PetaPixelの(元DPReviewTV)クリスニコルズ氏がOMデジタル「OM SYSTEM OM-1 II Mark II」のレビューを公開。マイナーチェンジであることは否定できず、OM-1ユーザーにはおススメし辛いと言及。ただし、AFなどの改善によりスチルカメラとしてはもっとも魅力的なMFTと評価。
PetaPixel:OM System OM-1 II Review: Could This Have Been a Firmware Update?
- OM-1 Mark IIにはいくつかエキサイティングな新機能や改善が加えられている。
- OM SYSTEMが次の大きなプロジェクトに取り組んでいると考える理由はたくさんある。
- (訳注:OM-1 Mark IIの特徴紹介は割愛)
- ソフトウェアベースのアップデートが多いが、ハードウェアの一部変更点に依存している可能性がある。従来機には実装されないかもしれない。それでもハイレゾショットの14bit RAWには期待したい。
- 残念ながら動画撮影に関しては何も変化がない。
- 従来機のトラッキングAFは性能が非常に悪かった。OM-1も同じ問題を抱えているが、被写体検出が救いだった。
- OM-1 Mark IIは追従アルゴリズムが改良され、遥かに優れている。
- 被写体検出チャートに乗らない被写体に対しても、このカメラの使用感が著しく向上している。
- 被写体検出メニューに人/顔検出AFが追加されたことも、優れたQOLの向上である。
(訳注:QOL=クオリティ・オブ・ライブ。記事内で言えば「撮影体験の質」と訳すのが近いかもしれません。)- コンティニュアスAF性能は、より大きなセンサーのライバル機には負けるものの、良好だ。
- OM-1 Mark IIは、AF性能に関してフラッグシップのフルサイズカメラを追い越すことはないが、改善によってその差は縮まった。
- 比較的新しいマイクロフォーサーズの競合機である2023年のパナソニックG9 IIにも引けを取らない。
- いくつかのアップグレードはハードウェアベースであることが明確であり、最初に思い浮かぶのはボディ内手ブレ補正(IBIS)の改善である。
- OM-1 IIの拡張メモリーにより、バッファ容量が2倍になった。特にスポーツや野生動物を撮影するカメラにとって、スピードを落とさずに連続撮影を続ける能力は非常に重要だ。
- しかし、このカメラがUHS-II SDカードに依存し続けなければ、OM-1 IIの性能はどうなるのだろうと思わないわけにはいかない。CFexpressカードスロットを搭載すれば、OM-1 IIは内部を大幅に変更する必要があるが、バッファの深さとデータクリア性能は間違いなく向上するだろう。
- 新しいゴム製のコマンドダイヤルははるかに操作しやすくなっている。
パナソニック G9IIが発売されるまで、OM-1はマイクロフォーサーズのフラッグシップ機として最高のカメラだった。G9 IIはオートフォーカス性能と動画機能でOM-1を上回ったが、私はOM-1 IIがマイクロフォーサーズ分野で再び最も魅力的なスチルカメラになったと言いたい。
バッファとオートフォーカス性能の向上は、最も必要とされていた重要な変更点である。それでも、OM-1とOM-1 IIの間に見られる全体的な微調整は、かなり些細なものであることは否定できない。
私はこの最新モデルを手に入れるために、オリジナルのOM-1やG9 IIのどちらかを捨てることはないだろう。新バージョンが登場した理由も、カメラの実際の改良よりも、ブランド名の変更の方がはるかに大きいかもしれない。
残念なことに、これらの変更には高い値札もついており、より多くのユーザーをG9 IIやオリジナルのOM-1に押しやる可能性がある。しかし、OM-1 Mark IIはマイクロフォーサーズのラインナップの中で、高速アクション静止画に関しては再び総合的なリーダーであるという事実から目をそらすことはできない。
買うべきか?
既にOM-1を持っている人は買わない方が良い。AF性能の向上は歓迎すべき点ではあるものの、本格的なアップグレードというよりは、QOLの向上のように感じられる。
OM-1を既に検討している人や、初めて本格的なマイクロフォーサーズカメラを購入しようとしている人ならありうる選択肢だ。その観点からは素晴らしい。
とのこと。
2022年に登場したOM-1をベースとして、バッファを強化しつつAFの改善や機能を追加した新型モデル。主な特徴は「人物検出の対応」「2倍のバッファ」「ライブGND」と言ったところですが、その他にも細かい点で強化が施されているようです。大部分はソフトウェアの変更であり、ハード的な変更点はダイヤルの操作性とバッファの大容量化のみ。将来的にOM-1にもファームウェアアップデートで対応できるのか不明。
PetaPixelのレビューによると、従来通りの優れた操作性を継承しつつ、操作性・機能性が改善している模様。特にAFアルゴリズムに改善が見られるようで、従来機から大幅に向上していると言及しています。実際、前景の遮蔽物越しに被写体を捕捉している作例を掲載。このようなシーンはOM-1が苦手とする状況だったので、このあたりが大幅に改善しているのであれば使いやすそうですね。また、同様の改善点をPCmagも評価しています。
画期的なアップグレードではないものの、OM-1の不満点を着実に潰したマイナーチェンジと言えるかもしれませんね。差額分の価値を見出せるかどうかは微妙ですが、個人的には新機能と合わせて「価値がある」と感じました。(すでに予約済)静止画撮影の観点で見るとスペシャルなカメラに仕上がっているものの、全体的にはLUMIX G9 PRO IIに軍配が上がる模様。マイナーチェンジモデルのOM-1 Mark IIと比べると、G9 PRO IIはフルモデルチェンジしているのが印象的。静止画はそこそこで、動画撮影もするのであれば、G9 PRO IIのほうが遥かに機能的で便利なカメラと感じるかもしれません。
ちなみに私は現G9 IIユーザーで、OM-1 IIも予約済み。そのうち使い比べることができると思います。
OM SYSTEM OM-1 II Mark II 最新情報まとめ
- 発売予定日:2024年2月23日
- 初値
・ボディ:275,220 円
・12-40PROキット:339,570 円
・12-45PROキット:304,920 円
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新製品
主な仕様
赤字はOM-1との主な違いを示しています。
- イメージセンサー
・タイプ:積層型・裏面照射型
・有効画素数:2040万画素
・除塵ユニット:SSWF
・手振れ補正:8.5段分 - プロセッサ:TruePic X
- AFシステム:
・測距点:1053点
・測距輝度範囲:‐5.5EV~19EV
・被写体認識:車両・鉄道・鳥・犬・猫・人物
・その他:オールクロスセンサー
・AFシステムのリフレッシュレートが改善 - 連写性能:
・メカニカルシャッター:60-1/8,000秒
・メカ最大10コマ秒
・電子シャッター:60-1/32,000秒
・SH2 12.5/16.7/25コマ秒 追加
・電子AF/AE追従 50コマ秒
・最大120コマ秒
・フラッシュ同調速度:1/250秒以下
・連続撮影枚数:20fps 405枚 RAW・120fps 213枚 RAW - ライブND / ライブGND (ND2/4/8/16/32/64/128)
- ハイレゾショット 14bit RAW
- ファインダー:OLED 576万ドット 0.82倍
- モニター:3.0型 162万ドット バリアングルモニタ
- 動画:
・4K:60p LGOP 202Mbps
・FHD:60p ALL-I 162Mbps
・出力:MOV
・電子IS:対応
・連続撮影時間: - インターフェース:
・USB:USB 3.0 C端子 UVC/UAC
・ヘッドホン:φ3.5mm
・マイク:φ3.5mm
・リモート:φ2.5mm
・HDMI:D
・LAN:‐
・シンクロ:あり
・Wi-Fi:802.11a/n/ac/b/g/n
・Bluetooth:LE 4.2
・その他:φ2.5mm - バッテリー
・タイプ:BLX-1
・撮影可能枚数:500枚
・充電方法:USB-PD対応 - サイズ:134.8×91.6×72.7mm
- 重量:511g
- 防塵防滴:対応 IP53
- ボディ材質:マグネシウム合金