DPReviewがソニー「α7R V ILCE-7RM5」のレビューを公開。高解像センサーの読み出し速度が唯一の弱点と指摘しつつ、高解像度で結果を出せる強力なAFシステムが強みのカメラと評価。
DPReview:Sony a7RV in-depth review
(総評を抜粋)
- D850のように、すでに良いカメラだったものをベースに、静止画/動画の切り替えスイッチ、新メニュー、新しい動画機能、新構造のモニター、カードスロットの高速化など、ほぼすべての面を改善し、より完成度の高いカメラに仕上がっている。
- ソニーのカメラ史における画期的な1台である。
- α1のようなオールラウンダーではないとしても、風景からスタジオでのポートレート、結婚式やイベント、商品撮影まで、幅広い用途に秀でたカメラだ。
- 高解像度と高速性を両立させる技術は、この価格帯ではまだ実現できていない。
- 高解像度を求め、a1のような高速連写や動画を必要としない無数のプロや愛好家にとって、α7R Vは素晴らしいカメラだ。
- キヤノン EOS R5は、ローリングシャッターの制御が優れているため、おそらくより優れたスチル/ビデオカメラとなる。富士フイルムのGFX 100Sはα7R V以上の解像性能を発揮する。
しかし、ソニーのオートフォーカス性能とEマウントレンズの幅広さは、より多くの状況下で一貫して結果を出すことができると思われる。- オートフォーカスはセットアップに時間がかかるが、一度好みに合わせて調整すれば、すぐにセット&フォーゲット(訳注:調整後は全自動の意味)の状態だ。
- 最終的に、6100万画素の高解像センサーと強力なオートフォーカス性能の組み合わせが、前モデルに対する最も魅力的なアドバンテージになる。
- ISO感度が上がると、6100万画素の利点は徐々に失われる。しかし、全体像で比較すると、極端に暗い状況で撮影するまでは、画素数が増えることによるデメリットはない。
- α7R Vの動画性能は、スペック表に書かれているほど印象的ではない。これは6100万画素の高解像センサーが要因となっている。
- ディテールの再現性を重視する写真家にとって、望む結果を得るために全力を尽くしてくれるカメラであり、その結果は目を見張るものになるだろう。
α7R Vは、何世代にもわたって改良を重ねてきたボディに、優れたセンサーと強力なオートフォーカスシステムを組み合わせた高画質のミラーレスだ。ポートレートや風景写真、結婚式やイベントなど、幅広い撮影に適している。8K動画がトリミングされ、読み出し速度が遅いのが、他の非常に高性能なカメラと比べた際の唯一の弱点だ。
長所:
- 見事な解像性能
- 非常に優れたダイナミックレンジ
- 高解像度で結果を出せる強力なAFシステム
- 豊富な動画オプションと優れたサポートツール
- 柔軟性の高いモニター可動方式
- 使いやすいダイヤル・コントロール
- 静止画/動画の切り替えが簡単にできるインターフェイス
- 豊富なカスタマイズ機能
- 優れたバッテリー駆動時間
- Wi-Fi
- 動き補正でピクセルシフトモードの使い勝手が格段に向上
短所:
- 光量が落ちると解像度が必然的に低下
- クロップとローリングシャッターで多くの動画モードに制限を感じる
- カスタマイズの幅が広い
- オートフォーカス機能は、最高の結果を得るために非常に複雑
- 新しいステータス画面は、うっかり目を離したり、最小化したりしやすい
- ピクセルシフト画像は、デスクトップで合成する必要あり
とのこと。
イメージセンサーこそ従来通りの6100万画素CMOSですが、新型プロセッサに加えてAIプロセッシングユニットを搭載しており、AFをはじめとして各種機能が強化されているRシリーズの最新機種ですね。特にAFはソニー製カメラとしては初めて無機物の被写体(車・電車・飛行機)を認識するようになり、モータースポーツや航空機の撮影での活躍が期待できそう。ただし、連続撮影速度は従来通り10コマ秒までなので、高速連写やローリングシャッターが気になる場面ではα1を選択肢したほうが良いでしょう。
DPReviewは最終的に「92% GOLD」の高い評価。どちらかと言えば静止画寄りの撮影スタイルで、快適なAFと高解像センサーの組み合わせを利用したい場合におススメの1台となるようです。AFの設定が複雑すぎるとしながらも、一般的には設定変更せずとも簡単に使うことができ、設定を煮詰めれば状況に合わせて最高の結果を得ることができるとのこと。6100万画素の高解像センサーでびしっとピントの合った結果が得られるのであれば、設定を煮詰める手間はかけたほうが良いかもしれませんね。
α7R IVから乗り換えるポイントはいくつもあると思いますが、α7R Vとの価格差を考慮すると急ぐほどでもないのかなと。DPReviewも言及しているように、最終的には「6100万画素センサー + 強力なAF」の組み合わせが強みとなるカメラなので、最新AFが必要なければ、安くなっているα7R IVでも良いのかなと。個人的には「可視光+IRセンサー」「AIプロセッシングユニット」の組み合わせによるバランスの良い露出・AWBに期待していたのですが、従来通りニュートラルに戻す力が強く、雰囲気のある撮影は苦手な印象。
もちろん、起動速度や操作のレスポンス、メニューシステム、柔軟性の高いモニターなどなど、使い勝手は間違いなく向上しているので、価格差が気にならないのであればα7R Vがおススメ。なんだかんだ必要ないと言いつつも、被写体検出AFシステムがあれば使うと思います。
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