レンズの基本仕様や使い勝手
型番 | 25mm F1.2 PRO | XF35mmF1.4 R |
---|---|---|
レンズ構成 | 14群19枚 | 6群8枚(非球面レンズ1枚) |
焦点距離 | 25mm(35mm判換算50mm相当) | f=35mm(35mm判換算:53mm相当) |
画角 | 47° | 44.2° |
最大口径比(開放絞り) | F1.2 | F1.4 |
最小絞り | F16 | F16 |
絞り形式 | 9枚 |
|
撮影距離範囲 | 0.3m |
|
最大撮影倍率 | 0.11倍 (35mm判換算0.22倍相当) |
0.17倍 (35mm判換算0.25倍相当) |
外形寸法:最大径×長さ(約) ※先端よりマウント基準面まで |
Ø70 x 87mm | ø65.0mm×50.4mm |
質量(約) ※レンズキャップ・フード含まず |
410g | 187g |
鏡筒材質 | 金属 | 金属 |
フォーカス方式 | インナータイプ | レンズ繰り出し |
フィルターサイズ | 62mm | 52mm |
防塵防滴 | 対応 | 非対応 |
絞りリング | 非搭載 | 1/3段クリック |
フォーカスリング | 電子制御式 動作:滑らか ハードストップあり |
電子制御式 動作:少しざらついている |
AF/MF切替 | リングクラッチ式 | カメラ側制御 |
ブリージング | 小 | 大 |
25PROは性能と価格なりのサイズ。携帯性を重視すると許容範囲ギリギリ。比較してXF35はAPS-CのF1.4と考えると非常にコンパクト。
サイズや耐候性を無視すると似たような使い勝手ですが、マニュアルフォーカスの滑らかさや精度は25PROが遥かに良好です。
レンズの描写傾向
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
描写傾向
後ボケ
芯を溶かすほど滲みのある極上のボケ。
芯が残らないボケ質は視覚的に被写界深度を浅く感じさせ「おや?マイクロフォーサーズの割にボケが大きいぞ」と感じるかもしれません。
滲みのあるボケ描写はおよそ絞り開放からF2まで続く。F2.8~F4まで絞ると収差が無くなり一気に被写界深度が増すように感じます。
前ボケ
前ボケも悪くは無いものの、後ボケと比べてやや硬調。
前景がある程度フレームに入るのであれば1段くらい絞ると良い感じ。
ボケの色づき
後ボケは滲みが大きいためか色づきが目立たない。やはりF2程度まで滲みが伴い、それ以降の絞り値では一般的なボケ質に変化する。
前ボケの縁には色づきが発生するものの、発生量は軽微。
口径食
XF35と比べて口径食の影響は軽微。
絞り開放の解像性能
XF35と比べて明らかに良好。フレーム四隅まで大きく描写が乱れていない点はGood。
解像性能が高いレンズやボケ質が綺麗なレンズは多いですが、両方を併せ持つレンズは少ないですね。
その他
- 大口径レンズながらオートフォーカスは高速かつノイズレス。フルサイズから1型センサーまで一眼カメラを使ってきましたが、ここまでオートフォーカスが快適な標準大口径レンズはお目にかかったことがありません。
- マニュアルフォーカスはレスポンスが良く精密なフォーカシングが可能。フォーカスクラッチを操作することでハードストップのあるフォーカシングに変化する点もGood。
- インナーフォーカス。
- ブリージングが小さく高速AFや動画撮影時に恩恵が大きい。
- 防塵防滴。
- 高価(XF35 F1.4 Rの倍)
使いこなしのポイント
絞り開放から2段絞り程度までシャープさと美ボケを両立。それ以降の絞り値では後ボケの滲みが消えて状況描写に向いたボケ。
近接では前ボケを引き締める意味でF1.4~F2まで絞って使うと良い感じ。
ボケの色づきは皆無で無いものの、実写で描写を損ねるほど色づきが発生するシーンは稀。それでも気になる場合は1段絞ると改善し、2段絞ると解消します。
解像性能は開放から安定していますが、絞って劇的に向上することはありません。
XF35mmF1.4 R
描写傾向
後ボケ
25mm F1.2 PROと違い芯が残るものの、滲みを伴う滑らかなボケ質。25PROと比較しなければ十分に綺麗と言う事が出来るでしょう。被写体と背景の距離が近い場合は25PROの滲むボケが有効となりますが、背景までの距離が遠い場合にはセンサーサイズで有利なXF35のボケが大きくなる。
気になるポイントとしてフレーム四隅における大ボケがイビツな形状に変形している。口径食の影響でしょうか?
1段絞るとこの傾向は改善され、2段絞るとスッキリ解消します。
前ボケ
後ボケと比べて硬調ですが、25PROよりも滑らか。
後ボケと同じくフレーム隅のボケが変形していますが、後ボケほど影響は受けていないようです。
2段絞るとレンズの味が消えて使い易いボケ質へ変化。
ボケの色づき
色ずれ量は25PROと同程度。
後ボケは口径食とボケの縁取りが相まって25PROよりも騒がしい印象。
一方で前ボケは口径食の影響を受けながらも滲みが25PROより強くソフトな描写となっています。
口径食
25PROと比べて小口径のレンズながらフレーム四隅における口径食は比較して大きい。
特に点光源が多数フレームに入るようなシーンでは玉ボケが騒がしくなる可能性があるため、必要に応じて絞るシーンが出てくるかもしれません。
絞り開放の解像性能
25PROに差を付けられるポイント。中央はとてもシャープで像高7割程度まで良像をキープしているが、さらに外側はとても甘い。
XF35でF5.6まで絞った描写と25PROのF1.8?F2.8の描写が同程度。
像面湾曲による影響も僅かにあるらしく、試しにピントを四隅に合わせてみると僅かに解像性能が向上しました。
その他
- オートフォーカスがノイジー、さらにフォーカス速度はミラーレス一眼のレンズとしては遅い。
- 三脚に固定してオートフォーカスを作動させたところ、一定して前ピンの傾向がありF1.4の被写界深度でピント合わせが難しい。(レンズ個体の問題かは不明)
- マニュアルフォーカスの精度が25PROと比較して悪い。と言うよりも細かい動作に対応出来ていない。
- 繰り出し式のフォーカシング。
- 1/3段ごとにクリック感のある絞りリング搭載。
- 非防塵防滴
- 比較的安価。
使いこなしのポイント
25PROほどではありませんが、滲むボケ質はなかなか良い。芯がやや残り、口径食の影響も大きいため、後ボケが騒がしいと感じる場合は2段絞ると良し。
ボケは25PROよりもニュートラル寄りで前ボケが比較して良好なので積極的に前ボケを入れてみたくなる。
F1.4からシャープな中央フレームと違い、四隅はとても甘い。これを改善するためには少なくともF4、ピークに達するためにはF8まで絞る必要があります。
実写サンプル
ボケ質比較
絞り開放
F1.4
F1.8
F2.0
F2.8
F4.0
F5.6
ボケ質比較2
絞り開放
F1.4
F1.8
F2.0
F2.8
F4.0
F5.6
ボケの色づき
絞り開放
F1.4
F2.0
F2.8
解像の安定性
*25PROは50MPハイレゾショットでレンズの粗が目立つように撮影しています。
F1.4
25PRO(F1.8)・XF35(F5.6)
?総評
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROはスペシャルなレンズ
どちらも滲みを伴う上質な後ボケですが、XF35mmが”綺麗なボケ”だとすると25PROは”スペシャルなボケ”。
絞り開放からのシャープさと滲みのある後ボケを両立している点で凄まじい。
欠点が少なく状況に依らない安定した描写は頼もしく使いやすい反面、レンズの味を楽しみたい人にとってツマラナイと感じるかも。
被写体や構図が定まっており、尚且つイメージ通りに表現したいのであればXF35mm F1.4よりも適しています。
高価なレンズなので諸手を挙げて万人にオススメできるレンズとは言えませんが、軍資金に余裕があるのであれば悩む必要が無い選択肢。
XF35mm F1.4 Rは機能的にリニューアルが必要
XF35は芯が残り口径食の影響が大きいボケ質のため、状況によって当たり外れのある描写。ハマるときは25PROよりもハマる。これをレンズの味として楽しめるのであればアリ。
描写以外の部分で気になるポイントがいくつか存在し、フォーカス駆動は特に目立つ。オートフォーカスでもマニュアルフォーカスでも駆動音が大きく、細かい微調整に対応できていない。その精度は接写の絞り開放で影響をモロに受けるかもしれません。
さらにAFは快速な25PROの速度と比べて遅く、ハンチングし易い暗所での撮影テンポが低下します。
しかし、価格を考えると楽しい描写のレンズ。後ボケはとても滑らかで綺麗ですので、フジフイルム一筋ならば是非買うべきオススメの一本。
購入早見表
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