今年もあとわずかとなってきたので、2024年に登場したOM SYSTEM製品をおさらいするページを作成。
Index
何が登場したのか?
他のメーカーを含めた一覧表は「2024年 カメラ・レンズの新製品・噂情報 早見表」を参照してください。
ミラーレスカメラ
- OM SYSTEM OM-1 Mark II
- OM-D E-M1 Mark III ASTRO
OMデジタルの2024年は2月に発売したフラッグシップ最新モデルで華々しくスタート。さらに7月には天体撮影向けにチューニングを施した「E-M1 III Astro」をリリースしています。
上位モデルばかりのように見えますが、どちらも全く新しい製品ではありません。センサーや処理エンジンなど、コアとなる部分の世代交代はなく、既存製品のマイナーチェンジに近い。
そして、欧州のUSB統一法により「OM-5」「E-M10 Mark IV」「E-P7」がリニューアルされるかと思いきや、今のところ動きは無し。(これらの製品はUSBポートがmicro Bのまま)
交換レンズ
- M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 II
- M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5-6.3 IS
- ロゴ変更(OLYMPUS → OM SYSTEM)の既存レンズ多数
カメラと同じく、全く新しい製品ではありません。9-18mmは既存製品の光学系を継承しつつ、外装やロゴを変更したマイナーチェンジモデル。150-600mmはシグマ「150-600mm F5-6.3 DG DN OS」をベースとして外装などに手を加えた製品と思われます。
カメラ・レンズ共に全く新しい「新製品」と呼べるものは登場しておらず、オリンパス時代と比べると勢いが非常に衰えた印象。オリンパス時代の貯金(もともと研究開発していたもの)は全て出し切ってしまったように見えます。
それぞれの製品を振り返る
OM SYSTEM OM-1 Mark II
- OM SYSTEM OM-1 II Mark II 最新情報まとめ
- プレスリリース
- 商品ページ
- 発売日:2024年2月23日
- ボディ:275,220 円
- 12-40PROキット:339,570 円
- 12-45PROキット:304,920 円
2022年に登場したOM-1をベースとして、バッファを強化しつつAFの改善や機能を追加した新型モデル。
主な特徴は「人物検出の対応」「2倍のバッファ」「ライブGND」と言ったところですが、その他にも細かい点で強化が施されています。また、OM-5と同じくブランドが「OLYMPUS」から「OM SYSTEM」に変更となりました。
実際の使用感として、OM-1で不満だった「被写体検出時の前景移り」が緩和され、瞳検出時に良く粘るようになっています。特に遮蔽物が多い野鳥の撮影では改善を実感すると思います。瞳の検出が途切れると不安定となりますが、これは他社も同じ傾向。OM SYSTEMはもう少し「頭部」に粘ってくれると、さらに安定しそうですが…。
大部分はソフトウェアの変更であり、ハード的な変更点はダイヤルの操作性とバッファの大容量化のみ。将来的にOM-1にもファームウェアアップデートで対応できるのか不明ですが、8月にAF性能向上の最新ファームウェアを公開しています。ライブGNDなどは何等かの原因でファームウェア更新だけでは実装できないと言われていますが、詳細は不明。
管理人のレビュー
- OM SYSTEM OM-1 Mark II AFレビュー 実写編 2024年3月24日
- OM SYSTEM OM-1 Mark II オートフォーカス性能を確認する 2024年3月4日
- OM SYSTEM OM-1 Mark II 手振れ補正とバッファの性能を確認する 2024年3月3日
- OM SYSTEM OM-1 Mark II ファーストインプレッション 2024年3月1日
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 II
- OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 II 最新情報まとめ
- 商品ページ
- 仕様表
- 発売日:2024年 2月23日
- 初値:¥59,400
現行レンズとしては最古参の「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6(2010年 発売)」をOM SYSTEMにリブランドした「II」型。外装は一新されましたが、光学系や沈胴構造などの操作性に大きな変化はありません。構造的に前期型よりも堅牢となったのかは不明ですが、少なくとも防塵防滴には対応していません。外装のデザインに抵抗がなければ、手ごろな価格の前期型を手に入れるのも一つの選択肢。
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M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5-6.3 IS
- OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS 最新情報まとめ
- 商品ページ
- 仕様表
- 発売日:2024年3月
- 初値:396,000 円
2024年1月に発表されたOM SYSTEMの超望遠ズームレンズ。同システムでは最も焦点距離の長い600mmをカバーしており、フルサイズ換算で1200mmに相当。さらにテレコンバージョンレンズに対応しているで、最大で1200mm(2400mm相当)の画角を利用可能となっています。
外観・レンズ構成からシグマのフルサイズ対応レンズ「150-600mm F5-6.3 DG DN OS」とよく似ており、M.ZUIKOのベースとなっている可能性が高い。フルサイズ用のレンズがマイクロフォーサーズでも実用的なのか気になるところ。
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2025年に期待すること
TruePix X 世代の拡充
現時点で最新の画像処理エンジン「TruePix X」を搭載した製品はOM-1 / OM-1 II のみ。他社であれば、フラッグシップモデルを皮切りとして続々と新エンジンを搭載した製品が出てくるところですが…。残念ながら2022年以降の新製品でも旧世代のエンジンを搭載したモデルが多い。
- OM-5:2022年11月:TruePic IX
- E-M1 Mark III 派生モデル:TruePic IX
OM-1のセンサーとエンジンから出力されるJPEGはノイズ処理が非常に良好なので、是非とも他の機種で搭載してほしいところ。特にPENシリーズはTruePic VIIIのE-P7から更新が止まっているので、2025年に何らかの動きがあることを期待。
とは言え、オリンパスから分離したことで、コンシューマー向けの新製品を開発できるほどのリソースが残されているのか不明。
(ベトナム工場以外はこぢんまりとした会社で、「実験室」や「生産技術センター」を見ると、ちょっと厳しいかなぁ…という印象は拭えない。実験室の向かいには巨大なオリンパス社屋が見えます。)
E-M1 Mark III 派生モデルのように、既存製品を使ったBtoBやニッチな用途の製品が続くのではないかと予想。
レンズは?
レンズロードマップ最後の未発表レンズ「Telephoto zoom」が一つ残っています。40-200mmのPROシリーズとなりそうですが、詳細は不明。このレンズが登場すると期待したいところですが…。
昨年登場した「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」を最後に新設計のレンズは登場していません。しかし、このレンズも構想や設計はオリンパス時代から進んでいたと思われ、完全なOM SYSTEM ブランドとは言えない製品。
では、OM SYSTEMから研究開発がスタートしたレンズは登場するのか?今のところ、国内の特許出願は何も公開されていません。オリンパス時代の分割特許がいくつかあるのみ。
新レンズが登場するとしたら「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5-6.3 IS」のようにレンズメーカーの既存製品を流用するか、「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」のように開発まで依頼するパターンか。(参考:20mm F1.4はシグマの特許出願が公開されています)
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