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サムヤン AF 12mm F2.0 Xは不完全だが身軽で手ごろな価格の興味深い選択肢

Amateur Photographerがサムヤン「AF 12mm F2.0」のレビューを公開。開放のシャープネスや色収差、弱めのレンズ補正などを指摘しつつ、大口径ながら小型軽量で耐候性があり、手ごろな価格で検討する価値があると言及。

Amateur Photographer:Samyang AF 12mm F2 X review

(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)

外観・構造:

  • マウントは金属製で、価格からすると品質面で批判されることはほとんどない。
  • フードを逆さ付けできない、現代では珍しいデザインだが、実際に使ってみて問題とは感じなかった。(収納性を損ねるほどではない)

携帯性:

  • サイズ的に比較的小さなカメラと相性が良い。
  • X-T5でテストしたが、実にいいバランスだった。しかしX-T30 IIのようなもっと小型のボディにもマッチすると思う。

操作性:

  • 操作面では、シンプルなレンズだ。
  • 唯一の操作系はマニュアルフォーカスリングで、鏡筒の大部分を占める。
  • フォーカスリングはダイヤモンド模様のおしゃれなデザインだ。
  • 富士フイルムXFレンズと異なり、絞りリングがない。カメラのダイヤルで設定変更の必要がある。
  • 露出モードダイヤルがない機種では、最小F値を超えるとオート絞りに切り替わり、シャッター優先モードとプログラム露出モードが有効になる。
  • フォーカスリングは適度な抵抗で回転する。

フォーカス:

  • サムヤン初のXマウントレンズだが、オートフォーカスは高速で、静かに動作する。不具合などは見られない。
  • フォーカスリングの動作はリニアレスポンスで、速く回すと大きく、ゆっくり回すと細かく調整できる。
  • 無限遠にピントを固定する手段がない。
    (訳注:一部のサムヤンレンズには「星撮りモード」で無限遠に固定できる機能があります)
  • ビデオグラファーは、よほど静かな室内で撮影しない限り、操作音を拾うことはないだろう。
  • 無限遠からピントを合わせると画角が少し狭くなるなど、フォーカシングブリージングが見られるので注意が必要だ。しかし、撮影中に大きくフォーカスを移動させる予定がない限り、大きな問題にはならないはずだ。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • シャープネスについては、全般的に良好な結果が得られる。
  • F2でも中心部は驚くほどシャープで、当然ながらフレーム周辺部に向かって低下する。(像面湾曲の影響)
  • 絞るとシャープなエリアがフレーム周辺部まで広がり、全体としてF5.6からF8で最も良好な結果が得られる。
  • F11まで絞ると回折現象が発生し、F16以上は避けた方がよい。

像面湾曲:

  • 四隅と中心部のピントが若干ずれている。
  • 主な被写体が中心から外れている場合、ピントを合わせて構図を変えるのではなく、それに合わせてフォーカスポイントを配置するのがベストだ。

ボケ:

  • 記載なし。

色収差:

  • 高コントラストの周辺部に強いグリーンとマゼンタのカラーフリンジが発生する。
  • フレームの隅に行くほど顕著になるので、これは倍率色収差によるものだ。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • ソフトウェア補正を最小限に抑えている。
  • 樽型の歪曲収差は極めて軽度だが、多くの用途で問題になることは無いが、建築物や海辺の風景を撮影する場合は、必要な補正を施した方が良いだろう。

周辺減光:

  • 周辺減光は目立つが補正可能だ。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 逆光時にフレアやゴーストの問題はほとんどない。
  • 絞ると14本の綺麗な光条が発生し、F11で特にシャープとなる。

総評

富士フイルム独自の素晴らしいが高価なレンズの代わりとなるサードパーティ製レンズは長い間なかった。しかし、サムヤン、シグマ、タムロンから興味深い製品が発売され、現在は状況が変わり始めている。

サムヤン AF12mm F2 Xは、超広角、大口径、コンパクトサイズ、耐候性というユニークな組み合わせを実現しており、これだけでも一部の富士フイルムユーザーが検討し始めるのに十分だ。

全体的に見て、このレンズの性能は高く、風景写真家が使用するような絞り値まで絞ると、見事な解像性能を得ることができる。操作面では、絞りリングがないため、富士フイルムらしくない撮影体験となるのが大きな欠点だ。光学的には、開放から優れた解像性能とは言えない。また、かなり強い色収差に悩まされ、JPEGはソフト補正されず、RAWを完全に修正するのが難しい。しかし、これは手頃な価格との必然的なトレードオフなのだろう。

不完全かもしれないが、特に身軽に旅行したい人や予算に限りのある人にとって、これは実に興味深い超広角レンズの選択肢となる。

とのこと。
富士フイルムXマウント用としては最も画角の広い広角単焦点AFレンズですね。レンズ構成自体はMFレンズの「12mm F2.0 NCS CS」と同じという面白い作り。競合するレンズは「Touit 2.8/12」くらいで、F2の明るさを利用したい場合はサムヤン一択なります。ただし、画角を妥協できれば「VILTROX AF 13mm F1.4」や「XF14mmF2.8 R」など他の選択肢も存在しますが、防塵防滴仕様はこのレンズのみ。

Amateur Photographerのレビューによると、絞り開放から抜群の光学性能では無い模様。周辺部の解像性能を意識した撮影などでは絞って撮影するのが良さそうです。じゃあ他のレンズが優れているかというと、SABのレビューを見る限りではそうでもなさそう。将来的にタムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」のXマウント版が登場すると、サムヤンにとって厳しい戦いとなるかもしれません。

サムヤン「AF 12mm F2.0」交換レンズデータベース

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