ePHOTOzineがリコーイメージング「PENTAX K-3 Mark III」のレビューを公開。いくつか不満点を指摘していますが、最終的な評価は4.5点と良好な結果となっています。
ePHOTOzine:Pentax K-3 III Review
カメラの紹介:
- 2015年に登場したPENTAX K-3 Mark IIの後継モデルである。主な特徴は2600万画素APS-Cセンサーと1.05倍の光学ファインダーだ。さらにAFシステムは新しくなり、お馴染みの手ぶれ補正やアクセラレータユニットを搭載している。
- 1899ポンドと非常に高価だ。PENTAX K-3 Mark IIの769ポンドとは対照的だ。フルサイズ一眼レフのK-1 Mark IIや競合他社のニコンD500、キヤノンEOS 90Dよりも高価である。
ビルド・外観:
- 本体はマグネシウム合金製だ。
- 防塵防滴仕様である。
- 外部充電器は付属していない。
- 箱の中にはマニュアルは含まれておらず、ダウンロードで閲覧することが出来る。
- USB接続時に「CD-ROM」を選ぶことで、カメラ内に格納されている「デジタルカメラユーティリティ5」をダウンロード可能だ。
- バッテリーライフは800枚だ。非常に良好だが、ライブビュー時は短くなる可能性がある。従来のバッテリ0と同じだが、ボディ内でUSB-C経由の充電が可能だ。
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- 優れたエルゴノミクスのカメラであり、特にグリップは快適で持ちやすい。
操作性:
- リーフスイッチのレリーズボタンはとても使いやすい。
- 上部LCDパネルには露出設定やバッテリー状態、メモリーカードの状態などを表示できる。バックライトの点灯時間はカスタマイズ可能だ。点灯用の専用ボタンが無いのは残念だが、ボタンカスタマイズで割り当て可能である。
- 3つ目のコマンドダイヤルを搭載している。これにAFモードやISO感度などを設定することが可能だ。慣れるまで少し時間がかかるかもしれない。誤操作しやすいので、使わない人はオフ設定も可能だ。
- スマートファンクションで5つの異なる機能を3つ目のコマンドダイヤルに割り当てることが出来る。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 光学ファインダーは屋内外で少し見づらい場合がある。
- ファインダー下部にはカメラ設定などが表示される。
- 光学ファインダーのアイカップは、顔全体をカメラに近づけるようなデザインになっているため、鼻がカメラに触れないようにすることが難しくなっている。
- ただし、ゴム製の柔らかいアイカップはとても快適で、必要に応じていつでもアイカップを交換することが可能だ。
モニター:
- 3.2型のタッチパネルを搭載している。
- タッチ操作に対応しており、メニューや設定の変更も可能だ。
メニューシステム:
- メニューシステムが一新されている。従来のメニューシステムに慣れている場合は新メニューに慣れるまで時間がかかるかもしれない。
- 色やテーマを変更可能だ。
- ヘルプシステムを搭載しており、機能を分かりやすく説明してくれる。
オートフォーカス:
- 測距点は101点あり、K-3 Mark IIをはるかに上回る。任意に選択できる測距点は41点であり、そのうち25点はクロスタイプである。
- 背面のジョイスティックを操作すると、フォーカスエリアを素早く移動可能だ。
- ライブビュー時や動画撮影時にモニタが動かないのはイライラする。
- 顔検出はファインダー・ライブビューで使用可能だ。
- 16-85mmと組み合わせた時、低照度でのAFは思っていたほど速くない。
連写性能:
- 最大で12コマ秒の連写が可能だが、バッファ数はかなり少ない。
- SD UHS-IIに対応しているのはスロット1のみである。
高感度ISOノイズ:
- ISO1600でディテールの低下が始まる。
- ISO 12800?25600付近で画質はさらに低下するが、ノイズは良く抑えられている。
- 必要な場合はISO 51200やISO 102400も実用的だ。これ以上のISO感度は避けたほうが良い。
- K-3 Mark IIと見比べてみると、ISO 25600以上でノイズ改善が顕著だ。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり:
- 優れた色再現性で、明るい彩度で見栄えの良い画質だ。
- タングステン灯におけるAWBは暖色傾向となる。
動画:
- 4K動画撮影時はクロップが発生する。
- 4Kは最大でUHD 30pまで撮影可能だ。
- マイクとヘッドホンを搭載している。
- フラットなプロファイルはあるが、ログは無い。
- ボディ内手ぶれ補正は手持ち撮影時に役立つが、パンの撮影時に苦労する。
- マイクレベルの自動設定は静かな場所ではゲインが大きすぎる。
総評
2570万画素 APS-C 裏面照射型CMOSセンサーと手ぶれ補正機構を搭載し、ノイズが少なく、色再現性に優れた高画質を実現している。また、3.2型のタッチパネルや1.05倍の大型光学ファインダーを搭載。さらに、優れたエルゴノミクスに基づいたデザインで、大きく快適なグリップと届きやすい位置にあるコントロールを備えている。
しかし、背面モニタはチルトしないため、ローアングルやハイアングルでの撮影が難しいことなど、改善してほしい点もある。欲を言えば、いくつかの些細な問題があるが、これらは簡単に慣れることができ、回避することもできる。
背面モニタ固定式がネックになる人もいれば、価格がネックになってこのカメラに手が届かない人もいるだろう。スポーツ撮影では、12コマ/秒の連写が素晴らしいものの、撮影可能枚数が少ないのは残念だ。そして、この価格で外部バッテリー充電器がないのは残念だ。また、ソフトウェアはカメラの内蔵メモリに保存されているが、そのことを説明するリーフレットやメモは箱に入っておらず、印刷された説明書も見当たらない。
既存のペンタックスユーザーにとって、PENTAX K-3 Mark IIIは素晴らしい選択肢となるだろう。また、新しいAFシステム、より高速な連写、内蔵しているWi-FiとBluetooth、大型の光学ファインダー、そしてもちろん手ぶれ補正システムの恩恵も受けられる。
- 長所:
・ボディ内手ぶれ補正
・2600万画素センサー
・12コマ秒連写
・優れた操作性
・防塵防滴
・1.05倍の光学ファインダー
・ヘルプシステム内蔵の新メニュー
・改善したAFシステム- 短所:
・外付け充電器が無い
・モニタ固定式
・浅いアイレリーフ
・価格設定
・内蔵ソフトに関する案内が無い
・連写時のバッファが少ない
・説明書が付属しない
とのこと。
今では珍しいAPS-C一眼レフの最新モデルですね。キヤノンやニコンが軸足をミラーレスに移す中で、力の入ったモデルを投入するのはペンタックスのみ。特に大型ファインダーを搭載したモデルは2016年のニコン「D500」以来でしょうか?さらに最新2600万画素センサーや一新したAFシステムなど、既存のPENTAXユーザーには嬉しいポイントが多い。
やはりネックとなるのは価格設定。現状でK-1 Mark IIよりも高く、最新レンズの価格もフルサイズを超えています。既存ユーザーならまだしも、新規エントリーは難しいカメラのように見えます。とは言え、12コマ秒の連写速度やタッチ対応の新メニューシステム、1.05倍の光学ファインダーなどはキヤノン・ニコンと比べても引けを取らず、面白いカメラに仕上がっているのは確か。
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