SONY α7 IV ILCE-7M4 αE シリーズ カメラ デジタルカメラ総合 機材レビュー 管理人レビュー

ソニー α7 IV 徹底レビュー 完全版

このページでは「α7 IV」のレビューを掲載しています。

α7 IVのレビュー一覧

完全版は画像や文字数が非常に多いので、気になるポイントを個別にチェックしたい場合は以下のリンクを参照してください。

管理人の評価

ポイント 評価 コメント
価格 やや高価だが適切
サイズ まだ小型軽量
重量 まだ小型軽量
グリップ 前世代から改善
操作性 改善点が多い
応答性 非常に良くなった
AF性能 連写以外はほぼ文句ナシ
連写 圧縮RAWのみ10コマ秒
画質 高画素化しつつ良好な画質
カスタマイズ 相変わらず自由度が高い
メニュー 間違いなく良くなったが…
レンズ 超望遠以外は選択肢が豊富
ファインダー この価格帯では一般的
モニター もう少し頑張って欲しかった
バッテリー 良好
満足度 「Beyond Basic」

評価:

いろんな意味で「Beyond Basic」

イメージセンサーとプロセッサが一新され、外装は第四世代をベースとして最新のエルゴノミクスや新機能を導入している。全体的に見てα7 IIIとは一線を画すカメラに仕上がっており、「Beyond Basic」のキャッチコピーは伊達じゃない。そのぶん販売価格も高くなっているので、その辺も含めて「ベーシックモデル」ではなくなっている。

値上がりぶんの価値は十分にあると思うが、ローリングシャッターの幕速が従来通りで、非圧縮RAWやロスレス圧縮RAWで最速6コマ秒だったり、モニターの解像度が未だに104万ドットだったりと落とし穴もそれなりにあるので満点はつけられない。動画機能がかなり強化されているので、静止画/動画のハイブリッドユーザーには非常にコストパフォーマンスが高いカメラと感じるはず。

まえがき

カメラのおさらい

カメラの特徴

  • 商品ページ/仕様表
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • 発売日:2021-12-17
  • 売り出し価格:296,010円
  • イメージセンサー:
    ー有効画素数:約3270万画素
    ーローパスフィルタ:あり?
    ー裏面照射型:対応
    ー手ぶれ補正:5.5段分
  • プロセッサ:BIONZ XR
  • AF:
    ーAF方式:ハイブリッド
    ー測距点:759点
    ーカバーエリア:約94%
    ー検出機能:瞳AF(人間・動物・鳥)
  • 動画:
    ー4K:~60p(Super35mm)
    ーFull HD:~120p
  • ファインダー:0.5型 369万ドット OLEDパネル
  • モニター:3.0型 104万ドット バリアングルモニタ
  • 通信機能:2.4/5GHz Wi-Fi・Bluetooth 4.1 LE
  • 対応メディア:CFexpress A・SD UHS-II
  • バッテリー:NP-FZ100
  • サイズ:131.3×96.4×79.8mm
  • 重量:658g

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ILCE-7M4
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カメラレビュー

外観・箱

箱・付属品

側面はブランドカラーのインターナショナルオレンジを一面に配色したビビッドなデザイン。遠くからでも「ソニーの箱」と認識できるくらいパンチが強い。他面のデザインは非常にシンプルで情報は必要最低限。

梱包や仕切り、緩衝材は全て紙製だ。環境配慮への強い意思表示と感じる。ただ、少し独特の香りがする。また、紙製梱包のためか、新品にも関わらずカメラに塵が多く付着している。外装への付着は特に気にしないが、センサー面への付着が無いか確認しておいたほうが良いかもしれない。
カメラにはシャッター幕によるセンサー保護機能があるものの、初期設定から変更するまでは保護機能が動作していない。ボディキャップを取り外す時は外装の塵を除去してからのほうが良いだろう。

外観

デザイン

外観はソニーαらしいものだが、第四世代らしく全体的にガッシリとした印象を受ける。主に大型化したグリップの影響があると思うが、本体部も少し肉厚になっている。そのほか、ボタンやダイヤルのデザインが変更されており、α7 IIIとは全く別のカメラと感じる。
細かい変化として、前面の「α7」のロゴに世代を表す文字が省略されている。

質感

前面や上面、そして内部フレームにマグネシウム合金を採用している。従来通りのしっかりとした質感だ。ただし、背面はプラスチック製でRシリーズやSシリーズと比べると質感は少し劣る。とは言え剛性が著しく低いわけでも無く、特に問題があるとは感じない。

インターフェース

左側面には上から「3.5mmマイク入力」「3.5mmヘッドホン出力」「USB 3.2 Gen2、Micro USBポート」を搭載。マイク・ヘッドホン・USBでそれぞれ独立したポートカバーを採用しており、多用すると思われるマイクのみカバーを開けて使うことも可能。α7 IVはバリアングルモニタのため、モニタを側面展開時はUSBやヘッドホンと干渉する。しかし、マイク入力のみモニタと干渉しない位置となっている。さらに隣にはフルサイズHDMIポートを搭載。破損のリスクが低いHDMI端子を使えるメリットは大きい。

右側面にはメモリーカードスロットを搭載。ドアはロックスイッチとスライドの2段階操作が必要で、誤操作による事故を未然に予防している。カードスロットを覆うように防塵防滴用のシーリングも確認できる。
カードスロットは二つあり、どちらもCFexpress Type AとSD UHS-IIに対応している。CFexpressを使用する際はラベルが背面の方向で、SDカードを使用する際はラベルが前面の方向を向くように挿入する。

バッテリー

従来通り、大容量のNP-FZ100バッテリーを使用。スペックシートを確認した限りではα7 IIIよりもバッテリーライフが短くなっている。とは言え、競合他社と比べて優れたパフォーマンスには違いない。ただし、ファインダーの解像度やフレームレートを変更することでバッテリーライフが短くなる可能性あり。
USB-Cポート経由での充電や給電に対応しており、PowerDelivery(USB-PD)対応製品で急速充電も可能だ(商品ページでは「9V/3A出力」と記載している)。ただし、これまでのようにMicro USB経由での充電が出来なくなっている。

バッテリースロットのドアは防塵防滴用のシーリングが施されている。従来モデルのようにシーリングが欠けている部分は見当たらない。防塵防滴の仕様が改善しているように見える。

底面

1/4型の三脚ネジ穴はカメラの光軸上に配置されている。周囲は金属プレートを採用しており、堅牢性は十分に確保されているように見える。

底部のデザインはα7R IVなど第四世代で共通している。バッテリーグリップを共有できるほか、社外製アクセサリもそのまま取り付けることができる。ただし、チルトモニタを想定したL型ブラケットはバリアングルモニタと干渉するので非推奨。使いたい場合は垂直部分を取り外すのがおススメ。

センサー保護機能

前述したようにシャッター幕を使用してイメージセンサーのゴミ付着を予防することが出来る。ただし、これは初期設定でオフとなっている。使用したい場合はカメラのセットアップオプション「アンチダスト機能」から電源OFF時のシャッターを「入」に変更する必要がある。
シャッター幕は繊細な構造であり、触れたり、太陽光で焼かないように気を付けたい。(特にMFレンズ装着時は絞りが開きっぱなしとなるので、センサーやシャッター幕を焼きやすいので注意が必要)

ぱっと見でシャッター幕が歪んでいるように見えるが、これは仕様なので気にする必要は無い。
イメージセンサーの除塵機能は相変わらずセンサーシフト機能を使った「ぶるぶる方式」であり、α7S IIIやα1で採用している超音波式の除塵ユニットは搭載していない。自動的に除塵ユニットが動作する仕組みが無いので、小まめに手動で除塵ユニットを動作させる必要がある。個人的に30万円のカメラでこの仕様は非常に残念。ちなみにレンズマウントは6本のビスで固定されている。

ハンズオン

サイズ

全幅・全高は初代から大きな変化が無いものの、奥行方向は間違いなく大きくなっている(詳しく比較するとα7 IIIと比べて全幅・全高・奥行が全て少し大きい)。主に大型化したグリップの影響があるものの、ボディの厚みも増している。カメラらしくなってきたと言えるが、初代のスリムさが懐かしい。

重量

α7 IIIと比べてスペックシート上は僅かに重いが、知覚できるような差は無い。グリップの形状が良くなっているので、持ちやすく、手持ち撮影しやすくなったと感じるかもしれない。

カメラグリップ

第四世代らしく、大きく、指のかかりが良好な形状を採用している。間違いなく同シリーズで握りやすさは最も良好。とは言え、これまで通りの全高なので、小指が余りがちなのは従来通り。エクステンショングリップが欲しくなるが、GP-X1EMは非対応である。社外製のカメラプレート(α7R IVやα1・α8S IIIと同じ)を用意する必要がある。

コントロールレイアウト

正面

従来通り、前面にコントロールは存在しない。競合他社は少なくとも一つ以上のフロントFnボタンを搭載している。自然とグリップを握った状態で操作できるフロントFnボタンが無いのは残念だ。

グリップ上部のフロントコマンドダイヤルはα7 IIIと比べて回転軸が少し傾いている。これによりグリップした状態でダイヤルを操作しやすくなっている。地味だがよく考えられた改善点である。

グリップ前面には従来機にあった赤外線リモコン用の受光部が無くなっている。ワイヤレスならばBluetooth式のリモコンを用意する必要がある。

背面

基本的には従来通りだが、C1と録画ボタンの場所が入れ替わっている。さらにボタンや周辺の形状に改良が加えられ、ファインダー使用時でも触感でボタンを判断しやすくなった。ボタンカスタマイズは従来通り、大部分のボタンの設定を変更することが出来る。

ジョイスティックは第三世代の意味不明な陥没式から一般的なデザインに切り替わっている。指との接触面積が広く、レバーを倒すように操作することが可能(従来は「押し込む」ように使う必要があった)。

上面

最も大きな変化は露出補正で固定されていたダイヤルがカスタマイズ可能となっていること。これでカメラには4つのコマンドダイヤルがあり、それぞれに好みの機能を割り当てることが出来る。カスタマイズ編で詳しく紹介したいが、ダイヤル操作で「フォーカスエリア」「クリエイティブルック」の変更も可能だ。

シャッターボタン付近にはC1と入れ替わりで、少し大きめの録画ボタンが配置されている。カスタマイズで従来通りの配置として使うことも出来る。ボタンの場所はこれまで通りで、キヤノンやニコンのボタン配置と比べると少し使い辛い。

撮影モードダイヤルはα7 III比で「SCN」「動画」「S&Q」の項目が無くなった。その代わりにカスタムモード「3」が追加されている。
静止画と動画の切替は同軸下部に配置されたダイヤル操作となった。これにより、動画モードでP/A/S/Mを素早く切替可能だ。静止画/動画切替時に引き継ぐカメラ設定は変更することが出来る。

ダイヤルの操作は前面に指をかける部分がある。先端がロック解除ボタンとなっており、これを押し込みながらダイヤルを操作する。

レスポンス

ファインダー

解像度・発色

0.5型 369万ドット OLEDパネルを採用。α7 III比で高解像化しているが、競合クラスと比べてスペックは平凡。これで他社に追いついた形となる。発色はOLEDパネルらしくコントラスト高め。

初期設定は画質「標準」フレームレート「標準」となっており、それぞれ「高画質」「高速(設定時は画質が自動的に標準となる)」に切り替えるとバッテリー消費が増加する可能性あり。高画質時は低照度でもノイズを抑え、パターン模様でモアレを抑えたファインダー像を得ることが出来る。
画質に関わらず、オートフォーカス動作時はファインダーの画質が低下する。特に低照度時はノイズが増加するので注意が必要だ。

アイポイント

従来通り18.5mm。OLEDパネルはα7 IIIから変化があるものの、光学系は継承しているのか不明。

アイカップ

従来とは形状が異なり、アイセンサーの位置も上部から下部へ移動している。これまでのアイカップを装着することは出来ず、α1やα7S IIIと同じタイプを使用する。社外製のアイカップ購入時は気を付けたいポイント。

私はJJC製(Kiorafoto)の大型アイカップに換装している。眼鏡を装着しているとケラレるが、裸眼であればケラレることなく遮光性の向上が可能だ。バリアングルモニタとの干渉もない。

モニター

解像度・発色

3.0型 104万ドットのモニターを採用している。30万円に近い価格帯のカメラとしては少しチープな仕様である。せめて144万ドットであって欲しかった。とは言え、92万ドットだった前機種と比べると少し改善している。個体差かもしれないが、マゼンダ被りだったα7 IIIのモニタと比べて色味は良好。ただし、モニターの色を調整できないのは従来通りだ。

可動方式

α7Cやα7S IIIに続き、バリアングル構造を採用。側面へ展開する必要があるものの、2軸による回転方向の自由度が高く、特にハイアングルやローアングル時の仰角・俯角に対応しやすい。

さらにモニタを回転して自撮りに使ったり、収納時にモニタを保護することも出来る。

タッチパネル

BIONZ XRプロセッサを搭載しており、タッチパネルの応答性や機能性が向上している。従来ではフォーカスエリアの指定くらいにしか使えなかったタッチ機能が、メニューやボタンの操作にも使えるようになった。個人的にメニュー操作時に「戻る」ボタンを親指でタッチできるようになったのが地味に嬉しい。(それまでは左肩にあるMENUボタンを押す必要があった、もしくはMENUボタンを割り当てる必要があった)

Fnメニューでも利用可能だが、機能呼び出し後のインタフェースが従来通りで、右手で操作し辛い仕様となっている(モニター左側に項目が表示され、操作領域も限られている)。この辺りは将来的に要改善と感じる。

起動時間

センサー保護機能オン

非常に快適。
BIONZ Xプロセッサ搭載モデルと比べると雲泥の差。電源投入後、ただちにフォーカス・レリーズが可能となる。不意に訪れたシャッターチャンスでカメラの起動時間が足を引っ張ることは無い。これで競合他社並とも言えるが、ソニーユーザーにとって朗報であるのは間違いない。

センサー保護機能オフ

シャッター幕を使ったセンサー保護機能をオフにすると、起動時間がわずかに早くなったように感じる。とは言え、有意な差とは言えず、センサー保護機能のメリットを考えれば妥協できる時間差だと思う。

シャッター音

メカニカルシャッター

α7R IVと比べてシャッター音が少し大きいように感じるが、ブラシーボかもしれない。

電子先幕シャッター

同上。

参考:レンズあり

ISO感度ノイズ

常用ISO感度「100~51200」と拡張感度「50~204800」を使用可能。今回はRAWからノイズリダクションをオフにした状態で現像。現像時に全画素「7008×4672」から「173×692」までクロップしたイメージをISO100からISO204800まで掲載している。

結果を確認してみると、カラーノイズが発生し始めるのはISO 3200だが、ISO 12800くらいまではディテールを良好に維持している。JPEG出力でノイズリダクションを適用しても良好なディテールを維持しているのも、ISO 100~12800あたりだ。ISO 25600以降はディテール崩れ始め、拡張感度ISO 102400と204800は実用的とは言えない画質まで低下する。

ダイナミックレンジ

今回はモノクロチャートを非圧縮RAWで撮影。適正露出から±5EVの露出設定で撮影し、RAW現像時に適正露出まで復元している。

ダイナミックレンジはハイライト・シャドウ共に良好で、シャドウ復元時のノイズは良く抑えられ、ハイライトの白飛びも良く粘っているように見える。3300万画素ながら、α7 IIIやα7Cで使用している2400万画素 CMOSセンサーと比べて見劣りしない性能だ。
ロスレスRAWにおけるダイナミックレンジの変化はほとんど見られず、基本的に非圧縮RAWと同じ画質と見て間違いないだろう。圧縮RAWはシャドウ側のノイズが少し増えるものの、競合他社の圧縮RAWと比べると画質の劣化が少ないように見える。

クリエイティブルック

プリセットと設定値の確認

プリセットの種類

ソニー公式ヘルプガイドを参照

  • ST:
    被写体・シーンに幅広く対応する標準の仕上がり。
  • PT:
    肌をより柔らかに再現する。人物の撮影に適している。
  • NT:
    彩度・シャープネスが低くなり、落ち着いた雰囲気に表現する。パソコンでの画像加工を目的とした撮影にも適している。
  • VV:
    彩度とコントラストが高めになり、花、新緑、青空、海など色彩豊かなシーンをより印象的に表現する。
  • VV2:
    明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上がる。
  • FL:
    落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上がる。
  • IN:
    コントラストと彩度を抑えたマットな質感に仕上がる。
  • SH:
    透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気に仕上がる。
  • BW:
    白黒のモノトーンで表現する。
  • SE:
    セピア色のモノトーンで表現する。

クリエイティブルックでは各プリセットが略称となっており、慣れるまでは仕上がりと名前の連想が付きにくい。「ST=standard」「PT=portrait」「VV=vivid」「NT=neutral」のように覚えておくと分かりやすいかもしれない。ただし、「FL」は「flat」かと言えばそうでもないし、「IN」や「「SH」に至っては最早なんなのか分からない。

「ST」「PT」「NT」以外は従来のクリエイティブスタイルと比べて大きく異なる仕上がりであり、「ディープ」や「クリア」「紅葉」に相当するプリセットは無くなっているように見える。
その代わりにSNSとの親和性が高い低コントラストなプリセットが複数あり、パラメータの「フェード」を使うことでさらに個性的な描写にすることも可能だ。

サンプル

例えば青色の描写だけでもプリセットによって違いが目立つ。
従来の使い勝手で「ST」「PT」「NT」を利用できるほか、非常に鮮やかな「VV2」やノスタルジックな印象の「FL」「IN」、まるでアニメのようなSHまでバリエーションは様々だ。特に「FL」「IN」はこれまでのクリエイティブスタイルでは再現し辛い色となっているので楽しめると思う。

設定値の確認

ソニー公式ヘルプガイドを参照

  • コントラスト:
    +側に設定するほど明暗差が強調され、インパクトのある仕上がりになる。(–9 ~ +9)
  • ハイライト:
    明るい部分の明るさの度合いを調整する。+側の設定にするほど明るくなる。(–9 ~ +9)
  • シャドウ:
    暗い部分の暗さの度合いを調整する。+側の設定にするほど明るくなる。(–9 ~ +9)
  • フェード:
    フェードの度合いを調整する。大きい値に設定するほど効果が強くなる。(0 ~ 9)
  • 彩度:
    +側に設定するほど色が鮮やかになる。-側に設定すれば控えめで落ち着いた色に再現される。(–9 ~ +9)
  • シャープネス:
    解像感を調整する。大きい値に設定すれば輪郭がよりくっきりし、小さい値に設定すれば柔らかな表現になる。(0 ~ 9)
  • シャープネスレンジ:
    シャープネスの効果がかかる領域を調整する。大きい値に設定するほど細かな輪郭線にシャープネスがかかる。(1 ~ 5)
  • 明瞭度:
    明瞭度の度合いを調整する。大きい値に設定するほど効果が強くなる。(0 ~ 9)

プリセットの設定値は全部で8種類(BW・SEは彩度の調整不可)
プリセットの選択モードから右方向へボタンを押すことでパラメータの調整が可能となっている。大部分のパラメータは説明文通りに調整可能だが、影響が強いわりに効果が分かりにくい「フェード」「明瞭度」は注意が必要。パラメータを操作するとコントラストやマイクロコントラストに強く影響する。(詳細は後述)
種類が増えたパラメータを元に戻すのは大変だが、ゴミ箱ボタンを押すことで一括してリセットできる便利な機能を備えている。

各プリセットの初期設定値

「コントラスト」「ハイライト」「シャドウ」「彩度」は全てのプリセットで初期値が「0」、「シャープネスレンジ」は「3」のため割愛する。

フェード シャープネス 明瞭度
ST 0 4 1
PT 0 3 0
NT 0 1 1
VV 0 4 1
VV2 0 4 8
FL 0 4 1
IN 3 4 1
SH 6 4 1
BW 0 4 1
SE 0 4 1

特に描写へ影響を与えやすい「フェード」「明瞭度」が適用されているプリセットは癖が強いと考えておけばOK。逆に、このパラメータを調整することで扱いやすい描写にすることも可能だ。「PT」で明瞭度やシャープネスを下げている点もポートレートなど人物の撮影で参考になると思う。

プリセットの色

従来のクリエイティブスタイルと比べてバリエーションが豊かになった。並べて見比べてみると、輝度や彩度に違いがある他、一部のプリセットは色相もずらしているように見える。さらにINやSHはシャドウや中間のトーンに作用する「フェード」が最初から適用され、ハイライト寄りの低コントラストな仕上がり。これにより全体的にパステルカラーのような色合いとなっている。

富士フイルムの「フィルムシミュレーション」のようだとよく言われている。特に色相が傾いている「FL」などはそう感じるかもしれない。とは言えハイライトで色が変化するような癖球を投げるプリセットは無く、彩度はどれも高い。比較的分かりやすいプリセットが多いと感じる。逆に言えば彩度を下げることで印象がグッと変わる場合もある。

プリセットのトーン

コントラストが強いのはVVとFL、BWで、標準的なコントラストがST、PT、NTだ(多少の差はある)。INとSHはフェードの影響でコントラスト低め、VV2は何故かシャドウのコントラストが程よく低下している。

コントラスト

パラメータは±9で幅広く調整できるようになったが、コントラストの変動はそこまで大きくない。極端に数値を操作しても画質は破綻しないように見える。

ヒストグラムで確認すると、コントラストを操作することで、中間を軸にしてシャドウとハイライトが寄ったり離れたりしていることが分かる。調整量は全体的に均一で、バランスを損なうことは無い。±9の調整幅で物足りない場合は、後述するハイライトやシャドウと組み合わせることで効果を強めることが可能だ。

ハイライト

読んで字のごとく、明るい部分の明るさを調整する機能。調整値は±9と幅広いが、作用するハイライトに微妙な諧調差が無いと目に見る効果を得にくい。

ヒストグラムを確認してみると、中間からハイライト側の領域に作用しているのが分かる。+9と-9を見比べると差がハッキリとしているものの、「0」を起点としてみると大きな影響量ではない。コントラストやフェードを軸に調整し、ハイライトで微調整するのが良いかもしれない。

シャドウ

読んで字のごとく、暗い部分の明るさを調整する機能。ハイライトと同じく、作用する領域が限定的で、状況によってはパラメータの調整値が効きにくい場合あり。コントラストと組み合わせて調整するのが効果的。

ヒストグラムを確認すると、ちょうどハイライトと正反対で作用しているのが分かる。やはり「0」を起点としてみると大きな影響量ではない。

フェード

クリエイティブルックで追加された謎の設定値。説明書を読んでも「フェードの度合いを調整する」としか書かれておらず、どのように影響するのか言語化されていない。0~9の調整値で撮影した結果が以下の通り。

全体的に見て、シャドウのみならず中間を含めて丸っとごっそりハイライトへ寄せるパラメータのようだ。興味深いことに、「0」から「+1」の段階でハイライトも中間に向かって寄っている。しかし、それ以降にハイライトは大きな変化が無い。
コントラストやハイライト・シャドウと比べると影響が強いパラメータで、極端に調整すると癖が強くなる可能性あり。また数値はフェード効果を強くする方向しか存在せず、逆に作用する調整ができない。

ヒストグラムを確認してみると、主にシャドウ・中間を強く持ち上げて低コントラストを実現しているのが分かる。やはり「0」から「+1」の段階でハイライトもコントラストが低下、その後も僅かにコントラストが低下している。
「+1」でも効果をハッキリと実感することができ、それ以降の調整値は過剰と感じる場合が多いかもしれない。個性を出したいのであれば真っ先に調整したい項目だが、癖が非常に強いので過度な補正は避けたほうが良い。

彩度

基本的にクリエイティブルックの全プリセットは彩度の初期設定が「0」で固定されている。このため、彩度を調整することでプリセットに個性が出やすくなっている。癖の強いフェードと組み合わせることで、独自色の強いプリセットを作り出すことも可能。

シャープネス

「0」から「+9」までの10段階で調整可能。多くのプリセットは初期値が「4」となっているので、前後に4~5の調整が可能となっている。初期値で全く問題ないが、レンズによっては少し強めたいと思うかもしれない。ただし、シャープネスを強めるとスマートフォンのような不自然な描写が強くなるので、個人的に強方向で調整するのは非推奨。
シャープネスを強めなくとも優れた光学性能のレンズが多い(特にここ最近のレンズはマイクロコントラストが非常に高い)。敢えてシャープネスを弱めにするのも一つの手。

シャープネスレンジ

「1」から「5」までの設定値を利用でき、全てのプリセットは初期値が「3」で固定されている。

シャープネスの効果がかかる領域を調整する。大きい値に設定するほど細かな輪郭線にシャープネスがかかる。(1 ~ 5)

とあるように、今回のチャートテストとは相性が悪い。後日改めて別のチャートを用意してテスト予定。これもレンズの光学性能よって影響が大きく作用される可能性が高い。

明瞭度

フェードと同じく効果が言語化されていない謎の機能。ソニーはもう少しヘルプガイドを改善したほうが良いと思う。他社と同じ効果であるとすれば、ローカルコントラストに作用するパラメータのはず。

結果を確認してみると、パラメータの数値を大きくすることでローカルコントラストが高まっているように見える。このパラメータを活用することで、輪郭線を強調することが可能だ。

ただ、元から輪郭線が強い場合は過剰補正となる可能性あり。細部に効くパラメータなので、調整後はテストショットで等倍まで確認しておいたほうが良い。

ノイズリダクション

OFF

ノイズリダクションがオフの場合、カラーノイズ・輝度ノイズが発生するものの、ディテールは良好な状態を維持している。とは言え、処理しやすいカラーノイズまで残っていると、状況によって色ノイズが問題となるかもしれない。

色ノイズが抑えられ、輝度ノイズもいくらか補正しているモード。細部のディテールを優先する場合はノイズとのバランスが良く、「標準」から変更しておくべき。

標準

競合他社と比べるとノイズリダクションの結果は良好だ。しかし、弱設定と比べるとディテールの低下が強く、ISO 6400~12800で影響が出始め、ISO 25600でソフトな描写へと変化する。ISO 51200の結果を見ると、個人的には弱設定のほうが好み。

オートフォーカス

カバーエリア

新型プロセッサ「BIONZ XR」を搭載しているが、フォーカスエリアは従来通りだ。ただし、コントロールダイヤルでのフォーカスモード切替に対応している。従来機よりもシームレスな切替が可能だ。

AFメニュー

AF関連のメニューはカテゴリが5種類あり、全35項目で構成されている。一つ一つの項目はBIONZ X世代から存在するものだが、再構成され見やすくなった。ただし。カテゴリ「AF/MF」や「フォーカスエリア」は第三層が1ページに収まらず、2ページ目以降を確認するには第三層から直接スクロールするしかない。個人的にページが変わるのであれば、カテゴリタブを増やした方が良かったのではないかと思う。

追従フォーカスをカスタマイズできる項目は「AF被写体追従感度」のみ。 競合他社のように横切り特性や追従速度をカスタマイズする項目はない。一般的な撮影であれば標準設定で問題ないと思うが、もしも追従フォーカスの性能に不満を感じたらここを調整してみるといいだろう。

フォーカスエリア限定機能では日頃使わないフォーカスエリアを省略することで、必要なフォーカスエリアを素早く設定することができる。特にこのカメラではコマンドホイール2フォーカスエリアの変更を割り当てることができるため、この機能の重要性が高まっている。

カメラを縦位置と横位置で使い分けた際にフォーカスエリアやフォーカス位置も連動して切り替わるようになる。ポートレートなどで縦位置を利用するのであれば便利な機能かもしれないが、仰角や俯瞰で撮影することが多い場合は意図しないタイミングで縦位置と横位置が切り替わってしまう可能性がある。基本的にはオフに設定しておいた方がいいだろう。

少し前の機種から導入が進んでいたフォーカスエリア枠の色変更にα無印シリーズも対応。従来のグレー色のフォーカスエリアは、場合によって非常に見づらいことがあり、以前からフォーカス枠の色変更機能が望まれていた。歓迎できる機能強化だが、個人的には青色や茶色など幅広い色の変更に対応しているとなお良かった。

フォーカスエリアを移動した際にフレーム端に突き当たった際に、さらにボタンを押し込んでもフレームが移動しないのか、それとも逆フレーム端までジャンプするのか変更することができる。ゾーンエリアなど幅広いAFフレームを使ってる場合は特に必要性を感じないが、フレキシブルスポット小などを使っている際は、フレーム端から端までの移動が煩雑と感じるのでオンにしておいた方がいいだろう。

フレキシブルスポットを使用したフォーカスフレーム移動量を変化させる設定項目。通常はフォーカスフレームを0.5刻みで移動するが、移動量を「大」に設定するとフォーカスフレームが1.0刻みで移動するようになる。ちなみにフレキシブルスポット S ではこの設定の効力がない。

AF-S/AF-C

以前からソニーαの1点フォーカスは非常に応答速度が高く、正確な動作を期待できるものだった。BIONZ XR世代では、さらに応答性が高まり低コントラストや低照度でのフォーカス速度や精度が高まっているように感じる。特に至近距離と無限遠を交互にフォーカスするような場合には、キヤノンと並んでトップクラスの性能と言える。

ひと世代前から実装が始まったリアルタイムトラッキングAFは 追従開始後は粘り強く被写体を認識し追従し続ける。これほど粘り強い追従フォーカスはソニーを置いて他にない。 競合他社は被写体認識システムを導入することで高い追従性を実現しているが、 SONY のリアルタイムトラッキングは被写体を選ばずに素早く追従を開始できるのが特徴的だ。

もちろんソニーも動物や人物の瞳検出と連動させることができる。 開始時点で顔や瞳が検出されない場合はトラッキング開始位置を手動で指定する必要があるものの、リアルタイムトラッキング開始後に瞳などを検出してフォーカス位置を補正することは可能だ。

顔・瞳検出

前モデルはファームウェアアップデートで導入されたリアルタイム瞳AFを初めから実装している。「瞳AF」機能を使わなくても通常のフォーカスエリアで瞳を検出してフォーカスすることが可能だ。この際にリアルタイムトラッキングを使っていないと、検出は途切れた後は一般的なAF-Cへと移行する。

リアルタイムトラッキングを併用した場合、瞳を検出中は瞳検出オートフォーカスが優先され、検出が外れるとリアルタイムトラッキングで検出が外れた場所を粘り強く追従し続ける。この組み合わせにより、遮蔽物が頻繁に被写体を塞ぐような場合でも効果的に被写体を追従することが可能だ。

従来のソニーαは帽子着用時の瞳顔検出が苦手だった。しかし、このカメラでは帽子着用時も瞳をよく検出している。このような場合、以前はニコンZカメラの瞳検出の方が良好だったが、α7 IVののテスト結果はニコンZの検出精度と同等かそれ以上に見える。

少なくともα7 III比ではかなり良くなっているように見える。手持ちのカメラで言えばα7R IVよりも良好だ。帽子着用時と同じく、顔や瞳の検出に安定感がある。

検出距離

顔検出であれば上の写真くらまで顔を小さくしても反応する。とは言え、このサイズは顔検出するかしないかの瀬戸際なので、安定して追従したいのであれば、もう少しフレームに大きく写したほうが無難である。

瞳検出は上の写真くらいまで遠くに離れていても検出可能だ。望遠大口径など被写界深度が浅いレンズを使用しても正確なフォーカスを期待できる。

マニュアルフォーカス

フォーカスアシスト

従来通りフォーカスピーキングに対応している。ピーキングレベルとピーキング色の設定が可能だ。新機能である「フォーカスマップ」機能は動画撮影時のみの機能だが、個人的には静止画でも使ってみたい。欲を言えばキヤノンのフォーカスガイドのような機能があると良かった。

ライブビュー拡大

従来通りライブビューの拡大機能に対応している。

メニューシステム

メニューのレイアウト・デザインは旧メニューから大幅に変化しているが、一つ一つの機能は従来通りであることも多い(改善している項目もある)。さらに、第二層や第三層から見えない第四層での操作が必要となる場合もあり、素早く設定変更したい場合はマイメニューへの登録が必須と感じる。新メニューの実装に合わせて、各項目(主に第三層・第四層)の抜本的な改善・統合が見られないのは残念だ。とは言え、従来ユーザーに馴染みやすい改善であるのも確か。

撮影メニュー

第二層で10ページ、第三層は全部で46項目ある。
カテゴリ別に分類されてナビゲートしやすくなったが、まだまだ第三層の項目数が多すぎると感じる。第三層の機能群を見ると分かるように、基本的に旧メニュー(BIONZ X世代)の役割や機能を引き継いでいる。例えば「シャッター方式」と「電子先幕シャッター」は統合して一つにまとめてしまえば良いと思う。

もちろん項目によっては改善が見られる。例えば「画質/画像サイズ設定」は従来の「ファイル形式」「RAW記録方式」「JPEG画質」「JPEGサイズ」が一つに統合されている。一度に複数の設定の項目を調整できるので、作業の効率化に繋がるし、マイメニューに登録する場合は省スペース化にもなる。さらに、この設定項目から「記録メディア設定」へ移行することも可能だ。移行先から画質設定に戻るためのボタンも用意されている。これは他社でもあまり見られない便利な機能だと思う。これは歓迎できる改善点であり、他の諸機能でもこのような取り組みを見てみたい。

記録メディア設定は従来からある機能だが、デザインが一新され、スロットごとの画質設定を確認可能だ。

他の問題点を挙げると、第二層の「画質」カテゴリのように、第二層から第三層の項目が全て見えない場合がある。この場合、隠れた項目を確認するには第三層から、さらに下へスライドさせる必要がある。階層化しているにも関わらず、このひと手間はいただけない。これなら第二層のページ数を増やしたほうが良いと思うし、時間短縮にも繋がる。

露出/色メニュー

第二層で7ページ、第三層に25項目の機能がある。
撮影メニューの「画質」のように第三層が1ページから溢れるほどの項目が無く、比較的見やすい。敢えて言えば、第二層の「露出」は「ISO」に変えたほうが分かりやすい。もともとISO機能が「露出」カテゴリの一部だったので、このようなネーミングとなるのは理解できる。しかし、ISO関連で独立した第三層を手に入れたいま、「露出」と大まかに括る必要性は無いはず。

第三層から個別の設定ページへ移行すると、BIONZ Xから大きな変化が見られないデザインが現れる。特に不便と感じていない設定項目も多いが、例えばパラメータが増えたクリエイティブルックなどは操作性を一新して欲しかったところ。例えば、メニューシステムのようにパラメータを階層化しても良かったはず。ちなみにISO AUTO低速限界設定は地味に見やすくなっていた。

フォーカスメニュー

第二層に5ページ、第三層に35の項目がある。
特に「AF/MF」「フォーカスエリア」は第三層の項目が多すぎるので、統合するなり、ページを分けたほうが見やすかったはず。各カテゴリでピックアップする機能は後述する。

再生メニュー

第二層に7ページ、第三層に25項目だ。相変わらずRAW現像には対応していない。
各カテゴリでピックアップする機能は後述する。

ネットワークメニュー

第二層に6ページ、第三層に25項目だ。
ネットワークオプションだけで25項目もあるカメラメーカーは珍しいが、用途ごとに分かりやすくまとめられているように見える。

セットアップメニュー

第二層で12ページ、第三層に52項目ある。正直に言うと多すぎる。
それだけカメラが高機能で自由度が高いというべきか…。とは言え、相変わらずモニターの色温度を調整することは出来ず、ページによっては1~2項目しかない第二層もある。メニューの省スペース化にもう少し力を入れて欲しかった。

注目メニュー項目

ここではα7 IIIからα7 IVで追加された主な機能を挙げていく。全てを紹介することは出来ないが「これは」と言う機能をピックアップ。

JPEG/HEIF切替

8bitのJPEG出力から10bit HEIF出力に切替可で、カラーサンプリングは「4:2:2」「4:2:0」を選択できる。HEIFは画質を維持したまま効果的にイメージを圧縮できる。例えばJPEGでファイルサイズが22MBとなるところで、HEIFなら10.1MB、HEIF 4:2:2で11.1MBだった。(ファイルサイズは撮影時の輝度差や色情報によって変わる)
JPEGと比べて画像処理の柔軟性が向上しているのかは機会を改めてチェックしたい。

画質・サイズ設定

BIONZ X世代では複数の設定項目で調整する必要だった機能が一つにまとまっている。分かりやすくて大変よろしい。ただし、JPEGとHEIFの切替には対応していない。
さらにここから「記録メディア設定」へ瞬時に移行できるボタンを備えている。新メニューシステムの中では大きく改善されたポイントだ。

メモリーカード関連

機能的には従来通りだが、設定項目に図が挿入され、どちらがスロット1/2なのか見やすくなっている。また、こちらから「画質設定」へ移行することも可能だ。

撮影設定登録

設定の登録と呼び出しは従来通りの使い勝手だが、BIONZ Xプロセッサ搭載モデルと比べて呼び出し速度が非常に速い。このため、スピードが求められるシーンでも実用的と感じる場合が多い。また、撮影モードダイヤルにユーザーモードが1枠追加されているので「3」を利用することが可能となっている。

インターバル撮影・連続再生

α7 IIIはファームウェアアップデートで追加されたインターバル撮影を初期状態で利用可能。さらに再生メニューの「連続再生」でインターバル撮影による一連の画像をタイムラプス風に確認することも可能だ。

サイレントモード

シャッター方式は「メカニカルシャッター・電子シャッター」を切り替えるだけだが、このサイレントモードはオンにすることで「絞り駆動」や「電源OFF時のシャッター」、「ピクセルマッピングを個別」のオンオフを個別に設定することが可能だ。この場合、初期設定で「電源OFF時のシャッター」がオフとなっているので、サイレントモード時にシャッター保護機能が効かなくなる。

高分解シャッター

通常のアンチフリッカー機能に加え、LEDのような高周波フリッカーに対応する機能を搭載。一般的なアンチフリッカーと違い自動検出&自動調整ではないので少し面倒。シャッタースピード優先AEやマニュアルモード限定の機能。

フォーカスエリア枠色

最近の機種ではお馴染みだが、α7 IIIにはなかった機能。従来機で見づらかった灰色のフォーカスエリアを赤色に変更することができる。使ってみると思いのほか重要。

リアルタイム瞳AF・鳥瞳検出AF

α7 IIIはファームウェアアップデートまで瞳検出を使うには専用のボタン操作が必要だったが、α7 IVは初期設定から、通常のフォーカスエリア枠内で自動的に瞳検出できるようになった。(注意:α7 IIIもファームウェア Ver3.00で実装済み)さらにα7 IVは動物瞳AFに加えて鳥瞳AFにも対応している。

2度押しで削除

再生時にゴミ箱ボタンを2度推すことで素早く画像の削除が可能となる。言ってしまえばニコン方式の操作方法だ。通常と比べて操作量が減るので、特に撮影枚数が多い場合に重宝する機能。

電源OFF中のBluetooth接続

α7 IVはαシリーズで初めてBluetooth LEに対応。電源オフ時のスマートフォン常時接続に対応している。カメラを電源オフでバッグに収納した状態でもスマートフォンと接続して画像の閲覧や転送が可能だ。残念ながらそのままリモート撮影はできない。

静止画/動画独立設定

α7 IVで新設された静止画/動画/S&Qに連動してカメラ設定を切り替えるかどうか選択できる機能。絞りを変えずにシャッタースピードを柔軟に対応したい場合などで便利。

マイダイヤル設定

α7 IIIでは使えなかったマイダイヤル機能に対応。通常に加えて3通りの機能群をダイヤルに登録することが可能。ダイヤルによる割り当て機能の制限は無く、好きなダイヤルに好みの機能・設定を登録することが出来る。特にα7 IVはカスタマイズできるダイヤルが4つもあるので、マイダイヤルの重要性はさらに高まっている。詳しくはカスタマイズ編で紹介したい。

カスタマイズ

ボタンカスタマイズ

カスタマイズ設定ページのレイアウトに変更があり、従来は左右にページ移動する形式だったが、このカメラでは上下に図付きのタブが配置され、よりナビゲートしやすくなっている。

α7 IVでは12カ所のボタンカスタマイズに対応し、どのボタンも幅広い選択肢から機能を割り当てることが可能。BIONZ X世代のカメラ(α7 IIIなど)はRECボタンがカスタマイズ不可だったが、α7 IVはカスタム可能だ。前モデルと比べてカスタマイズの自由度が高まっている。

ボタンカスタマイズで登録可能な機能の一覧

参考としてAELボタンにおけるカスタマイズの一覧を掲載する。基本的に従来通りだが、「高分解シャッター」や「押す間トラッキング」「押す間顔/瞳優先OFF」「マイダイヤル」などの新機能が追加。BIONZ X世代の最新モデルと比べて、特に顔/瞳検出に関する設定項目が多く増えている。また、「ズーム」機能が細分化されて便利になっていたり、「押す間設定呼出」などはレスポンスが良くなっているので使いやすい。

 

大きく改善したと感じるのはカスタマイズ中のレイアウト。BIONZ X世代は30ページ近いカスタマイズ項目をいちいち探す必要があったが、このカメラではメニューシステムのように第一層→第二層→第三層とナビゲートすることが可能だ。これだけでカスタマイズの利便性が大きく向上している。

ダイヤルカスタマイズ

BIONZ X世代は背面ホイールのカスタマイズに対応していたが、前後のコマンドダイヤルは「マイダイヤル機能」に対応するまでカスタマイズすることは出来なかった。当然、α7 IIIでは前後のダイヤルはカスタマイズ不可である。

それがα7 IVでは飛躍的に改善している。マイダイヤルに登録することなく、通常時のダイヤルカスタマイズに対応。さらに露出補正ボタンがコントロールダイヤルへと変化し、計4カ所のダイヤル・ホイールをカスタマイズすることが出来る。非常に自由度の高い操作が可能となった。

ダイヤルカスタマイズで登録可能な機能の一覧

ボタンカスタマイズと比べると登録できる機能は少なく、BIONZ X世代と比べて追加された機能は「フォーカスエリア」と「シャッタースピード(ステップ)」のみ。

「シャッタースピード(ステップ)」は高分解アンチフリッカー機能で使う特殊な機能だが、「フォーカスエリア」が追加されたのは個人的に大きいと感じている。ボタン操作の必要が無く、状況に応じてシームレスにフォーカスエリアを切り替えることができるのは便利。

マイダイヤル

ボタンカスタマイズで「マイダイヤル」機能を登録することで各ダイヤルの役割を指定した機能に変更することができる。通常時に加えて3種類のマイダイヤルを登録可能だ。登録できる機能は通常のダイヤルカスタマイズとほぼ同じ。

通常時でも4カ所にダイヤルを登録できるのでマイダイヤルの必要性は低下していると思う。とは言え、活用することで登録できる機能が12種類も増やすことが出来るのは便利だ。ダイヤルに登録できる機能がもう少し増えると嬉しい。個人的には活用していないレンズのFnボタンにマイダイヤルの呼び出しを登録している。

ファンクションメニューカスタマイズ

従来通り静止画・動画でそれぞれ10枠のFnメニューをカスタマイズ可能。登録できる機能が多いので10枠が少なく感じてしまう。基本的にBIONZ X世代と同じ感覚で登録できるが、やはり登録時のメニュー画面が見やすいので目的の機能までナビゲートしやすいのがGood。

静止画/動画独立設定

α7 IVは静止画と動画の切替レバーを搭載しており、切り替える際にカメラの設定を引き継ぐかどうか、パラメータごとに選択が可能となっている。例えば静止画と動画で振れ幅の大きいシャッタースピードのみ引き継がない設定にしたり、動画のみピクチャープロファイルを適用したい時に設定を変更しておくと便利。フォーカスエリアの分離設定も可能だ。

モニター・ファインダー表示設定

以前は撮影メニューの「表示/オートレビュー」にあった「DISP」機能がセットアップメニューへ移動している。ほぼ従来通りで、水準器とヒストグラムを同時に表示することはできない。ただし、「情報表示なし」の場合に露出表示をタイムアウトする機能が追加されている。(BIONZ X世代では露出表示を消すことが出来ない)

モニターの明るさ・ファインダーの明るさと色温度

従来通りモニターは輝度を、ファインダーは輝度と色温度の変更が可能。ニコンZカメラのようにモニター・ファインダーをそれぞれカラーカスタイズすることは出来ない。α7 IIIはそれでモニターの色被りに悩まされたものの、α7 IVのモニタは特に問題なく、カラーカスタマイズの必要性は低いように見える。もちろん、カスタマイズできたほうが便利ではある。

アンチダスト機能

セットアップメニューにセンサークリーニングに関する項目あり。従来通り除塵機能はセンサーシフト式で、超音波式の除塵ユニットは搭載していない。電源オン・オフ時の自動センサークリーニング機能も無いので、気になる場合は定期的に手動操作が必要だ。個人的な見解として、30万円に近いカメラで自動的に除塵することができないミラーレスカメラは残念に感じる。結果的に、購入後1週間程度で目に見える小ゴミを見ることとなった。実に惜しいポイント。

ちなみにメカニカルシャッターによる電源OFF時のセンサー面保護が可能となっている。とは言え、カメラ使用時は常時開いているわけで、空気の流入流出が多いズームレンズと組み合わせると無力に近い。

連写・ドライブ

シャッター方式

α7 IVは撮影メニューの「シャッター/サイレント」タブにある「シャッター方式」からシャッターの種類を選ぶことが可能。厄介なことに「電子先幕シャッター」の有無は設定項目が別枠で設けられている。電子シャッターからメカニカルシャッター(電子先幕)に切り替える場合は2段階の操作が必要となる可能性あり。他社のように「メカニカル・電子先幕・電子」でまとめてしまったほうがスマートだと思う。

サイレントモード

メカニカルシャッターから電子シャッターを使うもう一つの操作がある。それは同じタブに存在する「サイレントモード」だ。サイレントモードは適用時に各種機能を個別にオンオフすることが出来る。調整できるのは「AF時の絞り駆動」「電源OFF時のシャッター」「オートピクセルマッピング」の3種類。

特にこだわりが無い場合は「シャッター方式」「サイレントモード」どちらを使用しても問題無いと思う。ただし、初期設定でサイレントモード使用時は「電源オフ時のシャッター」「ピクセルマッピング」がオフになっている。これを切り替えておかないとサイレントモードでシャッター幕によるセンサー保護機能が有効とならないので気を付けたいところ。

アンチフリッカー

フリッカーとはなんぞや?というのはソニーがα9 IIのサポートページで解説しているので要チェック。
人工灯などでフリッカーを低減するための機能を搭載。これも「シャッター/サイレント」タブにフリッカーレス設定を呼び出す項目がある。フリッカーレス撮影はα1と異なり電子シャッター時は有効とならないので気を付けよう。

さらに、従来機には無かった「高分解シャッター」にも対応している。これは従来よりもシャッタースピードを細かく調整することでフリッカーを回避できる機能だ。自分自身でシャッタースピードの最適地を見つける必要があるものの、従来機では全く対応できなかったので、あるだけ便利な機能である。通常のフリッカーレス撮影はメカニカルシャッター限定(α1は電子シャッターでも可能)だが、高分解フリッカーレス撮影は仕組みが異なるので電子シャッターでも利用することが可能だ。

ドライブモード

ドライブモードは「1枚撮影」の他に「連続撮影Hi+・Hi・Mid・Lo」「セルフタイマー」「セルフタイマー(連続)」「連続ブラケット」「1枚ブラケット」「WBブラケット」「DROブラケット」で構成している。連続ブラケットはシャッターボタン全押しで連写撮影、1枚ブラケットは1枚撮影と同じように必要ぶんのシャッターボタンを押す必要がある。このあたりは従来機通りだ。インターフェースにも大きな改善点は見られない。

従来機と異なる点として、メニュー画面の「ドライブモード」タブからインターバル撮影機能を呼び出すことが可能だ。撮影開始までの時間や撮影間隔、回数、AE追従、シャッター方式、撮影間隔優先を調整することができる。メニュー下部に撮影に必要な時間が表示されるのは便利と感じる。

連続撮影の仕様の確認

まずは公式のスペックシートを確認しよう。

連写速度

  • 連写 Hi+:最高10コマ秒
  • 連写 Hi:最高8コマ秒
  • 連写 Mid:最高6コマ秒
  • 連写 Lo:最高3コマ秒

連続撮影枚数

  • JPEG L ExFine:1000枚以上
  • JPEG L Fine:1000枚以上
  • JPEG L STD:1000枚以上
  • RAW:1000枚以上
  • RAW+JPEG:1000枚以上
  • ロスレス圧縮RAW:1000枚以上
  • ロスレス圧縮RAW+JPEG:1000枚以上
  • 非圧縮RAW:1000枚以上
  • 非圧縮RAW+JPEG:828枚以上

これを見る限り、最高連続撮影速度はα7 IIIと同等で、連続撮影枚数は飛躍的に向上しているように見える。ただし、これには注意点がいくつかある。

SONY:ILCE-7M4:特長 : 進化したオートフォーカスとAF・AE追随高速撮影性能

新画像処理エンジン BIONZ XRの高い処理性能とバッファメモリーの高容量化、メモリーカードへの書き込み速度の向上により、非圧縮RAW+JPEG撮影時(*1)で約828枚、圧縮RAW+JPEG撮影時(*1)などのそれ以外の設定時では、1000枚以上(*2)撮影可能になるなど、撮影を妨げない圧倒的な連写持続性能を誇ります(*3)。新システムの高速処理性能により、連続撮影後のメモリーカードへの書き込み中でも、Fnメニュー上から撮影設定の変更が可能。さらに、メニュー画面と設定変更、再生画面へのアクセスにも対応(*4)しています。

*1 CFexpress Type Aメモリーカードが必要です
*2 メモリーカードの容量によって異なります
*3 非圧縮RAW/ロスレス圧縮RAWが選ばれている時は、連写速度が遅くなります
*4 データ書込み中にメニュー画面から変更可能な設定項目には制限があります

まず第一に高価なCFexpress Type Aカードが必要となる。スペックシートの結果はCFexpress Aカードの結果であり、SD UHS-IIの場合は結果が異なる。ただし安心して欲しい、SD UHS-IIでもまずまず良好な結果を得ることが可能だ。(検証結果は以下に掲載)

さらに10コマ秒に対応しているのは「圧縮RAW」のみであり、「ロスレス圧縮RAW」「非圧縮RAW」の場合は連写速度が低下する。公式で言及していないが、海外の情報サイトでは6コマ秒まで低下するそうだ。当ブログでのテストでも6コマ秒になるのを確認している。つまりスペックシート上の「非圧縮RAW:1000枚」は6コマ秒を使用した際の枚数である可能性が高い。「圧縮RAW:1000枚」が10コマ秒の場合なのかどうか記載はないが、おそらく10コマ秒で間違いない。(検証結果は以下に掲載)

非圧縮RAWでも10コマ秒連写が可能なα7 IIIと比べてパフォーマンスが大きく低下する点には注意が必要である。とは言え、RAW現像時にシャドウを大きく持ち上げるような編集作業を必要としないのであれば圧縮RAWでも気にする必要は無い。要はダイナミックレンジが少し狭くなるだけである。
圧縮RAWで問題なければ、10コマ秒の高速連写とカード容量が一杯なるまで撮影することができるバッファ深度を備えている。
3300万画素のフルサイズセンサーで10コマ秒をほぼ無限に連写可能。一昔前の一眼カメラならば夢のような世界である。もちろん、2021年現在はα7 IV以上の連写性能を備えたカメラがそれなりに存在する。

バッファ・バッファクリアテスト

いつも通り、ストップウォッチを使用して「Hi+」を5秒・10秒・15秒間で連写し続け、撮影できた結果をカウントする。CFexpress Type AカードとSD UHS-IIカードを使用した結果は以下の通りだ。

CFexpress Type A

5秒 10秒 15秒
圧縮RAW 51 101 150
ロスレス圧縮RAW 30 60 91
非圧縮RAW 29 61 90

CFexpressカード使用時はおよそスペックシート通りの性能だ。ロスレスRAW・非圧縮RAW時は連写速度が6コマ秒となり、バッファが詰まることなく枚数制限なしで連続撮影が可能だ。連続撮影を止めた後、数秒もせずにバッファは全てクリアされる。CFexpress側は書き込み速度にかなり余裕があるように見えるので、6コマ秒の速度低下はカメラ側の問題だと思われる。

圧縮RAW時は間違いなく10コマ秒の連続撮影速度となり、15秒の連写でも速度が低下する傾向は見られない。試しにスペックシートの「RAW:1000枚」=「100秒」の長時間連写を試みた所、正確に1000枚を撮影することが出来た。全く問題のない連写性能だと思うが、これで非圧縮RAW・ロスレスRAWで10コマ秒の連写ができるとなお良かった。

SD UHS-II

5秒 10秒 15秒
圧縮RAW 52 92 129
ロスレス圧縮RAW 30 62 90
非圧縮RAW 29 48 67

それじゃあ書き込み速度が遥かに遅いSD UHS-IIではどうか?結果は思っていたよりも良好で、10コマ秒の圧縮RAWだと連続70~80枚くらいならバッファが詰まることなく連写が可能だ。それ以降も秒間8コマ程度で連続撮影が可能である。

ロスレス圧縮RAWの場合はCFexpress Type Aカードと遜色ない連写が可能だ(もちろん6コマ秒だが)。バッファが詰まる様子は少なくとも15秒までは見られない。非圧縮RAWの場合は5秒を超えた付近で詰まりはじめ、10秒、15秒でロスレス圧縮RAWと取れ高に差が出始める。画質に大差ないので、SD UHS-IIカードを使う場合はロスレス圧縮RAWを積極的に使うと良いだろう。

以上の結果から、よほど連写を重視しない限りではCFexpress Type Aカードは必要ないと思われる。もちろんバッファクリア中に一部のメニュー画面にアクセスできなくなるので、快適さを追求するならCFexpressカードを使う意義はあると思う。(SD UHS-IIカードの場合はバッファクリアに数秒以上かかる)

オートISO低速限界

メニュー画面の露出項目にあるISOオート機能の一つに「低速限界」がある。これは絞り優先AEモードなどで自動制御のシャッタースピードが指定したシャッタースピードを下回る場合、ISO感度を上げてシャッタースピードが下がり過ぎないように自動調整する機能だ。例えば絞りを維持したまま露出が変化しやすい環境(暗くなったり、明るくなったり)で役に立つ。

指定するシャッタースピードは1/8000秒から1段ごとに調整でき、レンズの焦点距離に応じて(1/焦点距離 秒)自動的に低速限界を調整する場合は5段階(前後1~2段)で設定することも可能だ。
この機能はボタンカスタマイズで割り当てた好きなボタンで呼び出すことが出来る。

ローリングシャッター

「ローリングシャッター」とは電子シャッター使用時にセンサーが撮像する方式を指す。センサー全体を一度に露光出来るのが理想的だが、現在多くのデジタルカメラはイメージセンサーの上から下まで段階的に読み出す方式「ローリングシャッター」を使用している。言葉で説明しても難しいので、以下の動画で分かりやすく解説されている。

現在、コンシューマー向けのデジタルカメラでローリングシャッター方式を採用していないモデルは非常に少ない。海外企業が「PIXII(最新機種は非グローバルシャッター)」のようなカメラでグローバルシャッターを採用しているものの、国産ミラーレスでこの方式を採用しているカメラは存在しない。(キヤノンの業務用向けカムコーダーくらい)
実際にα7 IVの電子シャッターを使って扇風機を撮影したのが以下の画像だ。

ご覧のように扇風機の羽根が不自然な描写となってしまう。ローリングシャッター方式では、このように高速移動する被写体を撮影する際に問題が発生する。「カメラで扇風機など撮らない」という人もいると思うが、例えばレーシングカーで高速回転するホイール、飛行機やヘリコプターのプロペラ、鉄道のパンニング撮影など、ローリングシャッターが影響するシチュエーションは数多い。もちろん高速移動する被写体がフレーム上に小さく写るほど、この問題は小さくなる。しかし、フレーム一杯に被写体を撮影する場合は注意が必要だ。では他のカメラではどのような影響があるのか?と言うのは以下の通り。

ローリングシャッターの影響度はα7 IIIやα7Cで使用している2400万画素センサーと比べて大差は見られない。高画素化しているぶん、改善していると見るべきか、進歩がないと見るべきかは人によると思う。2016年に登場した3000万画素センサーを搭載する「EOS R」と同程度と考えると、あまり改善していないと言えるかもしれない。

どちらにせよ、被写体によってはローリングシャッターの影響が大きいことは確かだ。個人的な経験則として、EOS R5やE-M1Xくらいまでローリングシャッターが速くなると使えるジャンルは増えると思う。理想を言えば積層型CMOSセンサーだが、スタンダードモデルに積層型CMOSセンサーを搭載するのはまだ先のように見える。

参考

電子シャッター利用時に蛍光灯下で高速シャッターを使うと以下のような影響がある。

蛍光灯は1秒間に120回点滅(西日本)を繰り返しており、カメラの電子シャッターによる読み出し速度は蛍光灯一回の点滅と比べると遥かに遅い。このため、蛍光灯の点滅が撮像時に写りこんでしまう。毎秒120回の点滅し、撮像時に8回の点滅がフレームに写りこんでいる。単純計算で66msか?100msのα7R IVと比べると速いが、16msのEOS R5と比べると遥かに遅い。

ちなみに、α7 IVは圧縮RAW時にダイナミックレンジが狭くなるものの、ローリングシャッターの速度に変化は見られない。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • シャッター幕によるセンサー保護機能
  • ボディ前面と上面がマグネシウム合金製
  • 充実したアクセサリーポート(HDMI A・USB3.2)
  • CFexpress A + SD UHS-II デュアルカードスロット
  • USB-PDによる急速充電に対応
  • しっかりとした防塵防滴仕様
  • 第四世代のアクセサリーを使用可能(ただしファインダーは異なる)
  • 使いやすくなったAFジョイスティック
  • 露出補正ダイヤルからFnダイヤルへ変化
  • 豊富なボタン・ダイヤルカスタマイズ
  • 静止画/動画の切替レバーが新設
  • 競合他社と同等のファインダー
  • バリアングルモニタ
  • 起動時間やレスポンスが大幅に向上
  • 良好な高ISO感度ノイズ耐性
  • 良好なダイナミックレンジ
  • クリエイティブルックの実装
  • 柔軟性の高いJPEG出力用のパラメータ
  • 基本性能が高いオートフォーカス
  • 瞳の検出精度が向上
  • 一新され、一部に改善が見られるメニューシステム
  • 非常に良好なバッファ

α7 IIIで不満と感じていたポイントの多くか改善している。画質や機能性の向上も重要だが、それ以上に操作性や起動時間、応答性が向上したのが大きい。素直に撮影体験の質が良くなったと感じる。ファインダーやモニターの解像度も向上し、CFexpress AやHDMI A、USB3.2などアクセサリー類への対応も充実している。

もちろん、3300万画素の新型センサーを導入したことでトリミング耐性が高まっているのも魅力の一つだ。解像度とファイルサイズの程よいバランスと言える解像度。ただ、ダイナミックレンジや高ISO感度に劇的な違いは無いので過度の期待は禁物だ。どちらかと言えばJPEGや動画出力時に「クリエイティブルック」を使えるようになったことが大きい。クリエイティブルックは個性的なプリセットが多く、パラメータも従来より遥かに自由度の高い設定が可能である。RAW現像せずとも「JPEGをそのまま使う」機会も増えるのではないかと思う。

悪かったところ

ココに注意

  • センサーシフト式の除塵ユニット
  • ボディ背面はプラスチック製
  • 赤外線リモコン非対応
  • 背面モニターの解像度が平凡以下
  • (顔・瞳AF以外の)被写体検出機能が無い
  • メニューシステムで最適化されていない項目がある
  • 非圧縮RAWやロスレス圧縮RAW時の連写速度が遅い
  • ローリングシャッターの幕速が従来通り

α7 IVの価格設定を考慮すると、もう少し善処して欲しかった点は多い。センサーシフト式の除塵ユニットや、背面モニターの解像度などはなんとかして欲しかったところ。また、圧縮RAW以外では10コマ秒連写が使えなくなるのも気を付けたいポイント。そして、センサー解像度を考慮すると妥協点かもしれないが、ローリングシャッターの幕速が従来通りとなっているのは悩ましい。

総合評価

満足度は95点。
不満が無いことは無いものの、全体的に満足度が高いスタンダードモデル。エントリーモデルと言うには高機能で高価なカメラに仕上がっているので、万人におススメできるカメラでは無いが、お金があるなら無難な選択肢だと思う。迷ったらコレで良いだろう。
このカメラが「高いな」と感じたら、(おそらくエントリーモデルとして確立するであろう)α7Cの後継モデルを待ってみるのも一つの手。

α7 IIIと比べてどうか?
α7 IVは系譜としてα無印シリーズのカメラだが、(α7 II → α7 IIIがそうであったように)α7 IIIとは全く別物である。画質・操作性・機能性・価格に関して全体的にワンランク上と考えたほうが良い。画質だけで言えばそう変わらないかもしれないが、JPEG出力を重視しているのであればクリエイティブルックの実装はインパクトが大きい。操作性や機能性は言わずもがな、その結果として価格もワンランク上となっている。特に動画機能を重視するのであれば、α7 IIIとの性能差は顕著であり、α7 IVのコストパフォーマンスが光るはず。

値下がりしたα7R IIIやα7R IIIAはどうか?
もしも静止画メインで、高解像センサーに興味があるのであれば一つの選択肢だと思う。ただ、カメラのレスポンスや起動速度について寛容な心で許容しなければならない。BIONZ XRプロセッサの恩恵はそれほどまでに大きいと思う。

参考情報

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