Vの起動速度や操作のレスポンスなど撮影体験の質は改善しています。連写を必要としなければ、被写体検出によってフレーミングのしやすさは確実に向上していると感じます。価格差ほどの価値はないかもしれませんが実機を手に取って使いやすさを確認してみるのがおススメです。
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