Xitekがパナソニック「LUMIX GH6」のレビューを公開。4K動画に特化した実用的なミラーレスに仕上がっていると評価しつつ、DFDコントラストAFがネックとなっていると指摘しています。
ビルド・外観:
- パナソニックはイメージセンサーが裏面照射型CMOSセンサーであるかどうかは明言がされていない。
- S1Hの2倍の処理能力を備えたヴィーナスエンジンを搭載している。
- デザインはGH5を継承しているが、多くの部分にS1Hの特徴を組み込んでいる。
- 空冷ファンを搭載している。高速・中速・低速・自動1/2で設定可能だ。
- 空冷ファンのノイズは非常に小さく、動画撮影に影響しない。
- ボディはマグネシウム合金製で防塵防滴構造だ。
- 前面と背面にタリーランプを搭載している。
バッテリー:
- LUMIX S5やLUMIX GH5 IIと同じDMW-BLK22を使用する。
- 最新世代らしいバッテリー容量だ。
- 古いバッテリーとの互換性もあるが、ProResなど高水準の動画撮影に対応していない。
インターフェース:
- マイク・ヘッドホン・USB-C USB3.2 Gen2・HDMI Aポートを搭載している。
- CFexpress Type BとSD UHS-IIに対応している。800Mbpsを超える動画撮影時にCFexpress Bが必要だ。
携帯性:
- 138.4×100.3×99.6mmのサイズは幅と全高がGH5からほとんど変わっていない。
- 主な違いは空冷ファンを搭載したことによるボディの厚みだ。
グリップ:
- 記載なし。
操作性:
- Sシリーズのように二つのフロントFnボタンを搭載。
- S1Hのように前面左下にRECボタンが追加されている。通常のボタンがケージで押しにくい場合に便利である。
- 上部のRECボタンは後方へ移動した。
- リアコマンドダイヤルは埋設式から上部へと移動している。
- 左肩のドライブダイヤルに6Kフォトモードやフォーカス合成モードが無い。
- 背面のボタンレイアウトはSシリーズと似ている。
- ジョイスティックは8方向に操作できる。
手ぶれ補正:
- 超高精度のジャイロセンサーを搭載。
- ジャイロセンサーをフル活用するアルゴリズムを開発している。
- 実写では1秒を超えるスローシャッターでも一定の確率で成功することが出来た。
- 動画撮影ではボディ+光学の補正だけだと手ぶれ感が残る。電子補正を組み合わせると少し安定する。
ファインダー:
- スペックはGH5 IIと同じだ。
- 368万ドットで1.52倍のファインダー像が得られる。
- クラスとしては中程度だ。
モニター:
- チルトとバリアングルが一体となった可動方式を採用している。
- 側面のケーブルと干渉せずにモニタの展開が可能だ。
- モニタのスペックはGH5 IIと同じ184万ドットである。
メニューシステム:
- 記載なし。
フォーカスシステム:
- 顔/瞳の検出に加えて頭部や人体を認識可能だ。
- 検出AFはオールエリアのみならず、他のエリアモードでも利用可能となっている。
- GH5の3倍の速さで被写体を検出する。
- 検出AFは60pを超えるハイフレームレートの動画撮影には使用できない。
- 従来のパナソニック機よりも認識枠の追従性が高いのものの、画像の背景がちらつき、認識枠は追従するものの人物の顔にピントが合わないという問題が深刻だ。
連写性能:
- 読み出し速度が速く、毎秒75フレームの連続撮影が可能だ。
解像性能:
- 2,521万画素のローパスフィルターレスLive MOSセンサーを搭載している。
- 手持ちでの1億画素ハイレゾモードに対応した。実写で試してみると、2500万画素よりも遥かに高解像であることが分かる。
高感度ISOノイズ:
- GH6とGH5はISO 400までノイズが目立たず綺麗だ。
- ISO 800から1600において、GH5はノイズリダクションによりJPEGで綺麗な画質を維持できるが画像が荒れ始める。
- ISO 3200~6400は両機とも画質が荒れ始めるが、高解像のGH6は全体的に見てディテールが向上している。
- ISO12800~25600はどちらも画質が低下するものの、GH5のほうがカラーノイズが目立つ。GH6は全体的に良好だ。
- 動画撮影でもISO 3200~6400でGH5との差が明白となる。GH6もノイズは発生しているが、比較的綺麗だ。
ダイナミックレンジ:
- 低ISO回路と高ISO回路の情報を合成して低ノイズと高諧調を実現するダイナミックレンジブーストを実装している。キヤノンのC300 Mark IIIにおけるDGOテクノロジーと同じだ。
(訳注:参考までにリンクを掲載)- ダイナミックレンジブースト使用する場合、13stop+のダイナミックレンジが得られる。
- V-logのベースISO感度は「800」だが、ダイナミックレンジブースト時は「2000」まで増加する。この場合にシャドウのノイズが気になることがある。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 読み出し速度が速く、FullHD 300fpsや4K 120pの高フレームレート撮影が可能だ。
- ローリングシャッターの効果が抑えられている。
- XLRマイクアダプターで4チャンネルの収録が可能だ。
- 背景モニターやゼブラ、輝度スポットメーター、フレームアシスト機能などを備えている。さらにアナモフィックディスクイーズディスプレイやタリーランプ機能なども追加されている。
- V-log/V-Gamutを搭載した初のGシリーズカメラだ。
総評
8K動画は利用できないが、実用的な4K動画に焦点を当てている。これによりC4K 60p 4:2:2 10bitによる無制限収録が可能だ。これにV-logや豊富な動画撮影機能と空冷ファンが組み合わさることで4K動画撮影用の強力なカメラに仕上がっている。
しかし、GH6の最大の問題は、パナソニック全体の欠点でもある。GH6はまだDFDコントラスト検出AFを使い続けており、技術的に向上し続けているが、結果として位相差AFとの差はある。パナソニックは常に理由として画質と述べている。しかし私の意見として、ワンオペや小グループのチームでビデオワークにミラーレスを選ぶ場合、「信頼性が高く使いやすいAF」が間違いなく最優先事項だ。
パナソニックは位相差AFの研究開発を強化し、できるだけ早くマイクロフォーサーズやフルサイズのミラーレスに実装する必要がある。
長所:
- GH5と比較して静止画・動画の画質が向上
- 4K 60p 4:2:2 10bitの時間無制限収録
- 4K 120p・FullHD 240p
- ProRes 422HQの内部記録
- V-log/V-Gamut
- 5軸ボディ内手ぶれ補正
- 空冷ファン
- フリーアングルモニター
- 豊富な動画撮影機能
- 1億画素ハイレゾモード
短所:
- 静止画と動画の追従AFを改善する必要がある
- 重い
- デュアルネイティブISO非対応
- AF-Cの連写速度が遅い
とのこと。
高機能な4K動画撮影が可能となっているLUMIX Gシリーズ最新フラッグシップモデルですね。様々な4K動画で4:2:2 10bitの無制限収録が可能となっています(ただし、一部のモードで4:2:0限定があったはず)。マイクロフォーサーズらしい効き目の高い手ぶれ補正を搭載しつつ、放熱性の高いボディに仕上がっているのは魅力的と言えそうです。Dual.I.S 2に対応しているレンズが多いのも強みですねえ。さらに1億画素のハイレゾモードにも対応しており、非常に高精細な静止画も撮影可能となっています。個人的にハイレゾモードはオリンパス機よりも仕上がりが良好と感じているので、1億画素でどのような結果が得られるのか気になります。
懸念すべきはやはりAFシステムのようです。既に他のレビューサイトでも指摘されていますが、位相差AFと比べるとAF-C中のちらつきが目立つようですね。特に低フレームレートの動画撮影時はパフォーマンスが低下する模様。被写体の検出速度は確かに向上しているだけに、コントラストAFが足を引っ張るのは悩ましいところ。現役LUMIX G9ユーザーとしてはGH6の静止画特化版の登場期待したいのですが、G9の相場が急落していることを考えると望み薄か?
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