OM-5 Mark II は3年遅れのカメラだが存在意義がないとは限らない

DPReviewが「OM SYSTEM OM-5 Mark II」のファーストインプレッションを公開。「3年遅れ」と過激な見出しをつけつつ、進化のないAFや操作性について指摘。ただし、据え置きの価格設定や効果的な手振れ補正を評価。

DPReview：OM System OM-5 II review in progress: three years late

USB-C

2022年発売のOM-5はマイクロUSBポート。

充電とコンピュータ接続にUSB-Cを採用。

UVC/UACプロトコル経由で、追加のソフトウェアやドライバーなしでウェブカメラとして機能する能力を維持。

Type-C ポートはUSB 2.0規格。現代のカメラの多くに搭載されている5Gbpsのポートの速度の10分の1未満。

グリップの改良

デザインは前モデルからほとんど変更していない。

エルゴノミクスに基づいてグリップを少し大きくした。

OM-5 と比べると手に少しフィットし、より快適で扱いやすい。

新しいメニュー

OM-1とOM-3から更新されたメニューシステムも採用。

色分けされたセクションとタブ。

前モデルとは異なり、機能が利用できない理由を説明表示する。

前面のダイヤルでセクション間を移動し、背面のダイヤルでページを切り替えることができる。

設定の変更には4方向ボタン操作が必要。

タッチパネルはタブやセクションの切り替えには使用できるが、設定のナビゲーションや調整には使用できない。

CPボタン

露出補正ボタンを「CP」ボタンに置き換えた。

ボタンを押すだけで、多様なコンピューショナルフォトモードに素早くアクセスできる。

一度押すと最後に使用したモードが起動。

長押しすると、コマンドダイヤルでさまざまなモードを選択できる。

前モデル比で新しい機能は追加されていないので少し残念。

上位モデルに搭載されている「ライブGND」と「ライブND 32-64」に非対応。

すべてのマルチショットモードはカメラ内で処理される。ただし、一部のモードでは処理に時間がかかる場合がある。

最も負荷が高いのは手持ちのハイレゾショットで、カメラが15秒以上ロックされる。

新しいカラーモード

OM-3から継承された2つの「OMシネマ」カラーモード搭載。

Logモードと同等のハイライト情報を記録するように設計されている。

しかし、グレーディングを必要とする極端な低コントラスト・低彩度のロジックは採用されていない。

OM Cinema 1 モードは、画像の明るい部分に黄色を、暗い部分に青を強調するように設計。

OM Cinema 2 モードは、ハイライトとシャドウにシアンを少し加え、コントラストを低下させる。

ライト

カメラ前面の右上隅に赤い LED が搭載され、ビデオを録画していることを明確に示すタリーライトとして機能するようになった。

アシスト機能

2つの新しいアシスト機能が追加された。

ライブビューの明るさを向上させ、暗い環境でもピント合わせや構図決めを容易にするナイトビジョンモード。

長時間露光時にカメラの安定性を表示する手持ちアシストモード。

比較

ある意味で、OMシステムは通常はより高価なモデルでしか搭載されていない、手ぶれ補正機能や防塵防滴構造などの機能をこの価格帯で提供。他社製品と差別化を図っている。

OM Systemは「防滴対応」という曖昧な表記ではなく、具体的なIP規格を明記しているカメラメーカー。

組み合わせられる実用的なレンズのラインナップは豊富、マイクロフォーサーズはAPS-Cよりも軽量でコンパクトなオプションを提供。

ただし、OM-5 IIは、10bit 静止画撮影（HDRレスポンスカーブ対応）、60p動画モード、AFシステム用のAIベースの被写体検出モードなど、急速に標準機能となりつつあるいくつかの機能が非搭載。大きな欠点になる。

ボディと操作性

前モデルと同様、非常に軽量でありながら、大型レンズと組み合わせても、優れたバランスを保っている。追加のグリップが役立っている。

ほとんどのボタンは自由にカスタマイズ可能で、ほぼあらゆる操作に対応できる。

4方向コントローラー周辺のボタンは固定だが、トッププレート上のボタン（電源レバーの上部にある2つの半円形ボタンを含む）は自由に割り当て可能。

設定は静止画モードと動画モードで独立している。

OMシステムの定番Fnレバーも搭載しているが、残念ながら機能は大幅に制限されており、カメラの電源オン/オフ、動画モードへの切り替え、またはダイヤル機能やオートフォーカス設定のサブセット間の切り替えのみに限定。

Fnレバーは瞳認識モードを認識しないため、例えば追尾オートフォーカスと瞳検出付きC-AFを切り替えることはできない。

多くの他のカメラとは異なり、人物検出と追尾を同時に有効にすることはできない。

ロック式モードダイヤルを搭載し、主要な露出モード、動画、シーン、アートフィルターモードの設定が可能。

トッププレートの2つのコマンドダイヤルは、比較的深いノブ加工が施されており、手袋を着用していても操作が容易。

「スーパーコントロールパネル」でカメラの主な撮影設定のほとんどを 1 つのタッチスクリーンパネルで簡単にアクセスして制御することができる。

EVF およびモニター

ファインダーは、前モデルと同じ 236 万ドット、0.68 倍（相当）の倍率のまま変更はない。比較的小さいが役割は果たしている。

バリアングル式 3.0型 LCD（こちらも変更なし）が露出オーバーになる明るい状況でファインダーは重宝する。

バッテリー

前モデルと同じ8.5WhのBLS-50バッテリーを採用。

比較的低いため、予備のバッテリーを持参するか、モバイルバッテリーで充電する計画を立てることをおススメする。

第一印象

過激な見出し「3年遅れのカメラ」にもかかわらず、OM-5 IIを検討すべき人はまだいると考えている。

頑丈で小型軽量ながら、より大型センサー搭載のカメラで追加料金を支払わなければ得られないような機能を詰め込んだ、ニッチな市場を埋める製品。

すべてを実現しつつ、現代的な快適性も備えている。

前モデルからの変更点はUSB-Cポート、少し大きくなったグリップ、赤いLED、ソフトウェアアップデートのみだ。

率直に言うと、OM SYSTEMは3年前にこのカメラを発売すべきだったと感じる。

その点を無視してOM-5 IIを単独で評価しても、一部の機能は依然として前世代のものと感じられる。

特にオートフォーカスが問題。センサーの端までAFポイントがカバーされていないカメラ（ただし、ほとんどのユーザーが求める範囲はカバーしている）は、久しぶりだ。

さらに、AIによる被写体認識機能も搭載されていない。短い使用期間でも、Canon、Nikon、Fujifilmの安価なカメラに比べて、動物や鳥のピント合わせや追尾に格段に手間がかかった。

アウトドア向けのアドベンチャーカメラとして検出AF非対応は大きな欠点。

それでも、まだ存在意義がないとは限らない。手ぶれ補正、IP防水・防塵性能、連写モードの豊富なラインナップは競合製品にない。

また、競合他社の製品は大きく重く、世界最先端のオートフォーカス機能も、持ち運ぶのが面倒でカメラを家に置いてしまうようでは意味がない。

最近の製品で、前モデルよりも高価ではない後継モデルが登場するのは嬉しいことだ。

AFの改善や操作性の向上など、いくつかの改良を加えれば、OM SYSTEMやマイクロフォーサーズ全体を代表するモデルになっていたかもしれない。

現在の市場でどれほど競争力があるかを判断するには、さらに時間をかけて撮影とテストを行う必要がある。しかし、第一印象では、見慣れたパーツの寄せ集めのようにも見える。

2025年7月発売のOM SYSTEM製ミラーレスカメラ。前モデル「OM-5」と同じセンサー・プロセッサ・コントロールレイアウトを継承しつつ、グリップの改良や新メニュー・ボタン機能などを導入しています。一見するとマイナーチェンジモデルですが、価格がほぼ据え置きのため、これから新規で購入するならOM-5 Mark IIのほうが良さそうですね。（OM-5が値下がりしそうですが）

DPReviewのファーストインプレッションでは「3年遅れ」と銘打った記事で手厳しく評価。前モデル登場時ですら疑問であったマイクロUSBポートをようやく更新したものの、他社では普及が進む被写体検出AFに非対応だったり、タッチパネルの操作性だったり、従来通りの部分が多い模様。

とは言え、前モデルから価格上昇（146,076円 → 156,420円）が穏やかで、IP53の防塵防滴や強力な手振れ補正、30fpsの高速連写の総合的な性能はアドバンテージとして残っているようです。

OM SYSTEM OM-5 Mark II 最新情報まとめ

発売日：2025年7月下旬
予約開始日：2025.6.17
OM SYSTEMストア：
・ボディ：156,420円
・12-45mmキット：176,220円
・14-150mmキット：176,220円

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主な仕様

イメージセンサー	タイプ：4/3 LiveMOS 有効画素：2040万画素
画像処理	TruePic IX
センサー除塵	超音波
手振れ補正	5軸センサーシフト式ボディ中央6.5段、四隅5.5段シンクロ中央7.5段、四隅6.5段 5軸シンクロIS利用可能
ISO	200 ~ 25600 拡張 64/100
ストレージ	SD UHS-II
AF	検出方式：ハイスピードイメージャAF 測距点：121点クロスタイプ測距輝度範囲：~ -3.5 EV ～ 20 EV
被写体検出	-
シャッター	メカニカル：1/8000～60秒電子先幕：1/320～60秒電子：1/32000～60秒
フラッシュ同調速度	1/250秒
連続撮影速度	メカ：約6 fps 電子：15/20/30 fps
連続撮影枚数	カード容量一杯まで（対応速度不明）
ファインダー	解像度：約236万ドット倍率：1.23倍～1.37倍
モニター	サイズ：3.0型解像度：約104万ドット可動方式：バリアングル
動画フレームレート	C4K 24p IIPB 240Mbps
動画出力	MOV(MPEG-4AVC/H.264)
USB	USB Type-C USB-PD非対応 UVC(USB Video Class) UAC(USB Audio Class)
マイク/ヘッドホン	マイク：φ3.5 ヘッドホン：
HDMI	Type-D
Wi-Fi	IEEE 802.11b/g/n
Bluetooth	Ver.5.2
その他ポート類	φ2.5 レリーズ
バッテリー	タイプ：BLS-50 撮影可能枚数：310枚
サイズ	約125.3ｍｍ× 85.2ｍｍ× 52.0ｍｍ
重量	本体のみ：418g バッテリー含：370g
防塵防滴	IP53
同梱品	USBケーブル(Type A to C）ショルダーストラップ取扱説明書保証書リチウムイオン充電池BLS-50
備考	日本語のみ（日本版）