PhotographyBlogがソニー「ZV-E10」のレビューを公開。ZV-1と比べて内蔵NDが使えなかったりするものの、大型センサーと幅広いレンズラインアップの興味深いVlogカメラと評価しています。
PhotographyBlog:Sony ZV-E10 Review
ビルド・外観:
- 一見しただけでは見分けがつかないほど、α6xxxxシリーズのカメラに似ている。しかし、「ZV-1」から受け継いだいくつかの重要な違いがある。
- カメラのコストを抑えるためにプラスチック(ポリカーボネート)製のボディを採用しているが、実際に手に取ってみると、良好に組み立てられていることがわかる。
- 小型軽量だが、悪天候時に安心して撮影できる防塵防滴仕様ではない。
- ZV-1には搭載されている内蔵NDフィルターが無い。
- NP-FW50バッテリーは非常に小さいので、動画撮影を予定している方は数本購入するか、モバイルバッテリーを準備しておくのがおススメだ。
携帯性:
- サイズは115.2×64.2×44.8mm、重さはバッテリーとメモリーカードを入れて343gと、α6400よりも小型・軽量だ。
グリップ:
- 深さはないものの、比較的幅広で持ちやすく、大きめの背面サムレストと相まって、片手で撮影しても十分な安心感が得られる。
操作性:
- 従来の「撮影モード」ダイヤルが廃止され、カメラ上部のモードボタンに「静止画」「動画」「S&Q(スローモーション動画)」のスイッチを搭載している。
- モードダイヤルが無いと不便かもしれないが、実際には問題とならない。
- 埋め込み式の大きな動画撮影ボタンが追加されている。急いでいるときにも見つけやすい大きさだ。
- シャッターボタンを囲むようにズームレバーを内蔵している。動画撮影では便利な機能である。
- 露出操作はα6400とほぼ同じだ。シャッターボタンの近くにコマンドダイヤルが欲しい。
手ぶれ補正:
- ボディ内手ブレ補正は、残念ながらこのカメラに搭載されていない。
- E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSのように、手ぶれ補正機構を搭載したレンズを使用する必要がある。静止画撮影時には数段分の補正効果が得られ、動画撮影時には軽い動きを滑らかにすることができる。
- 動画撮影時(静止画は不可)には、電子式手ブレ補正機能である「アクティブステディショット」を使用可能だ。これは、フレームをわずかにクロップして、画像フレームをデジタル的に移動させて、大きな動きを補正する。
- アクティブ手ぶれ補正は手持ち撮影で非常に安定した映像が得られ、歩行時には激しい振動以外はすべて取り除かれ、非常に効果的だ。
ただし、わずかにクロップされるため、Vlogの場合はフレーム内の顔が大きく見えてしまうので、広角レンズを使う必要がある。- 通常はアクティブ手ぶれ補正をオフにしておくことをおススメする。
ファインダー・モニター:
- 他のα6xxxカメラとの大きな違いの一つとして、電子ビューファインダーがなく、背面のバリアングル液晶画面を搭載している。
- α6400とまったく同じ3型ワイド液晶モニター(解像度92万ドット)を搭載している。しかし、今回はバリアングル式となっているので、横に展開したり、前方に180度回転させたりできるので、Vlogや自撮りに最適だ。
メニューシステム:
- タッチパネルに対応しているが、残念なことにメインメニューやクイックメニューの設定を操作することはできない。
オートフォーカス:
- 最近のα7シリーズやα9シリーズに搭載されているAF機能は、基本的にすべてZV-E10にも搭載されている。
- 静止画撮影時だけでなく、動画撮影時にも瞳の検出に対応している。これが非常によく効く。最近のα7のように、どの瞳にピントを合わせるかを選択することも可能だ。
連写性能:
- 「α6400」と同等の連続撮影機能を搭載しており、メカニカルシャッターで11コマ/秒、電子シャッターで8コマ/秒の撮影が可能だ。
- 連続撮影では99枚のJPGファイルと46枚のRAWファイルを記録することができる。
高感度ISOノイズ:
- 粒状性やディテールの損失が少なく、非常にきれいな画像だ。
- ISO 6400では、ノイズの増加とディテールの減少がわずかに見られるだけで、この感度は完全に使用可能だ。(訳注:おそらくISO 3200の誤記)
- ISO 6400になると、粒状性とディテールの平滑化がより深刻になるが、決して見苦しいものでは無い。
- ISO 12800は、粒状性の高さ、ディテールの消失、ダイナミックレンジの狭さから、許容できる画質の上限となる。
- ISO 25600および51200は、粒子や色ノイズが目立つため、避けた方がよい。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- ZV-E10はα7シリーズのミニチュア版のようなカメラだ。α7シリーズの上位機種に搭載されている動画機能がほぼすべて搭載されている。
- すべてのピクチャープロファイルが正しく表示されるので、α7 IIIなどのカメラで撮影した映像と合わせることができ、スタジオでの撮影にも最適だ。
- α6xxxシリーズと違う点として、上部に3つのカプセル型指向性マイクを搭載している。
- マルチインターフェースシューは必要に応じて互換性のあるアクセサリを装着することが出来る。電源を供給したり、ワイヤレスでマイクを接続することが可能だ。
- ZV-E10のボディ前面には、現在の動画撮影状況が一目でわかる録画ランプ(タリーランプ)を搭載し、液晶画面には赤色の録画警告マークが表示される(いずれも消灯可能)。
インターフェース
- 側面には、HDMI、USB-C、そして重要な3.5mmマイク・ヘッドホン入力の4つの外部端子がある。
- HDMI出力は、動画撮影の外部出力にも対応しているが、外部機器を接続すると、このカメラが小型のVlogカメラである意味が薄れてしまう。
- USB-C端子から電源を供給することで、外部給電での撮影や、電源オフ時の充電が可能だ。
ZV-E10は、APS-Cセンサーを搭載したα6xxxシリーズと、昨年発売されたコンパクトカメラZV-1の良いところを組み合わたVlogger向けのカメラでありながら、低価格を実現している。純粋なスチルフォトグラファーにはあまり適していないが、それでも、動画やVlogに主眼を置いている方や、ハイブリッド・シューターの方には一見の価値がある。
2000年代初頭にデジタル写真がブームになったのと同じように、動画コンテンツ制作もブームになっている。ZV-E10のようなカメラをスマートフォンの代わりに使えば、被写界深度がより浅くなり、低照度下での撮影性能が向上するなど、創造性を発揮できることは間違いない。これは、購入を正当化するのに十分な理由になる。
同じくVlogger向けの「ZV-1」と比較すると、「ZV-E10」はセンサーの大型化とレンズの柔軟性という主なメリットがあるが、「ZV-1」の非常に便利な内蔵NDフィルターや最先端のハイスピード動画モードがなく、追加購入するレンズを考慮すると価格も高い。
それでも、キットレンズ付きで770ポンド/800ドルというソニーのZV-E10の価格は、驚くほど手頃な価格だ。カメラ機能の多くが最近のα7シリーズと同じであることを考えると、非常にポータブルなボディに多くの技術が詰め込まれていることがわかる。全体として、ZV-E10は、ソニーAPS-Cミラーレスをより動画に特化させるための最初の試みとしては、非常に良いものだと思う。他に見られないような純粋な新機能は無いものの、大型センサーとZV-1のVlog機能、そして膨大な種類のレンズを使用できるという組み合わせは、非常に魅力的だ。
とのこと。
ハードとしての中身はα6400世代とほぼ同じですが、動画特化のコンパクトカメラ「ZV-1」に寄せたデザインのミラーレスとなっていますね。従来のソニーAPS-C Eマウントとは一線を画すボディデザインとなっており、特にバリアングルモニタやウインドスクリーンに対応している内蔵マイクが魅力的と感じる人が多いはず。
ただし、ボディ内手ぶれ補正を搭載しておらず、レンズ側の手ぶれ補正への依存度が大きいのはマイナスポイント。電子式手ぶれ補正を利用可能ではあるものの、ローリングシャッターが遅めのZV-E10での過信は禁物。
自ずとVlogに使えるレンズは限定されます。特に光学手ぶれ補正を搭載した超広角レンズは「E 10-18mm F4 OSS」しか存在しないので、「手ぶれ補正重視×広角重視」ならば追加投資で5?7万円は用意しておいたほうが良いかもしれません。さらに、内蔵NDを搭載していないので、動画撮影時のシャッタースピードを調整している人は広角レンズに合わせた大きなNDフィルターを用意する必要があります。
総合的に見るとZV-1と比べて追加投資が大きくなる可能性が高いものの、これまでにない面白い選択肢となるのは間違い無さそう。将来的にボディ内手ぶれ補正や高速ローリングシャッターに対応した後継モデルが登場すると存在感がグッと高まりそうですね。
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