DPReview がキヤノン「EOS R5 Mark II」のAFに関するレビューを公開。周回するロードレースにて視線入力や新しいAFシステムをテスト。常に完璧ではないものの、そのようなAFシステムに近づいていると評価。
DPReview:More than once around the track with the Canon EOS R5 II's autofocus
- EOS R5 IIは大きな課題に直面している。すでに多くのことを非常にうまくこなしているカメラをさらに改良しなければならない。
- 購入希望者をオリジナルのR5から引き離すほど十分によいだけでなく、既存のR5のオーナーの一部を説得して、アップグレードにかかる金銭的負担を正当化できるほど十分に優れていると納得させる必要がある。
- 訴求力の大部分は、EOS R5 Mark IIがどれだけうまくアクションを撮影できるかにかかっている。
- ローリングシャッターが少なく、より高速で撮影でき、より強力なオートフォーカスシステムと視線入力AFにより、被写体の選択がより速くなる。これらの機能により、R5よりもさらに優れたアクションカメラとなり、オリジナルからの最大の改善点の1つとなるはずだ。
得意とするシーン以外での撮影
- アクション優先モードは価値のある機能だが、より一般的なアクション撮影にどれほど対応できるかについて、キヤノンはあまり教えてくれない。
- クリテリウムレース(訳注:周回するロードレース)は、オートフォーカスのテストに最適だ。なぜなら、似たような被写体がたくさんいて、しかも高速で移動し、互いに重なり合いながら動き回るからだ。サーキットで行われるレースなので、数分ごとに被写体が戻ってくるため、何度でも試すことが出来る。
- EOS R5 Mark IIは私を大いに感心させたが、同時に、最大限に活用していると感じられる段階に到達するには、まだ多くの操作が必要なカメラであることも強く認識させられた。
階層化したAF
- 今回の経験から、R5 IIのオートフォーカスシステムは複数のレイヤーで構成されていると考えるようになった。
- (一つ目の基本的なレイヤーである)「サーボAF特性」における3つのパラメータの6つのプリセットは廃止された。3段階で調整可能な「オート」と、それが期待外れの場合にのみ使用する2系統のマニュアル設定のみとなった。
- (二つ目の)複雑なレイヤーは、特定の被写体タイプを識別し、より正確に追跡したり、他の被写体よりも優先したり、場合によっては被写体の特定の部分(被写体の目やレーシングカーのヘルメット)に焦点を当てたりできるように設計された被写体認識システムである。
- (三つ目に)ピントを合わせる対象を選択するために使用できる「視線入力」システムがある。
視線入力
- 視線入力はEOS R3から進化している。
- 従来通り、被写体認識モードと組み合わせることで最も効果を発揮する。
- 眼鏡とコンタクトレンズの両方で試してみた。それぞれの使用時に合わせて別々のプロファイルを設定してキャリブレーションを実施。
- うまく機能した場合は非常に効果的だ。シャッターボタンを半押しするだけで、カメラが被写体にピントを合わせるので、被写体を選択する必要がなくなる。
- しかし、何度調整しても私の視線よりも左側にずれてしまうこと時々あった。これは通常、追加の調整を行うことで解決できるが、被写体が迫ってくる状況において、これはストレスのたまる作業だった。
- 興味深いことに、コンタクトレンズよりも眼鏡をかけた方がうまく機能することがわかった。
結果
- AFシステムは、間違いなく非常に素晴らしい。オリンピックで使用されたEOS R1のAFシステムと密接に関連していることを考えると当然だ。
- 視線入力AFは、動いているライダーの群れの中から私が狙った被写体を正確に捉えるには精度が十分ではないことが分かった。
- 全員がスタートラインに並んでいるときは素晴らしいが、スピードを上げてコーナーに差し掛かると、狙ったライダーを常に捉えられないことが多かった。視線入力AFはうまく機能したが、それを使わずに撮影したほうが成功率が高いと確信した。
- 被写体検出についても同様の問題があった。カメラは一人のライダーをロックオンして追尾する機能は優れている。しかし、集団走行の場合は前を横切ったライダーを優先してしまう傾向があった。
- 被写体認識をオフにしても、AF動作を「俊敏」ではなく「粘る」に設定しても、カメラが選択した被写体にピントを合わせ続けることはできなかった。
常に思い通りの写真を撮れるわけではないが、このカメラはピントの合った画像を撮影する能力が非常に高い。その洗練された機能にもかかわらず、常にあなたが望む通りの画像を正確に提供できるわけではない。しかし、これまでカメラの設定に費やしていた時間は、正確に正しい被写体の正しい部分にピントが合っていることを確認する作業に置き換わる。
最初のEOS R5から、そして恐らくは現在のニコンやソニーからも明確な前進である(それを確認するため、同じ環境でテストしたいと考えている)。しかし、それはあなたが望むことを確実に正確に実行する段階にはまだ達していない。しかし、その日は非常に近いように思える。
EOS R5の後継モデルとして2024年8月に発売。同シリーズでは初となる積層型CMOSセンサーを搭載し、プロセッサはEOS R1と同じくDIGIC X + アクセラレータを採用。AFシステムやアルゴリズムはR1とよく似ています(R1のようなクロスタイプAFではありませんが)。連続撮影速度や動画機能も大幅に強化され、EOS R3の視線入力AFにも対応しています。従来よりも高価な機種となってしまいましたが、強化された点を考慮すると妥当な値付けと言えるかもしれません。
DPReviewはアクション優先モードを使うことができない、難しいシーンでのAF性能をチェック。視線入力はうまく動作し、EOS R3比で改善しているとのこと。今回のテスト環境(被写体認識で複数を検出するような状況)は他社機も苦労すると思いますが、フォーカスしたい被写体に素早くピントを合わせる場合に視線入力が活躍しそうですね。
ただし、うまく動作しない場合もあり、群衆の中から狙った狙った被写体にピントを合わせる精度はまだない模様。「登録人物優先モード」が便利かもしれませんが、ヘルメットやゴーグルを着用したシーンでどれほど有用なのか気になるところ。
私も手持ちのEOS R5 Mark IIで動作を確認。EOS R3が無いので動作の比較を確認することはできませんが、まずまず良好に動作する実用的な機能。ただ、上手く動作する時としない時があり、失敗が許されないシーンで使うのは躊躇します。少なくともオンオフを素早く切り替えることが出来るようにしておきたいところ。
サーボAF特性は従来よりもシンプルとなり、オート特性時は「粘る-俊敏」を3段階で調整するのみ。従来機にあったシーンごとのプリセットは無くなっています。以前のパラメータが有効だった場合、従来機の設定値とオートモードで比べてみるのが良さそう。
- 発売日:2024年8月下旬
- 希望小売価格:オープン
- 直販価格:
・ボディ:65万4,500円
・レンズキット:80万8,500円 - 初値:
・ボディ:589,050 円
・レンズキット:727,650 円
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新製品
主な仕様
- イメージセンサー
・タイプ:裏面照射型積層CMOSセンサー
・有効画素数:4500万画素 8192 x 4320
・除塵ユニット:セルフクリーニングセンサーユニット
・手振れ補正:8.5段分 - ISO:ISO 100 ~ 51200
拡張 L (ISO 50 相当)、H (ISO 102400 相当) - プロセッサ:DIGIC X + DIGIC アクセラレータ プロセッサ
- メモリーカード:
・CFexpress 2.0 Type B
・SD UHS-II - 静止画:JPEG/HEIF/RAW/C-RAW
- 動画:ALL-I(タイムラプスのみ)/IPB(MP4)
- AFシステム:デュアルピクセル CMOS AF
・測距点: 最大 1053 ゾーン
・測距輝度範囲:EV –6.5 ~ 21
・被写体認識:自動、人物、動物、車両
・その他:視線入力AF、アクション優先、登録人物優先 - ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:1/8000秒~30秒
・電子シャッター:1/32000~30秒
・フラッシュ同調速度: 1/200秒(メカ)
・フラッシュ同調速度:1/250秒・1/320秒(電子先幕)
・フラッシュ同調速度:1/160・1/200秒(電子シャッター)
・撮影速度:最高約12コマ/秒(メカシャッター/電子先幕)
・撮影速度:最高約30コマ/秒(電子シャッター)
・撮影枚数:RAW:約230枚(約95枚) - ファインダー:0.5型 約576万ドット 約0.76倍
- モニター:3.2型 約210万ドット バリアングルモニタ
- 動画:
・8K:60p 2600Mbps
・4K:60p 1860Mbps - インターフェース:
・USB:USB 3.2 Gen 2 USB Type-C
・ヘッドホン:Φ3.5mm
・マイク:Φ3.5mm
・HDMI:A
・LAN:RJ-45(2.5GBASE-T)(EPグリップ使用時)
・シンクロ:あり
・Wi-Fi:IEEE 802.11b/g/n/a/ac/ax
・Bluetooth:5.3
・N3タイプ端子 - バッテリー
・タイプ:LP-E6P
・撮影可能枚数:630 shots
・充電方法: - サイズ:138.5×101.2×93.5 mm
- 重量:656 g
- 防塵防滴:
- ボディ材質:マグネシウム合金/ポリカーボネート
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