ePHOTOzineがライカ「SL2-S」のレビューを公開。価格設定は高いと言及しつつ、裏面照射型2400万画素センサーの画質はとても良好と評価しています。モニターが動かないことやライブビューの上下バー表示は不満とのこと。
高価だが優れたカメラ
カメラの紹介:
- 3975ポンドと比較的手ごろな選択肢のライカ製フルサイズミラーレスだ。とは言え、それでもかなりの出費となる。Lマウントライカレンズと併せて買う場合、最も安いレンズで3700ポンドだ。
- SL2と同じく5軸ボディ内手ぶれ補正を搭載し、225点のコントラストAFに対応している。ファインダーは同じ576万ドットで、モニタは同様の固定式3.2型タッチパネルモニタだ。
- Lマウントアライアンスの一員であるパナソニックやシグマのLマウントレンズを使うことができる。
- 最大25fpsの連写やピクセルシフトマルチショットの撮影に対応している。
- 最大で4K DCI/UHD 60pに対応、Full HDは180fpsに対応している。
- 主な仕様
・2400万画素裏面照射型CMOSセンサー
・Lマウント
・5軸ボディ内手ぶれ補正 最大5.5段分
・210万ドット タッチパネル式モニタ
・576万ドット 電子ビューファインダー 0.78倍
・225点コントラスト検出AF
・最大25fpsの連続撮影
・9600万画素マルチショットハイレゾモード
・ISO 50?100,000
・4K DCI 60p
・Full HD 180fps
・Bluetooth/Wi-Fi内蔵
・IP54規格の防塵防滴ビルド・外観:
- 外装はアルミニウムとマグネシウムを使用した総金属製だ。手に馴染みやすく、本当の高級感がある。
- SL2と異なりLEICAロゴが色づけされていない。ただし、赤いバッジはそのままだ。
- IP54準拠の防塵防滴仕様である。
- 左側面にはヘッドホンやマイク、フルサイズHDMIポートを備えている。さらにUSB-Cポートもあり、充電や給電に使用することが出来る。
- バッテリーライフはSL2よりも改善している。
携帯性:
- バッテリーとSDカード込みで931gと重いミラーレスだ。
- システム重量はレンズにもよるが、ミラーレスに一眼レフよりも小型軽量さを求めている場合は期待外れとなる。その場合は他のカメラを探したほうが良いだろう。
グリップ:
- 奥行のあるグリップでカメラをしっかりと握ることが出来る。
操作性:
- 背面左側には3つのボタンが配置されている。SLと異なり役割が書かれているので操作に迷わないはずだ。
- コマンドダイヤルとジョイスティックも搭載しているが、残念なことにジョイスティックは斜め操作に対応していない。
- 表示のないボタンがいくつかあり、慣れるまで時間がかかるかもしれない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 576万ドットの解像度を持つ0.78倍のファインダーだ。
- リフレッシュレートは60?120fpsを利用できる。
モニター:
- タッチ操作のレスポンスは良好である。
- モニタは固定式で傾けることはできない。ただし視野角はとても良好だ。
- 3.2型210万ドットの0.78倍だ。
メニューシステム:
- 静止画と動画のメニューシステムが分離している。他社がなぜこれを採用していないのか不思議に思えるほど良い感じだ。
- とても明瞭なレイアウトだが色分けはされていない。
オートフォーカス:
- 225点のエリアAFが可能だが、シングルスポットのAFでは625点から選択可能だ。
- 正確で良好に機能する。顔と体の検出が可能だが、瞳検出には対応していない。将来的にファームウェアアップデートで対応するのが望ましい。
連写性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- ISO 50はダイナミックレンジが大きく低下するので避けるのがおススメだ。
- ISO100?100,000の常用ISO感度は素晴らしい性能である。
- ISO 6400や12500でもノイズはきちんと抑えられている。
- ISO 25600も実用的だが、ノイズが強くなる。
- ISO 50,000以上は避けたほうが良いだろう。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり機能:
- 色再現は自然にみえる素晴らしいものだ。
- 露出の信頼性は高い。
- 非常にシャープだ。ハイレゾモードを使うことで9600万画素の高解像イメージを得ることが出来る。
- ホワイトバランスは良好に機能する。
動画:
- MOV/MP4で最大400Mbpsの4K 4:2:2 10Bitの撮影が可能だ。
- 8Bitモードでは4K 60pmの内部記録対応している。4K 60p 10BitモードはHDMI出力限定だ。
- ガンマは709やL-LogRecなどに対応している。
- 2021年春に予定されているファームウェアアップデートで、個別にカスタマイズしたLUTのアップロードが可能だ。HEVCにも対応予定である。
- モニタが動かないのでVlogには適していない。
総評
画質も良く、ノイズ性能にも優れていて満足する結果が得られる。使っていて少し不満に思ったのは、画面上にバーが表示されていることだ。フレームに何が写っているか写っていないかに確認したい人にとっては、これは本当にイライラする。そして実際に見落としているような気がする。電子ビューファインダーを使えば、このようなことは無い。
無制限の動画撮影が可能なライカSL2-Sはビデオグラファーには最適なカメラのように見えるがモニタが固定されているのでVlogには適していない。
SL2-Sは優れた結果が得られる素晴らしいカメラだが、スチルカメラとして市場に出回っているカメラと比較すると価格は飲み込むのが難しい。同様にビデオグラファーは同じような価格で8Kや4K 120fpsに対応する他の選択肢が存在する。モニタ固定が気に食わないという人もいるだろう。
ライカSL2-Sは、素晴らしい結果をもたらし、高速撮影や無制限の動画撮影が可能で、予算に余裕がある人にとって長年にわたり画質を維持できるカメラとなるはずだ。
- 長所:
・2400万画素 裏面照射型CMOS
・576万ドット 0.78倍 EVF
・無制限4K動画
・Adobe DNG RAW
・9600万画素ハイレゾモード
・IP54の防塵防滴
・バッテリーライフ- 短所:
・コントラストAF
・モニタ固定
・ライブビューの上下バー表示
・価格
・サイズと重量
とのこと。
カメラのスペックを考慮すると高すぎる感はありますが、コストパフォーマンスをライカに求めるのも酷というものでしょう。価格設定は置いておくとして、優れたカメラに仕上がっているみたいですね。「LUMIX S5」のライカ版のようにも見えます。コントラストAFには注意が必要ですが、その他の使い勝手は良さそう。ライブビュー状の上下バー表示は確かに少し邪魔と感じるかもしれません。パナソニックでも右側のFnバー表示が邪魔と感じる場合があります。
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