FA77mm・DA★55mm悩める2択を５ポイントで比較する

リコーイメージング公式より　DA*55mmF1.4

リコーイメージング公式より　FA77mmLimited

最近カメラ機材の記事ばかり書いている気がする。段々と機材オタクの気が露呈している感があるが、とりあえず今回もそんな機材のお話。ご容赦を

中望遠にして、大口径。このレンズのどちらを買うかで迷っている方も少なからずいるかと思う。私もそのウチの一人。
今回は自分自身の迷いを断ち切る為、レンズに迷える子羊の群れを沼に陥れる為に記事を書いていきたいと思う。

Kマウントの伝説、FA77mmF1.8Limited。DA★の中でも取り分け光学性能の優れた防塵防滴レンズのDA★55mmF1.4SDM。この魅力溢れる2つの単焦点のどちらを買えばより満足出来るのだろうか。断っておくが、「これぞボケ味！」なる数値上では表現できない点は個人差があるので言及しない。あくまでも数値上から分かる点についてだ。

どちらのレンズもPENTAXレンズの設計者で有名な平川純氏が携わった設計だ。平川氏は他にも

• DA 10-17mm Fish-Eye
• DA 14mm f2.8
• FA ★ 24mm F2.0 AL
• FA 28mm F2. 8AL
• FA 35mm F2
• DA 40mm F2.8 Limited
• FA 43mm F1.9 Limited
• DA ★ 55mm F1.4 SDM
• FA 77mm F1.8 Limited
• FA ★ 80-200 F2.8
• FA ★ 85mm F1.4 (IF)

などの有名ドコロのKマウントレンズに携わった方らしい。（camera-wikiより）これは期待出来るじゃないか…。描写の傾向は77mmと55mmでは似つかないらしいが、どちらもKマウントで買っておきたいレンズとしてよく名前が上がる2本。まずは両レンズのスペックを見比べて見よう

スペック比較

DA★55mmはフィルター径が大きいので、フィルターを買おうとすると相応に高くなるので気をつけよう。つまり、77mmLTDの方が初期投資は高いが、フィルターを揃えるならばDA＊55mmの方が高くつく。撮影倍率はドッコイ、撮影距離はさすがに55mmに歩があるか。DA★55mmはレンズが多いためかFA77よりも大きく、重い。F1.4は伊達じゃないぜ。smc-mの50mmF1.4やF1.7のレンズと比べると大きい。これは防塵防滴やSDMによる機構の違いが大きいだろう。

また、両レンズともフルサイズでの使用が可能。FAはもともとフィルム機用のイメージサークルで、DA★55mmもどうやらフルサイズでもいけちゃうらしい。つまり両方ともレンズ資産として持っておいても遜色はないだろう。

被写界深度に違いはあるか？

被写体距離（3ｍ）

参考にFA31mmの被写界深度も記載した。被写界深度でDA55ｍｍとFA77ｍｍとでは開放絞りでは1.5倍の深度の差がある。同様の絞り値にしたならば2倍の深度差だ。しかし、画角に違いがあるので77mmで３ｍならば、同様のアップを撮るなら55mmで2.14ｍまで近づく必要がある。
その際の被写界深度は

と、上記の様になる。するとF値が同様であれば、当たり前だが被写界深度はFA77ｍｍと同じ結果となる。逆にF1.4の開放ではさらにぼかす事も出来る。画角の違いこそあれ、F値が小さい分DA★55mmの方が表現の幅は広いと思われる。

焦点距離の違いはどれほどか？

画角にして28.6°と21°。より被写体を切り抜きやすいのは77mmだろう。55mmは比較すると背景を混ぜやすく遠近感も付けやすい、付いてしまう。主題を切り取りやすく画になり易いが、他の77mmユーザーの写真と似てしまう。自身で楽しみ、写真を撮るのであれば77mmだろう、SNSなどで写真を共有する場では工夫をしなければ他のFA77ｍｍユーザーの写真に淘汰されてしまう。主題が明確な分、被写体選びがより重要。

それに比べるとDA★55mmの画角はまだ個性を出しやすい。背景はF1.4でぼかすのか絞って解像させるのか選択出来、画角の調整も解像感を活かしてトリミングすれば良い。自由が利くのはやはり画角の広い55mmだろう。しかし自由が利く分、77mmよりも「何を撮りたいのか分からない」写真に陥りやすい。フレームワークが重要。

また、ポートレートの場合は広角側にいけばいくほど遠近感が強調されてしまう為、顔が歪んでしまう。英語サイトではあるが、距離別のポートレート写真を掲載しているレスが存在するのでココで確認してみよう。どうも海外でもこの２つレンズの2択で頭を悩ませている方がいるみたいだ。
DA*55mm or FA77mm LTD

機能性の違いはどれほどか？

DA★55mmは現代のデジタル対応レンズだけあってクイックシフトフォーカスや防塵防滴、SDMなどが実装されている。特に防塵防滴機構によって高価なレンズを雨や埃の心配をせずに使える事は大変なメリットだろう。

ポートレートでは、手前の目にピントの微調整を行うのもクイックシフトフォーカスによりし易い。FA77mmはさすがに10年前の設計のレンズなので勝手が悪いのはしょうがない。機能面でFA77mmを持ち上げる事はできない。

?代用品は存在するか？

たとえばDA★55mmであれば、SIGMAの50mmF1.4が存在する。まあ、値段がドッコイなので、そりゃ純正でスターレンズの55mmいくっしょ？となる。F1.4で縛るとPENTAXマウントは選択出来るレンズが限られてくる。FA50mmF1.4と言う選択も忘れていた。実売3万円ほどなので、DA★55mmからコーティング差と防塵防滴とクイックシフトフォーカスSDMを抜けばまあそんな値段だろうか？カリカリの解像感と防塵防滴が必要無く、単純にF1.4が欲しいのであればFA50mmF1.4がお手頃だ。

FA77mmLTDは直近ではFA85mmF1.4が存在。私自身は手持ちにTAMRONのSPAF90mmF2.8（タムキュー）があり、使い勝手が被ってしまう。絞り開放での77mmF1.8と90mmF2.8の被写界深度はほぼ同じ。画角の違いとボケ味、サイズが違うが主題を切り取る使い方においては3万円のタムキューと7万円のFA77ｍｍの差額4万を埋めるだけの写真がそこには存在するだろうか？（あるような、ないような…）

買うならどっちだ？

理性的に言えばDA★55mmF1.4SDMだろう。FA77mmを敢えて選ぶメリットは数値上からは存在しない。しかもテレコンバーター*1.4を装着すればDA★77mmF2.4SDM（まるで狙ったかのように77mm！とネタに出来る）。もし55mmが短すぎる！って事ならば方の次の選択肢は77mmと85mmと90mm、100mmとなるだろう。

私の中ではDA★55mmに揺らいでいるが、しかし…しかし、FA77mmF1.8Limitedを捨てきれない。

それは世間様の評価があまりにも高いので、「それならちょっと買っちゃおうかな」と言う群集心理にも近い誘惑がそこにある。DA★55mmとFA77ｍｍとでは、どちらが先にディスコンになるだろうか？どちらもフルサイズで使用可能なので、それならば設計やコーティングが古いFA77mmではなかろうか？ディスコンによる価値の上下やサポートの有無などなど、しなくてもいい心配をしてしまう。

いや、最終的にはどっちも買うけどね

順序をつけるならば、私はDA★55mmが必要でFA77mmは代用の利くタムキューを持っているので次回と言う考え方。
さてさて、自分の頭の中の整理もついたし資金繰りを早速（ｒｙ

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