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35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD 交換レンズレビュー

このページではタムロンのフルサイズ一眼レフ用交換レンズ「35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD」のレビューを掲載しています。

交換レンズレビュー 外観・操作性

レンズのおさらい

35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD (Model A043)は標準ズームレンズでも無く、望遠ズームレンズでも無い。ちょうど「24-70mm F2.8」と「70-200mm F4」を足して2で割ったような個性的なスペックのレンズですね。既にリリースされている超広角ズームレンズ「17-35mm F/2.8-4 Di OSD」とセットになるような焦点距離。

タムロン公式ではこのレンズを「ポートレートのための新発想レンズ」と位置付けています。確かにパースが強すぎる広角や画角が狭すぎる望遠を切り捨て、使いやすい焦点距離を凝集したようなズームレンジとなっています。

24-70mm F2.8や70-200mm F4よりも小型軽量ながら、広角側でF2.8、望遠側でF4の絞り開放F値を実現。広角や望遠を割り切れば汎用性の高そうなレンズですね。

35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD Canon
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35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD Nikon
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外観

キヤノンEFマウントは1か月遅れてリリースのため今回はニコンFマウント版をゲット。

全長124.3cm、質量790gとコンパクトなレンズではありませんが、24-70mm F2.8や70-200mm F4と比べて同等かより軽量なレンズに仕上がっています。手に取った印象としては24-105mm F4とよく似たサイズですね。

外装の主なパーツはプラスチック製で金属鏡筒のような質感ではありません。重厚感はないものの、この世代のタムロンレンズらしいモダンデザインで安っぽさは微塵もありません。さらに7点からなる簡易防滴構造を採用、しっかりとした耐候性も備えています。

ニコンFマウント用ですが、キヤノンレンズで比較。24-105mm(ミラーレス用)よりも少し大きく、70-300mm F4-5.6 IIよりも僅かに短く少し太い。御覧のように携帯性はそこまで悪くありません。

後述しますが、開放F値は85mmでF3.5、100mmでもF3.8をキープしています。35~50mmでF2.8~F3.2、150mm F4と比較的明るいレンズであることを考慮すると、よくここまでサイズを抑えられたなと感心します。

前玉・後玉・マウント周辺

前玉には撥水撥油性の高いフッ素コーティングが施されています。ブロアで前玉にさっとひと吹きすることでちょっとした汚れやゴミは簡単に吹き飛びます。水滴が付着した際の除去も簡単。

後玉は35mm時にレンズマウントと同じ面を維持していますが、150mmまでズームすると後玉が前方へ移動します。

レンズは日本設計・中国製造と表示されています。(表示方法は少しあざとく感じますが…)

金属マウントには防滴用シールが施されています。ニコンFマウント版も電磁絞りのため、従来のようなメカ絞り機構は備わっていません。

レンズフード・付属品

付属品はプラスチック製の花形レンズフードのみ。シグマのように安価な価格帯のレンズにも同梱しているレンズケースなどは付属しません。

ズーム操作

ズーム操作で内筒が前後します。35mmで最も短く、150mmで内筒が最も伸びる。内筒は一つの筒状となっており頑丈でガタツキはありません。

3cm幅のズームリングは比較的重めだが滑らかに動作し違和感のある引っかかりはない。35mmから150mmまでの回転角は90度以下で、広角から素早く望遠端まで移動可能。

ズーミングによる重心変動は小さく、最も内筒が伸びる150mm時でもフロントヘビーとは感じませんでした。

ズームリングは35mm時に限りロックスイッチで固定可能。ズームリングが重いのでロックスイッチの必要性は低いと感じますが、カメラバックへ収納するときはロック推奨。

F値の変動

ズーミングによる絞り開放F値の連動は比較的なだらかで分かりやすい。

F2.8- -F3.0 -F3.2 -F3.3 -F3.5
35mm 42mm 50mm 62mm 75mm
-F3.8 -F4.0
95mm 122mm

フォーカス操作

このレンズにおける大きな注意点の一つ。フォーカスリングの回転角がとても小さい。

1cm幅のフォーカスリングは0.45m~無限遠までのピント領域で90度未満、約70~80度の回転角しかありません。クオーターマクロの撮影倍率を持つレンズとしては非常に回転角が小さいと感じます。少なくとも90度、できれば140~180度はあれば良かったのですが…。

さらにフォーカスリングの滑らかさはお世辞にも良好とは言えず、回転角の小ささからマニュアルフォーカスによるピント合わせはかなり難しい。

さらに注意点として、このレンズはフルタイムマニュアル(AFモード時のマニュアル操作)に対応していません。

AFモード時はフォーカスリングが駆動モーターと直結しているため、無理に回すと故障の原因となる可能性あります。当然ながらオートフォーカス時にフォーカスリングが回転するのでびっくりしないように。古いタムロン・シグマレンズを使ったことがあるのであれば慣れっこですが、ここ最近のレンズは電子制御やフルタイムマニュアル対応レンズばかりなので、この方式は初見という人も中にはいるはず。

マニュアルフォーカス操作はレンズのフォーカスモードスイッチを操作(MFへ切り替える)してフォーカスリングとモーターの連動を切る必要がある。

Nikon Z 7との組み合わせ

コンパクトなフルサイズミラーレスにレンズアダプター経由で装着すると少しフロントヘビーな印象を受けます。一眼レフならバランス良好のはず。

そこまで重いレンズではないので、片手での保持や操作はできないこともない。しかし、左手をレンズに添えたほうが確実に安定します。

交換レンズレビュー 実写編

オートフォーカス

このレンズのアクチュエータはタムロンが良く利用する「リング型超音波モーター(USD)」ではなく、「OSD (Optimized Silent Drive) 」と呼ばれるDCモーターを利用しています。ここ最近はステッピングモーターやリニアモーターと言った新しい種類の駆動方式も増えつつある中でやや古臭い仕様。

実際にNikon Z 7と組み合わせて使ってみた動画を下部に掲載。

フォーカス速度は超音波モーターなど他の駆動方式と比べてやや遅い。風景撮影やポートレートには十分なフォーカス速度で動作自体は滑らかで精度は高い。とは言え、動体撮影にはやや厳しめと言わざるを得ない。

「サイレントドライブ」と呼称しているように、DCモーターのわりにとても静かで滑らかな動作だと感じます。

見てわかるように近景と遠景のピント位置で画角が大きく変化しています。いわゆるブリージングの大きなレンズなので深度合成や動画撮影には不向きと感じるかもしれません。

今回は作例を用意していませんが、ズーミングによるピント位置の変動が少なくパーフォーカルレンズのように動作するのはGood。例えば被写体にピントを合わせてから画角を調整してもピント位置が大きくずれることはありません。

手ぶれ補正

公称値は5.0段(CIPA規格準拠)。150mmで言えば約1/5秒まで効果が期待できるパフォーマンス。

Nikon Z 7と組み合わせて使った場合、手持ちでは2~3段分の補正効果、体を何かに固定できる状況なら4段分と言ったところ。効き目が良いと感じる時があれば、悪いと感じる時もあり、5軸ボディ内手ぶれ補正ほど安定した効果では無い印象。

また、互換性の問題からか一部のカットで「部分的にかなりブレてる」異常なイメージが出力されているのを確認。主に縦位置ポジション時に発生したが今のところ原因は不明。

遠景解像

全体的に良好なパフォーマンス。光学3倍のズームレンズと比べると少しパキっとした解像感で見劣るものの、一眼レフ用光学4倍ズームとしてはなかなか良好。

35mm

絞り開放から四隅まで良好なパフォーマンスを発揮。周辺減光で四隅の画質低下が想定できるので、ベストな画質を求めるのであれば1~2段は絞りたいところ。絞ることで四隅の画質が向上し、F5.6~F8.0でピークを迎えます。

F11で回折の影響が出始めるものの、まだまだ良好な画質。F16まで絞っても問題を感じません。

50mm

絞り開放から中央領域と周辺部はほぼトップスピード。四隅のみ僅かに甘く、1~2段絞ると改善します。画質のピークはF5.6~F8ですが、絞り開放との差は小さいと感じます。

85mm

やはり絞り開放から全域で良好なパフォーマンス。あえて言えば周辺部と四隅が僅かに甘い。F5.6まで絞ると甘さがなくなりシャープネスが僅かに改善する。

100mm

F5.6まで絞ることで四隅に多少の改善は見られますが、絞り開放から全体的に良好で改善幅が目立ちません。

135mm

手ぶれ補正搭載モデルは望遠側の周辺部において解像性能の低下がみられるものですが、このレンズは特に大きな画質低下を感じません。多少の周辺減光は発生しているものの解像性能は開放から悪くない印象。

 

150mm

中央と比べると四隅は甘いですが目立つような描写の粗じはありません。

35mmから一貫したパフォーマンスで特に弱点と感じる焦点距離は無し。35mmと同じく周辺減光がやや強めのため、画質でベストを尽くすのであれば1段~2段は絞りたいところ。

ボケ 撮影距離 1.5m

35mm

よく見ると玉ボケに非球面レンズの影響がみられるものの、許容範囲内となる場合が多い。F2.8のレンズながら口径食の影響が大きく四隅のボケが変形しやすいのは残念。

玉ボケと切り離して後ボケに注目すると、ズームレンズとしてはまずまず良好なボケ質。

スライドショーには JavaScript が必要です。

50mm

35mmの玉ボケと比べると口径食も目立たず、まだまだ使いやすい描写だと感じます。ただし、玉ボケが大きくなるため非球面レンズの影響はより目立つようになる。

後ボケはやはり滑らかでなかなか好印象。

スライドショーには JavaScript が必要です。

85mm

玉ボケがさらに大きくなることで非球面レンズの粗がさらに目立ちやすい。玉ボケを重視する人にとって少し気になるかも。SP35mm F1.8 Di VC USDなど過去に玉ボケの粗さが目立ったレンズと比べてまだマシですが、「ポートレートレンズ」として売り出している以上少し気になるポイント。

スライドショーには JavaScript が必要です。

100mm

再び口径食の影響が目立ち始めます。変形を緩和するには1~2段絞る必要あり。

非球面レンズの影響はありますが、個人的には他の部分が結構好み。

スライドショーには JavaScript が必要です。

135mm

100mmと同じ。

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150mm

135mmと同じ。

全体的に玉ボケの内側が騒がしくなる(場合もある)ものの、後ボケは滑らかでパンチの効いた描写だと感じます。

スライドショーには JavaScript が必要です。

ボケ 撮影距離 5.0m

35mm

35mm F2.8でこの撮影距離はあまり大きくボケを得ることが出来ません。しかし、ピント面前後の領域でボケの色づきは見られず特に問題はありません。

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85mm

近接では目立ちやすかった玉ボケの粗は目立たず、このレンズの良い面が前面に出てきていると感じます。細かいことを言うと、やはり玉ボケは完璧ではありません。

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150mm

安定した解像性能のわりに後ボケはやはり滑らか。

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玉ボケ

35mm

絞り開放を使い、イルミネーションでわざとピンボケで撮影したもの。

ボケを意識したズームレンズでこの玉ボケを良しとするか、悪しとするか個人差がある描写。

個人的な見解としては許容範囲ギリギリ、もしくはちょっとオーバー。オートフォーカスの件も含めて、12万円くらいでSPシリーズとしてもう少しクオリティを高められなかったものか…。

150mm

より大きな玉ボケを得られる150mmではさらに目立つ。

ん~、惜しい!惜しいぞ…。他が良いだけにこの玉ボケの線はとても惜しい。

コマフレア

35mm

そこまで目立ちませんが、絞り開放の四隅で僅かに発生。これも1段絞ればほぼ解消します。

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85mm

広角側と異なり絞り開放からコマフレアは皆無。

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150mm

85mmと同様。

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軸上色収差

35mm F2.8

これまでの作例から分かる通り、軸上色収差は綺麗に補正されています。ハイコントラストな領域でも特に問題は見当たりません。ただし、フレーム四隅を拡大すると倍率色収差が僅かに影響している場合があります。

85mm

35mmと同様、綺麗に補正され問題はありません。

150mm

85mmと同様。

歪曲収差

Nikon Z 7装着時に自動ゆがみ補正は適用されません。素の光学性能で35mmは僅かな樽型、中間領域で中程度の糸巻き型、150mmも中程度の糸巻き型となっています。

現状でAdobe Lightroomにレンズプロファイルが存在しないため歪曲の補正は少し難しい。

周辺減光

35mm

絞り開放で目立つ周辺減光が発生。F2.8としては少し目立ちすぎる印象。1段絞ったF4でもまだ目立つため、少なくとも2段は絞りたいところ。

スライドショーには JavaScript が必要です。

85mm

35mmと似ていますが、2段絞った時の改善はやや良好。

スライドショーには JavaScript が必要です。

150mm

開放こそ35mmと同じく減光が目立ちます。ただし、絞った時の改善速度は広角側よりもはやい。

スライドショーには JavaScript が必要です。

今回のおさらい

このレンズの特徴

Good

  • 使いやすい特殊なズームレンジ
  • スペックの割には大きすぎず、重すぎず
  • 防塵防滴・フッ素コーティング
  • 程よい操作性のズームリング
  • 静かで正確なAF
  • ズーミング時にピント位置の変化が小さい
  • ズーム全域で良好な解像性能
  • ズームレンズとしては良好な前後のボケ
  • 良好なコマ収差補正
  • 非常に良好な軸上色収差補正
  • 良好な倍率色収差補正
  • 光学的によく抑えられた歪曲収差
  • 程よい逆光耐性

Bad

  • 古臭い仕様のフォーカス駆動方式
  • 回転角が小さく操作し辛いフォーカスリング
  • フォーカス速度が少し遅い
  • ブリージングが大きい
  • 玉ボケに口径食と非球面レンズの影響が目立つ
  • 周辺減光が少し強すぎる

満足度は85点。なかなか評価の難しいレンズ。

35-150mmの焦点距離は確かに使いやすく、ポートレートのみならず風景撮影でもかなり便利だと感じました。さらに、ズームレンジ全域で周辺部まで安定した解像性能と滑らかな後ボケがGood。

一方でオートフォーカスが微妙にモッサリとしている上、フォーカスリングの操作性が悪いのは残念。9万円の価格設定なら超音波モーターを導入して欲しかったところ。100-400mm Di VC USDなど非常に軽快で使いやすいAFを導入しているだけに、OSDの駆動方式にはマイナスの印象しか持てない。

そして玉ボケは決して完璧と言えず、非球面レンズや口径食の影響が見えてしまうのは惜しい。本当にボケ重視なら、9万円でボケの綺麗な70-200mm F4や50mm F1.4などを選ぶべき。

購入早見表

35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD Canon
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35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD Nikon
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