Digital Camera Worldがキヤノン「EOS R5 Mark II」のファーストインプレッションを公開。EOS R1と同じく新しいDPインテリジェントAFを非常に高く評価。α9 IIIですら不安定となるスポーツシーンも難なく撮影できるとのこと。
Digital Camera World:Canon EOS R5 Mark II review: still the best damn camera you can buy
AI
- AIアルゴリズムとディープラーニングを使用して、カメラ内アップスケーリング(45MP画像をモンスター級の180MPに変換)や高ISOノイズリダクション(画像を2段分ノイズ除去)。
- この種のコンピューショナル機能は飛び道具のように聞こえることが多いが、決してそうではない。
AF
- 通常のきめ細かな改善と改良が施され、被写体検出に馬と飛行機が追加された。
- アクション優先モードは、円形のボールを特徴とするあらゆるスポーツで機能し、バスケットボール、サッカー、バレーボール用の専用モードも含まれている。
- 身体の動きを認識するディープラーニングで訓練し、ボールを保持しているプレーヤーを追跡するだけでなく、ボールが次にどこに行くかを予測することができるため、常に正しい人物に焦点を合わせることができる。
- カメラはバレーボールのスパイクを認識し、ボールがコートを横切る可能性が高いことを理解する。
- バスケットボールではアリウープを認識し、ジャムを投げる前に選手がロブを受けようとしていることを知る。
- 「登録人物優先」では最大10人の人物の顔を登録することが可能。カメラはその人の顔を認識し、フレーム内にその人が写り込んだ場合、自動的にその人にフォーカスする。
- もし複数の登録者がフレームに収まっていた場合、「優先順位」設定で順位の高い人物からフォーカスする。
- これはすべて、キヤノンの新しいDIGICアクセラレーター・チップによって実現されたもの。
- アクション優先や登録人物優先などを容易にするだけでなく、検出・追尾した被写体にかつてない粘り強さをもたらす。
動画
- R5は初の8Kコンシューマー向けカメラシリーズであり、Mark IIは高解像度動画に磨きをかけている。
- 8K DCI 軽量RAWを最大60pで、8K DCIとUHDを最大30pで、4K DCI SRAWを最大60pで、4K DCIとUHDを最大120pで、2K DCIとFullHDを最大240pでキャプチャできる。
- すべてのハイフレームレートでオーディオをキャプチャできる。
- このカメラはこれまで以上にシネマEOSシステムに統合されている。
・キヤノン709/BT.709標準
・PQ/HLG
・HDRムービーモードを備えたCanon-Log2と3
・カスタムピクチャ
・プロキシ記録
・LPCM/24bit/4チャンネルオーディオ
・フルサイズのHDMIポート
・タリーランプ- R5の発売時に問題となったオーバーヒートについて、Mark IIはセンサーとカードスロットの基板を個別のグラファイトシートで外部に放熱するように設計されており、カード用基板とセンサーおよびエンジン用基板はアルミプレートで分離されている。
- また、パッシブ冷却システムとして、ボディに排気口・通気孔を設け、空気の移動と熱の排出を図っている。
- 外付けの冷却ファングリップがあり、通気口から空気を送り込んでカメラを冷却することで、パッシブ冷却システムをアクティブ冷却システムに変える。その結果、カメラがオーバーヒートし始めるまでの録画時間は、羨ましいほど長くなる。
パフォーマンス
- 今のところ私の短い要約は「Wow」だ。45MPの画像を30fpsで撮影することは、現在のカメラ市場では目新しいことではない。
- しかし、45MPの画像を30fpsで安定したオートフォーカスで撮影することは、天からの授かり物のようなものだ。
- デュアルピクセルAF IIがいかに世界最高のオートフォーカスシステムであるかを繰り返し述べてきたが、そのマイルストーンはバックミラーに残された。
(訳注:既に過去のものとなった、という意味だと思います。)- 新しいデュアルピクセルインテリジェントAFは、今後すべてのAFシステムのベンチマークになるだろう。
- ソニーα9 IIIで予測AFアルゴリズムを見たことがある。非常に巧妙だがジグザグに動くとう簡単な動作に騙されてしまうことがある。しかし、アクション優先モードでは良好に機能した。
- 大部分のカメラフォーカスシステムが騙されてしまうようなシーンでも、このカメラのフォーカスは良好に機能する。
視線入力
- EOS R3に搭載されている技術の進化版。眼球の動きを追跡できる赤外線装置を詰め込んだ特大の電子ビューファインダー。
- 一度キャリブレーションすれば、ファインダーを見回すだけで、あなたが見ているものの上にAFポイントをホバリングしてくれる。
- R3でもこの技術には感心したが、ここではその2倍も優れている。細かな動きに対する反応がはるかに良く、検出範囲もはるかに長い。眼鏡着用者に優しくなった。
気になる点
- ベータ版ファームウェアを実行しているプロトタイプのカメラを使っていたことを念頭に置いてほしい。
- 唯一の些細な批判は、シーンと被写体が脈動するナイトクラブのスポットライトのみで照らされているような極端な低照度条件下において、電子シャッターで撮影したときに、些細なバンディングが発生したこと。
- テストする前にセットアップをする時間がなかったため、シンクロ/フリッカーの問題かもしれない。ほとんど問題はないが、完成した量産モデルでこの現象を実世界で再現できるかどうか、ぜひ試してみたい。
私は仕事で多くのカメラを使っているが、このカメラはこれまで使った中で最高のカメラだ。大胆な言葉だが、EOS R5 Mark IIは裏打ちされた実力を備えている。追加のラボテストは必要だが、業界を震撼させる名機が帰ってきた。
EOS R5の後継モデルとして2024年8月に発売。同シリーズでは初となる積層型CMOSセンサーを搭載し、プロセッサはEOS R1と同じくDIGIC X + アクセラレータを採用。AFシステムやアルゴリズムはR1とよく似ています(R1のようなクロスタイプAFではありませんが)。連続撮影速度や動画機能も大幅に強化され、EOS R3の視線入力AFをさらに強化したうえで実装しています。従来の5シリーズよりも高価な機種となってしまいましたが、強化された点を考慮すると妥当な値付けと言えるかもしれません。
Digital Camera Worldのファーストインプレッションでは、センサー・プロセッサの更新により性能や撮影機能が大幅に強化されていると評価。特にDIGICアクセラレータを搭載したAI機能や新AFシステムの恩恵が大きいみたいですね。
AFのテストシーンはあくまでもキヤノンが用意したものだと思うので、これから実際の撮影現場でどのような結果や評価が得られるのか気になるところ。ソニーの個人顔登録機能と使い勝手が同じなのか、異なるのかも注目ですねえ。
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