Lenstipが「FE 50-150mm F2 GM」のレビューを公開。他に類を見ないスペックと優れた光学性能を併せ持ち、高い完成度を誇る製品と評価。自信を持って薦められる存在と言及。
Lenstip:Sony FE 50-150 mm f/2 GM
- 外観:レンズ本体は白い鏡筒。シリアル番号とモデル番号、レンズがタイで製造されたという情報が記載されている。
- 構造:後玉は浅い位置にあり、ソニーのテレコンバーターには非対応。
- 携帯性:大口径でフィルター径は95mmと大きい。70-200mmレンズと全長はほぼ同等だが、初代ソニー70-200mmより軽量。
- 三脚座:回転式三脚リング。アダプターには銀色のプレートが付き、シューは取り外し可能。シューの下には三脚ネジ用の小突起があり、実用性に優れる。リング全体は取り外し不可。
- 操作性:クリックモードと無段階モードを切り替えるスイッチ、IRIS LOCKボタンを装備。ズームリング幅は約4.2cmで、黒いゴムのリブで覆われており、滑らかで均一な操作感がある。全域操作には約80度の回転が必要。
- AF:α7R IIIaおよびα7R Vでの使用においてAFは無音。50mmでは150mmよりAF速度がわずかに速い。50mmで0.3~0.5秒、150mmで0.4~0.7秒でピントが合い、安定した精度と快適な操作感を得られた。ブレや誤作動はほとんど見られない。
- MF:フォーカスリング幅は約3.2cmで、黒いゴムのリブ付き。目盛りはなく、フォーカスバイワイヤ方式である。操作は滑らかで適度な抵抗があり、回転角度は約130〜150度と幅広く、精密な調整が可能である。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:中心解像は非常に優秀で、50mmでも80lpmmに迫る。100mm・f/4では85.7lpmmを記録し、85mm F1.4 GM IIの85.8lpmmに匹敵する。単焦点レンズ3~4本分の性能を有するという主張も過言ではない。APS-C端でも整っており、全域で優れた結果を示す。フルサイズの周辺でも100mm・f/4で77.8lpmmと高解像。中心解像が弱い単焦点レンズより優れる場合もある。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:ズームレンズとしてはボケ描写が良好。玉ねぎボケあり。機械的な周辺減光は2段絞っても完全には解消されないため、やや懸念。
- 軸上色収差:全焦点距離で問題なく補正されている。絞り開放でもアウトフォーカス部分の色付きはほぼ見られない。
- 倍率色収差:特に100mmでの補正が優秀。両端ではわずかに増加するが、収差値は0.04%〜0.06%と非常に小さく、全体として極めて良好な補正性能である。
- 球面収差:フォーカス後のボケの縁がわずかに明るいが、絞り開放からフレーム中央にかけて高解像を維持しており、実使用上問題はない。
- 歪曲収差:50mmでは-2.34%の樽型歪曲が顕著。焦点距離が長くなるにつれて+2.01%(150mm)まで糸巻き型歪曲が増加する。
- 周辺減光:目立つが、全域で3EV未満に抑えられている。
- コマ収差:100mmにおいてわずかに高いコマ収差が確認された。完全に無視できるほどではないが、極端な問題には至らない。
- 逆光耐性:逆光耐性は期待を下回る結果であった。大口径前玉が浅い位置に配置されている構造の影響を受けやすく、密閉構造で内部駆動にも関わらず、逆光時には顕著な問題が生じる。とくに絞った際にフレアやゴーストが一時的に目立つことがあり、パフォーマンスは中程度と評価できる。完璧ではないが、失望するほどではない。
- 光条:記載なし。
- 作例集:高解像データあり。
- 総評:
・予想以上に高価だった。価格面では3,300ドル前後が妥当と感じる。本レンズにテレコンバーターが装着できない点は大きなマイナス。一方で、ソニーの設計意図は明確であり、意図的にテレコン非対応・手ブレ補正非搭載としたことが推察される。重量バランスや取り回し、レンズ構造に配慮した結果だろう。
・価格やテレコン非対応といった課題はあるが、それでもこのレンズは他に類を見ないスペックと優れた光学性能を併せ持っており、高い完成度を誇る製品である。高度な技術により構成された本レンズは、最新のソリューションとして魅力的であり、自信を持って薦められる存在である。
2025年5月発売の新しい大口径ズームレンズ。
開放F値「F2」の望遠ズームは他社を見渡しても競合製品が存在しません。フルサイズ対応のレンズとしては、かなり珍しい製品。販売価格はそれなりに高価ですが、レンズサイズや重量は「50-150mm F2」というスペックを考慮すると良く抑えられています。携帯性が良いので、70-200mm F2.8のように扱うことができ、このズーム域で明るいレンズが必要な人にとって面白い選択肢。
競合製品として「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」が存在しますが、望遠端まで「F2」を利用したい場合はソニーGMを選ぶしかありません。また、現状で「150mm F2」の単焦点レンズも存在しないため、このような浅い被写界深度の撮影がしてみたい場合にも要検討。販売価格は非常に高いものの、それだけの価値を見出せることでしょう。
Lentipのレビューでは、特殊な大口径ズームレンズながら絞り開放から良好な光学性能のようです。色収差も良く補正されているみたいですね。また、AF性能も良好で、フォーカスブリージングの抑制などの観点で動画撮影にも適している模様。
ボケに関してはレビューサイトによって評価がまちまち。Lenstipは肯定的な結果が得られたようです。この点が気になるのであれば、他の選択肢も検討したほうが良いかもしれません。とはいえ「150mm F2」の大きなボケでごり押しすると、口径食は目立ちません。微ボケが広くなる撮影距離では少し気になる可能性あり。
- 発売日:2025年5月23日
- 予約開始日:2025年4月25日(金)10時
- 希望小売価格:オープン
- 市場推定価格:60万円前後
レンズの仕様
発売日 | 2025年5月23日 |
初値 | 60万円前後 |
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 50-150mm |
レンズ構成 | 17群19枚 |
開放絞り | F2 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.4(W)-0.74(T) m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
フィルター径 | 95mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | Nano ARII フッ素 |
サイズ | 102.8 x 200mm |
重量 | 1340g (三脚座別) |
防塵防滴 | 対応 |
AF | XDリニア |
絞りリング | 搭載 |
その他のコントロール | Fnボタン AF/MF フルタイムDMF アイリスロック クリック切替 |
付属品 | フード キャップ ケース 三脚座 ストラップ |
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