LesnumeriquesがOMデジタルソリューションズ「OLYMPUS PEN E-P7」のレビューを公開。ファインダー非搭載やコントラスト検出のAFを指摘しつつ、機能的で楽しいカメラと評価しています。
カメラの紹介:
- 開発がいつ頃始まったのか不明だが、OMデジタルソリューションズ初となる新しいカメラだ。
- モデル名が示している通り、E-PLシリーズよりも少し上のグレードである。
- スペックシートの点で目新しいものは何もない。従来通りのTruePic VIIIプロセッサに2030万画素のイメージセンサーを搭載し、5軸4.5段分の手ぶれ補正に対応している。
- シルバー・ホワイトのカラーリングに対応している。ボディキットは799ユーロ、レンズキットは899ユーロだ。
ビルド・外観:
- レトロな外観のカメラだ。仕上がりは良好である。
- 通信接続機能が少なく。HDMI D端子はあるがマイク・ヘッドホンポートが無い。また、USB-Cの代わりにMicro USBを使用する。
- Wi-Fi・Bluetoothに対応している。
- SDカードスロットはカメラ底面からアクセスする。
- レスポンスは良好だが、レンズキット装着時は起動時間が少し長くなる。
携帯性:
- 小型軽量で取り扱いは快適だ。マイクロフォーサーズらしい魅力的なカメラである。
グリップ:
- グリップとサムレストで効果的にカメラを握ることが出来る。
操作性:
- コントロールは適切に配置されている。
- 電源スイッチは理想的な配置だ。
- コマンドダイヤルは2つあり、高度な撮影に対応しやすい。
- ボタンはもう少し大きいと良かったが、このような小さなカメラでは仕方がない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- カメラ上部にはフラッシュとホットシューを搭載しているが、ファインダーは見当たらない。
モニター:
- 仕様が少し古く、現在のスタンダードではない。タッチパネルもマルチタッチには非対応だ。
- 180度下方向へチルトさせることが可能だが、三脚やハンドル装着時は干渉する。
メニューシステム:
オートフォーカス:
- 低照度では被写体を捕捉するのが難しい。
- 効果的ではあるがスピードは遅い。
連写性能:
- ラボテストでは公称値の15コマ秒に届かない。
- 電子シャッター時は1/16000秒のシャッタースピードにも対応している。ただし、メカニカルシャッターは1/4000秒までだ。
高感度ISOノイズ:
- 画質はOM-D E-M10 Mark IVと同等だ。
- ISO800まで最高画質を維持し、ISO1600でも画質の低下をあまり気にせず使うことが出来る。
- ISO 3200?6400で画質に影響が発生するものの、実用的な画質だ。
ダイナミックレンジ:
- このカテゴリはマイクロフォーサーズの強みとは言えない。白飛びしたハイライトを復元するのは難しい。
- シャドウは扱いやすいがノイズがすくに発生する。
仕上がり機能:
- クリエイティブモードはE-P7の強みとなるものだ。カメラ前面のレバーで通常モードと切り替えることが出来る。この機能はPEN-Fを彷彿とさせるものだ。
動画:
- 4K UHDに対応しており、HDのハイスピード撮影にも対応している。
- X-T30の優れた動画性能と比べると薄っぺらく見える。
- ローリングシャッターが目に付くが、FullHDに切り替えると影響が小さくなる。
総評
PEN E-P7は、使い心地がよく、デザインも良い小型軽量カメラだ。制限のある動画モードや、競合他社を圧倒できない画質を差し引いても、E-P7を批判できるのは、時折不調になるオートフォーカスや、電子ビューファインダーがくらいだろう。それ以外は、写真に慣れている人、そうでない人も満足のいくカメラに仕上がっている。クリエイティブな撮影機能が非常に多く、自分の好みに合わせて設定を微調整する時間はとても楽しい。
- 長所:
・デザインと仕上がり
・小型
・高度な写真撮影モード
・一般的なレスポンス
・手ぶれ補正
・1/16000秒の電子シャッター
・セルフィ対応のタッチパネル- 短所:
・動画撮影の制限
・低照度時のAF
・ダイナミックレンジが少し狭い
・高速連写時はAF-C非対応
・防塵防滴ではない
・USB-C/ヘッドホン/外部マイク非対応
・底面アクセスのメモリーカード
とのこと。
総合評価は5点中3点と伸び悩んでいるものの、小型軽量で機能的なカメラに仕上がっているようですね。画質やAFを重視せずに、機能的な小型カメラを探しているのであれば面白い選択肢。
私も発売日に購入して愛用しています。中身はほとんど「OM-D E-M10 Mark IV」ですが、携帯性がより高く、モノクロ/カラープロファイルが気になるのであれば要検討かなと。AFは動く被写体を追いかけまわすような使い方をしない限り問題無く、連写撮影はSD UHS-II対応でバッファクリアが早いのは意外でした。ボディ内手ぶれ補正は200?300mmの超望遠域でも対応できるくらいには強力で、2000万画素のイメージセンサーは(MFTの中では)悪くない性能。ホットシューを搭載しているので、せめて3.5mmマイクジャックがあると良かったなと。
OMDS「OLYMPUS PEN E-P7」最新情報・噂まとめページ
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